逃れられないαの執愛

十年先まで待ってて

10nen saki made mattete

十年先まで待ってて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×24
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
4
得点
56
評価数
17
平均
3.5 / 5
神率
29.4%
著者
リツカ 

作家さんの新作発表
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イラスト
アヒル森下 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784434330780

あらすじ

バース性検査でオメガだと分かった途端、両親に捨てられ、祖父母に育てられた雅臣。それに加え、オメガらしくない立派な体格のため、周囲から「失敗作オメガ」と呼ばれ、自分に自信をなくしていた。それでも、恋人・誠と婚約したことで、これからは幸せな日々を送る――はずだったが、ひょんなことから誠が自分を見下し、結婚も財産目当てだったことを知る。ショックを受ける中、十年ぶりに再会したのは幼馴染である総真。雅臣は自分を構い続けるアルファの彼が苦手で、小学生の時にプロポーズを拒否してしまった過去がある。どう振る舞っていいのか気まずく思っていると、突然雅臣の体に発情期の予兆が表れて……

表題作十年先まで待ってて

卯月財閥の跡取り,(幼稚園→小学6年生→)大学4年生,22歳,α
幼稚園→小学6年生→ 22歳,体の大きいΩ

その他の収録作品

  • 『番外編 聖なる夜に』

レビュー投稿数4

王道の中でも予想外の展開にビックリ

総真(α)×雅臣(Ω)


デカ体Ωで、自己屈託がありながら純粋な照れ屋さんの受け・雅臣と、
17年間、特大な一途さを持つ傲慢っぷりの攻め・総真の
少し切なくも甘い恋に胸キュンする!
その発情トロトロなエロさが萌え必至!

バース性の真実とその残酷さ、
上流家族、社会との絡みも加わっているドロドロな関係と、
ほんのちょっとミステリーな要素も感じられるのが絶妙で最高。


10年ぶりの幼馴染再会、執着ワンコ攻め、という設定、
サクサク読み進めようと思ったら、ついに夢中になって、
初めての作家さんだけど、
こんな王道の中で一筋縄ではいかない展開にビックリ!
個人的に、2023年に発売された商業小説の中で一番読んで良かった作品かもしれない。
登場人物紹介のページ以外はイラストなしのが残念すぎるかな。


名家のΩとして生まれて、
両親に捨てられて祖父母に育てられてきた22歳の雅臣が、
政治家育ちの同級生の誠(α)と婚約して甘デレ同棲中で、
誠の同じ大学の佐伯(上級α)から誠の裏切りが発覚して、
心の傷が深まるところで、
中学の時の仲良し同級生の片桐(Ω)と、
幼馴染の同級生の総真(上級α)と再会してしまう。
これから物語が一気に加速する。

雅臣が小学校6年生の時に総真にプロポーズされたけど、
雅臣が断って、ある出来事がきっかけで2人は10年間離れてしまった。

2人の関係が、
幼稚園から小学校までの経過がはっきりしていて、とっても引き込まれる展開で、
強引で俺様な総真に苦手な雅臣の
もどかしい心境がこっちまでぐるぐる巻き込まれてしまって、
奥に自覚していない小さな恋心に胸がギュンと締める。

雅臣のことをずっと想い続けている総真の大きな愛に触れて、
神速に溶けていく雅臣の体と、
少しずつ溶けていく雅臣の心もキュンキュンものである。

雅臣、
体格がΩらしくないことで「失敗作」というレッテルを貼られているのが不憫さを増幅させる。
誠との関係では、健気で、本当の愛の感覚を与えてくれない寂しさがグッとくる!
超天然で、恥ずかしがり屋で照れくさくて、
純白な心を持っていて、よく泣く姿が可憐で・・・もう、たまらない!
で、ギャップ萌えで大興奮させてくれるのはーー発情期の時だけの猥りがましい総真への求め方!
雅臣と初めての恋を知って、ますます可愛くて可愛くて!安堵してしまう。

総真、
御曹司で、有能なイケメンの、
特大な一途さが尊すぎて、
小学校6年生の時の決断がもうめっちゃ男前だし、
10年間離れてた間での心情があんまり書かれてないけど、
雅臣のために磨いてきた過程を想像してるだけで、尊敬の念が止まらない。
高慢な態度ながらも重溺愛で、
ベッドの上のお高めな言葉攻めも萌えツボ!

とにかく雅臣に完全に感情移入。
雅臣だけじゃなく、総真や誠の視点もあって、
複雑な人間模様がリアルで、

バース性に翻弄されてしまう誠の惨めさ、
一生届かない想いが可哀想で可哀想で、

歪んでいる恋心を持つヤンデレ様の佐伯、
愛の独特な真黒さにゾッとする!

