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kimi to kuraseba
エロス度★★★★
おやおや。シェアハウスでありながらたった2人だけの居心地抜群な特別な場所というのが尊いですね。
八木と小糸が紡ぐ祝福の恋物語・・・開幕。
受け視点と攻め視点が楽しめる構成がいと素晴らしい。
また、古澤エノ先生のイラストもめっちゃ好きです。
八木に片想いしながらも過去の失敗から想いを募らせるばかりでアクションを起こそうとしない小糸の心情が刺さったり、小糸に対してだけ態度・言動など全てが小糸全肯定マンと化す八木の特別対応っぷりが最高で、濡れ場では優しいSっ気を見せる八木や彼を煽る小糸に悶えました。
憧れの朝食とささやかな幸せについてのBLだと思います。
あとね、自分の身の丈を知ることの幸運についても。
アクチュアリーとクラフト作家とカップリングにニッチさを感じて、なんだかとても安西先生らしい(?)とニヤける設定。個人的にあんまり馴染みのある職業ではないのですが、攻め受けのキャラクターとその職業で生きていこうと決めた背景がとてもしっくりきていて、ラブ以外の部分でとても読み応えのあるパートだと思いました。特に、受けさんの作品、なにかモデルのあるのかしら?だとしたらめちゃくちゃ知りたい!っていうくらい魅力的に描かれていました。”小糸”という人物が創作する世界観としての説得力がすごくありました。
あと、物件の趣!こういうお家とても好き。実際住むのに工夫がいるんでしょうけど、不自由さをセンスでカバーしているのがとても素敵でした(憧れる…)。寒くて暑いだろうなwって思うんですけどね、、朝食の描写とか本当にワクワクしました。価値観というより、生活習慣とか些細な行動の前提が一緒の相手って本当に一緒にいて心地よいだろうなっていう気持ちを読者にさせるさり気なさ、そこから実は…っていう展開でどんどん引き込まれます。
ただ、個人的には攻め受けのキャラクターにそこまでハマれなかったというか、捻くれ者なので、攻めのお兄さんのキャラ(嫌な奴なんだけど悪い人ではないんですよ)には共感ではないけど、まぁ凡人として理解できる。。。っていうところが半端なかったです。すでに他のレビュアー様も書かれていますが、お兄さん(離婚前提なんだけどw)スピンオフ、面白いかなって思ってしまいました。
雑誌掲載時に生活描写ばっかり楽しくて、ラブはそこまで、、とか思ってたんですけど、今回攻め視点の描き下ろしがラブの解像度をぐっとあげていて、それがとてもよきでした!
今回はシェアハウス暮らしの会社員とクラフト作家のお話です。
受視点で両片思いの2人が恋人となるまでと
攻視点で恋人になった後日談続編と短編を収録。
受様は高校時代に羊毛フェルトに興味を持った事で
創作を始め、美術系学校への進学を望みますが
親の反対で大学に進学します。
学生会館の寮で傍若無人な同室者に困った受様は
仲の良い友人が入居するシェアハウスを紹介され
一もニもなく飛びつきます。
そのシェアハウスは留年中の先輩の祖母の家で
先輩がバックパッカーとしてが意外に出ても
後輩達が持ち回り当番制で運営していました。
受様は大学卒業後はクラフト作家となったものの
万年金欠でここでの暮らしも8年目となりますが
今は受様と2学年で入居してきた攻様と2人暮らしです。
というのも大学のキャンパス移転で
攻様の年次以降は現住人が出ていくだけで
去年就職した攻様は自転車で通える職場だからと
住み続けていました。
攻様と2人になった時点でハウスを畳む話が出るかもと
戦々恐々でしたが、今のところは話もなく
攻様との2人暮らしは前よりも快適な暮らしとなり
受様が前から感じていた攻様への"いいな"という感情が
積み重なっていきますが恋心は封印して
現状を維持しています。
ところが思いがけない出来事によりそんな関係が
変わる事件が起こるのです。
それはバックパッカーの大家の孫の先輩が
突然シェアハウスにやってきたことがきっかけで・・・
雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
シェアハウスで同居する攻様と受様の恋物語になります♪
大学入学で入居したシェアハウスで知り合った
攻様と受様の恋はかなり横道な設定で
受視点ながらも早い時点で両片思いな状況が見て取れ
受様のクラフト作家としての稼ぎが不安定で
激安シェアハウスでの生活ありきという不安要素と
受様の初恋相手との手酷い失恋という背景もあり
きっかけさえあれば好転しそうに見えるのですが
