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konnnakoi mo warukunai
表紙買いして失敗することは多々あるのだが、逆は少ない。
なぜなら表紙がイマイチだなと思えば、なかなか購入には到らないから。
しかし今回は表紙でどうかな?と思ったこの本が、わりと当たりだったので得した気分だ。
吉野ルカは初読み作家。
絵もストーリーも地味なのだが、その他愛もない日常が意外とグッときたりした。
表題作は些細な事ですれ違うも、改めて互いの存在の大きさを知る2人を描いたお話。
要するにコレただの痴話喧嘩じゃないのか、と言いたくなるくらいラブラブなオチであった。
その短編もなかなかに切なくてキュンとくる。
全体的に受けは少し抑圧的な傾向があるようだ。
そして自分を押さえつけ本心を隠しながら生きることに疲れ果て、それを攻めによって解放されるというパターンが多い。
中でも上司である課長への恋心を知られてしまったが為に、それをネタに体の関係を強要される「君は知らない」は秀逸。
課長、それに恋する受け、そこに付け込む攻めという図式が、最終的には見事に変化する。
「好きな奴がいます」と、すごく好きだった相手に泣きながら言える受けが強烈にカワイイ。
どのお話もキャラが同じ顔に見えてしまうのがやや惜しいところだが(笑)、カップルに着目すると黒髪が攻めというルールがあるので非常に分かりやすくはあった。
そしてエロシーンについては、激しくはないがそこはかとなくやらしい雰囲気はある。
ちょっとした日常や、些細なことで揺れ惑う人間の気持ちなどを描くのが上手な作家かもしれない。
地味だが読んで損したとは思わない作品群だとは思うので、機会があればぜひ。
何かが足りない感じがする作品でした。
日常の些細な出来事を取り扱っている作品が多いので、どうしても地味なストーリー展開になるのはいいんですが、あと何かもう少し欲しかったなという印象です。
印象に残る台詞とか、カットがあればまた違ったんだろうなとは思います。
なので、比較的ドラマチックにお話が進む「守ってあげる」は一番印象に残りました。
初読み作家さんで絵柄に慣れてないせいかもしれませんが、キャラが被っている作品がいくつかあって、登場人物が同じに見えるのが少し気になりました。
もう少し髪型なり顔のパーツなり変えてくれた方が読者としては楽しいのになぁ~。