君の運命になれたなら~初恋オメガバース~

kimi no ummei ni naretanara hatsukoi omega verse

君の運命になれたなら~初恋オメガバース~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神17
  • 萌×29
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
6
得点
127
評価数
31
平均
4.2 / 5
神率
54.8%
著者
春田梨野 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784576221762

あらすじ

お前が好きだから、運命にしたかった
アルファ同士の淡い初恋は予期せぬ破綻を迎え…。運命の番を信じる隠れロマンチストアルファ×プライド高い努力家オメガの紆余曲折ラブ。

高校の入学式で映月を初めて見た瞬間、朔のアルファとしての自尊心は打ち砕かれた。新入生代表の映月は、あまりに完璧なアルファだった。敵愾心を抱く朔に、映月はなぜかなついてくる。いつしか友人関係となり、迎えた卒業式。急に様子がおかしくなった映月に襲われ、無理やり抱かれてしまう。朔はオメガに変転していたのだった。そのまま別々の人生を送り、七年が過ぎた頃。朔が勤める会社にやってきたのは、忘れもしない映月だった──。

表題作君の運命になれたなら~初恋オメガバース~

筧映月、朔の同級生で完璧なアルファ
深山朔、映月の執着で変転してしまうアルファ

その他の収録作品

  • たった一人の運命の番
  • あとがき

レビュー投稿数6

説得力を感じる

高校時代にα同士で出会い、ひと目でライバル認定し、ライバル関係から親友になり、卒業式の後に告白され、αのはずなのに突然のヒート。ヒートに当てられラットになった攻めの映月も抗いようがなく、そのまま教室で致してしまう。気がついたら病室で後天性Ωと診断される朔。それから連絡を断ち7年後、仕事で再会する2人。

オメガバース作品なんだけど、その設定で強引に片付けないところがすごく良かったです。もちろんフェロモンに抗えないとかそういう描写もありますが、感情の動きを丁寧に書かれている印象でした。

負けず嫌いで努力家な朔が高校入学式で映月に出会ってライバル視し、試験の度に努力して、それでも適わなくて憧れから嫌悪するけど、先入観とは違う相手の一面を知って打ち解けるのもすごく分かる。

Ωのシンママを見て育ってるから自分がαであることにすごく誇りもこだわりもあって、だからこそ自分がΩと診断されたことに対しての落ち込みもあって…。やんわりと好意を持っていた親友から告白されたのも素直に喜べないし、Ωになったから付き合おう!ってならないのも、言い方はおかしいけどオメガバの世界観をもっと日常に寄せてあるからすごく感情移入して読みやすかったです。

オメガバの話で性が変わる展開、たまに見るけどこの本はご都合主義でハッピーエンド♡ってすぐに着地せず、そこに至るまでの経緯や葛藤がすごく丁寧に書かれている印象で、すごく好感が持てました。

後書きで先生が投稿作だと書かれていて、デビュー作だと知ってよりびっくりでした。

4

素敵なお話だった

「運命の番」を軸に展開されていく切ないストーリーでした。切ないけど、じんわり温かい物語。
作者さんは新人の作家さんのようですね。文章が丁寧で読みやすく真面目で優しい印象を受けました。そのためサラサラっと心地よく読むことができました。


オメガが下に見られている世界。
出会った頃の朔と映月はα同士で、成績を競い合うライバルで親友でした。

嫌いだった相手が好きな相手に変わっていくのって良いですね。しかも高校生ものときた!わずかに見え隠れするささやかな恋心と、グイグイアピールする隠さない恋心にもキュンとなりました。
アオハルで甘酸っぱい!と、普通ならなるのですが、この作品ではそうはいきません。この幸せな時間が朔のΩ変異と発情をきっかけにガラガラと崩れていくことになります。

これこそがこの作品の大きな見せ場。
突然朔がヒート状態に陥り映月とセックスをしてしまいます。オメガになってしまった朔と、好きな相手を不可抗力とはいえ無理やり抱いてしまった映月の、淡い恋がこの事件を機に突然終わりを迎えました。

Ωになったショックで朔からの拒絶を受け、終わってしまったかに思えた2人の時間が7年の時を経て動き始めます。2人の恋は終わっていなかった。むしろ、ここからが本番であったかのように惹かれ合っていく朔と映月。この2人の恋の結末はどんな軌跡を辿るのか…その道筋は切なくも苦しいものであったけど、すごくドラマチック!心がキューンとなる嬉しい結末でした。


