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bokutachi ha marude yuugatou no youni
「かげふみの恋」同時収録作品の電子単話。オメガバース。
主人公は、法学部の学部一位の学生でΩの砂子(さこ)。
砂子はΩである事の生きづらさを常に意識している。
彼は抑制剤の効きがいい体質ではあるけれど、日々小さくなって過ごしているのだが。
ある日大学内で突然自分の「番」を見つける。それは相手も同様で。
その相手・森岡(α)の方は番に出会えて嬉しいような素振り。
しかし砂子の方は…
非常に静かだけれど、砂子の抱く怒りや哀しみ、虚しさ、諦め…負の感情のあれこれ、それらがじんわりと伝わってくる。
続編としての「籠の中」ではもう砂子は森岡との運命を受け入れていて、でももちろんお花畑なんかではなく。
『番という存在は安心と惨めさを覚えさせる』…
でも運命と感情が絡み合った今では、もう離れる選択肢など無い。
お前で良かった。少しの哀しみと諦めがまだ漂っているけれど、そう思えるのなら。