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atenai tokoro ni kimi araba bangaihen
本編1話のサイドストーリー的な感じの番外編、とても興味深く読ませてもらいました。
高嶋視点のお話なので、本編の補完的な役割も担った番外編。それによりこの作品が更にグッと深みが増したように思いました。
亡き友人への想いと佐伯の想いを重ね合わせた高嶋の心の葛藤を描いた内容がメインでした。
友人の告白を聞いておけば良かったのかも知れない、告白を受け入れていたら良かったのかも知れない…と、友人が亡くなったからこそ解放されない罪悪感に苛まれている高嶋の切ない思いに胸が痛くなりました。
告白してきた佐伯を友人の姿に重ね合わせ、佐伯を受け入れることで少しでもその罪悪感から解放されたがっているように見えました。
高嶋の理性的な部分では佐伯への好意があるわけでもないんですが、本能的な部分では佐伯を求めていて…だから告白の言葉も聞いたし、身体も繋げた。
この時点で答えは既に出ていたんですよね。佐伯は友人の代わりでもなんでもなかったのだと。
高嶋が佐伯を突き放すような態度をとったのもより理解できました。自分の気持ちを認めたくなかったし、怖かったんだと思う。高嶋はツンツンなので、佐伯があんな風にワンコだったことにも救われましたよね。恋人の相性としては最高じゃないかな♪
そんな高嶋の過去回想をよそに、現在の2人は幸せそうで良かったです!
相変わらずのワンコな佐伯。尻に敷かれた感ありなのが面白くてそのままでいて欲しいです。
現在の2人の仲良姿も見れましたし、番外編嬉しかったです。
「あてない処に君あらば」の番外編。
「番外編」としてよくある「その後編」ではありません。
冒頭は本編後、恋人として仲の良い2人の様子。
佐伯が携帯を店に忘れた事で高嶋が馴れ初めを思い出す…。
本編では佐伯視点だった居酒屋での会話や雪のため泊まったホテルでの一夜が、今度は高嶋の視点から語られる、という展開です。
本編では、あまりにもあっけなく佐伯を受け入れて「そばにいて」とまで発言するのがどうもピンと来なかったのだけれど、この番外編を読むと高嶋のぬぐいきれない罪悪感や後悔、少しの投げやりさや逆に本当は心に抱いていた希望のようなもの…
そんなものが高嶋の胸の内にあった事がわかる。
抱かれた時、このあたたかさを祥吾は知らずに…と涙した高嶋が切なかった。
今の佐伯と高嶋は大変楽しそうで。
祥吾とのことも知っている佐伯だから、隣で高嶋も笑う事ができる。
「後悔」は消えないと思うけど「罪悪感」は手離してもいいと思うのね。
もうちょっと今のイチャつきを読みたい気もします。ちょっと短いので「萌」で。