2人は運命の番だったのかと言うと、その答えは今出せるものじゃないと思うんですよね。
一緒にいて幸福な人生だったのであれば、それこそが「運命の番」の相手。その言葉の神秘性に踊らされているだけで、実はすぐそばにあったりする。それは男女の性別にもバース性別にも限らないことで、互いに幸せで満足な気持ちを抱く関係性の元に存在するものだと思います。

映月が"α"の朔を好きになり告白したことが全てを物語っています。何にも制約されるものでもなく、2人の気持ちが一番。それを踏まえれば、朔と映月はこれから絆を深めていって、「運命の番」になっていけると思います。2人にはその未来がしっかり見えました^ ^


後日談のストーリーも良かったです。親がすんなり認めない、ってところがリアルで好感が持てました。
オメガバース作品にはご都合主義になりがちなところもあるけど、この作品には堅実な印象を抱きました。ヒート症状を除けば、現代ものっぽくて私は結構好き。作者さんの現代もの作品も読んでみたいですね。
しっとり切ないオメガバースがお好きな方におススメです。

8

最後は素直な気持ちが一番

元々タイトルに惹かれていたのですが、
挿絵が榊先生と知り即予約しました。
オメガバースモノで、更に初恋モノとはいったいどんなお話なんだろう…と発売をとても楽しみにしていました。

出会いが高校生の頃で、その時は朔(受け)は映月(攻め)のことが嫌いでした。
その嫌いから、好きになるまでの感情の移り変わりが見れて嬉しかったです。

内容としてはすごく切ないオメガバースでした。
もっと早くに朔が自分の気持ちと向き合ってくれていたら…と思わずにはいられなかったです。

映月の「お前が好きだから、運命にしたかった」と言う言葉を聞いて
二人が運命の番だから惹かれたのかとか、
そういう細かいことはどうでもいいやって思っちゃいました。
とにかく、映月の気持ちが報われてよかったです。

その後も映月の家のことでもひと悶着ありますが
二人ならきっと大丈夫だと思いました。


二人の話とは別に、堀川くんのこともずっと気になっていたので
その後のお話を読むことが出来てよかったです。

切なさもあり、甘さもある素敵なお話でした。

5

貴方だから惹かれた

今回は名門高校に主席入学したアルファと
主席を目指すアルファのお話です。

高校時代に惹かれあいながらも攻様との離れた受様が
取引き先相手とした再会した攻様の番となるまで。

人には男女の他にアルファ、ベータ、オメガという
第二性が存在します。

人口の90%以上は一般的なベータが占め、
7.8%で経営者や政治家に多い優秀とされるアルファ、
極希少なオメガは根拠もなく劣等と差別されています。

それはオメガに発情期がある事
男女に関係なく妊娠・出産が可能な事、
オメガのフェロモンに充てられたオメガは
理性を失う事に起因しています。

受様はアルファですが
シングルで自分を生み育てたオメガの父のために
いい大学、いい会社を目指して
恩返ししたいと強く願っています。

受様は中学ではクラスで唯一のアルファで
自分をアルファらしいアルファと自負していましたが

進学した名門男子高校はアルファの在籍割合が多く
入学式で新入生総代表として壇上に立つ攻様を見た瞬間
受様は自分を差し置いてトップ入学した攻様への
敵愾心も忘れて見入ってしまいます。

受様は叱咤して攻様から首位を奪うべく努力しても
攻様に完全に勝てず、対抗心は増すばかりですが
攻様の方は積極的に友人関係を構築した為に
徐々に親しくなっていくのですが

卒業式の日、互いの想いが交錯した結果、
受様がオメガへと変転してしまい!?
オメガとなった受様を待ち受ける未来とは!?

アルファ一族に生まれで「運命の番」を信じる攻様と
オメガの父から生まれオメガ変転した受様の
オメガバースになります♪

オメガバースは基本設定の抑え方も
作家さんによってかなりアレンジされているので
初読み作家さんはかなり迷うのですが

サブタイトルについていた「初恋オメガバース」、
受様が尊大そうな(褒めてます!!)なカバーイラスト、
あらすじと帯から受様が変転する展開にひかれて
手にした結果、MYツボなお話で良かったです。