ここからがかなり予想外でした。
連絡もなくシェアハウスに現れた大家の孫の言動を
元から変わった人だと知る受様は特に気にしませんが
初対面の攻様は訝しむのです。
私も受様よりも攻様よりな思考で読み進めていきましたが
大家の孫の正体と攻様が隠していたある事によって
事態が大きく変わていってびっくりでした。
その後の展開は受様次第なところもありましたが
良い関係に進展してのハピエンでとても良かったです♪
書き下ろしの攻視点続編が
受視点本編の裏側がしっかり描かれていて
それぞれが相手をとても大切に想っていることが伝わり
後書後の短編で受様がクラフト作家として着実に
進んでいく姿まで見られて大変満足のいく
1冊となりました (^-^)/
安西リカ先生は読み終わって「ほぉ」っと感じさせてくれる数少ない作家さまだと思ってます。安定の面白さで尚且つBBAにトキメキもくれるなんて!シェアハウスの同居人から恋人になるまでが、読んでてこそばゆくなるのですよ。
雑誌掲載の表題作は受け視点で、書き下ろしの「ミューμ」が攻め視点でした。どちらも凄く良かったです!小糸視点で彼のDK時代の苦い恋の顛末を知るのですが、書き下ろしの八木視点のお話を読むとその印象がガラッと変わるのです。お見事としか言えませんでした。
また小糸視点では八木への想いが育たないように堪えているんですが、読者から見れば八木の気持ちはあからさまな感じがして期待大な訳なんです。2人の関係が膠着している所に、家主の孫の服部だと言う男性が現れるんです。
シェアハウスに2人で暮らしている罪悪感から服部に対して好意的な小糸に対して、彼の行動を警戒して小糸のセコムと化してる八木にドキドキしてしまいました。
凄く好きだったのが2人の暮らしぶりでした。老夫婦のような穏やかさと、新婚夫婦のような気遣いに何度キュンとしたことか!
最近私は異世界転生ものにハマってますが、このように現代ものも凄く良いと再確認しました。
また、書き下ろしの「ミューμ」では八木と性格が合わない体面ばかり気にする兄の選択が凄く気になりました。彼の数年後の後悔から人生をやり直すお話とか読んでみたいです。
このお話を読むと八木の本気度や気持ちの強さ、小糸に対する熱量が分かると想います。表題作が良い意味でガラッとイメージが変わると思います。
家族の中にいて違和感と孤独感を感じていた八木が、小糸といる事でやっと安息を得た事に安心しました。なので余計に兄の選択が愚かでこれからが気になりました。彼のような選択で幸せになる人もいるのかも知れませんが、八木が語る彼の最後のシーンに執着と損失感を感じてしまいました。彼のスピンオフとか読んでみたいです。薄い本でもかまいません。八方美人で自信家な仮面を剥がすような出会いを読みたいです。もちろん離婚後です。
久しぶりに熱く語りたくなる作品でした。
これぞ安西先生の日常BL!
シェアハウスのちょっとレトロな一軒家とか2人で食べるご飯や掃除の仕方など、暮らしの描写が丁寧で色鮮やかでこの家に流れる温かい空気感がとても伝わってきました。
クールで落ち着いた男前の年下執着攻め×芯のあるぽわんとかわいい健気受け
古澤エノ先生の表紙や挿絵も素晴らしく、シマエナガやちょっとした細かい描写も物語にきちんと合っていてとにかく眼福。八木と兄の対決場面、最高でしたw
途中まで攻め受け共に、八木×小糸と名字しか出てこないのに、
小糸が中学時代に失恋した相手の名前が妙に珍しい名字で、複数回フルネームで登場したのに疑問を挟んだ頃に理由が判明しました(笑)
なるほどなるほど…。
2人のやり取りは自然で無理がなく、お互いに本当に気が合うと思っていることが伝わってきます。
想いが通じた後、エッチな場面になると、受けはめっちゃくちゃ可愛くなります。攻めはピュアな受けにキスや愛撫を教えつつ、挿入までにしっかり時間かけたそうですよ。
大事にしてる感がとにかくすごい。
攻め視点ネタバレ↓
安西先生の作品では定番ですが、受け視点と攻め視点両方楽しめるのも良かった!
前半は受け視点なので、想いが通じ合ったのは良かったとして、攻めがどこで受けのことを好きになったのか?などは薄味に感じましたが、攻め視点で何なら最初から気に入っていたし、付き合うことになった受けのことを「やっと手に入れた」と捉えていることが分かりますww
しっかり受けに片想いしてた年下攻めが可愛い。
というか、何ならずっと受けと居たくて就職先選んだりして、かなり優先順位高くしてる執着ぷりに驚きです。
しれっとしてるクセに。
まだ(当時)片想いだったクセにーー!
