みにくい獣の愛しい伴侶

minikui kemono no itoshii hanryo

みにくい獣の愛しい伴侶
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×25
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
5
得点
72
評価数
19
平均
3.9 / 5
神率
42.1%
著者
春田梨野 

作家さんの新作発表
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イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784576231471

あらすじ

俺が欲しいのは、ただのエルセだ。
魔術師としての生き方に縛られているエルセと、親を亡くした人狼の少年、ラニ。出会いと別れを経て、成長したラニの姿にエルセは…。

魔術師は感情に左右されず、冷静であらねばならないと厳格な兄に教えられ、従うばかりだったエルセ。親を殺した魔獣を探す人狼の少年ラニと出会ってからは、彼を助けたことをきっかけに自分の意思を持ちはじめていた。しかし共に過ごすうちに、エルセはラニがかけがえのない存在になっていくことに怯え、自分を求めるラニを拒絶して王都へ送り出してしまう。その数年後、成長したラニと再会したエルセは、「あなたが欲しい」と求愛され――。

表題作みにくい獣の愛しい伴侶

ラニ、14歳→18歳、エルセに助けられた人狼で、のちに聖騎士となる
エルセ・イスベルト、21歳→25歳、魔眼を持つ魔術師

レビュー投稿数5

一途な年下愛が光る

これはなかなかの作り込み。
人外、ファンタジー(魔術)要素、歳の差恋愛、再会もの……アンテナ張りどころ満載です。加えて、歪な義兄弟関係、魔獣絡みの事件やその真相についても目が離せない仕様となっていて読み応え抜群でした。
話全体としても、作り込まれているにも関わらずまとまりが良くて読みやすかったです。
ワンコな人狼に好かれる美人魔術師の図……いいですね。アプローチががむしゃらでニヤニヤしちゃいました(´∀`*)


助けてくれた恩人に恋した人狼の少年の、無垢で一途な想いから始まる物語です。出会った頃は大人と子どもで、人狼少年・ラニを庇護し共に生活を送る2人の関係はまるで親子か兄弟か…って感じですが、ラニの向ける愛情は人種や年齢差など関係なしに深く胸を熱くさせました。

少年であっても気持ちに年齢差は関係ない!
将来のスパダリ候補ラニと美しい魔術師・エルセの純愛を貫く姿がとても美しかった。彼らが結ばれる背景は切なく、そして痛々しいものがありますが、それだけにエンディングは格別です。

それに彼らのBLだけが見どころではなく、それ以外の部分で見せ場がいっぱい。
彼らの幸せを阻害するモノとの戦いが精神的にも肉体的にもツラい描写でしたが、でもまさかこんな展開と真相が隠されているとは思わずドキドキハラハラ……特にエルセ兄弟の間に蠢く想いは怖かった〜…(でも面白いんだ)


ラニが少年の時は、恋にはなっても恋愛に発展しないもどかしさや寂しさに落胆しきりでした。でも4年後の再会時には、ストップをかけていた恋愛のハードルを超えて関係が進んでいくので楽しいです♪
青年になった姿のラニがカッコよくて、心かき乱されるエルセを通してわたしまでドキドキしました!…分かりますか、この感じ^ ^
守られる存在だった少年が、今度は守る側として颯爽と、しかもそれなりの身分と実力を携えて目の前に現れるなんて、ときめかないハズがない!( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

スパダリに成長したラニを意識しまくるクールな魔術師の心の揺れ動きに注目しながら読んで下さいね。


ラニの一途さと諦めない粘り強さ、伴侶にと願う強い想いがハートに響くストーリーでした。エルセの迷いをスパダリムーブでぶった切るラニの男前にキュンをたくさんもらって読後感最高です^ ^

8

素晴らしすぎる〝年下わんこ攻〟

あぁーー…最高…正に理想の〝年下わんこ攻〟でした*
何が良いって、攻めの子供時代は保護する立場だったのが、成長後は逆に保護される立場になる逆転が堪らんですよね……
そして「あの幼かった少年と、今やこんな関係に…」と言う、背徳的なギャップにめちゃくちゃ滾ります!

