若葉さん家の箱入りオメガ

wakabasanchi no hakoiri omega

若葉さん家の箱入りオメガ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×24
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

84

レビュー数
7
得点
36
評価数
10
平均
3.6 / 5
神率
10%
著者
市川紗弓 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784041150825

あらすじ

訳ありアルファ実業家×俳優志望のオメガ青年。番との運命的な出会い!

幼い頃、オメガの早期覚醒のせいで子役を挫折した瑤は、バイト先で実業家のアルファのカイと出会う。自身もオメガ疑惑で差別を受けた経験を持つカイの後押しで、瑤は再び俳優の道を目指したいと思い始めるが…?

表題作若葉さん家の箱入りオメガ

カイ(ウォルター・カイ・アンブローズ)、瑤のバイト先を支援する実業家、α、27歳
若葉瑤、元子役の大学3年生、Ω、21歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数7

この先のお話が読みたいです

市川紗弓先生の作品を読むのはこれで三作品目なんですが、この作品を含めてとてもバランスが良くてあの厚さの中に過不足無く描いてあってとても上手い作家さまだと再確認しました。

ディスる訳ではないのですが、ルビー文庫さんて値段の割に薄くて作者さまによって当たり外れが大きいイメージでした。何人かの作家さまはレベルが高いのですが、市川紗弓先生もその中の1人でとても楽しく読ませて頂きました。

今作は現代版のオメガバですが、日本は他の国に比べるとオメガの抑制剤の開発が抜きん出て進んでいるそうです。その開発をしているのが瑤の家族や若葉一族の製薬会社なんです。

そして幼くしてオメガとして早期覚醒した瑶はアルファである兄弟達に大切に守られて来たのですが、バイト先でカイと出会った事によって変わろうとするんです。

オメガバにありがちな悲惨な事件とかはありませんが、途中で瑶に対して酷い言葉を吐く女性が登場しますがそれくらいでした。むしろ瑶がオメガに早期覚醒した理由をもっとドラマティックに書いて欲しかったかもです。

むしろ、大学を卒業して将来的に何を目指して何をしたいかという自分探しのお話だと思いました。派手な出来事が無いので平坦なイメージですが、瑶の心情や成長が丁寧に書かれていました。オメガバでありがちなエロに走ってないので私的には好感の持てる作品に仕上がってました。

なので瑶のこの先のお話が読みたくなりました。ドラマが決まって俳優に再挑戦するお話や、カイとのその後や過保護な兄弟たちとの関係とか、海外赴任の両親の帰国したお話とか読んでみたいです。

0

未来を縛るのは第二性なのか

今回は実業家と大学生のお話です。

早期覚醒オメガとなって俳優を諦めた受様が
攻様との出会いで再び夢への道を歩き出すまで。

この世界にはアルファ、ベータ、オメガという
第二の性があります。

人口の大半を占めるのはこれといって特徴のないベータ
次に多いは生れながらのリーター気質と
高い学力、運動能力を持ち合わせるアルファ

そして男女を問わず妊娠できる高い生殖機能と
一定の周期で訪れる発情期が特徴のオメガです。

受様は児童合唱団からスカウトされて
子役としてお芝居の楽しさに目覚めますが
8才の時、抜擢された役での舞台の初日に
突然の高熱で倒れて舞台を降板する事になります。

その高熱はオメガ性の早期覚醒によるもので
症状が落ち着くまではたひたび学校を休んだため
芸能界活動は続けられませんでした。

大学3年で就職活動を始めると
自分の核がオメガという性別と不可分だと
思い知らされた上に俳優業への未練が蘇るのです。

そんな頃
受様のバイト先であるオメガ児童保護施設に
施設の強力な支援者である英国人実業家がやってきます。
彼が今回の攻様です♪

攻様は英国の高級スーパーマーケットの創業家の次男ながら
オメガの教育と就職支援をする会社を起業し
私財でも多くのオメガ胃炎に取り組む人物です。

名女優だった日本人女優を祖母にもつ事でも知られ
日本に拠点を移して活動する事で
伴侶を求めての来日かとも騒がれていました。

受様も攻様をはじめて見た時に
カリスマ性のある美貌と人を心酔させるオーラを感じ
目が合った瞬間に感電したかと錯覚する痺れに震えます。

果たしてこの出会いは受様を変えるものとなるのか!?

