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omega megaera
純BLではなく、けして男たちだけの物語ではないんですが、私はオメガバースではこの話が一番好きだったりします。
オメガバースに封建社会を絡めているので、この世界のΩへの待遇は熾烈を極めます。まさに地獄のオメガバース! でも、男女間はあくまでも平等なんですよね。そこが面白いです。
あと、昔の少女マンガみたいな雰囲気の中に、オメガバースというわりと最近できた設定が違和感なく使われているのがすごい。主人公(男子、Ω)が最後オエっとなって妊娠…?となるところも古典的なのに新しくてときめく!笑 面白すぎ!作者さん天才や!と思って毎回興奮して読んでいます。
オメガバースの最大の見どころは発情!だと思うのですが、この物語でもすごく劇的に扱われています。くっつきそうでなかなかくっつかなかった、真宮と伊織がようやく結ばれて良かった…いや、その後の展開があまりにあんまりなんですが。
今回真宮が本当にかわいそうでしたが、麗子お姉様も憔悴しきっててつらかったです。弟にイジワルしてたころが懐かしいよ…。
初恋をこじらせる有憲、なにかやらかしてくれそうな猩羅さん、作者の得意なメンヘラ男子の真骨頂だった犀門さん…みんな本当に好きなので、最後は幸せになって欲しい。昔の少女マンガって結構バッドエンドが多かったりするので、本当に祈るような気持ちです…
6巻で、麗子の偽りの婚礼の裏で大変な事件が!となった後の7巻。
その場で破滅か⁉︎と思いきやの。
猩羅様〜!
猩羅様には全てバレました。
しかし、猩羅様はただのΩではないようで。
こんな茶番劇のカラクリを全て知っても、新たな共犯性を麗子と結ぶ。
一方真宮はことの大きさに押しつぶされつつも、伊織、また伊織が身を寄せている活動家の元へ…
…という激動巻。
しかし真宮は抑制剤の入手経路からの落とし穴。
捕らえられ、しかし表沙汰にはされず、
そのまま秘密裏に「民会」の「献胎」要員に⁉︎
いや〜…恐ろしい巻です。
猩羅様が味方になって、
伊織と真宮が番っても。それでもなお。
英家は目をつけられて潰されようとしている…
どうやら真宮が身籠ってはいるが。
猩羅様は見えない眼で何を見つめる?見透かす?
いよいよ先が見えない。
猩羅様の動向が気になりすぎます!
残酷なオメガバースを爆誕させた作者の視点に驚嘆しかありません。
とにかく。Ωが生きて行けない世界。
自由が無い、というのはこれまでも描かれていたかと思うが、これほどまでとは。
まるで。反政府軍かの様に扱われ、Ωである事を偽ると重罪人として捕えられ、「産む道具」として扱われ続ける。そこに人権など無い。
家の為に、家族の為に、Ω性である事を偽って来た真宮は、危険な綱渡りで手に入れていた抑制剤をついに手に入れる事も出来なくなり、とうとう当局に捕まってしまう。
英家に残されたのは、αと偽っている当主の麗子。彼女はとても優秀で真っ直ぐな人だが、βだ。これもバレてしまうとただでさえ傾きかけた英家を、その家が護って来た事業を、意地の悪い叔父に全て奪われてしまう。麗子は家を護れるのか。そして。真宮の運命は⁈ というところで、ハラハラの次巻へと続く。気持ちが通じ合い、おそらく「魂の番」であろう伊織と真宮はまた離れ離れに。伊織は所謂「反政府軍」の様な活動家の先生と共に闘っている様で、革命家となるであろう。彼等が救世主となるのか。
伊織は真宮が「産む道具」とされる前に、そもそも救う事が出来るのか。間に合って欲しい!
学生時代、生徒会で会長の座を争った有憲は、実は麗子の事を愛している。誠実な彼は、猩羅と政略的な婚姻を結んだ麗子を救う事が出来るのか。麗子は、真宮は、家を護る為、というよりも自分の尊厳を、生き方を、守らんとしていて。その必死さに涙。
そもそも。この過酷な運命に真宮を引き摺り込んだ犀門は一体何処へ姿をくらませたのか。そろそろ彼にも再登場願いたいところ。
作中では、海の向こうの外国では、この国よりもΩが生き易いとも語られている。
もしかしたら。犀門は国外へ脱出しているのかも。
収監された真宮は、そこで激しい悪阻に見舞われる。おそらく。たった一度だけ伊織と愛し合った子を身籠ったのだと思われ。この子供が希望の光となるんだろう。
幕引きはいつか。終結は如何に。そして恋人達には幸在らんことを!心からそう願います。