縛られている結婚生活している片桐、
Ωとしての哀れっぽさがまた切ない。

そして、雅臣が片桐と築いた真の友情がこの物語の光るポイントの一つ。

登場人物たちの超ドラマチックな関係が本当に素敵!
オメガバースの濃厚な世界観と、
しみじみと甘酸っぱい恋愛が、
読み応え十分でどっぷりハマってしまいました。

3

ザマァもここまでやるのはあっぱれ

幼馴染みと番になるお話で、んまー…溺愛と執着が際立つオメガバースでした。でもただの甘いストーリーじゃないんです。番になるまで、そしてなってからのそのバックヤードの話がすごくてですね、αが番のΩを守る本能みたいなものをまざまざと見せつけられる仕様のストーリーになっています。

αの本気、イカれっぷりを見せつけられました!
大事なΩを守るためなら悪魔にもなれるαの本気が頼もしくもあり恐ろしい一冊。番になるまでの流れより、番になったΩを苦しめた輩への制裁劇がわたし個人的にはワクワクして面白かったです。


親に捨てられたΩの雅臣が、婚約者の"α"から自分に対する暴言を聞いてしまったことから全てが始まります。いや、始まったというか、始めさせられた…ともいうべきか。後半戦の回想をとくとご覧あれ。"実はあのときこうだったよ"エピソードが濃厚で目が離せませんでした。
いわゆる奪還と制裁的な話でこれがすごいのなんのって。ここまでザマァを見せつけられる作品もなかなか見ません。雅臣を番にしたいと十年もの間願い続けたαの幼馴染みの執着心がヤバイ…これに尽きます。

雅臣の元婚約者への制裁はスカッとするっちゃスカッとしますが、そのあとの転落から先がすごい気になってモヤモヤ感に襲われました。作品の本線と関係ないところが一番気になるってどうなのよ、ってな感じですが、色々と妄想が膨らんでそれはそれで良かったです^ ^


十年の時間を超えて結ばれる2人の幼少期から再会までは、お互いの視点から語られるためその心情が分かりやすかったです。キーパーソンとなる人物たちの視点も同様で、それがあるから内容が深い。
特にαの卯月視点は、幼少期からのド執着がハンパなく、ゾクゾクニヤニヤしました。
主人公の雅臣は自己肯定感が低く優しい性格なため、周囲の人物の主張の強い性格に比べると地味めな印象です。雅臣はこの作品のなかで、癒し要因なので、これはこれでアリ。雅臣の存在のおかげで、作品全体がまろやかになっていると言えるでしょう^ ^


ラブの部分ではまだまだ初々しさがある2人で発展途上です。2人の歴史には空白の10年が存在しますが。これから先この隙間を埋めるようなアツい時間を過ごしていくことを期待しています。

3

まさに“αの執愛”

予想外の展開にページをめくる手が止まらず、300Pを超えるボリュームを一晩で読み終えちゃいました。

以下、ネタバレ含む感想となります。






無理やり一言で表すなら、1人のアルファが10年越しのオメガ同級生への恋を成就させる話…なんですが、悪役であるはずの受けの婚約者、誠の方にどんどんどんどん気持ちが引きずられていってしまい、読後は誠のこれからのことを考え絶望感で苦しい気持ちに。

サイコパス怖いよ…((((;゚Д゚)))))))
あれ、おかしいなハッピーな話のはずなのに…
というのが正直な感想で、

メインカプ含め、主要キャラ全員が1人のサイコパスαの掌の上で踊らされていた…って話だよな、と空恐ろしさをおぼえました。
主役であるはずの攻めさえサイコパスαの手駒の一つに過ぎないため、どうもそっちの方に意識が行ってしまい、終わってみればメインカプの印象がちょっと薄くなってしまってた…という感じでしょうか。

オメガバースの設定を非常にうまく利用したあっと驚く展開、素晴らしかったです。

萌2なのは、メインカプの話より誠の話、そしてもう1人のΩ同級生の境遇の方がインパクトが強く印象に残った、という点と、セッッの描写がちょっと好みとズレていた、という点からです。

ストーリー自体は本当に本当に面白かった。

ただ個人的に、セッッの時の受けの台詞の数々が受け入れ難く…;
発情期とはいえ、種付けうれしい、とか、キュンキュンしちゃう孕んじゃうetcには萌えを感じられず、スン…ってなっちゃいました。

3

読み応えのある王道オメガバ

300ページも超える、読んでも読んでも終わらないなぁって思わず口角を上げてしまう一冊。
王道な設定と展開でありつつ、アルファたちの執着心が他のオメガバ作品(特にザ王道のもの)より重く強く激しく闇っぽい描写されているのが印象的でした
王道だけど作家さんの色もしっかり出ています。
エロシーンは、ページ数の割に少ない、2箇所だけ集中しています。描写はかなり濃厚で細かく書かれているし、物語の展開を邪魔しない感じがとても好きです。


以下はネタバレあり感想
序盤で、婚約者に裏切られた受けは攻めと再会し、
酔っ払ってヒートがはじまりそのまま濃厚なエロ描写が始まる。
描写自体はとても好きです。とくに事後、精液を掻き出す描写など、今まで読んできた小説では一行ぐらいで終わるシーンでも力を入れて描写されているのが好きです。
1週間もわたる発情期だから、行為の回数が多いのも仕方ないとわかりながら、まだ読み始めたばかりなのに一気に押し付けてくるエロに、正直にいうとエロしかない作品なのかなと少し警戒してました。
が。
番になった攻め受け、そこから始まる攻めと受けの初々しいデートだったり、
婚約者側の事情や心理描写諸々、展開がしっかりしているのでほっと安心して作品を楽しく拝見させていただきました。
不憫で健気な受けちゃんがひたすら溺愛される甘々展開を求める人は少しがっかりする展開かもしれませんが、
いわゆる悪役サイドのほうの展開を私はすごく気になっていたので、そこがしっかり書かれるところも私的にありがたいです。可哀想な婚約者の憐れな姿がかわいい……

そしてこの作品に出てくる名前があるアルファはほぼ全員ヤンデレ属性というか、とにかく執着心が強くて自分が見つけた相手のためならなんでもするし囲い込みたいし自分だけ見てほしい…
その仄暗い執着心がとても癖に刺さりました。

0

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