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zaibatsu omega verse

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
沙倉之一族の子供である真路は、第二の性をオメガと診断されてから、座敷牢に閉じ込められてしまいます。真路は、元々は絵が好きな明るい子供だったのに、沙倉之一族からすると、アルファこそ一族のすべてであり、アルファ以外の人間を認めないためです。
沙倉之で世話人として勤めている冬冴は、小さい頃から真路を知っていますが、冬冴の本当の狙いは、姉である夏乃が沙倉之家で働いていたときに死んだ理由を探ることと、沙倉之に復讐することです。
あまりにも利権が絡みすぎて、誰が善人、悪人かが分かりにくく、冬冴と真路以外は信じられなくなるような気持ちさえ感じました。
アルファの産み分け、座敷牢への閉じ込めは、現当主である祖父の策略ですが、一族の後ろ側、利権争い、ドロドロした部分が見えてきます。財閥という特殊な家系だから大変なのでしょうが、真路の兄、一清の気持ちには気づきませんでした。
「装うアルファ、種付けのオメガ ~財閥オメガバース~」(小説)
「孕むアルファ擬態するオメガ」(コミカライズ)
という2作の関連作品は未読で、こちらから読みました。
財閥!!!という豪奢な設定に、オメガ軽視の社会。
蔑まれ座敷牢に入れられてしまうオメガが主人公です。
ただ、そんな状況にも関わらず割と飄々とした雰囲気と境遇に負けない強さが受けの言動に垣間見えて、可哀想すぎないところが良かったです。
攻めはベータと偽り復讐に燃えるアルファ。
前半は薄く漂うくらいの甘さしかない2人の関係ですが、ほんのりとしたお互いの情が最後には実を結んで本当に良かったです。
また受けの出生の秘密なども絡み合い、さすが小説原作といった感じでした。
とにかく弟に執着し続けた一清兄ちゃんの幸せを祈る。。
はぁ〜面白かった!雑誌はたまにしか買ってなかったので、どうなったかと気になっていたのでやっと結末まで読めました。
真路のヒートがキッカケで身体の関係があった2人でしたが、冬冴と真路の関係が分かって驚きました。真っ当な感覚の冬冴が戸惑い悩む気持ちが凄く良く理解出来ました。
それにしてもアルファ至上主義の沙倉之財閥当主の妄執の凄まじさは怖気が走りました。
真路の兄の一清の執着がより純粋に思えましたね。
同じくアルファ至上主義の嫁に対して一清が放ったひと言に痺れました。嫁より弟が大事って可愛いじゃないの?沙倉之家で父親の下で苦しんでいた時の、一清の唯一の心の拠り所が真路だったと知り泣けて来ました。
あとがきで宝井先生と担当者さまが一清推しだったと知り共感しました。www
でも忘れちゃいけないのが水壬楓子先生の小説の「装うアルファ、種付けのオメガ ~財閥オメガバース~」の内容で、息子の真頼と番の黎司の子ども達を取り上げようとしたのは一清なんですよね。
また小説の方も時間があったら再読してみたいと思いました。
凄いボリュームのコミックスですが、面白くて一気読みでした。