錬金術師の最愛の悪魔

renkinjutsushi no saiai no akuma

錬金術師の最愛の悪魔
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神10
  • 萌×26
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

49

レビュー数
7
得点
83
評価数
19
平均
4.4 / 5
神率
52.6%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011351

あらすじ

王位継承争いに巻き込まれ、俺を庇って母が殺されてしまった!! 離宮でひとり悲嘆に泣き暮れる第三王子フレイ。けれど寂しさに耐えかね、ついに禁忌の人体錬成に手を出してしまう!! そして幼き天才錬金術師の前に現れたのは、知性も美貌も完全無欠な青年・ルベド──。「我が創造主よ、貴方に絶対の忠誠を」無詠唱で魔術を操るホムンクルスと、王子の異端の才能は畏怖され、再び命を狙われて!?

表題作錬金術師の最愛の悪魔

ルベド、0歳→55歳、フレイが創ったホムンクルス
フレイ・ソティラス、10歳→65歳、ソティラス王国第三王子

その他の収録作品

  • 錬金術師の最愛の心臓
  • あとがき

レビュー投稿数7

天才錬金術師と彼の最高傑作について

今回は最強のホムンクルスと錬金術師の第三王子のお話です。

受様が自分だけの下僕として創った攻様を護って死ぬまでと
攻様が受様を現世に呼び戻し、受様の全てを手に入れるまで。

ソティラス王国は
全能神ソティラスと人間の娘の間に生まれた子を始祖とし
王侯貴族は魔力を持ち、魔術を行使でき、
西方大陸随一の歴史を誇っています。

保有する魔力は血の濃い上位貴族ほど多くなり
受様は男爵家出身の側室腹ながらも
3人の王子の中で一番神の血が濃いとされます。

しかしながら錬金術に没頭している事で
父王や異母兄たちからも嫌悪されています。

錬金術を司る神メルクリウスは好奇心が強く悪戯好きで
ソラティスを崇める教会に忌み嫌われれおり
敬虔な信者である王族貴族は錬金術を学ばないのです。

正妃を母とする第一王子と侯爵家出の側妃の第二王子は
第熾烈な王位継承争いが繰り広げられた挙句
受様にも刺客を放ち、受様を庇った母が命を落とします。

受けは母の居ない離宮で生き延びるために錬金術で
決して裏切らず、滅びず、地からみなぎる下僕として
人工生命体を創造し始めます。

そしてある神の寵愛による力添えにより
優れた美貌と知識と思考能力とともに魔力も持つ
攻様を創り出すのです。

攻様は影に日向に受様を支える存在となりますが
兄王子や各王子陣営の貴族、教会関係者にとって受様は
変わらずに邪魔として命を狙われ続け

攻様と共に刺客に狙われた受様は
攻様を救うために己の命を代償に差し出すのです!!

攻様に受様を取り戻すすべはあるのか!?

雑誌掲載されたタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
受様が造った攻様と天才錬金術師の受様の
オカルトファンタジーになります♪

雑誌でタイトル作を読んでいたので
本作の発刊をとても楽しみにしていました。

最終シーンで主人公の受様が死んでしまうのですよ!?

生き返るだろうことは疑いませんでしたが
どうやって生き返るのかが気になるし
生き返っても"そのまま"の受様なのかとか
気になり過ぎるじゃないですか!?

蓋を開けてみると
受様が生き返るされるまで50年経っていて
受様は攻様を創った当時と変わらずに蘇ります。

そこに至るまでの攻様のなみなみならぬ奮闘と暗躍ぷりは
受様の目にはあまり晒されませんが"晒されない"ことにより
より非道さが伝わってくるし

受様も清濁併せのむ覚悟で
受様襲撃事件の犯人を利用しさえして
国を世界を変えていこうする展開にワクワク&ドキドキ!!

