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hokenshirtsu made nanmeter
麻生海さんの作品って、なんかこう、控えめと言うか、じわじわくる作品が多いイメージなんですが、この作品もそういうイメージでしょうか。
決して絵的にインパクトが強いシーンがたくさんあるわけではないんですが、何気なく発せられた一言に涙出るくらいキュンとする瞬間があります。
そこに至るまでの過程も丁寧に描かれています。
攻めも強引な攻めは余りいなくて、ゆっくりゆっくりと相手の心が溶けるのを待ってるような・・・そんなところが魅力だな~と思います。
表題作のツンデレさんに関してはあまり私の好みのタイプではなかったんですが、あまりに攻めにつれないので、攻めが可哀相になっちゃいました^^;
「ぼくとおにぎりとチョコレート」も再会もので、再会した幼馴染への気持ちにぐるぐる悩んでいる様子が真剣で可笑しかったです。
意外にじ~んときてしまったのが「Peach Sweet Home」。
攻めの懐の大きさ、大人さが素敵だな~と思いました。
やばい、キュンキュンがいっぱい詰まってました。
萌えすぎてハァハァしながら読みました。
『保健室まで何m?』
『保健室は遥か彼方』
高校時代にカラダの関係を持ってた相手と、お互いに教師になって八年後に再会する。
昔は不器用で本心を伝えられなかったのが、オトナになってやっと気持ちを伝えあうことができるようになる…、もうこれだけでキュンキュンが止まらない。
んで、八年ぶりのエッチ。このシーン大好き。きゅうううんとなりました。メガネ先生はやたら色っぽいしさー。
『ぼくとおにぎりとチョコレート』
こちらも再会もの。
キスと触りっこに死ぬほど萌えた…!
やっぱ萌えるためには、それまでのストーリーの過程が大事なんだなと心から思いました。
どんなディープな濡れ場よりも好きです。
『そのままが。』
この話もかなり好き。
長年我慢してたのに、思わずしてしまったキスの威力が凄まじい…!!
続きが読みたいような読みたくないような、微妙な気分です。
ものすごく読みたいんだけど、ここで終わってるからこそイイのかもしれないなァと。
『Peach Sweet Home』
これはまあまあかな。
二人が出会ってから今の状態になるまでの過程を、もう少しじっくり読みたいなと思いました。
ご紹介するのは新装版の方です。
高校時代の同級生が、卒業して8年後に、母校で偶然一緒に働くようになってからの、いわゆる焼けぼっくい型。
でも当時の二人は恋愛関係とは言い切れなかったので、再会してからも気持ちが交差しないとこが、とってもせつなくて好きでした。
高校生の頃、好きだと言えず優しくもできなかった小野は、竹林のことをただ貪るように抱くだけ。
竹林もその行為には愛を感じず、支配されるがままに逢瀬を続けていたけれど、卒業を期にあっけなく別れを告げられてしまう。
また今回も同じように自分の元から小野が去ってしまうのだろうと決め付けて臆病になっている竹林。そりゃそうだ。相手は同じ人間だもの。
ひとときの遊び相手にされて、またポイだろどうせって思うのが通常の反応ですよね。
ところが、高校時代の小野サイドからのモノローグで一話用意されていて、なんだ小野もこんな可愛いこと考えてたんだ~ぶきっちょさん!なんて、かなり小野への印象が変わってしまいます。
そうして短編のシリーズをすべて通して読むと、二人のこれからに幸あれ!と祈らずにはいられないのでした(ほろり)
それにしても、8年後に保健医として竹林の前に登場した小野には、ドギマギしてるはずなのに、鉄壁のツンツンぶりの竹林が、かわいくてたまりません。
子供だった頃の不器用だった自分を取り戻すかのように、眼差しにも行動にも愛が溢れているのに、小野先生ったらまるで気づかない。やきもきします。そこもまた好みの展開。
新装版なので描き下ろしに加え、特別描き下ろしも収録されていたので、読み応えがあり、二人の幸せをお裾分けされたような気持ちです。