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大人気の息子×浮気義父調教お仕置きBL作品が待望の単行本化!
wanwan otousan
「わんわんお父さん」は未読です、スピン元作品の攻め、剣の過去を描いたお話なので既読の方がより楽しめるとは思いますが、未読でも問題無く読めました。元は同人誌のようで、カバー下の情報によると上巻は同人誌の4冊目まででそこが最終話、下巻に収録されている5~7冊目はエクストラ的な扱いなのだとか。
苦手な人は表紙で逃げ出すと思いますがまずは試し読み推奨、この時点で地雷になりそうな要素を大体通過している親切設計。
・男女のエロシーンなど見たくもない方
・モブ姦、モブおじ、メイン二人の他とエロシーンが無理な方
・フィクションでも犯罪描写や差別用語は絶対許せない方
…などは不向きと思われます。
試し読みが家族の崩壊していく過程から描かれており、これはただのエロ本では無いな、と興味を示しました。逆体格差や龍城のビジュアルが良かったのと、主に調教プレイやクズを叩き潰す受けざまぁに期待して手に取りましたが、そういうレベルで終わるお話じゃなかった。
言葉選びや表現面で笑える箇所もきちんとありますが、ストーリー自体は裏切り、憎悪、情欲、狂気、罪悪感、失望…人間の汚い部分が延々と描かれ続け全体的にどす黒い負の感情が渦巻いている。
そのエロと歪んだ日常の中に、相手に対して、他の誰かに対して、肉体的感覚に対して、そして自分自身に対して思う様々な感情や考えが詳細に書かれている…ドエロ系にしては心情描写が多く読み応えがありました。
家族構成は剣(攻、息子)、龍城(受、義父)、響(母・妻)、わん(犬)。上巻のストーリーは響が花展で1週間家を空け、父子二人で過ごすのがメイン。結婚指輪を取り上げ、襖の部屋に龍城を監禁し毎日様々な責め苦を与え、人としての尊厳を奪いながらその快楽に依存させていきます。
剣がとにかくブレない、デレない、飴と鞭の鞭しか無い。侮辱と罵倒と犬扱い、時には快楽すらストレートに与えない、容赦ない攻め責めが見ていて気持ち良い!
同情も憐れみの余地も無いクズ受けは、「お前が悪い、これは罰」にする事で陵辱シーンを楽しむ事に対する罪をスルーしてくれる=読者のちょっとした憂さ晴らしにも貢献するのが、この龍城という犠牲者を貶める行為なのだ。
胸糞悪さや腹立たしさを感じそうな設定が、不快感があまり無くて不思議だった。それは龍城が人としては最低でもBLの「受け」としては素晴らしいスペックを持っていたからだ。
顔良しカラダ良し髪型良し何故かオッドアイで良し。掘られるのが大好きな淫乱ビッチでドM野郎、ヤツのクズっぷりに拍車をかけているのはこのドMの性癖でもある。
常習的な浮気の裏には妻との行為では満たせない欲求、尻を責められる快感とバレたら終わりの魅力的なスリルがある、ダメだと解っていてもやめられないのがクズの性。
…とは言っても殺人や暴力沙汰を起こした訳では無いし、未成年の息子と関係を持つのは犯罪だけれど、浮気に対してはクズとは言いきれないのかもしれない。響を奪うに至った過程など、人に寄っては龍城にも共感出来る部分があるのでは?
モブおじさんに対しても好意的、挑発や主導権握るような面も見せ、後半は剣に対しても大歓迎モード、と誘い受け要素も。クズの部分を除いてみれば性格は陽気でちょっとおバカっぽい感じ、太陽と月なら太陽に該当するだろう。
…要するに私が受けに欲しい好きな要素を多く兼ね備えているのだ!剣が龍城を憎みつつもその身体には欲情したように、悔しいが何故かヤツがエロく乱れる姿にはこちらも惹かれてしまうのだ、「何でよりによってコイツなんだよ…」ってこっちが言いたくなるよね。
冒頭に書いたように本編は上巻の範囲で終わりのようです、ここで止めておけば単純にハードエロを楽しむ為の、未来の解らない結末だったかもしれません。
龍城についてとエロの感想しか殆ど無くて申し訳無いですが、ストーリー部分は下巻の方に書きます、このお話は下巻のストーリーと結末を読んでこそ深い意味があると思うので。
ちるちるのガイドラインでは良い評価ほど人にお勧め出来るという事になる、この作品は人に寄って別れる「中立」にしないといけないかもしれませんが、ここまでやってくれるならもう私が個人的に好きなので神で。
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