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hatsukoi to ha shirazuni
試し読み増量版を読んでみて、続きがすんごい気になったので購入しました。
人気モデルが同級生で、しかも昔告白された親友で、その親友を避けるようになり疎遠になった5年後、仕事を通じ再会するっていうお話です。
これね、すごい切なくて胸がジクジクしました。試し読みが非常に良い仕事してくれるんですよ、続きが読みたくて仕方なくなる。
これに乗せられて購入した私ですが、最後まで見届けることができて安堵しました。
この話は再会を経て恋を取り戻すストーリーといったところですが、その途中経過が何やらワケありな様子で謎めいていて、嫌な方向でドキドキさせられます。
ズバリ言うと光人から充希への復讐劇のお話です。再会ものって言うからドキドキキュンキュンを期待していたら、ちょっと嫌な感じにシフトしていくので予想外のアプローチでした。でもそれが逆に気になって仕方ない。
復讐といっても怖い感じじゃなくて、ねちっこい嫌がらせ的なもの。陰湿で地味にイライラさせられました。
要は過去の尻拭いをさせられているみたいなもんで、高校時代光人を避けた充希の罪悪感を利用して復讐してるに過ぎません。充希が光人に振り回されていて、心も身体も疲弊させられて…とどめは別の男との情事後を見せられるっていうところが嫌がらせのドピーク。悪趣味なやり方に、私の光人への好感度はゼロ。ゼロというかマイナスです。
光人の謎行動の意味がこんな胸クソ悪いものだとは…。最後はうまくまとまりますけど、わたし的にはちょっと納得いかないところもありました。
光人の嫌がらせはムカつきますが、一方でハラハラドキドキさせる描写が丁寧で引きつけ方がすごく良かった。でもその後のラブ展開が少し急ぎ過ぎというか雑さが見えたので物足りなく感じてしまいました。
光人の嫌がらせの事情は理解できるのですが、やり口があまり好みじゃなかったのと、充希がとにかく優しすぎて、どうもスッキリしない。
途中まではじっくりストーリーを追っていたのに、最後なんで駆け足にしたんでしょう。そここそじっくり時間をかけて欲しかったです。
光人にも制裁をと願った私は鬼かも知れませんが、それくらいやっても良かったのかなと思いました。
ハッピーエンドはそりゃ好きですが、うまくまとまり過ぎはそれはそれでつまんない時もあるんですね…。バランスの問題かな。
いろいろ言っちゃいましたが、全体的には好きな系統のお話なので概ね満足です。