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my first cannibalism
惜しいのは、タイトルが既に内容を語ってしまっているところ。
表紙絵を見てゾクッとザワッときて。
一体何が待っている?と恐れ慄きたいのに。
あ、カニバリズムね…となっちゃうのが惜し過ぎる。
読み出せば、魅力的な美形のお名前は「靫(うつぼ)」くん。
ウツボカズラか…食虫植物ね。いかにもすぎて。
植物好きが高じて大学で植物研究に没頭する錦。
友人もいない錦が憧れる美しい男が、同じく植物研究をしている靫で。
その美しく妖しい視線と甘い誘いにいざなわれて靫の家に行く錦。
ただ、私は「食べる」といっても比喩的なものかと思ってた。
でもリアルに…そこは意外。
現実的に考えれば、靫は食人思考に囚われた異常殺人者。でも描写は幻想的で捕えられた錦の感じる恐怖はどこか陶酔的。
美しい靫に選ばれ、一体となり、溶け込む…
絵柄の美しさ、白と黒の画面から植物の緑と血の赤が匂うよう。