麗しのオメガと卑しいアルファ~カースト逆転オメガバース~

uruwashi no omega to iyashii arufa caste gyakuten omegaverse

麗しのオメガと卑しいアルファ~カースト逆転オメガバース~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×21
  • 萌5
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

11

レビュー数
7
得点
45
評価数
15
平均
3.3 / 5
神率
33.3%
著者
羽生橋はせを 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
ISBN
9784778136475

あらすじ

Ωが神と崇められ、αが蔑まれる世界。医者である父を持つアランは、頭が良くて心優しい幼馴染のグウィンに密かに憧れていた。だがアランがΩとして発情したことをきっかけに二人の関係は一変する。α性が発現しアランを襲ったグウィンは両親から見放され、一家も離散。自分を責め続けたアランは十年かけてなんとかグウィンを娼館から買い取るが、彼に過去の面影はなくアランを”ご主人様”と呼ぶ。挙句、男娼としてアランに奉仕しようとしてきて…。

表題作麗しのオメガと卑しいアルファ~カースト逆転オメガバース~

グウィディオン・オルコット(グウィン)、薬師の息子、14→16→26歳、男娼、α
アランロド・フェネリー(アラン)、医者の息子、13→15→25歳、医師、Ω

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数7

アルファが虐げられる世界のオメガバース

今回は幼馴染の薬師の息子と医師の息子のお話です。

アルファ故に虐げられた攻様を慕い続けた受様が
対等な伴侶として番となるまで。

この世界には男女の他に
男性にだけ発現する別の性別があります。

男性ながら子を宿すオメガ
オメガを食い荒らすアルファ
何も特徴が発現しないベータです。

この国では
神話が大陸の成り立ちとして広く信じられており
オメガは希少で守るべき性
アルファはオメガを貶める性とされます。

長い夜闇の世界で目覚めた男神は海と大地を生み
光を授けた事で海と大地は大いに栄えますが
力が半減した夜闇は死と悪を創りだし
海と大地を蹂躙します。

男神は策を弄して夜闇の殺戮を止めますが
怒った夜闇はオオカミに姿を変えて男神を己のものとし
男神は姿を消す・・・という神話から

男性ながら子を宿すオメガは
男神の子孫として生涯大切にされますが
夜闇と同一視されるアルファは危険な存在として
決められた居住区に入れられ様々な制限を受けるのです。

受様は個人診療所を営む医師の息子として生まれますが
気が弱くあまり優秀ではありませんでした。

父の友人の薬師の息子である攻様は
同世代の中でも優秀で受様は何かと攻様を頼り
攻様も常に受様に寄り添って育ちます。

受様にとって攻様は特別で大切で
彼への恋心を自覚すると彼と対等になるべく
様々な努力をしますが何事も攻様には勝てません。

ところが15才になったある日
受様は体調を崩した事でオメガである事が判明しますが
見舞いにきた攻様がフェロモンに当てられて受様を襲い
アルファである事も発覚、攻様は受様の前から姿を消します。

攻様の未来を奪った受様は攻様を取り戻すために
強くなることを決意します。

果たして受様の望む未来は訪れるのか!?

攻様の未来を変えてしまった受様が
攻様との未来を取り戻そうとするオメガバースになります♪

本作は子を孕むオメガは護られるべき種で
オメガを脅かすアルファが悪種とされる逆転世界です。

あらすじからは天才型なアルファと
努力型のオメガという設定は残っている様だったので

珍しい逆転設定で定番設定がどうなるのか
逆転された価値観の中で恋愛事情がどう変化するのかと
ワクワクで読み進めました。

劣悪な状況にいた攻様を救う事で強くなっていく受様と
受様というよりもアルファを巡る世界によって
他人と関りを拒否していた攻様が徐々に変わっていき

もうまとまるかと思ったところでまさかのすれ違い
そして裏切りの発覚とハラハラ&ドキドキ
2人が番になるまで楽しく読ませて頂きました (^-^)/

ちょっと強引な展開も有りましたが
逆転カースト設定が面白かったで「萌2」とします。

2

いつものオメガバースが物足りなくなったら、ぜひ読んでみてほしい

Ωはかわいそう、αは恵まれていてかっこいい…という価値観がオメガバース作品の持つ一般的な特徴の一つです。
そんな”不遇な状況”の中で、受けと攻めがあがき、自分たちに降りかかる苦難を跳ねのけて幸せをつかみ取るのが、オメガバース設定の醍醐味だと思っています。
でも、個人的には「Ωばかりかわいそうな状況になりがちなのは不公平だなぁ……」と思っていました。
こちらの作品は、そういったもやもやを綺麗に晴らしてくれる、新しいオメガバース作品だと思います。