四兄弟で1人だけオメガな受様と
オメガ後援に意欲的な実業家の攻様との
現代オメガバースになります♪

攻様はオメガ支援に積極的で
今回も支援している施設のオメガ達の助力となるべく
受様のバイト先にやってきたのです。

施設での行事を通して受様と接する事で
すこしづつ攻様の過去が明らかになっていき
受様の攻様像も変っていくのですが
なかなか2人が引惹かれあっていく展開になりません。

攻様の第二性の変転や
受様との接点が明らかになっていく事で
その理由がわかっていきます。

受様も自身が逃げてきた事、目指したい事を
自覚していく手助けになり
受様再び芸能界へと身を投じる選択をするまで
楽しく読ませて頂きました。

ただ受様の兄弟はともかく
受様とダブルキャストだった子役の母親等
受様に良くも悪くも絡む登場人物が多くて

ラブコメ目指しならいいけど
シリアス展開ではもう少しごちゃごちゃした感じが
否めませんでした。

0

誠実さを感じるお話

オメガバース設定を生かした世界設定に加えて、古き良き…なお約束あり、あと1歩を踏み出そうとする勇気ありの1冊でした。
過保護な溺愛系ブラコン4兄弟のワードにピンとくるものがあればハマるかもしれません。
主人公・瑤の兄弟たちが作品を賑やかに彩ってくれているのですけれど、明るく楽しいというよりは、どちらかというと自分の気持ちと性別に向き合っていく成長物語といった印象が強いかな。
受けも攻めも真面目で正直な良い人たちで好感が持てる組み合わせです。

オメガバース作といえばやはり、作中で最も立ちはだかるのはバース性の壁。
オメガの受けが1歩前に進むために己と向き合うお話は決して少なくはないと思うのです。
ですが、今作の攻めを交えた数エピソードの描き方があまり見かけないもので、なるほどこれは良い切り口だなあとおもしろく読めました。
攻めのカイが不器用ながらとても誠実な人でして、彼の背景と過去を知れば知るほど好感度が上がっていく素敵仕様となっています。
溺愛攻めの香りがプンプンするので、その後をもう少し読みたかったなあ。

時にシリアスながらも前向きなお話で良かったのだけれど、バイト先にまで乗り込んでくる兄弟の図はお約束といえど少々くどく感じたことと、突然現れ突然暴れ出す女性キャラクターの入退場にはそこまでスッキリとはせず…うーん…
攻めと受けの運命的な設定はすごく良かっただけに、恋愛に発展するまでの気持ちの動きがもっと大きく見えるとより盛り上がれたかなと、2.5寄りのこちらの評価になりました。
兄弟の中では次男の善くんが1番スカッとした爽やかさでいいなあ。

0

オメガでも生きてく覚悟

盛りだくさんでした。

オメガであること、さらに早期覚醒というハンデがあること。
その早期覚醒での罪の意識と人生の諦め。

瑶の成長物語ですね。
超箱入りな瑶が、色んな出会いによって考え方を変えたり前向きになったり、過去の呪縛を乗り越えたり。

良いお話でした。
異常なブラコン兄弟たちも引きましたが、実はちゃんと瑶の気持ちを聞く用意はできていた!みたいな?

ただ、攻めであるカイとの時間がそんなになかったのに一気に進んで…。
まあお互いの過去を打ち明け共感したりな上で惹かれ合ってたのでしょうが。

とにかく盛りだくさんなんですが、レビューが難しいお話でした。
某ママさんが去って良かったね!

