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concrete garden
作家さんの新作発表
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表題作の「コンクリート・ガーデン」は、ページ数で言えば同時収録の「クロックダウン」よりも短い作品です。
でもその短さの中で、偉そうな言い方ですが、緻密に練られた構成が展開されています。こんなに美しい短編は、読んだ事がないかも…
高校を卒業したばかりの主人公、清春の仕事は、ある重要人物の「お友達」。その仕事は、重要人物である「彼」自身が清春を指名したものだった。よく分からないまま「彼」と「お友達」になる清春。
人間と違う生き物である「彼」と清春は、本当の意味で寄り添うことができるのか……
コンクリート・ガーデンの簡単なあらすじはこんなところです。
これ以上書くと絶対話のネタバレをしてしまうし、興味を持った方は是非実際に読んで面白さを実感してほしいです。
「たった一人の相手と出逢う」のがこの作品と、同時収録の「クロックダウン」二作品にまたがるテーマだと思います。
唯一無二の私とあなた…みたいな感じです。
SFが大丈夫な人は、是非手に取って読んでみて下さい!!おすすめです!
コンクリートガーデン
最初の数ページはちょっと難しい?お話なのかな…と思っていました。
読むにつれ、だんだんと引き込まれてしまいました。
こうゆうお話が大好きなんですよね。
受けが特殊な存在で何か抱えてたり、攻めが不器用で素っ気ないが受け大好きだったりと本当に萌えます。
雌は雄と接触し初めて生殖準備に入る…なんて美味しい設定なのだろうと思ってしまいました。
受けの性別が変わったとはっきり書かれていませんので、ここは両性具有と解釈します。
完全、女体化は苦手ですので…。
セクピスもそうですが、寿たらこ先生の世界って素晴らしいです。
難しい部分もありますけど、そこら辺は自分の想像力で補います。
BL漫画以前に漫画としての完成度がとても高いです。単純な萌では語れない。一昔前に流行った雰囲気のSFなのですが、やっぱりSFは画力がモノを言うので描ける人が限られますね。寿たらこ先生は最近タッチが変わりましたが、セクピスもSF要素がありますし元々こういう方向性の作品に強い方です。
それにしてもうまい!表題作は70ページほどで、その中で世界観を説明し、キャラの魅力を伝え、落ちまで持っていかないといけない。完璧です。完成されてます。見せゴマの演出まで見事で、圧巻としか言いようがない。
同時収録作の方がページ数が多く、こちらもSFです。頭悪いせいで誰がどこの人か分からなくなってきますが、非常に濃い、好きな人にはたまらない一冊になっています。
『コンクリート・ガーデン』
こういう作品を読むと、もう一度、10代のころの脳ミソが欲しいと思ってしまう。当時の、みずみずしかった頃の脳ミソで読みたい作品だな、と。
あと関係ないけど、最強興味深く動向を注視してる捕鯨問題のことを思い出しました。あと藤子不二夫F先生の描いたとあるダークな短編とか。
こういうテーマって、多くのヒトが一度は突き詰めて考えたことがあったりする部分で、深いのに単純なんだよね。
私は、昔は人間の業だと思ってたけど、今はただの摂理に過ぎないと思っている。
『クロックダウン』
おおっ、パラレルワールドを使った正統派のSFでした。なんか懐かしい感じがしました。
使われてるパラレルワールドの理論は古典的なものにヒネリを効かせてる感じ。
ただ、オチにはひたすら鳥肌が立ちました。うわうわ、そうか、そうきたか!!と思って。
アンハッピーエンドを予想してたから、余計に鳥肌が。
もちろん、そこに至るまでの話の流れも素晴らしかったです。
ただ、幼馴染みな時雨にも未練があるw
どんな結末だったとしても、一抹の寂しさの残るお話だと思いました。それがイイ。
◆コンクリート・ガーデン(表題作)
とても好きな世界観でした。発売されてから20年近く経っていますが、古さをまったく感じさせませんね。天使なのに人を喰う朱鷺。「なのに」という表現がそもそも間違っているのかな。人間の清春は彼の孤独を埋める存在に。短編ですし、2人のやりとりはそんなに多くないんですが、1つひとつの会話が濃いからか物足りなさも感じませんでした。最後に明かされる清春の秘密は予想外で。新しい世界で2人が笑って過ごしていることを祈ります。
◆クロックダウン
私は表題作の方がお気に入りなのだけど、ページ数的にはこちらの方が多く、むしろメインはこっちだったんじゃ?と思うほどの同時収録作でした。並行世界がいくつも存在しているという設定は、SFチックだけど結構好きな考え方です。個人的にはBL面ももう少し濃いと萌えたかなと思いましたが、設定がしっかりしていて読み応えがありました。