はるか昔から伝わる神話によって、Ωは人々から崇められ、
逆に文武両道、才色兼備なはずのαは、Ωを脅かす存在として虐げられる。

そんな世界観の中で、私が正直に思うこの作品の「見ごたえ」は、

①「これ、どう巻き返していくんだ…?」っていうくらい辛い状況に置かれたαの、苦難に耐えた末に訪れる逆転劇
②肘枷と口枷をつけられ、自由を奪われたαの悲しみと怒り
(個人的にはこの戒められたビジュも最高に刺さります)
 です。

①不遇のαの逆転劇について
表紙に登場する口枷と肘枷をつけられた攻めが印象的ですが、
αである攻めは、身体だけでなく心の自由さえも奪われるという辛い境遇に置かれています。
そんな状況下でも攻めは、ときに悪ぶって見せながら、そしてときに深く落ち込みながら、受けへの愛をひたすらに貫き通します。
そして最後には、αのポテンシャルの高さを見せつけ、何よりも大切な存在である受けをピンチから救い出します。
「αなんて」、「αの癖に」と、αのことを知りもせず蔑むばかりだったモブたちに、本当の強さと美しさを見せつけるのです。
ここがまさに、逆転オメガバースならではの醍醐味なのかなと感じました。爽快です……!

②自由を奪われたαの悲しみと怒りについて
本作は攻めのグウェン意外にも様々なαが出てきますが、その誰もが苦境に立たされています。
悪役もαが多くいるのですが、こんな差別の世の中じゃなければな…とやるせなくなります。
優遇されているはずのΩも、腐敗した政治に利用されていて健全な状態とは言えません。
この作品一つの中で、世の中すべてがよくなるのは無理がありますが、それでも最後、αの未来が少し明るくなるような展開があったのが救いでした。
この二人が、ちょっとずつでいいから世界を変えていけたらいいなあ、と思います。

αにフォーカスして語ってきましたが、
受けのΩとの思いのすれ違いもまた切なく、作中なんども、じれじれ、もだもださせていただきました。
受けは立場的には優遇されているけれど、自分の努力で攻めを助け出そうとしている芯の強い子です。
攻めのためを思い、時に空回りながらも必死にあちこち駆け回る様子が健気で可愛くてたまりませんでした…。

最後にもう一度、
いつものオメガバースとは違い、徹底して虐げられるαの姿は辛く、でも正直刺さる人にはめっちゃ刺さります。(すべてを諦めたようなグウェンの姿の挿絵がたまりませんでした)
それだけでも大変萌なのですが、最初は自暴自棄だった攻めのグウェンが、アランと心を通わせて自分らしさを取り戻し、最後には強く美しい男になって立ち上がる姿が、見ていてとても気持ちがいいです。

いつものオメガバースから”味変”したくなったら、ぜひ読んでいただきたい作品です。

4

今までにないカースト逆転オメガバースは感動でした!

オメガが尊ばれ、アルファは虐げられる設定は斬新で、愛し合うことは社会的に許されない世界感で繰り広げられる幼馴染同士のもどかしい恋愛描写は、まさに革新的な作品です。

愛し合っているのに、身体を繋ぐことができず、相手を抱きしめることも、キスもできない設定と描写が秀逸で、最後の2人の喜びが胸熱でした。

焦ったさの後のハッピーエンドが好きな私にはまさに、どストレートでありつつ、カースト逆転オメガバースという初めての設定は新感覚で最近では1番感動した作品です。

カースト逆転オメガバースという新しいジャンルを切り拓いていただき、ありがとうございます!!!

デビュー作にして斬新な設定を攻めるチャレンジ精神とわかりやすい描写テクニック、羽生橋先生の次回作も楽しみに待ちたいと思います!