攻様が受様の全てを手に入れるまで
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/

宮緒先生の執着ワンコ、
今回も存分に堪能させて頂きました。

2

雑誌は読んでませんが…

雑誌掲載の表題作を読み終わった時点で、雑誌を読んでなくて良かったと思いました。読んでたらきっと気になって暫く何にも手が付かなかったと思います。それくらいの衝撃でした。www

そして書き下ろしの「錬金術師の最愛の心臓」のボリュームが凄かったです。こちらに至ってようやくルベドが宮緒葵先生らしい攻めになったと思いました。ルベドが垣間見せる仄暗さや時たま呟く台詞が面白くて、フロイに寄せる執着にゾクゾクしました。

また、フロイ不在の間に他の錬金術師に産み出されたホムンクルス達が、フロイの元で権利を取り戻して喜ぶ様にワクワクしたんです。

ただ、純粋過ぎるフロイには何度もイライラとしてルベドがとても気の毒になったのも確かでした。離宮で捨て置かれた為に教育を受けてない弊害ですよね。いくら錬金術の申し子でもその人格に歪さを感じてしまいました。むしろルベドの方が実に人間らしかったです。

また、宰相であるジョセフの使い方が凄く上手くて、彼の葛藤と後悔が作品に奥行きを与えていました。彼が最終的にたどり着いた地位がまた面白くて、この続きが読みたいと思ったほどです。

ただ、やはり個人的にフロイにハマれなかったので神評価にはなりませんでした。でも、「千年後宮」よりはかなり好きな作品でした。

3

前半と後半で異なる味がおいしい

前半と後半で見事な味変がされていて、1冊で何度も楽しめる作品でした。
雑誌掲載分の前半は、ここで終わるなんて…!の声があがるのにも納得。
1冊にまとまった今作では、それが「このあとどうなってしまうの?」と先が気になる引きとなっていて良い味を出してくれているんですね。

主人公・フレイの性格の良さと愛情深さが本当に良い味を出していたなあと思います。
母を亡くした失意の中、ずっと側にいてくれる存在を求める彼と、そんな彼の心からの叫びに応えるかのように生を受けたホムンクルス・ルベド。
彼らの小さな世界での暮らしはなんだか微笑ましかったですし、フレイを守るためにスポンジのごとく知識を得て吸収していくルベドの姿は読んでいて気持ちが良い。
ただ、確実に種は撒かれているのだけれど、前半の時点では攻めのルベドに宮緒作品らしい重たい感情はあまり感じられません。

しかしながら、やはりそこは宮緒先生。
後半で見事に大きく花開いてくれまして、受け以外はどうでもいいを絵に描いたような重ための執着攻めっぷりを魅せてくれるではないですか。
いやあ…これはわくわくしてしまいますね!
ルベドの一途さと重さ、長い年月を経て少しの不穏さも入り混じったフレイへの強い執着と、真逆の光属性のうつくしい心根を持ったフレイという一見アンバランスな組み合わせがなぜかバランス良く見える宮緒マジックにかけられます。

小さな世界から始まった前半から、大きく物語が動いていく後半にかけての話運びがおもしろくて一気読みでした。
愛情深い主人公に好感を持たせつつ活躍させ、すっきりとしていなかった王室関係の部分はすっきりと。
ルベドの重たく偏った愛情も堪能できましたし、3視点でサブキャラクターの魅力もしっかりと引き出されている作りだったのも良かったなあ。
暗黒日記もとい、ルベドの頑張り日記も読んでみたかったです。

3

愛しい創造主のために頑張りまくる、人体錬成術の完成体・ルベドにあっぱれ!

いや〜〜〜、長いお話なんですが(400P超え!!)、おんもしろかったー!
読後思わず「うわっ、面白かったー!」とつぶやいてました。

※以下、ネタバレ含みますので未読の方はご注意ください↓


5月の「おかえりなさい、愛しい子」から始まり、「千年後宮」そしてこの「錬金術師の最愛の悪魔」、さらに今月7月後半にも新刊を出してくださるとのこと、連続で推し先生の作品が読める幸せを噛みしめずにはいられない✨

今年刊行の宮緒先生の作品の中では、こちらの作品が一番好きでした!
攻めの想いがドロドロしてる、いつもの宮緒先生節は変わらず( ̄∀ ̄)う〜ん、好き!!…
精神的に強い受け君&ハリウッド映画みたいなドーン!バーン!ボーン!という派手なアクションが大好きな自分にピッタリのファンタジーでした。

主人公は、王位継承権争いに巻き込まれ、自分を狙った刺客から庇う形で母が殺されてしまった不遇の第3王子・フレイ。
その恨みと寂しさから禁忌の人体錬成に手を出し、”ずっとずっと自分のそばにいてくれる”完璧な青年・ルベドを作り出します。
寂しさを癒してくれるルベドとひとときの幸せな生活を送るフレイですが、彼の命を狙う刺客の魔の手が再度襲いかかりーー!?

