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kimi to dakara koi ni naru
【俺は辺見のことずっと見ていたいから、離れたくない(矢野)】
エロス度★★
おやおや、幼馴染み同士の焦ったくて不器用な恋模様がとてもアオハル感が満載でたまりませんね。
矢野に対して憧れだった気持ちを越えて密かに片想いを拗らせている辺見。
辺見のツンツンした懐かない猫様みたいな可愛さや自分の気持ちを知らないとはいえ距離が近い矢野に苛々してしまったり、気持ちを知られてからは臆病になって避けてしまう切なさなどが魅力的でした。
そして、辺見の気持ちを知ってから矢野も彼のことをぐるぐると考えたり、元の関係に戻れないならととんでもないことを言い出しちゃったりするのがツボでした。
最近のコミックス表紙で上下に攻め受けの顔が描かれているのってよく見ますね。その顔と瞳でそれぞれ見ている方向にいるであろう様子や愛おしく思っているのがよくわかる、そんな表紙が。
どの作品も、そんな表紙の作品は、あまりイチャイチャよりも気持ちにフォーカスされている作品が多い感じがします。この作品もそうでした。
幼馴染からの好意を互いに意識してから、少しずつ今まで気づかなかったことを考えたり、もどかしいふたりの距離感が変わっていったりします。そんなふたりの恋する気持ちを育んでいく姿が、「きみとだから恋になる」というタイトルにピッタリの作品でした。
自分が同性を好きだと気づいてから臆病になっていた辺見。
幼馴染の矢野はいつも自分の気持ちに気づいてくれて守ってくれ、いつしか憧れから好きになっていました。恋愛として好きだという気持ちは隠していたつもりだったのに、矢野にどうして自分が好きなのかと問われてしまいます。
わからないから知りたい。話さないから聞きたい。矢野は無邪気です。
ずっと友だちとしていたい、変わらない関係でいたい、今までできていたことがなぜできなくなるのかわかりません。まだ恋をしたことがないので、素直だからこそ鈍感に相手を傷つけてしまいます。
恋愛の気持ちがわからないから気になる、気になるから一緒にいればいい、一緒にいるためならつき合えばいい…と、無自覚の怖さ炸裂します。
もちろん辺見も幼馴染なので矢野のことをよく知っています。だからこそ、ずっとこのままではいられないことも、自分から離れて行かなければ諦められないと分かっています。
ところが矢野はそれを上回ってきます。ちょっとその辺はイキナリっぽかったですが、矢野の無邪気さを思えばそうなっちゃうのかも?という落としどころでした。矢野みたいなキャラって好きだった自覚したら執着系になりそうですよね。
両想いになっても少し温度差があるようなないようなふたりですが、高校卒業に向けてふたりは前に進んでいきます……。
もちろんハピエンです。
でも熱烈な愛情表現はあまりなく、幼馴染の延長のような愛情に見えつつもだからこそのねちっこさがありました。このふたり、付き合い出してからいろいろありそうです!
ふたりの間に森という友人がいるので、あまり拗れることなく話が進みます。森は以前、ホモなんだとからかわれていた子です。森は当て馬ではなく、友人としてふたりの気持ちに寄り添い、相談に乗ります。とてもいい子なので、彼にも素敵なお相手が現れてほしいなと思いました。
結構新しいタイプの攻めだなぁという印象でした。
幼馴染でずっと一緒にいる矢野と辺見くん。
辺見くんはバレないようにずっと矢野くんを想い続け、矢野もずっと見守ると決めた幼少期からずっと辺見くんのそばにいる、そんな2人のお話です。
辺見くんはわりと王道な好きって伝えられないけど好きなのもやめられない一途で攻めに振り回される受けという印象なのですが、攻めである矢野が、間違いなく辺見くんに執着しているのに態度にあまり熱が籠もらず、思考も冷静、表情も常ににこやかで中々にサイコパスっぽい印象を受けました。
辺見くんの気持ちを言葉で知ってから付き合うようになってという過程で確かに好きは伝わってくるのですが最後まで熱をあまり感じなかったのが面白かったです!
これは辺見くん、ずっと振り回されそうだなぁと思う読後でした。