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前作「可愛いひと。Pure」と対になっている本作。
高根千尋と元同級生で友人の各務瑛司と、怪我をしているところを偶然に救われた都村春のカップリング。
「可愛いひと。」シリーズはこの2組を中心に展開してゆく。
今回はタイトルに「cute」とあるように、受けの春は奔放で無邪気でやんちゃなタイプだ。
対して攻めの各務は理性的で大人でムッツリ。
全く絢一と高根の取り合わせとは逆で、対比してみると結構おもしろいなと思った。
絢一と言えば内気で控え目、高根は感情的で自分に正直だ。
逆の取り合わせになると・・・いい相談相手かケンカ友達止まりにしかならないだろうから、やはりこれはベストカップリングと言うべきか。
ただ高根と絢一の関係が一気に燃え上がるようなものだったのに比べると、各務と春の愛はとても緩やかに感じる。
もちろん強く互いを求め合っていることには違いないのだが、相手を想いすぎてワガママになりきれないところが、高根と絢一よりはややストイックで、またそれが2人らしいとも言えるだろう。
そんな春の「他の誰かと幸せになるくらいなら 好きな人と不幸になった方がいい」という精一杯の言葉は、胸を衝く。
前作の「Pure」と続けて読んだからか、個人的には少し物足りない感じはしたが、これは個々の好みによるものなので作品の優劣には関係ないかと思う。
こちらも新装版の小説が発刊されたところなので、コミックスでは足りない部分を補うべく、ぜひ読んでみたいと思っている。
ところで・・・私は春と絢一の取り合わせがとても好きだったりしている。
心の狭い(笑)高根は、2人がじゃれ合っているだけですぐに眉を吊り上げるが、子猫同士なんと心和むことか(*´Д`)
高根もいい加減、各務のようにどっしりと恋人を見守れる大人になった方がいいぞ!と、4人のシーンを見ているとついツッコんでしまう。
まずはコミックスで世界観を掴んだら、その後は原作小説でガッツリのめり込めるかと思う。
ドラマCDも沢山出ていると言うし、ハマればこれは相当楽しいシリーズになる予感。
シリーズ未読の方は、ぜひコミックスから入ってみてほしい。