先生があとがきで
『ラブが始まるまで長い、長すぎる…』と仰っていますが、〝恋愛に至るまでの変遷〟を堪能したい人間からしたらご褒美でしかなく、2人の関係の変化が丁寧に描かれていて、じっくりたっぷり堪能できました♡

とにかく、攻めが〝わんこ〟
外見も中身もめちゃくちゃ〝わんこ〟

まず、【黒髪褐色イヌ耳少年】のキャラデザから素晴らしく、絶望の淵から救ってくれたご主人様に尻尾ブンブンで一途に懐く様子が可愛くてしゃーない!!
ご主人様を好きすぎる余り、暴走して襲ってしまう欲望に真っ直ぐな思春期感も最高です◎

一方、受けのエルセは、見た目はクールでも情に厚く、冷たい言動でも言葉の端々から優しさを感じて、ラニの事が可愛くて仕方ないんだろうな〜…と。
特に口絵にもなってる雪を払うシーンは、ラニを思い遣るエルセの優しさが溢れていて、大変に癒しでした*

いやー…もう、メイン2人が最高なのは勿論の事、兄弟好きとしては触れずにはいられない、エルセの兄・ユリス
もう、この兄。登場時から唯ならぬ感情が漏れまくり!
弟の服を脱がせて『鑑賞』する兄って何だ……!!!?

エルセの金髪や頬を優しく撫でて愛おしそうに扱う癖に、鞭打ちの刑に処したりと感情の振れ幅が半端なく、エルセに対する執着心が怖いくらいに異常。
けど、闇を孕んだクソデカ感情好きとしては、嫌いになれないキャラクターでした。

BLとして萌え所満載で、【逃げる年上と一途に追いかける年下】の構図にトキメキが止まらず、見事な伏線回収でストーリーも文句なしに面白かったです!

4

ごんぎつねな、くろわん

兼守美行先生なのでマストバイ(大好きこの表紙)。春田先生を読ませていただくのは2作目でしたが、1作目よりこっちの方が好きでしたので、萌よりの萌2にしました。一途な年下黒わんこがお好きな方、兄の執着が大好物な方でしたら良いのではないでしょうか?本編310P超+あとがき。

オルフィア王国で、火の魔眼を持ち魔術師を務めているイスベルト家第二子のエルセ。幼い頃に両親を亡くしたため、兄と二人レイヴィル家を頼り、魔眼を持たない兄から厳しく躾けられています。ある日人狼を捕らえてほしいという依頼があり・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ユリス(受け兄、厳しい)、シェスティ(受けの許嫁)、カスパル(討伐隊隊長。人狼)、ロドリグ(行方不明の魔術師)ぐらいかな。ユリスがなあ・・・

++攻め受けについて

受けはすごく力のある魔術師。兄が力が無かったのに、第二子に魔眼持ちが生まれたので、兄から厳しく躾けられ、それを素直に受け止め、兄を兄と慕っていた純粋、不器用な金髪ストレートロン毛美人さん♡(女々しくない!)不器用だからいいんですよぅ。まあ7歳下の、しかも人狼なんだから、最初から惚れるモードになんてなる訳ないし、自分は許嫁いるし。しかも由緒正しい魔術師の家を守れと兄はあれこれ厳しいし。ハードル高!力あるし不器用ながらラニに寄せる愛情が心あったまるタイプのもので、好きだったなあ。それに、兼守先生の金髪の描き方がめっちゃ好き、ああこのしなやか、つやつや、絹糸のようなロン毛、一房、手にとらせて・・・とうっとり。

攻めは危ないところを救ってくれたことに恩義を感じてごんぎつねと化す忠犬というか執着犬というか。変態要素はないです、ただただ受けが好きで、めちゃくちゃ押しが強いというのではないんですけど、諦めない、諦めきれない。じっとずっと頑張るんですよう。涙ぐましい。こんな黒わん、落ちていたら絶対拾う。本当に優良物件に育ちました★騎士としても強くなりました★ええ子です。

攻め受けともキャラが好きなタイプで、お話も「あああ・・」とちょっとせつなくなるところあり、最後までドキドキハラハラ、きゅんしながら読めました。しかしこの表紙好きだわ・・・受けの横顔も好き、ぴっと立った攻めの黒耳も大好き。兼守先生、有難うございました!

