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「そんなに口説かれたいんですか？」 期待の新鋭 待望のデビューコミックス！ 仏の眷属×ケンカップル
fudaraku nikki
普陀洛は本日もラブコメだらけ
この設定は初めてかも？
物語の舞台は観音様の住まう“普陀落”。
仏に仕え、仏法を守護する8つの種族から成る
“八部衆”たちのドタバタなラブ模様を描いた作品。
表題作では2組のCPが登場しますが、
まずメインが迦楼羅族の界焔と龍族の降渓。
八部衆候補として日々修行に励む二人ですが、
直情型な界焔と嫌味な降渓は正反対ゆえに喧嘩ばかり。
けれど、ある日、酒に酔った界焔から
「一緒に八部衆になるならお前とじゃなきゃいやだ」と
素直な本音を打ち明けられた降渓は…。
普段は顔を合わせれば言い合いになってしまう二人ですが、
実はこの降渓、界焔に片思いしちゃってるんです！
けれど、兄へのコンプレックスだとかツンデレな性格が災いして、
真正面からぶつかってくる界焔に対しても素直になれず…
もう界焔への態度が好きな子に意地悪しちゃう小学生か！と。
対する界焔もまた短気で、
そんな二人の組み合わせなのでじれもだが炸裂しておりますが、
酒の力を借りた界焔のデレに全て持って行かれちゃいました。。。
酔い潰れるとわかっていてなんで飲むのか、という降渓に
「酒飲んだ時くらいしか、お前俺にやさしくしてくれねえじゃん」って！！
この界焔の一言によって降渓の理性は崩壊(そりゃそうだ)
いよいよ気持ちが隠し切れなくなり、押し倒してしまうんです(仕方ない)
最後の最後まで往生際悪く逃げようとするも界焔から詰め寄られ、
気持ちを伝える降渓がもうツンデレの見本すぎて可愛すぎる！
遠回しに言ってもちっとも伝わらない界焔に
「あなたのことが好きだと言ってるんですよ…」と告白する降渓ですが…
普段はクールぶっているくせに真っ赤になっちゃって、
もはや歯止めが利かなくなった降渓の暴走溺愛っぷりに
ニマニマしてしまいました♡
さらに恋人になってからは兄に嫉妬したり、独占欲剥き出しで
界焔への好きにブレーキがきかなくなってしまった降渓にキュン不可避！
どれだけ悪態つこうがもうその心の内が透けて見えちゃって、
可愛くしか見えなくなっちゃいました。
そんな降渓の裏表ギャップにまんまと絆されてしまう界焔(わかる！)
はじめは自分の気持ちがわからないなんて流されるままに
抱かれていたけれど、最終話ではちゃんと好意を自覚してくれて、
降渓の恋が報われてよかった…！
エロもあり！
最中に「殺す」発言が出たり、ムードよりコミカル色強めな
二人の情事でしたが、脱ぐと予想外にガチムチボディで、
界焔の感じる表情も猛烈にエロエロでした///
普陀落日記は全4話ですが、そのうち1編が
降渓の兄・昇峯×八部衆の空利のお話として収録されています。
弟たちケンカップルとは違って割とすんなりとくっつく二人ですが、
クソ真面目イケメンの昇峯のスパダリ攻めっぷりにドキドキしちゃいます♡
今回登場した八部衆は界焔と降渓を含めて4名のみですが、
機会があれば他の面々も見てみたいなぁ♪
この他、縁結びの神様と縁薄き大学生のほのぼのルームシェア？と
可愛い恋模様を描いた『縁結びユカリさん』(前後編)が収録されています。
神様にしては神々しさの欠片もなくて(誉め言葉)お茶目なユカリさんに
一読み惚れです♪
前後編のみじゃやっぱり少々物足りなさが…もっとおかわり下さい！
本作がデビュー作とのことでした。
ストーリーは全体的に王道的ですが、どのお話を読んでも
設定や世界観、キャラが独創的でわくわくさせられました♪
次回作はどんな世界のお話を描かれるのか、今から楽しみです。
仏教系ファンタジー
仏教系ファンタジーかつ人外（人型）な設定は、記憶がある限り初めてだったので新感覚でした。
ただ、この設定が存分に活かされているかと言われれば...
表題作は２人のケンカップルぶりにフォーカスされていて、BLなのでそれはそれで面白いのですが！
せっかく他に類を見ないジャンルなので、もっと世界観を存分に堪能できたらなあと思ってしまいました。
屈強男子が”お前だから許してる”的なスタンスでいるの、最強に萌えませんか？
この２人に関しては、受けも身体が厚めな男子なので、そういう見た目が好みの方はぜひ読んでみてください。
同じ世界観で、ケンカップルの攻め兄×元同僚のカップルが出てきますが、個人的にはこちらの方が好みでした。
攻めからのわかりにくくて、まっすぐな愛が堪りません。
初めての世界観の入門としては、とても読みやすかった今作。
同時収録も不思議なお話ですが、ほのぼのと癒されます。
無事に単行本が発売されて本当に良かったです。
次はぜひ、設定にどっぷりなお話が見られたら良いなあと思いました。
神族系男子詰め合わせ
電子配信の時に試し読みして気になっていた作品、もう読めないかも…と思っていたので無事に発売されて良かったです。概ね楽しめたのですが少々物足りないと感じる点もありました。
物語の主軸となるのは不仲な主役二人が距離を縮めていく部分と、降渓と兄・昇峯の関係について。この世界観ならではのファンタジー展開が少なく、職業や設定を変えて現代モノでも出来るストーリーのように感じてしまいました。
課題である寺の掃除があっさりとしか描かれておらず、一筋縄ではいかない試練が欲しかった、全体的に淡々と進んでしまい盛り上がりに欠ける印象でした。
恋愛部分は二人の出会いや好きになるきっかけ、共に過ごした時間たちetc…過去エピソードが少ないせいで「好き」にあまり重みを感じなくて、その感情に至った経緯があればもっと良かったです。
界焔が酔って本音を打ち明けるシーンや、時折素直になったり自分から歩み寄ろうとする姿勢は好感。降渓が界焔を昇峯に合わせたくない理由は、普段嫌味な降渓が界焔の事をちゃんと好きなのが伝わって来ました。いつものケンカ腰な態度があるからこそ有難味が強いデレの部分は二人とも良かったです。
サブキャラの動向も気になる私は昇峯と空利のお話も収録されていたのが嬉しかったです、欲を言えば…ちょい役でも良いので八部衆全員登場して欲しかったな。
同時収録「縁結びユカリさん」は縁がすぐ切れる体質のナオを、縁結びの神様ユカリさんが救うお話。互いを思うが故の勘違いからすれ違う展開が上手く出来ていると思いました。ユカリさんが神通力で姿を変えるシーンがあるのですが、せっかくなのでそのままデートとかも見てみたかったです。
BLのお約束展開に染まり過ぎた私は、ナオがエロい先輩に付いて行っててっきり酷い目に合わされるのかと思いきや、難なく帰って来た事が逆に珍しいパターンとすら感じました(笑)。
全体的にライトな読み心地、表題＆同時収録共に装束系キャラモノへの統一にこだわりを感じる。体格差有りと同じ位を両方楽しめて、エロも適度にあるけれど描写はエグ過ぎず見やすい。多少の困難やすれ違いはあって終始甘々では無いけれど、重暗くはなり過ぎない。
バランスは取れていると思われ、初心者さんにも読みやすそうな一冊。好みの問題ですが、個人的には多方面からもう少し深堀して欲しかったです。
