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ななのこと、生まれてはじめて大事にする人になりたい。
nanashi no anata ni koi wo shimashita.
「5分後に孵るのを待ってる」を読んで、違う作品も読んでみたくなったので購入しました。
そのときとは絵柄が変わっていましたが(線も違う)、やはりとても個性的な作風でした。
主人公は格闘技(ジークンドー)が得意な男子高校生みなと。道場が治安の悪い町にあり、そこで知り合ったフリーター2人と三人でいつもつるんでいます。
あるとき肝試しでとある廃ビルの屋上に行ってみたところ、屋上で名前のない男と出会います。
みなとは男に「なな」と名前をつけて、しょっちゅうこの屋上で遊ぶようになるのですが……、というお話。
ななの生い立ちについて、こんなことあり得るのかなと読みながら時々まじめに考えてしまいました。(まあいまの世の中何があってもおかしくはないですが)
ななの父親(といっても親でもなんでもない)は気まぐれにロッカーで拾ったらしい子供を、放置しつつ薬漬けにしつつ身体を売らせて、最終的にはまた捨てたわけなのですが、その辺りはさらっと流すように書かれていて、ななの心の闇の部分もあまり描かれずに、そのひまわりみたいな明るい笑顔の印象が前面に押し出されています。
この二律背反な感じは、いくらでも掘り下げようとおもえば掘り下げられると思いますが、この作品ではその辺りはむしろぼやかして、社会からはみだしている男との、風変わりな交流に焦点を当てています。
BLになり得るのかも私の中では謎なのですが、みなとがピュアなのも手伝って(こちらも少し変わっている)最終的には家族になっているのが、現代のファンタジーだなと思いました。みなとの御両親はそれでいいのか、とか、戸籍どうなってる、とか、思うところはたくさんあります。
作品世界の底にはものすごい暗部があるのに、その上にふわふわしたものを積み重ねて、ふわふわの表面だけをいい感じにコーティングしたものがこの作品、という気がしました。
ディスっていません。個性だと思っています。次の作品も楽しみに待っています。
作者さんの前作が大好きで、こちらの作品も一話を読んだのですがちょっと好みのCPじゃないかも・・・と思ってそのままだったのを単行本になっていたので意を決して購入。
結果、気付いたら読みながら泣いてました。しんどい。
やっぱりチ点先生の漫画、唯一無二の世界観ですごい。
BLとして萌えを求めて読む物語ではありません。
受けの境遇が軽やかに静かにしんどいです。
でも、色々考えさせられる。
実際こういった生き方をしている子がいると思うと胸が張り裂けそうに苦しいです。
この物語のナナも簡単にハッピーエンドにはならない。
それでもミナトのような存在が傍に居ることで普通の幸せを感じられるようになったナナを見られて良かった。
物語におけるアイテムの使い方や台詞回しがとても素敵でした。
決して気軽なお話ではないけど読んでほしい、多くの人に。
前作の「5分後に孵るのを待ってる」を読んで、
あの心臓を抉られたような感覚が忘れられなくて。
高校生のみなとは友人と一緒に忍び込んだ廃ビルの屋上で
服をはだけて笑顔でタバコを吸う変な男に出会います。
男は名前がないというので名無しの“なな”と名付けることに。
以来、ななに会うために廃ビルを訪れて一緒に過ごすみなとでしたが、
ある日、意識が朦朧としたななから襲い掛かられて…。
前作でも仄暗さは終始漂っていたけれど、今作ではその重みが比ではない。
捨て子、無戸籍、ネグレクト、性暴力、薬物…と可愛らしい絵柄に反して
ヘビーが過ぎる。
いつもヘラヘラと楽しそうに笑い、わんこのようにみなとに懐いてくる
ななの人生はあまりにも過酷すぎました。
薬物を摂取したせいなのか意識が混濁したななが
売春の顧客か、おとうさんと間違えてみなとに
フェ●をしてくるシーンがあるのですが、その気持ち悪さにぞくりとした。
ななにとってはこれは異常なことではなく、日常なんだ、と
その不快さと悲しみに胸が押しつぶされそうでした。
全ては気まぐれにななを拾ったくせに名前すらつけず、
満足な食事も、教育も、愛情も、何も与えてくれなかった“おとうさん”の罪。
なな自身には何一つ咎はない。
字も読めなくて、普通に働くこともできないから身体を売るしかなくて、
それなのにこんな過酷な人生を幸せそうに受け容れているなながしんどかった。
だからこそ、みなとの無垢な愛に救われました。
そこには下心も欲もなくて、
ただななを助けたい、幸せになって欲しいという純愛しかない。
ななが姿を消しても諦めず、ななにもう一度会うためだけに待ち続け、
ひとりぼっちのななに会いに来てくれたみなと。
ななの人生は辛いことでいっぱいだけれど、
みなとに出会えて、愛されたことだけは幸せだ。
ハッピーエンドではあるけれど、正直手放しの大団円とも言い難い。
ななにはこれまでの薬物依存や心の傷などが残っていて、
ふとした瞬間にそれが顔を覗かせる。
みなとはそんなななを優しく見守って包み込んでくれるけれど、
この先も二人の未来は乗り越えるべき苦難は少なくはないのだと思う。
それでも、ななの傍にみなとが居てくれると思えば少し胸がほっとする。
「何事もゆっくり覚えていきましょう 時間はたっぷりあるから」と
決してなな一人に頑張らせるのではなく「一緒に」と言ってくれるみなと。
ほんとどこまでいい男なんだ、スパダリかよ。
あと、ストーリーに直接的には関係ないのですが、少し画風が変わられた?
愛らしい雰囲気は変わらないけれど、前作よりも可愛さが増したような。