と続くお話です。

全体を通してもう、自分の貧弱な語彙力では”壮大なストーリー”としか言えないんですが、特に再度刺客に襲われてからのびっくり展開、50年の時を超えての攻めの執念が素晴らしかった…

どろどろ・じっとり重い重い攻めの愛。宮緒先生の真骨頂が発揮されていて、心の中で大歓喜!でした・:*+.

母に「置いていかれた」寂しさを誰よりも知るフレイが、同じことを愛する存在・ルベドにしてしまったこと。それが過ちであり、「一緒に逝くべきだったのだ」と考えを改めるフレイのモノローグには、胸がじんと熱くなりました。

姿を消した創造主・フレイのことを諦めず、長い長い50年という時間をかけ、主を甦らせたルベドの頑張りには、手が痛くなるほど拍手を送りたい!あっぱれ!!

そして先生もあとがきで書かれてましたが、名宰相・ジョセフの活躍と成長が素晴らしかった〜!! できない上の尻拭いをさせられる中間管理職、辛いよね…

これからは激痛とともに魔力を吸い取られることもなく、信頼できる王の下で手腕を発揮して欲しいわ…と願うばかりです。

シリアス調に進むお話の中にクスッと笑えてしまうエッセンスが入っているのも読んでいて心地よく、ページをめくる手が止まらない一作でした。

大好きな主に対し丁寧な言葉遣いを崩さないルベドが、ところどころで「チョロ可愛いな」「…くそ可愛い」的な思いを隠せず口に出しちゃってるのも、そしてそんな一言一言が何故かいつも都合よくフレイには聞こえていないのも、BLならではのご愛嬌ですが、ふふふっと楽しいシーンでした(。-∀-)

はあ…今月後半の先生の新作も、今から本当に楽しみです。✨

5

錬金術

麻々原先生おっかけで購入。雑誌掲載時に「いやあああ」と悶絶した続きが読めて嬉しかったですが、攻めの様子は前半の方が好きだったので萌にしました。雑誌掲載分140Pほど+その続き270Pほど?結構読み応えある厚みです。

暗殺者から自分をかばってくれたため、母親を亡くした第三王子のフレイ。自分を守ってくれるものが何もないので、錬金術で、強くいつまでも傍にいてくれるものを作ろうとし・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの親兄弟などの王族、ジョセフ(宰相)、その他作り出したホムンクルスたち少々。

++攻め受けについて

受けがねえ。いい子なんですよ。可愛い。ちょろ可愛い。母を暗殺者に殺されても、復讐するっていうようには振れなくて、「強くて側にいてくれるもの」を作り出そうってするところが、汚れなくって良い♡後半になっても、そのテイストが続いていて。悪い属性を全部神様のところに置いてきたんじゃないですかね。清らかすぎてピュアピュアっていうよりかは、「ちょろ可愛い」(=攻め談)です♡

攻めは受けによって作り出されたホムンクルス(人間じゃない)。受けを親、全能の神とも崇める勢い。受けを害そうとするものは、受けの目が届かないところで速やかに消去する というタイプの方。優秀なんで怖いですねえ・・・受け命に全振りしているので、少しでもアンテナにひっかかったら消去させられそう~こわいー
あんまりにも怖いんで他の方からは「悪魔」呼ばわりされてます。

前後半とも受けの可愛さに和んだ一冊でした。攻めは前半のたどたどしさというか物慣れなさな雰囲気が好きだったんだけどな。まあ受けを守るため一生懸命成長しようとしたんだからしょうがないか。

4

壮大なスケールのストーリーと、主従を超えた執着愛に溺れる

文庫本にしてはボリューミーな一冊。作り込まれたストーリーなだけある分厚さです。壮大な世界観にハラハラドキドキ……最高に面白かったです(=´∀`)人(´∀`=)

錬金術で錬成されたド執着腹黒ホムンクルスの独占欲やねちっこさ、敵に回すと怖ぇ〜よなところがニヤニヤ満載でした。
主人のフレイに盲信するホムンクルス・ルベドの愛し方にご注目。フレイ教信者かよって思うくらい、フレイに傾倒しフレイを愛し倒す姿勢がちょいイッちゃってるけど、そんなヤンデレ具合がすごくそそります。