攻様との出来事で思い描いていた未来を
諦めなくてはいけなかった受様ですが

オメガの父や友人の存在が新たな道を示唆し
再開した攻様もまた受様と違う傷を負いながらも
受様を思い続けた強さにウルウルさせられました。

自分のした事の重さを後悔しながらも
受様を待たずにはいられなかった攻様の悶々も
読めたらもっと楽しかったかなとも思いましたが

変に両視点すると収拾がつかない事もありますし
続編では攻様事情も見えてきて
2人が番となったので読了感は良かったです。

5

切ない描写が良かった

気になるタイトルで、表紙が榊空也さんで、
帯『お前が好きだから、運命にしたかった』の一文。
これらの掛け合わせが良いなと思って購入しました。

読みながら何度か涙が込み上げて
ティッシュ箱をたぐり寄せながら読んだんですが…。
読み終わった後に「あれ?なんで泣いたんだっけ?」ってなったんですよね;

個人的には中盤あたりまでが好きだったんですが、
広げた風呂敷の回収がアッサリしてたなという印象です。

非常に切なさを感じたのは攻めの一途さですが、
同時になんか納得いかねぇな…と心残りも攻めという…。
攻め視点のお話があればガラッと印象が変わりそうだなと思いました。

というのも、
このお話は受けがαからΩに変異するのがキーになってて。
それまで受けはαとしてのプライドと山のような努力で
学力を維持し、目的を掲げ、すごく頑張って生きてます。

でもずっとライバル視してた友人への恋心を認めて
初めてキスをしたときに身体の中が変わってーーー。

急にΩなんて言われたらそりゃもぅパニック状態。
これからどうやって生きるかわからない焦燥感や、
何よりも攻めのライバルとして隣を歩けない辛さが非常に切なく描写されて。

α同士で切磋琢磨している関係を大事に思ってたこそ
関係が崩れてしまったことの悲しみが痛々しいのですね。

そんな悲しみに打ちひしがれる受けに対し、
攻めが発したのは「番になろう」「俺たちは運命だ」と。

これ、個人的にすごく無神経に感じました。
Ωになったから番になれるね!とでも思ったか!?
んなわけねーだろ!アホー!( `д´)⊂彡☆))Д´) パーン
今かける言葉はそうじゃねんだよ!!!!

(とか文句垂れながらも、)
(この言葉で傷ついてる受けが切なくて萌えたのですが←)

そんなこんなで攻めに対してモヤモヤしたけれど、
受けと再会するまでの攻めの一途さがすごく良かった!
手紙のくだりとかダパダパ涙流して読んだ…(;///;)

けれど受け視点だからアッサリなんですよね…。
手紙でしか攻めの心情が伝わらなかったのが残念でした。
7年もの間ずっと苦しんでたのならそれが読みたかった。

後半の攻めの家族と関わるお話もモヤり。
結局あれで解決なのか?これ解決なの…?わからん。

でも受けが絶対に折れないところが良かった!
身を引くとかそういうのは一切無くて、
愛し合ってるのになんで離れなきゃいけねーの?的な。
その上で理解を求めようと努力するところが良かったです。

評価が迷うなー…。
泣けた事実があるのは萌え×2。
読後感はなんかスッキリしなくて萌え。

萌え×2寄りの萌え評価であげます。
読みやすかったし切ない描写がグッとくるお話でした。

10

しっかり

初めましての先生と思ったら、デビュー作でいらっしゃいました。すっごくしっかりしていて、とても読みやすく「わあ」という印象です。超王道オメガバースなのですが、正統派がお好きな方でしたらとても嬉しいのではないでしょうか。王道なのですがぐいぐい読んでしまうお話でしたので萌2よりの萌にしました。投稿されたお話190Pほど+その続き70Pほど+あとがき。

高校入学して以来、どんなに頑張っても成績で一位をとられて「目の上のたんこぶ」認定している映月。どんなにそっけなくしてもなぜか朔を構ってきて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
堀川(高校時代の二人の友達)、眞琴(受けの母♂Ω)、賀村(攻め上司)、悠星(攻め兄)、攻め母ぐらいかな。

++攻め受けについて

言葉はそんなに多くないタイプですが、尊大という印象はない方です。冷え切った夫婦の間に生まれたからか、暖かい家庭っていうのをわかっていないはずなんですけど、親を見ているからか、本当に好きな人と結ばれたいと考えてる一途さんでした。

受けはアルファだったのに後天的にオメガになってしまった方。ヒートを起こして攻めを巻き込んでヤッてしまって、なかなか人生大変だったと思います。そこから持ち前の気力でなんとか巻き返し、最後はめでたく攻めの隣に収まり、良かった良かったという感じでした。

文章へたっぴで良さを伝えきれず申し訳ないです。色々展開あって高校生ものなんで興味ない方なのに引き込まれ、後半のお兄ちゃん出てきたところでもすごく良いセリフがあって、読んで良かったなあと思う一冊でした。次回作も是非頑張っていただきたいなあと思います!

4

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