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大人気の息子×浮気義父調教お仕置きBL作品が待望の単行本化!歪な二人の行く末は……?
wanwan otousan
不在の7日間を終えいよいよ物語は終末へと向かう。不仲になる龍城と響、龍城の兄である真の登場、龍城の人格を作り上げた家庭環境や兄との関係などの背景が明らかになっていきます。
響を上手く抱けず浮気も疑われ龍城はオナホでヌき出す。女体型のオナホを響に見立てて犯し、それを後ろから剣が犯すシーンの龍城の妄想が狂気で家族水入らず(違)。
上巻からインモラルなエロ漬け続け、いよいよ感覚が麻痺してきたのかこの異様な光景にすら興味が湧いてくる。家族愛の欠片もないこの一家はこんな歪な妄想ですら家族愛に見える錯覚。
響を想う真に龍城と剣は攫われ、龍城は二度と女を抱けない身体にさせる為にモブ輪姦されるが、このパートが長くて少しダルかったかな。私はモブ姦割と好きですが、こういうのって結局感情がうほっエロい!と気持ちいいだけになってしまう。剣とのエロにあるような、ギスギスした感情のやり取りあるエロの方が見ていて面白いので。
ニップルを開ける描写が、針が少しずつ貫通していく様子を龍城の表情と併せて4シーンで丁寧に描いているのが良かったです。ヤクまで出てきて最後は人間辞めてる状態になる龍城、普段なら胸を痛める場面なのに1㎜も可哀想だと思わないから凄いよね。そんな事になっている間、剣は真と命懸けのドライブをしているのだが…。
そういえば、学校にも剣に影響を与える人物が二人居る。一人は剣が想いを寄せる顧問の神部先生、もう一人は剣に接触してきたゲイの熊澤先輩だ。剣は上巻で興味本位で先輩の相手に応じたが玉砕、でもその後も先輩は剣の事を密かに気に掛け想いを寄せていたようだ。
自分勝手なクズに壊され、そいつを壊す自分勝手な欲望の果て自らもクズに堕ちた剣。無価値な自分に向けられた先輩の想いに対する胸中に少し感動した、今までこの言葉を掛ける事が出来る相手すら居なかったんだろうな。
この先輩とのエピソードは何を読んでいるかも解らなくなる暗澹から、一時だけ「ボーイズラブ」の世界へ戻れた気がした。
剣は家を出て東京に移り住んだが、単身赴任で近くに越してきた龍城が訪れる。響に嫌われ全てを失い、もう剣しか居ないと縋る龍城の執着心と最後のエロに、一瞬だけ間違ってBL的な萌えの錯覚を起こしそうになる。
最後まで剣はデレの欠片も見せる事は無い、憎悪から不自然に愛に変わらずこの姿勢を一貫したのが私は好きですね。
ラストシーンの後ろ姿の剣は何を思いどんな表情をしているのだろうか、憎しみの中にほんの一握りだけあったかもしれない慕情に想いを馳せているか、はたまたもう関係無いと通話を切り、旅行に出かける今の家族だけを笑顔で見送っているかもしれない。
よく考えたら苦手な要素だらけだったハズだ、BLの世界でまで浮気不倫なんか見たく無いし、きっかけはショタから始まる少年と大人のエロは、普段なら読んでいて少々罪悪感がある。BLのLも無ければ、龍城は誰も幸せに出来ず傷つける事しか出来なかった。
作者さんは下巻のラストを謝罪していたけれど、私はこれで良かったと思う、だってこんな男幸せにしちゃいけないもん。真の言っている事にも正しい部分があったと思う、悪い事をしてバレないと思ったら大間違い、その罪は消える事は無く、その報いは必ず自分に返ってくるし落とし前は自分で付けないといけない。
清々しい程のクズを全力で描き続けそれを最後に全力で否定する、苦手要素が多いはずなのに私がこのお話を好きなのは、上記に書いた嫌なものたちを、全部駄目な事なんだよって罰するかのように、この結末で全て否定してくれたからだ。
R18に相応しい様々なシチュエーションやプレイを楽しませて頂きましたが、それ以上に私はストーリー部分の方が印象的でした。大袈裟って言われちゃうかもしれないけれど、平凡な家庭に生まれ家族を愛し愛されて大人になれた事が、どれだけ尊くて幸せな事なのかを痛感させられた。
長い悪夢から目覚めたかのような読後感、家族としても恋情でも二人の間に愛とかそんなものは皆無で、でもそこには執着と、家族であり共犯である切れない絆のようなものがあって…剣と龍城、二人の男の壮絶な人生の片鱗を見届けたようでした。
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