朝の洗面所や、朝食のベーコンエッグの火の通り具合。
さらっとさり気なく添えられた数行だけで、そこで人が暮らしているのが伝わってくるリアルな生活感のある描写が好きです。
情景描写も素敵で、きっとほどよく年季が入った物件なのだろうなあと自然と頭の中で想像を膨らませたくなります。
1ページ目をめくり、ふと気が付けば読み終えている。
安西先生の書かれるお話って、なぜこんなにも読みやすいのだろうかと毎回不思議でなりません。
いわゆるシェアハウスものなのだけれど、どちらかというとゆったりと時間が流れる2人暮らしものといった感じ。
大きな出来事はそこまでなく、暮らしの中でじっくりコトコトと育つ2人の関係性を見守る…というのかな。
あたたかいものを飲みながら、落ち着いた作品が読みたい方にはぴったりなのではないでしょうか。
雑誌掲載されていた部分は既読でしたので、前半部分に関していえばもう少し盛り上がりがあった方がより好みだったなあと初読時に感じたのを思い出しました。
そうなればやはり、楽しみなのは書き下ろしの後半部分。
前半の小糸視点でも、八木から小糸への好意めいたものはひしひしと伝わってくるものの、どこでどう好きになったのか?彼の内面は?と、やや物足りなさや疑問点が残っていたんですね。
そんな疑問を全部まとめてすぱっと解決してくれる後半の八木視点は読んでいて気持ちが良かったです。
前半で漏れ出ていた、受けのことが好きでたまらない様子と執着度のバーを超えてきてくれる攻め視点ってやっぱり良いものだなあ。
受けが知らないちょっと狭量さを感じる性格や、隠しきれない独占欲が見られるのもうれしいポイントでした。
お互いのことを尊重し合いながら、2人の暮らしと関係性をとても大事にしている、相性の良い2人の柔らかな雰囲気が素敵な1冊だったと思います。
萌え度的にはもうひと息なにかがほしく、星5評価とまではいかず…でしたが、暮らしの舞台となる味のある物件も相まって、終始穏やかな気持ちで読めました。
先生買い。雑誌で前半は読んでいたのですが、改めて読んでもほっこりです。キャラクターにそんなに入れ込みはしなかったので萌にしました。本編130Pほど+その続き80Pほど+あとがき+小編。
ちょっと大きめの戸建て「シェアハウス服部」で生活している小糸と八木。もとは大学近くだったのだけど、今や大学は移転して新しい住人は増えず、会社員となった八木と二人暮らしで・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
瞳(♀、受けの中学からの友人)、服部(♂、シェアハウスオーナー孫)、攻め家族ぐらいかな。
++攻め受けについて
攻めはモテモテだけどしっかり自分を持っている男という印象。就職先も「大手だから!」という理由ではなく、自分のやりたいことが出来そうということで選んでいる感じ。いわゆる優良物件。
受けはクラフト作家・・というには、ちょっと作品の売れ行きが物足りないですが、クラフト作家。ちょっとアート寄りのものを作る方。本人は可愛らしい印象です。ぽやぽやん♡っとしているように印象受けたのですが、クラフト作っている時の集中力、頑張り度合はピカイチ★な印象です。
そんな攻め受けの恋話です。ちょっと受けのアート作品を見てみたい気持ちになりましたねー。あとシェアハウス。その空間に入ってみたいなあと思う一冊でした。
安西リカ先生×古澤エノ先生、最高のタッグによる、なんっって素敵な物語……・:*+.
キラッキラの表紙からも伝わってくる幸福感。
(あの、安西先生がXでお知らせしてくださってたのですが、
表紙の小糸(受・右側)の足元を…足元をぜひ見てください!
シマエナガのスリッパ…!可愛すぎて昇天。)
読んでいる間中、ドキドキ&ときめきが止まりませんでした。
読み終えた今も興奮冷めやりません。
大学時代、同じシェアハウスで暮らしていた後輩×先輩。
社会人になり、他の住人たちが皆去ってしまった後、図らずも二人きりでの同居生活が始まってー
と続く、両片想いの物語です。
前半が受け視点、後半の描き下ろしが攻め視点で読めるのも嬉しい!
前半部分が「二人が恋人同士になるまで」のお話。
それ以降のお話が攻め視点で後半に語られており、二人の関係性の変化と、
結ばれてからの生活までじっくりと追えて、歓喜歓喜です。٩(ˊᗜˋ*)و・:*+.
古澤エノ先生のイラスト、どのページも神がかった美しさなのですが、
作中で鍵となる、小糸のクラフト作品・シマエナガのイラストがもうーーーー!!!
