ドリアン・グレイの禁じられた遊び

dorian gurei no kinjirareta asobi

ドリアン・グレイの禁じられた遊び
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×24
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
111
評価数
23
平均
4.8 / 5
神率
82.6%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
色悪作家と校正者の不貞
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403525551

あらすじ

人気作家白洲絵一こと双葉と本当の恋人になった宙人だったが、最大の恋敵が姿を現す。双葉の心を深く捉える存在に、果たして宙人の勝ち目はあるのか!? 「色悪作家」シリーズスピンオフ第二弾!!

表題作ドリアン・グレイの禁じられた遊び

白洲の愛人として世間を騒がせる時代小説家,27
有名な文学賞を総なめにする大人気作家,35

その他の収録作品

  • ドリアン・グレイの「道」と「星の王子様」
  • あとがき

レビュー投稿数5

良かった〜

実は私は菅野彰先生の作品が苦手なんです。「毎日晴天!」シリーズは苦手で途中で読むのを止めてしまったし、こちらのスピン元に至っては受の正祐が苦手でした。

でもこちらのカップルは2人とも大好きで、お話も凄く好みなんです。こちらの作品だと苦手な正祐も、いつも鼻につく文学談義も不思議と気にならないのです。

それはきっと宙人の魅力故だと思うんです。今回も何も考えて無いようでいて、1番思慮深いのは宙人だと思いました。

「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」のレビューの時に双葉の心の中の少年が未練がありそうと書いていたんですが、今作ではその不安が当たってしまいました。

もうね心の中の少年こと双葉(白洲絵一)が名前を奪った白洲英知が怒涛の求愛を見せてくるんですよ。もう終盤まで宙人負けるな負けないでよと、心の中で叫びつつ読んでました。

確かに英知の愛は深くて強いものだけど、私は宙人の優しく植物に水と光を与えるような愛し方が好きでした。

宙人が双葉の父親との記憶を呼び覚ました辺りは凄く感動して、逆に英知の双葉を追い詰めるような愛に嫌悪しました。

最後の最後まで双葉が宙人と英知のどちらを選ぶのか予断を許さない展開が流石でした。そして、双葉がどうして片方を選んで片方の手を離したのかも納得でした。ここのシーンでの3人のやり取りに、一文字一文字食い入るように読みました。やはりこの作品大好きです。
そしてスピンオフのスピンオフを読むために「小説ディアプラス」を予約しました。


209ページ10行目の「…そういえぱ」は「…そういえば」の間違いですね。菅野作品としてはとても珍しいと思いました。

6

燃える三角関係

菅野先生のこの小説家シリーズ大好きで、なぜ今回いい男3人の表紙の絵?と思っていたら三角関係の話でした。ヘルムートバーガー似の美形小説家・双葉とアランドロン似の政治家・白洲と宇宙人小説家・宙人。共に往年の欧州映画スター似で魂の友のような幼馴染み関係だった2人に対してとても分が悪い宙人。

麻々原先生のイラストだと全員美形ですが、読者としては困難だけど純粋で愛情深く器の大きい宙人を応援したくなります。宙人は元々困った宇宙人キャラだったのに受けの幸せを最優先するこんな素敵なヘタレスパダリキャラに成長しました。愚直に双葉を愛し続ける宙人。必ず最後に愛は勝つ。

シリーズ恒例キャラの大吾・正祐・篠田さん・鳥八親父もいい味出してます。校正者の正祐は乱れた日本語が大嫌いなので宙人を慰めるべき所でもついキツくなってしまうクールビューティーです。篠田さんも穏やかながら文学・映画談議では引かない所が面倒くさくて面白い。

「禁じられた遊び」や「銀河鉄道の夜」の映画と童話のストーリーに双葉の人生をオーバーラップさせた手法も面白い。原作の方も改めて読み直したくなりました。「銀河…」は匂い系だというしね。

何より作者の菅野先生が楽しんで書いていらっしゃるのが伝わります。好きな物つめこみました、みたいな。こういう作風の作家はなかなかいないのでこれからも我が道を突き進んでいってほしいです。

4

変えられない過去、変えられる未来

今回は感性が独特過ぎる若手作家と
多数の文学賞を手中にするベストセラー作家のお話です。

受様の初恋の君が受様を迎えに来る騒動の顛末と
受様がいつもの面々を自宅に招く続編短編を収録。

受様はデビュー以来、様々な文学賞を受賞し、
現代文学の旗手と呼ばれる作家です。

己の美しさに執心はないものの
若き日のヘルムート・バーガーと呼ばれる受様の美貌は
物静かな文学青年つくりに一役買い
更に受様を魅力的な男性に仕上げています。

受様は政治家の家に生まれ
兄とも慕った受様の父の側近の息子と
新たな未来を掴むことを望みながらも叶いませんでした。

側近の息子は父の命を受けた監視者でもあり
彼と共にある未来を断たれた受様は
彼の名を筆名にして文壇デビューを果たしますが
終止符の打たれなかった恋はいつまでも
受様を縛り続けていました。

それでも受様は攻様と出会い
新たな恋が己を変えたと思っていましたが

受様の父を側近して支えていたはずの彼が
政権が倒れるほどの汚職事件を告発、
野党の議員として己の場所を築きた上で
受様に迎えに来たと手を伸べてきて!?

