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kirakira shitemo, shinakutemo
4組の高校男子の出てくる、オムニバスストーリー。下巻も読んでからの、上巻の感想となります。
非BL扱いですが、BL描写もあります。
10代の青春時代のきらめきがギュッと詰め込まれた、じんわり沁みるお話ばかりでした。
どのお話も沁みるものだったけれど、その中でも印象に残ったのは、「ゆうきとけいた」編。
漫画の世界みたいにキラキラした存在ではなく、地味で肌が荒れていてゲイである自分には恋愛は無理だ、とどこか諦念を感じさせる慶太。
密かに想いを寄せている親友が「バイト先の子に告白する!」と息巻くのを、「フラれろ」と思いながらも踏みとどまり、「頑張れよ」のメッセージとスタンプを送る。
「俺だって キラキラした恋がしたい」
「でもそれと同時に 親友にとっていい奴でありたい」
…この心の呟きと、この後の後輩・羽村(悠貴)とぶつかってしまった時に見せる大粒の涙に、胸がいっぱいになってこちらまで泣きそうになってしまいました( ; ; )
そんな慶太を見て「この人を笑わせたい」と思う羽村の描写に、また目がうるうる。
「ごめんな、ちょっと目にゴミが入っちゃって」「これ使ってください。ハンカチ2枚持ってきてるんで」
と、二人の柔らかな”嘘”の掛け合いにも、グッときてしまった。。
思いがけず訪れた、”キラキラした恋”に、慶太と一緒に胸高鳴ってしまう、優しく温かいお話でした。
そのほか、年下×年上幼馴染の「あまねとしゅう」、双子の兄弟の弟・蒼人視点の「あおととあけお」、ゲイの兄と妹のお話「まこととしずか」が収録されています。
「ゆうきとけいた」以外は、切ない想いを無理やり心に秘めておこうとしたり、お付き合い的なものが始まるか、と思いきやうまくいかなかったりと、じんわりと切なさを感じさせる作品。
下巻では話の登場人物が変わり、「◯◯と◯◯」のタイトルも少し違っているというのもちょっと楽しいです。
甘さと切なさと懐かしさを感じさせてくれる青春BL、上下巻セットで本当に素敵な作品でした✨
作者様の『日々、君』が大好きで、なんというリアルな、それぞれの人の心に寄り添った、優しいお話を書く作家さんなんだろうと思っていました
なので、作家買いです
今作は、様々なカップルのオムニバスです
素晴らしい世界 小池節健在
すべての登場人物が生きてます 悩んだり、嘆いたり、喜んだり、ドラマがあって、どれも作者様の優しい眼差しを感じます
ゴヤとか作者様の知的バックグラウンドの深さも物語に鮮やかな彩りを加えます
イケメンでなくても双子の地味な方でも、本人にとってかけがえのない出会いと輝きがあります 決して無理をすることなく、少しの勇気をもつところ、手助けしてくれる人がいるところ、とても好き そしてその先に優しい素敵な未来があります
エロとかほとんどなくても満足度が非常に高い
多くの人に読んで欲しいです