2

ルビーさん

麻々原先生おっかけで購入。ルビーさんらしいなあと感じたオメガ話で、めちゃ入れ込むキャラはいなかったので中立寄りの萌にしました。シンプルなオメガバースお好きな方でしたら良いのではと思う本編230P弱+あとがき。

小さなころに子役で舞台に立ったものの、オメガであることがわかり引退。なんとか成長して都内の私立大学に通うようになったものの、就職活動では何を目指せばいいのか分からないまま、オメガの児童保護施設でアルバイトをし・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの兄2弟1(全部アルファ)、藤咲(攻めの知り合い、芸能プロダクション関係者)、児童保護施設の関係者少々、子役時代の知り合い少々。受けの兄弟好き。もっとブラコン風味強くても嬉しかったんだけどな。

++ 攻め受けについて

攻めはイギリスの企業創業家次男坊。キラキライケメン、自分で起業している方。いわゆるスパダリなんだと思うんですけど、会社舞台ではないので、そんなにきゃあかっこいいいいいいいいいいと思うようなシーンは無かった印象。穏やかだけど、ちゃんと押しは強い、大人って感じです。

受けも企業の創業家一族で、過保護な兄弟に守られている三男坊。オメガで体が弱かったから庇護されてきたってところでしょうか。兄たちは受けを庇護したいから自分たちの会社に入れば?と思っていますが、役者が楽しかったという記憶があって、今一つ就職活動に身が入っていない大学生さんです。

攻め受けの想いが育っているなあという様子が今一つ感じられず、個人的にはあまり盛り上がれなかったでした。兄弟たちがもっと活躍してくれても嬉しかったんだけどな。

1

まるで姫に付き従う騎士な兄弟たちの華麗なる溺愛

兄弟4人中3人がアルファ。主人公1人だけがオメガで、なおかつ兄弟3人に溺愛されまくってるという、兄弟愛炸裂のラブコメディです♪( ´▽`)

兄と弟から溺愛されまくってるのにわがままに育たなくて本当に良かった(笑)
兄弟たちの寵愛を受け、お姫様+騎士3人のような構図がとっても面白かったです。見て下さいな、表紙のブラコン3人組を。思わずフフッとなっちゃうこの表紙のイラストが、この作品の全てを物語っています。

兄弟たちにグズグスに愛され倒すストーリーではありますが、自分の将来について見つめ直し夢に向かって歩み出すストーリーでもあります。
この作品のオメガバースの世界観は、建前はオメガ差別のない世界だけど、裏では差別思想を持つ人もいて、実態としてオメガ差別はあるところにはある…といった世界。実際に、瑶はオメガに覚醒したことで迷惑をかけたと言って演劇の道を諦めてますし、瑶のバース性に嫌悪感を示し暴言を吐く意地悪オバハンも出てきます。
そんな事情もあり、自分の将来やりたいことをなかなか見つけられず、オメガであることを諦めの言い訳にしてる瑶に、諦めないことの大事さを説き、励ましをくれたのがアルファのカイ。彼にどんどん惹かれていくBL展開は王道の流れだけど、若葉ブラザーズがほどよいディフェンスをブチかましてくれるので、ありきたりなストーリーになってないのが楽しかったです。

カイと瑶が惹かれ合うにはちゃんと理由があって、それがこの作品での大きな見どころです。それは瑶が演劇をやめるキッカケになったことと関わっているのですが、そこから2人のストーリーは始まっていたのね、とドラマチックな事実にドキドキしました^ ^
長兄のディフェンスにも負けず自分の中にある大事なものを守ろうとする反抗心は、箱入りから卒業するための大事な儀式だったと思います。兄が心配するのは分かるけど、兄の敷いたレールを歩ませることが瑶のためになるわけじゃないんですよね。
兄はオメガとしての幸せを期待しているのであって、瑶自身の幸せには目を向けていなかったところが悪手だったかな。将来のことと好きな人のことを否定されて反抗した瑶の態度は立派でした。