2

サブタイトルの通り、カースト逆転オメガバ。

Ωは神の化身と崇められ、
αは神を喰らう恐ろしい性と蔑まれる世界。



巷でよく見かけるオメガバは、αがエリートでΩが蔑まれて、、、
などという世界観がほとんどですが、この作品は違います。
冒頭でお伝えした逆転カースト制度の作品です。


幼なじみ同士。
1歳年上のグウィンに憧れていたアランが、ある日グウィンと接しているなかで発情してしまい、そこからグウィンもαだと判明し、転落人生が始まってしまう。


十年後、努力して父のあとを継ぎ医者となったアランは、男娼をしていたグウィンを買い取り、医師と薬師として一緒に働き始めるが、、という冒頭。




攻めの口枷がいい!!
口枷フェチの人には、ぜひオススメです!!
羽純先生のビジュアルも良き!!


あと、花祭りへ2人で出掛けるシーンはせっかくいい感じで心が通い合ってきているはずなのに酷く切なかったです。
両片想いなのが分かっているんだけどなあ、、、
2人ともお互いを想いすぎて、すれ違ってるんですよね(涙)


けれど、最後には禁忌を犯してまで番になれてよかったです!!




個人的には「カースト逆転」という設定なので、もっとα側に奇抜な設定が飛び出てくるのかなあと、事前の期待が大きすぎたせいか、
よく読むαとΩが入れ替わった作品…という印象だけで終わってしまいました。


商業だし、デビュー作だし、ということで攻めすぎ設定ではなかなか難しいなどの大人の事情などがあるのかもしれませんが、、、


離れ離れになった幼なじみ十年愛がお好きな方には、オススメです!



1

受けのアランにもうちょっと強さが欲しい

タイトルにもあるように、なんとオメガは崇められ、アルファは蔑まれるというカカースト逆転ユニバースのお話です。

なんといっても、この設定が斬新で面白かった!

その他、このお話の独自設定は以下のポイント。

・男性にのみ第二性がある(女性にはない)
・アルファがオメガのうなじを噛むこと(つまり、番になること)は法律で禁止されている。それゆえにオメガは女性かβ男性と結婚する

以下、簡単なあらすじです。

古くから伝わる神話により、Ωが神として崇められ、αはそのΩを惑わす存在として蔑まれる世界。
医者の息子のアランは、一つ年上の幼馴染グウィンが大好きだったのですが、ある日突然のヒートに襲われ発情。そこに居合わせたグウィンがアランを襲ったことでグウィンの第二性がαだと分かり、グウィン家は一家離散してしまいます。
10年後、大好きなグウィンを救おうと必死に勉強して医者になったアランは、娼館からグウィンを買う形で救い出し自分の屋敷へと連れて来るのですが、グウィンがアランを見る目は冷たくー

と続くお話。

なぜアルファが蔑まれることになったのか。神話に基づくその理由が序盤ではっきり示されていて、ちょっと慣れない設定にも、なるほどー!と入っていくことができました。

受け君のキャラは、ちょっとパンチが足りないというか、もう少し精神的な強さが欲しいな、と個人的には物足りなかったかな。。
いじいじしているよりも、スパッと行動できる受けや男前受けが好きなので;

攻めのグウィン想いや考え方の変遷も、彼の目線で深く知りたかったな、とも。

設定の中で「あれ?これどうなんろう?」とちょっと気になった点も。↓

・オメガはヒートが来てオメガだと分かるはずだけど、アルファはどうやってアルファだと分かるのか。ヒートのオメガを前にしてラット状態になった時に分かる、ってことなのかな?(かなり危険な気がする;)

・病院で番になった二人は法律に違反したはずだけれど、アルファから無理やり番契約をしたわけではないということで、(院長には厳しく叱られていたけど)何のお咎めもなし。
…うーん、それはありなのか。…ということは、二人以外にも惹かれ合うアルファとオメガで番になった、というカップルが実はこの世界にはそこそこいる、ということ?

…とつらつらと疑問点も書きましたが、カースト逆転という斬新な設定(手枷・口枷されている攻め様とか!)が刺激的で面白く、グイグイ読めるお話でした。

先生があとがきに書かれていた「二目と見られぬ醜いオメガと運命の番だったアルファの王子」のストーリーも、ぜひぜひ読んでみたいです☺︎

2

αとΩが愛し合うことを禁じる象徴・2種類の枷の意味はあまりにも切ない

オメガバースものでは通常卑しめられ虐げられることが多いオメガが尊ばれ、そのオメガの項を噛んで番にすることが可能なアルファは虐げられ、愛し合うことは法律的にも社会的にも許されないという世界線で繰り広げられる幼馴染再会愛です。