母を殺された悲しみの中で創ったルベドを自分の子どものように大事に愛するフレイですが、ルベドを我が子のように思っていたとて、ルベドはその枠に収まる男じゃありません。圧倒的存在感とその類稀な能力で、フレイを害する輩どもから守る、"やられたらやり返す!倍返しだ!"スピリッツが超高め。フレイ以外には冷酷で悪魔な一面を覗かせます。
フレイは王子だけど、父親や兄弟やその取り巻きたちに嫌われていて、いじめのような扱いを受けながら生きてきました。フレイを傷つける奴らへの復讐や制裁的なものも含め、フレイを守るためならどんなこともするルベドのやり方はスカッとして楽しいです。
フレイには溺愛超あまだけど、フレイに反する者にはとことん牙を向くルベド。彼のフレイへの執着は、創造主だから?親だから?それとも……というのがBL的萌えどころ。どんな感情で動いてるのかは一目瞭然なので、ルベドのヤンデレムーブをたくさん楽しんで下さい。
フレイへの情欲を露わにし、エッチなアプローチを仕掛けるルベドの策士なところもオススメなので、フレイのチョロ可愛さと一緒に甘さを味わって欲しいです^ ^


物語の中身は、二部編成となっていて、前半と後半に分かれています。なんと後半のお話は50年後のお話。なんでいきなり?って思うかも知れませんが、これには複雑で困難な問題が色々と絡み合っています。
フレイの暗殺を狙う者たちが……とでも言っておきましょうか。身勝手で利己主義的な者たちがちょいちょい邪魔しにきてウザいし、そして性根の悪さに辟易します。なので、終盤の成敗劇はすっごくワクワク!見逃し厳禁な爽快感です。
勧善懲悪ストーリーとしての物語展開も秀逸だし、フレイの人心掌握術も見事。
フレイは実はめっちゃすごい錬金術師と魔術の持ち主で、その才能が遺憾無く発揮していく後半は神の領域でした。国王と教会がネチネチと邪魔してきて、マジでハイエナ感ハンパないですが、そんなゴミたちも一掃されていく景色はサイッコーな眺めです!!!


冷遇されていたフレイがヒーロー化していく流れにガッツポーズ。才能と思いやりに溢れたフレイがめちゃカッコいいです。後半戦はそれがより顕著で、更に読む手が止まりませんでした。
"フレイか、それ以外か。"の尺度で行動するルベドの盲目な愛に浸るのも楽しい作品ですので、フレイ以外には塩対応な振り幅にもご注目下さい。ルベドを子どもにしか思ってなかったフレイの感情が変化していく様子も大きな見どころです。最後の最後まで2人の深い愛を見届けて下さいね。

11

主人公が物語の良心

分厚いですね!!
前半は2人の純粋な愛情、後半はルベドの愛憎から蓄積され生まれたありとあらゆる感情とそこから導き出された檻?

はぁ〜、ハラハラしっぱなしの一気読みでした。表紙を見て、え?子供?と思いましたが作中でちゃんと年を重ねています。

フレイがルベドを創り出すところ、泣きながらずっと僕の傍にいて!と叫ぶところ。ルベドがこの子を!と望むところ、胸が張り裂けそうでした。

前半は微笑ましくて良かったねえ!親子愛?
2人の夢も叶うのはもう少しの辛抱だよと思っていたのに(泣)なんてことを!!!な最後で。

そして後半。
もうルベドの執念に、フレイを奪った者たちへの復讐に震えます。
王家も宰相も教会もみんな愚かでした。その最大の被害者がフレイですよね。

フレイが本当に良い子で。ルベドの言う通り世界で一番心が澄んで慈悲深く美しく可愛く、フレイ is the bestですね!

もう盛りだくさんでネタバレを見ずに楽しむことをオススメします。
フレイ、君はやっぱり君だな。
変わってしまったルベド、やはり宮緒さんだな。

ラストもどうかなあ。フレイの夢を叶えてあげてほしかったけど…。宮緒さんらしく楽園の檻で、約束通りずっと傍に…いつまでも。
フレイがちゃんと最後まで自分をしっかり持ってて、新しいホムンクルス達にも責任と愛情を持ち、心が美しくて優しくてとっても良かったです。

5

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