きみに殺されたい、なんて告白は背負いきれない

kimi ni korosaretai, nante kokuhaku ha seoikirenai

きみに殺されたい、なんて告白は背負いきれない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
2
得点
19
評価数
6
平均
3.5 / 5
神率
33.3%
著者
崎谷はるひ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
しなやかな熱情
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784344855465

あらすじ

新海円が営む小さなカフェバーを、雨に濡れた霧島久遠が訪れたのは十年前。それ以来、店に通うようになった久遠には、重すぎる過去があるようだが、そこには深く立ち入らず、やがて体の関係となった新海は、恋人というわけではなく、つかず離れず、ゆるやかに凪いだ関係を続けている。そんなある日、「区切りをつけたことがあって」と、旅行に行こうという久遠に新海は、区切りをつけられるのは自分か――と思い……!?

表題作きみに殺されたい、なんて告白は背負いきれない

ジュエリー工房の職人兼副所長、新海のバーの常連
カフェバーのマスター、元高校球児

その他の収録作品

  • きみと生きたいというには、まだ覚悟がない
  • あとがき

レビュー投稿数2

新たな一歩を君と

今回はジュエリー職人とカフェバーマスターのお話です。

受様のバーの常連からセフレとなった攻様が
受様の恋人になるまでと恋人となった後日談短編を収録。

受様は小学校から野球づけの人生でしたが
高校の春に右腕に不調をきたして手術を受け
野球が2度とできない身体になります。

そこそこ裕福な実家所有のカフェバーを格安で借り
店主兼料理人兼バーテンダーを勤め
老後のための貯金をする程度に稼げている今は
穏やかに生きることを信条としています。

筋肉質な体形のため何かスポーツをしたいたかと問われて
野球少年だった過去の話をしても胸が痛まなくなり
積み重ねる時間の優しさと足るを知ることの大事さが
何事でも大事なのだと思っています。

恋愛についても過度に求めず
入れ込み過ぎずやわらかに付き合えるのがよく
ここ10年ほどはジュエリー工房副所長で
自らもジュエリー職人である攻様と着かず離れず
セフレ関係を持っています。

攻様はそこにいるだけでパッと場が明るくなるような
独特の華やかさのある男です。

攻様と出会って10年
当初ははかなり荒んだ気配を纏っていた攻様ですが
近年はだいぶ穏やかになりました。

最近はセックスの回数も減り、ただ穏やかに酒をたしなみ
美味しい料理をつまむだけの付き合いも
悪くないと思った受様ですが

攻様の親友でジュエリー工房所長の同性婚が決まり
今後を心配された攻様も想うところがあるようで・・・

慈英×臣シリーズのスピンオフ作の
「インクルージョン」のスピンオフ作です。

攻様は既刊では彼女持ちで
本作の組み合わせはちょっとびっくりでしたが

崎谷先生のあとがきによると
いろいろと面倒くさくてこじれた攻様なので
受様という相手が現れるまで形にならなかったとの事
確かにタイトルからしてかなり重くて不穏です (ᗒᗣᗕ)

物語は受視点で進みます。
常連客とマスターでセフレ関係な2人の今から始まり
2人の出会いから今までに受様の過去が絡めて語られ
攻様が変わっていこうとすることで
攻様の過去が語られると言う仕立てです。

攻様は初恋相手に裏切られたトラウマが大きく
見た目でモテる事もあって恋愛に本気になる事がなく
受様という相手も最初は体のいい相手だったと思われます。

しかし受様は攻様ほどに繊細ではないので
10年も関係が続いても心地よい関係性であれば無問題で
攻様が始めた関係なので終わらせたいなら
それもありかと思っているような男なのですよ。

受様って人間関係に上下をつけないというか
それぞれの受け取り方をそのまま受け入れている感じで
そんな受様に攻様が勝てるわけがないですよね。

恋愛関係に勝ち負けはないとしても
最終的にはより惚れる方が負けるかなと思っているので
ヘタレな攻様が男前な受様にベタ惚れな本作は
楽しく読ませて頂きましたが

攻様のトラウマを生んだ初恋女性が
かなりこじれているので女性からみが苦手な方や
明るい展開がお好きな方はご注意必須です。

攻様の親友のパートナーである編集者が
本作でもナイスアシストしていて楽しかったです。

1

出てくる女性の言動に振り回されて終わってしまった

楽しみにしていた、崎谷先生の新刊。
読みやすく、世界感に没入できる先生の文章がとてもとても好きです。

でも、今作は「共感&萌え」という意味では、終始ローテンションで
(それどころか途中激しく萎えて)終わってしまった…


こちら、慈英×臣シリーズのスピンオフ作品です。

実は慈英×臣のお話は全て読んできたわけではなく。
ただ、シリーズの別のスピンオフ作品、灰汁島セイ×瓜生くんという
「こじらせ作家」シリーズが大好きなため、新刊もいけるかな?と思い
拝読しました。