オメガのネックガードの代わりに、本作ではアルファに2種類の枷が付けられています。まるで家畜か奴隷であるかのように。どんなに愛し合っていても、身体を繋ぐことはできても、枷のせいで、両腕で相手を抱きしめることも口付けることもできないなんて…。

このもどかしさの描写がとても巧みなので、クライマックスでの解放感や2人の喜びが増しています。

本作は主人公の受けでオメガ・アランの視点で描かれていますが、羽生橋先生の丁寧な筆致で、攻めでアルファ・グウィンへの一途でいとけない恋心、それが引き裂かれたことへの悲しみ、彼を取り戻そうとする決意など、移り変わる心情が巧みに描かれていて胸が痛くなりますし、

アランのみならず、グウィンの心理についても表情や言動(時間につれて変化するところもお上手!)から、読者には「この2人は両片思いなんだな」と解らせてくれるので、気持ちよくジレジレモダモダを楽しむことができました。

また、一般的なオメガバースとは異なる世界線なので、その説明が冒頭にあるのですが、まるで神話みたいで美しく、スーッと染み込んでくるように理解できました。

本作の最大の魅力は、主人公アランの成長とひたむきさだと思います。当初は父親にちょっとした過失を打ち明けることすらできない臆病な少年だったのが、学業に励んで医師となり、万全の体制を整えて10年越しの念願を叶えてグウィンを娼館から請け出すことや、番の証を隠さないところには清々しさを感じました。

脇役も、とっても良い人そうな人が実は…!と、良い意味でギャップを作ってくるのですが、良く読むと伏線として、チラチラと不穏さは見え隠れしています。とは言え、あそこまで豹変するのか!ドラマを盛り上げてくれます。

本作では、アルファとオメガは愛し合うことを禁じられた世界のままです。しかし、グウィンとアランは心を通わせ合い、肌を重ね番の契りを交わします。2人の行く手にどうか幸多かれと祈らずにいられません。

一味違ったオメガバースを読みたいという方にオススメいたします!

3

αの絶望感に衝撃! 幼馴染の純愛

グウィン(α)×アラン(Ω)


幼馴染、10年以上も一途に想い続ける姿が、
切なく、痛くて、ほのぼのとした感動を与える。

「Ωが神と崇められ、αが蔑まれる」という格差社会の世界観が、
オメガバースに新しい風を吹き込んでいる。

αであること=絶望(奴隷)、
口枷や肘枷を使われるなんて、心をえぐられるくらい衝撃!
一方、Ωが上位の存在で、社会的に大事にされてるのがすごい。

「番禁止」とい法律が、
αとΩの愛がもどかしい現実を突きつけられているような感じがする。


医者の息子であるアランが13歳の時から物語が始まる。
彼が1歳年上の優秀な草薬の息子であるグウィンに想いを寄せている。
アランが15歳の時、グウィンがαであることで家族から見放されて、
幼馴染の2人は会えなくなってしまう。
Ωであるアランが、グウィンを救うために、
会えない10年間、毎日彼のことを考えながら、
自立する努力を惜しまず、医者の道を進む。
その10年後、
アランが貧民街の娼館でグウィンを買い取ることに成功する。という展開。

アランの片想いの進行だけど、
読者が両片想いをしっかりと感じられる。

アランの健気な想いから生み出した強気な行動、
その献身的な愛情、
また、グウィンの不憫がΩの自分のせいだと責め続ける姿、
全部が胸が張り裂けそう・・・。

グウィンの転落、苦しいよ〜!
どうしようもない心の変化、
ただ道具として愛のない行為の裏に隠れた
大きな愛情にうっとりしてしまう。

途方もなく宿命に翻弄される2人が
お互いのための生き方や選択、葛藤が続いて、
心が痛むのと同時に、
2人の間にある愛しさを感じずにはいられない。

医者や草薬に関わることで、
フェロモンを扱うようになるところは、
オメガバース世界の重厚感をグッと引き上げている。

アランが信頼する補佐(当て馬)の振る舞いなど、
少し闇の展開が驚愕的でびっくりした。
そのおかげで、安心で甘いラストに至った。

アランがグウィンを買った。
2人の関係が一応「主従」だけど、
個人的にその「主従」イメージが薄いかな。

Ωとαの格差が鮮烈に描かれていて、
その運命に囚われた
心にある強烈な愛情と、
体が求める無情な欲望の間で、
苦悩し、それを超える姿が本当に素晴らしかったです。

3

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