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seirei wo yadosu kuni ougon no hoshi
こちらの作品の存在は知らなかったので「青雷」を読んだ時は、登場人物の多さと設定の複雑さになかなか頭に入って来ずにとても苦労しました。
ですが前巻の終盤辺りからグッと面白くなって来て、「黄金の星」では「青雷」で腹立たしかった人物の裏側を知ると、彼等の苦しみとか悲しみとか覚悟を知りガラリと印象が変わって来るんです。
やっとこちらの世界観が理解出来て来たと思いました。
光蟲の神獣師であるイーゼスがどうして二神(2人目の半神)を得ることになったのかとかが、キリアスとオルガのお話に絡めて来るところがとても秀逸でした。
このイーゼスの半神であるハユルと出会ったことで、オルガが前に進むきっかけとなります。
個人的にはキリアスが迷いを捨ててやっとオルガに向き合ってくれた事に胸熱でした。
この巻ではオルガの秘密はまだ半分しか明らかになっていません。でも、流れから何となく残りの部分が分かったような気がします。
次巻は来年の1月発売らしいので、答え合わせを楽しみにして待ちたいと思います。
「精霊を宿す国」2巻目は主人公達以外の神獣師のエピソードが書かれています。
考えてもみてください!精霊師、神獣師は2人で一組、しかも神獣は5体。どう少なく見積もっても5組10人のエピソードが楽しめる!
しかしともすればバラバラになってしまいそうなそれぞれのエピソードが、主人公の出生の秘密や事の起こりの事件と絡められ織り込まれ、ヨダ国の存亡へと展開していく様は見事としか言いようがありません。
2巻の終盤では読者は主人公の秘密に薄らと気づき始めるかと思われますが、ここで次巻へ続く!です。
ここまで読み終えると、それまでイマイチ主人公カプに思い入れがー、なんてお嘆きの方でも必ず、誰か、どのカプかに推しが生まれているはず。佐伊先生の登場人物・エピソード書き分け能力本当に素晴らしいの一言です。
長編骨太ファンタジー第二弾。
本巻は五大精霊、光蟲の神獣師イーゼスがハユルを裏山に預けにくるところからスタートします。
イーゼスの依代、ハユルは二神と言われる精霊師からしたら侮蔑の対象で、器も小さく体に負荷がかかっている状態。
ハユルが何故このような状態になってしまったのか、過去を通して語られる出来事と、道中でハユルが見つけた新たなる真実。
これをイーゼスに必死に届けようとする姿に、ハユルは本当に心が綺麗なんだろうか。
永遠に伝わらないと思っていた想いが伝わる瞬間は本当に黄金の星のようにきらきらとしていました。
この世界の「髪を触るのは伴侶だけ」という設定が大好きなのですが、この設定がフューチャーされるシーンの一つがイーゼスとハユルにあり、本当に苦しい。
主人公カプのキリアス様とオルガはオルガと国を守るためにキリアス様はオルガとの別れを選んだところから。
この2人もこの葛藤期間がとても苦しいのですが、オルガはキリアス様との唯一無二を貫かせてほしいと言う強い意志で、どれほど苦しい道でも進む決意をします。
キリアス様も大切なものを引き換えにしてもオルガを守ろうとしていて、最後にキリアス様がもうオルガを泣かせないと決心するシーンは胸熱です。キリアス様の短髪も美しいけれど人に切らせた事を根にもつオルガも可愛い。
青雷が攻撃系最強の精霊なのも熱いですよね。
そして過去編、カディアス王の時代が誕生するまで、元光蟲のダナルとルカが唯一無二になるまで話。
ルカが恋人と離され無理やりあてがわれたダナルへ吐いた言葉。ダナルこれをずっと引きずっているんですよね。
臆病者のふたりが心を通わせる窓のシーンは本当に涙なしでは読めません。ずっとあると信じていた真っ白で美しい世界。
本当に好きで何度も読み返しては泣いてしまいます。
そしてその後のシーンは思わず笑ってしまうほど面白いのも佐伊先生節が効いていてとても好きです。
この後も次々真実が明らかになり盛り上がりを見せますので、キャラの多さに挫けず是非とも最後まで見届けてほしいです。
間は空きますが次巻は私の推しカプのメイン回がやってきます。記憶を消して読みたいほどです。
楽しみに待ちます。