雑誌掲載作のタイトル作に描き下し続編を付けた文庫化で
菅野先生の色悪作家シリーズのスピンオフ
「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」の続編になります。

受様は正統派で難解な方ですが
攻様は正反対な意味で意味不明な人です。

既刊で受様は攻様を撃ち殺そうとまでしたので
攻様はともかく受様の葛藤はまだまだ続くのかな
と思っていたのですが、意外としっくりしています。

もの知らずと言われる受様だからこそ
他の人達の目を通した受様を見るのではなく
自分が感じたままの受様を受け入れ
過去に縛られ続けた受様を変化させたのは明白です。

しかし今回、
受様がただ1人欲しいと願った初恋の君が
受様の手を取るべく動き出し
受様の心を激しく揺り動かすのです。

受様への愛は誰にも負けないと自負していても
ライバルは受様が長く患っていた恋の相手であり
受様自身よりに受様を知る人物に勝てるとは思えず

読者としては2人のハピエンを信じつつも
攻様以上に彼がライバル氏に勝てる要素も見つけられず
ハラハラとモヤモヤにぐるぐるしながら
頑張って読ました ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

本作の登場人物達は職業柄言葉を操る事が得意ですが
得意な故に難解で複雑に感じてしまいます。

そんな中で攻様は己の想うままに言葉を発します。
それは拙かったり、間違っていたりするけれど
率直でありのままの心を形にした言葉だからこそ
受様を捕らえたのかなと思いました。

5

頑張れ宇宙人の巻

めんどくさい人ばっかり出てくる激面白な色悪シリーズのスピンオフ。今回はなんとなんと白洲絵一が心中しそうなぐらいな勢いで恋焦がれていたお兄ちゃんがひっかき回しにご登場するというお話でした。ああめんどくさい&楽しい。雑誌掲載分190Pほど+後日談的エピソード25Pほど+あとがき。

オペラシティで肩で爆睡されたことから関係が知られた白洲と宙人。あれやこれや周りから騒がれながらも仲良くやっていたある日、白洲の幼い頃に恋焦がれていたお兄ちゃん(白洲英知、国会議員秘書)が、大規模汚職事件をリークするという事件が発生し・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
大吾&正祐、篠田、白洲英知、受けの父、受けを昔面倒見てくれた方(♀)、百田(鳥八の主人)ぐらい。

++良かったところ

とってもややこしい白洲が、宇宙人宙人のまっすぐなキラキラしい思いに直面して、光の方を向いて、前を向いて歩いていこうってするところがすっごく良かった。。。。

あとがきに先生が「宙人が勝てるとは思えません」と泣き言を言ったとありますが、ほんとそれ。長年思いを胸に秘め、盤石な基盤を手にするまではとぐっと我慢し、それをとうとう実行したアランドロン白洲英知。俺が絶対勝ちだろう!と思って、いざ絵一のもとにやってきたのに、宙人のまっすぐさが勝利するんだもんねー。すがすがしい。難しい話になると「わかんないーわかんないー-」と足をばたつかせる、幼子のような宙人なんですけどね。

宇宙人宙人、大好きです。最後の番外編では受けの絵一が、本名を大吾や正祐、篠田に告げるシーンがあるのですが、そこでね、宙人がね、ぼろぼろ泣くんですよ。(訳あって本名を告げていなかった受けが)「自分の名前を言えたから」って。宙人、語彙力は小説家にあるまじきものだけど、本当に良い奴・・・大好き。

色々回りくどいめんどくさい登場人物ばっかりなので(除く篠田)、読むのも七面倒くさい!って思うところもあるんですが、めんどくさいと思うところをすっ飛ばしてでも、読んでみてほしいなあ・・・この25Pのキラキラしさを感じるためにぜひ色悪シリーズを最初の方から読んでいただければと思います。宇宙人の登場シーンは、ほんとに衝撃的だったので!ここまで来たか!と感慨深いです!

3

やっぱり難しい!

スピンオフ第二弾です。
白洲の性格というか背景というか、めちゃくちゃわかりにくくて難しい。
でも、宙人と一緒にいることで変化していっている双葉。やっと鉄道から降りられたと思ったのに、出てきた白洲英知。

途中、英知のうちに秘めた、抑え込んでいた気持ちや行動が出てきます。そして、はっきりと双葉に対して想いを告げます。
双葉がそれにゆらめき、ふらふらと鉄道にまた乗ってしまおうとするのも分からなくでもない。が!!宙人が不憫で、、、、本当に純粋で良い子だ。

ただ、それでもやっぱり譲れないと思って行動に出た宙人は凄い。
離れたく無かったんですよね。
完璧な英知に勝負を挑むとは。

これで双葉がなびかなかったら恨むぞ〜と思いながら読んでました。
シリーズらしく、いろんな作品の蘊蓄が出てきて、調べながら読むのも楽しみです。
あとがきによると、英知版スピンオフを書かれているとか。
単行本になったらぜひ読みたいと思います。

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