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yuujin no shikijitsu
タイトル作を含む、少年たちの淡い友情だったり恋心を描いた、切なくも甘酸っぱい繊細な作品集です。
えちはなし。
そして、とにかく赤と白の花に埋もれたキャラクターのお表紙が目を惹きます。
以下、4作の感想です。
◇ななしの恋人
SNSでちらりと拝見して、よし!買おう!! と思ったのがこの作品でした。
下駄箱に名無しのラブレターが入っており、親友に相談。
実はそのラブレターを入れたのは、相談を持ちかけられた友人で、、、
という、展開。
ラブレターを入れた子が本当にいい子で。
正面から好きな彼にぶつかっていけない自分を恥、手紙のやり取りを辞めようと提案する、危うい真面目さ。
エモいなあ。
そして、手紙を入れられてた方の子の大胆な行動力にびっくり。
でも、誰が入れてたのか気付いてなかったって本当なの?!! とそこにもびっくりしました。
◇幽霊屋敷ラブロマンス
悪霊を退散する霊能力者と、自分が祓った悪霊との同居ストーリー。
寂しい同志が同居して、やがてかけがえのない存在となっていく。
が、しかーーし!
どう考えても実体のない悪霊とはえちができないという問題に気がついてしまいます!!(まりあげは、ここで笑った…たしかにそうなんだよね…笑)
どんな形であれ、お似合いの2人なので、一生幸せでいてほしい(らぶ)
◇フランケンシュタインの友人
博士は、小さい頃から周囲に変わり者のレッテルを貼られてきた。
そして成長し、フランケンシュタインを友達として作ってしまう。
が、このフランケンシュタイン。
次第に「愛」のような感情を博士へ抱き、恋人のような献身的な溺愛ぶりを見せてくる。
が、変わり者の博士。
フランケンシュタインから与えられる感情が、自分の抱くものと違っていることに戸惑い、悩む。
そしてとうとう博士は、フランケンシュタインに恋する薬を発明して、、、
個人的には、終わり方が少し狂気じみた愛のようなものが、とても面白かったです。
そして、フランケンシュタインくん…健気すぎるでしょ、、、
可愛い♡
◇友人の式日(タイトルの作品)
気付いたら葬式会場にいた主人公。
友人がなにやら怒鳴っている。
なに?
なにがあったの??
戸惑っていると、やがてそれが自分の葬式だったことを知る。
そしてどうやら、その友人だけには幽霊の自分が見えるらしい。
すでに亡くなる前の記憶を忘れかけていた主人公。
友人とともに、記憶を辿りながら死の原因追求巡りに出かけるが、、、
とにかくめっっっちゃくそ、どちゃくそに泣くので覚悟して読んでほしいです。
読み終わったあとで、まりあげははどうしようもなく救いようのない完結に、
2人で。
2人で、
報われてほしさに神頼みしたくなりました。
いや、報われてはいるんだけどね。
でもね、165ページの主人公の笑顔を見る度に、まりあげはは嗚咽が止まらないよ。
このお話、好きな人は絶対好きだと思うので、絶対に取りこぼしのないよう最後まで噛み締めて読んでほしいです。
それにしても、泣いてる友達の背も、タヒんでたらさすれないなんて切ないよ。
切なすぎるよーーー!!!!!(ギャン泣きまりあげはより)
4つの作品の短編集です。それぞれが甘いドキドキだったり、面白さだったり、切なさだったり、悲しさだったり…色々な感情にさせられます。
好みの問題だと思いますが、私は1話目の「ななしの恋人」が好きでした。
真面目で律儀ないつきと、いつきに恋している親友の将悟。
いつきの靴箱に宛名のないラブレターが入っている所からストーリーが始まります。ラブレターの相手は読者にはすぐにネタばらしがされますが、いつきには相手が分からないまま半年以上文通のようなやり取りを続けられます。その後「ななしさん」と名付けられた姿の見えない人物と、いつきはお付き合いする事になり……。
将悟がとても可愛いです!心の声が大きくて、いつきの事を全部丸ごと「好き」と思っている所が特に面白くて可愛かったです。ちょっぴり切ない気持ちになる所もありますが、ラストシーンのいつきからのどんでん返しに読者も驚かされます♡
読んでいてほっこり温かい気持ちになりました!
他作品もそれぞれ良さがあります。絵も可愛くて大好きな作品になりました♡
4作品が楽しめる短編集。どこか懐かしくなる作風でした。
■『ななしの恋人』
下駄箱を介し、正体を隠して文通するという、昔風味のお話。とにかくメインの高校生二人が可愛いです!相手の特定方法がアナログすぎて…しかも結構な労力かけてて笑いました。ほのぼのしてて、短編集の最初のお話としても良い感じ。
■『幽霊屋敷のラブロマンス』
除霊師が幽霊に一目惚れし、家にお持ち帰りするお話。「天使や」「悪霊だよ」のやりとりがツボ!終始テンション高めにグイグイ迫る除霊師が面白い。ハピエンに持って行く形がこのキャラらしくてとても良かったです。
■『フランケンシュタインの友人』
ハカセとハカセに作られたヴィクターのお話。ヴィクターがどういう存在なのかがよく分からないけど、ハカセとしては友達を作ったつもりが恋されちゃって予想外な感じ。でもその後のハカセの行動も予想外でした。この二人ならそれもアリと思える結末です。
■『友人の式日』
亡くなった友人の死の真相を探っていくお話。簡単に言うと、幽霊になった瞬が心残りを晴らす展開になってるんですが、そうなるまでの描写と最後のかずやのモノローグがすっごく良い!短編集の最後に素敵な余韻を残してくれる作品でもありました。