シリーズ未読の方でも、こちらの新刊、問題なく読み進められます。
ただシリーズの人々がちょこちょこ話に出てくるので(灰汁島も出てきて嬉しかった!☺︎)、人間関係等を知っていた方がより楽しめそうかなと思います。

で、こちら、超絶美形年上(なんと、アラフィフ!?)の攻め・
ジュエリー工房副所長で職人の久遠 × 寡黙朴念仁受け・新海 というカプのお話です。

カフェバーを経営する新海のお店へ、偶然やってきた久遠。
そこから店主と常連客という関係になり、やがて体の関係を持つようになり、
気付けば10年経っていてー

そんなある日「区切りをつけたい」という久遠の言葉を聞き
”関係の終わり”を意識した新海は、覚悟をするけれど…


と続き、10年もセフレのような関係(厳密には”セフレ”ではない)を
続けている”踏み出せない”男達のもだもだ恋の行方が描かれています。


うーーーーーん、最初に描いたとおり、攻め受け共に「共感&萌え」があまり
感じられず、終始ローテンションで終わってしまいました。。

それどころか、久遠(攻め)の恋愛トラウマとなった兄嫁・真央(まなか)が
なかなかに好感度”激低!!!”タイプで(あくまでも自分の中で、ですが;)
読みながら気持ちがずーん…と沈んでしまいました。
(※以下大きなネタバレとなりますので、未読の方、ご注意ください)



久遠の気持ちが自分ではなく、久遠の実の兄へと向かっている…と
思い込み、久遠を苦しめるためその兄と結婚した真央。
(↑実際、激重感情的なものはあるけれど、久遠→兄への気持ちは恋愛感情ではないです)

…いや、「結婚するから」って宣言する三日前までセックスしてて、
突然「お兄ちゃんと結婚します」って、何!?
久遠の気持ちどころか、恐らく真央のことが好きであっただろう久遠兄のことも
激しく侮辱してるし傷つけてるし…

で、その兄がガンで亡くなった後、しばらくも経たないうちに
久遠に連絡&再会して「別の人と結婚してやり直すから」って…

もう、気分が悪いなんてものじゃなく、、
読みながら混乱して「はひ!?」とリアルに変な声が出ました。

そりゃ、重いトラウマにもなるわ…と久遠に同情。

で、とどめが今作のタイトルにもなっている
「わたし、瞬(久遠兄)には愛されたかったけど、久遠には殺されたかったのよ」


という真央のセリフ。
…もう、自分には意味が&わけがわからなかった。。。

久遠兄も兄で「謝らないからな」と言い放つところも、
兄&兄嫁まとめて自分の中でその言動に「????」となりました、、


と、最高に気分の悪くなった久遠の”過去話”なんですが、
それをひっくり返してくれるような久遠×新海の恋への萌え…が、
得られなかった。。です。。

久遠がヘタレすぎて。
そして新海が朴念仁のローテンションで、何考えてるか分からなさすぎて。

攻め受け共に、終始「なんかもうちょっとこう…」と思ってしまいました、、
特に受けの新海の恋情というものが掴みにくく、
自分としてはもっともっと、「好きなんだ!」という気持ち・熱量を感じたかったな。

互いが互いを求めてやまないー
という熱い展開を(勝手に)期待していた身としては、あれっ?と
肩透かしを食らった感じでした;

攻め視点で書かれていたら、見える景色が違ったかな?とも
一瞬思ったのですが。
それはそれで、真央や兄との確執が激重&黒すぎて
二人の恋に萌えるどころじゃなかっただろうなー…と(遠い目)。

とにかく、”真央”という女性の存在に攻めも読者の自分も振り回されたな…と、
疲労感を覚えてしまう一冊でした。


この二人の愛の形には、今回自分はうまく乗り切れなかったけれど。。
先生の「こじらせ作家」シリーズの主役二人は大大大好きですし、
慈英×臣カプにも萌えます。
糖分と萌えは、別カプの方で思いっきり摂取させていただきます…!

5

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