可愛すぎる。そして小糸っぽすぎる。
この、主人公で受けの小糸という人物の内面のしなやかさに、強く強く惹かれてしまう物語でした。
過去のトラウマから、八木への好意を封じ込め、また所謂”会社員”ではない、
収入の少ない自分に引け目を感じていたりする小糸。
だけど、実は”ものすごく芯のある人”なんだなと感じました。
八木からされた思いがけない提案やショップオーナー・柳からの一言に
ハッと驚き、
「たとえ流されていたとしても 行き先は自分で決めたい」と考えるシーン。
はたまた、「きっとこの先、自分がものすごく成功することはないだろうな」と
感じていても「自分のすべての情熱をかけられる人生でよかった」と言い切れるところ。
一見ひ弱そうに見えるけれど、その実しなやかな強さのあるところがとても眩しく、
自分も明日への活力、希望をもらえた気がしました。
人付き合いが不器用で、ぶっきらぼうに見える攻め・八木視点の後半が、またいい…!!
どれだけ彼が小糸に執着しているか、愛しているかが伝わってきて、
一人「くううっ」と声を漏らしてしまいました(。-∀-)
そんな日常の恋の様子を描いた中に、なかなかの「えっ!?」という設定・展開を
持ってきてくださる安西先生、さすがです。。
全然気づかなかったよーーーっっ!(自分が鈍感なだけかも;)
そして小糸の親友・瞳ちゃんの存在がまた、物語を明るく彩ってくれますね。
本当に素敵な人。
ぴったり、隙間なく合わさる二人の形。
家族との関係に複雑な事情を抱える小糸だけれど、あとがきの後の掌編で
一筋の希望が見えたものまた、グッと心に刺さりました。
大波のようなドラマティックさはないけれど、なんともいえない切なさや
愛・友情の温かさを感じさせてくれる物語。
安西リカ先生29冊目のディアプラス文庫も、最高に沁みるお話でした✨
読めたことに、感謝です☺︎
安西リカ先生といえば、日常BL。日常BLといえば、安西リカ先生。
シェアハウスから始まる擬似同棲な恋愛模様の描きがとっても素敵でした!
日常の一部分を切り取った、すぐ側にあるような息遣いを感じる空気感を文字から醸し出す筆致はさすがです。
2人が共に生活する空間が非常にナチュラルで、現代ものが大好物な私のハートにクリーンヒット!!キャラクターやストーリーといった目に見えて分かる要素だけじゃなく、そこに漂う雰囲気や匂いや距離感といった目に見えない要素も最高でした。
物語の前半は受け視点(両片想い期)で、後半は攻め視点(恋人期)。まぁ、よくある王道の構成です。
攻めの八木視点のストーリーは、受けの小糸視点のちょっとした補完ストーリーにもなっていて、2人の出会いが描かれているのと同時に、八木と八木兄とのマウントバトルシーンもあり。これがすっごく面白かったです( ´∀`)
八木兄のザマァ展開に思わず、プププ……
小糸と八木兄は同級生で、過去に小糸は八木兄にフラれたことがあるのですが、そのとき小糸が受けた苦しみを八木が代わりに復讐するようなやりとりが、もー最高すぎる。八木がカッコいいのよ、八木が。
八木兄、すげー嫌なヤツだったから超スッキリしました。そしてダサい……(笑)
……とまあ、このように。八木という男は小糸をこよなく愛しているわけです^ ^
どこを切り取っても、好きの足跡がクッキリ。クールな溺愛が染みます。
前半の小糸の視点の話なんか、八木への片想いが切ないストーリーではあるんですよ。でも、小糸視点なはずなのに、何でか八木の溺愛がダダ漏れになってるところが面白くて、どんだけの好きが染み出してるんだとツッコミたい(笑)
結果、物語まるっと攻めの八木の愛に満ち溢れた話になっていて、切ないテイストであっても幸せの匂いをずっと感じ取ることができるので、楽しくて仕方なかったです(〃∀〃)
2人のだけの特別な空間で、同じ時間を過ごし、同じものを食べ、同じように安らぎを感じていく……といった同じものの共有や共感をお互いに楽しんで生活していく2人の姿に思わずニンマリ。特別なことは何もない普通の日常ですが、彼らにとっては特別な時間なんですよね。
日常こそが贅沢なひとときなんだと主張するこの作品の世界観に深く酔いしれました。
同居から同棲へ。
共に暮らすことの意味が変わっていく関係性の移ろいはこの作品の見どころです。
素敵なストーリーにドキドキがいっぱいで、素晴らしい読後感でした♪( ´▽`)