4

魔術師という生き方は

今回は天涯孤独の人狼と魔眼の魔術師のお話です。

両親を殺した魔獣を追う攻様と関わった受様が
魔獣事件の真相を知り、受様を己の伴侶とするまで。

受様は大国オルフィア王国の魔術師の血筋である
イスベルト家に次男ですが、魔眼でまれ
兄を差し置いて生家を継ぐ者とされます。

魔術師は太古の昔に大陸を支配した竜の心臓を喰らい
魔力を宿した事で奇跡の技を扱えるようになりますが
魔力は本来人になじまず宿主の精神が揺らいだ途端
心身を喰らい、その姿をみにくい獣に変えるとされます。

事実100年前に当時の宮廷魔術師団長が
王宮で魔獣と化して国王夫妻と寵臣を虐殺する事件で
魔術師はその存在ごと表舞台から消えさる事となり

今世の魔術師は有力貴族と繋がりを持って仕事を得て
生き残っているに過ぎない有様です。

受様の両親も10年前に森に出かけた兄とともに
魔獣に襲われて亡くなっています。

受様兄弟は親戚筋に身を寄せ、兄はその家の養子となり、
受様は1人娘の婚約者となり、魔術師として研鑽を重ねます。

成人を迎えた受様は
領地内で頻発する人狼事件に悩む伯爵からの依頼を
初仕事として受けることになります。

受様は人狼に標的とされながらも炎の魔術で捉えます。
この人狼が今回の攻様です♪

人狼を捕らえた受様の成果を見せびらかせるために
伯爵に祝宴に連れだされた攻様は両手首を鎖で繋がれ
ポロポロの服の切れ間からは無数の傷が見える
痛々しい状況でした。

受様は魔術で祝宴場の灯を消し、
「人狼が逃げた」と騒いで攻様を逃がすのですが・・・

魔術師として生きる受様と人狼の攻様の
サスペンス風味なファンタジーです♪

受様は攻様を逃がした事で関りを終えたと思いますが
村が魔獣に襲われて両親を亡くした攻様には
帰る場所はなく、攻様は冬の間の居候を許します。

受様と暮らし始めた攻様は受様に懐いていき
受様も自分を慕う攻様に心を許していくのですが
またしても魔獣事件が起きるのです。

生家の家督を継げなかった兄の煩悶
兄の親しい友人だった失踪した魔術師の謎
聖騎士団で活躍する人狼の助力

受様は攻様へと向かう心と葛藤しつつ
魔獣の起こす事変に関わっていくことになり
受様達の恋の行方にワクワクし
魔獣の秘密が明かされて危機に陥る展開に
ハラハラもMAX!!

ラスボスの悲劇を乗り越えて
2人が互いの手を取るまで楽しく読ませて頂きました。

クールビューティ受とワンコ攻はMYツボな組合せな上に
もふもふでもある攻様の言動はきゅん萌えでした♡

所々に伏線は張られていますが
ストイックな魔術師な受様視点のために
あまりわかりやすくなかったのが残念でした。

3

好みの問題かな

春田梨野先生の作品を読むのは2作目になります。といってもまだ2作目なんですよね。その点ではとても上手い作家さまだと思います。ハマる人にはハマると思いました。ただわたし個人の好みとはちょっと違ったんです。

ラニとエルセ、エルセと兄のユリスの関係性を丁寧にじっくりと書いてくれているんですが、そのため淡々とし過ぎていて終盤まで単調でした。

そして読んでいるうちにラニの両親とエルセの両親を殺した魔獣の秘密に薄らと気が付いてしまうんです。この辺はとてもお上手でした。

ただ、ユリスがエルセに厳しく当たる場面やそれに諾々と従うエルセが、ただただ不快なんです。こちら物語の根幹にかかわる事象なので、省くことは出来ないので好みの問題なんです。

なので結末にしてもあんな大事件なのにそれだけなの?って思ってしまったし、ユリスがエルセに執着するキッカケも理解出来なくて、設定だけ見れば好みで萌要素もあるのに、ストーリーに入ることが出来ないのはもはや個人的な好みだと思いました。

ただ兼守美行先生のイラストは素晴らしかったです。

1

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