この若葉4兄弟に新たな家族が増えるのも時間はそうかからないかも知れません。
将来を見据えたカイからの提案はビックリでしたが、なるほど……このパターンは斬新で面白い!!
カイをパートナーと認めたとしても、なんだかんだで溺愛は変わらないと思うけど(特に子どもが生まれたらえらいこっちゃになりそう 笑)、そんなわちゃわちゃ仲良し兄弟の絆をカイはまるっと受け入れてくれそうですね。
私の中では意地悪オバハンがサクッと制裁されてくれたので、それだけで素敵な読後感…(*´꒳`*)全部がスッキリ!納得のエンディングでした。

3

メンズ版・「若草物語」!× 現代オメガバース

小さい頃「若草物語」大好きだった自分には、楽しい”メンズ版”若草物語的ストーリーでした!✨

お話のタイトルどおり、”箱入りオメガ”の瑤。
小姑(※全員男)が3人もいて、カイ(攻)も本当に大変ね…と、その苦労にちょっと同情したくなります笑
自分がカイの立場だったら頑張れない気がする、、

瑤以外の兄2人・弟1人は全員アルファで、瑤の門限は20時(!!)。
長男は瑤の幸せのためにお見合い話を勧め/進め、次男は「結婚なんて一生するな!」、四男も甘えん坊で瑤から猫可愛がりされているーーつまるところ、全員が全員ブラコン!

この兄弟たちが カイ × 瑤カプの間に入りやんややんやの騒ぎとなるのですが。
みんな、瑤のことを思えばこそ、発情期を迎えていないオメガの瑤を守ろうという思いを持って行動しているんですね。兄弟愛とわちゃわちゃ感が楽しかった!

以下簡単なあらすじを↓

今回のカプは、訳ありアルファ実業家・カイ × 俳優志望のオメガ大学生・瑤。

幼い頃、子役として活動していた瑤。ある日重要な舞台の終了後、オメガの早期覚醒のせいでその後の舞台を全て降板することとなり、子役を挫折したという経験があります。

「俳優になる」という夢を諦めきれないまま大学生になった瑤。
そんな瑤はバイト先の施設で支援者である実業家・アルファのカイと出会うのですが、カイは自身もオメガ疑惑で差別を受けた経験を持っていました。
そんなカイの後押しで、瑤は再び俳優の道を目指そうと思い始めーー

と続きます。


すごくいいな、と思ったのが、攻めのカイ自身が以前「オメガ」と誤判定を受けており、”オメガであること”の生きづらさ、差別などを身をもって経験していること。

オメガバースものは、「オメガの苦労」を訴える受けに対し「アルファにはアルファの苦労が!」と攻めが反論(になってないと思うのですが)するパターンが多いような気がしていて…

いやでも世界観的に明らかにオメガの方が生きにくいし人一倍の努力が必要とされるよね…と、モヤっていました。

その点、今回の攻め・カイは自身の経験ゆえに、瑤の置かれた環境や苦悩がリアルに理解・想像でき共感できる。自分がオメガだったら、これはすごくすごく心の支えになるだろうなって思いました。

瑤がなぜオメガとして「早期覚醒」したのか。
そこに二人が”運命の番”であることが関わっていてうまく回収されており、なるほど〜!と思わず膝を打ちました。

無愛想で口下手な攻めだけど、可愛さと格好良さのバランス最高!・:*+.
特に、瑤にプリン・アラモードで誕生日を祝われた時の反応や(嬉しそうなのが可愛い❤︎)、小姑たちに交際の許しをもらいに行ったシーンの格好良さが印象的でした。

シリアスな展開もあれど、兄弟たちのわちゃわちゃ感が楽しい現代オメガバース、堪能しました☺︎

6

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