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ano natsu kara modorenai
ずーっと読みたかった本作。
宮緒先生の新刊「千年後宮」にも絡んでいると聞き、アンリミにもなっていたので読みました。
柊と夏生の執着愛が堪能できるのはもちろんのこと、そこに並行世界が加わり更にはミステリー要素も。盛りだくさんです。
最後は現代に戻り、仮想通貨をうまく操るも家電を叩いて直す柊にクスっとなるハピエン。
がしかし、その後登場する「おだまき様」。
ええー!?そうきたー!?
呼び寄せちゃったあの難しい名前の人たちが次に繋がっていくのかな^_^
先の読めないストーリー展開で、
最後までハラハラしました!!
最高です!
今年の猛暑にぴったりな、
ちょっぴりホラー混じりの表現もあり、
怖がりながらも、
受け、攻め2人の恋模様がどうなるのかも
目が離せず、いい意味でヤキモキします。
加えてイラストが綺麗でカッコいいんですよ。
目の保養をしつつ、
物語世界を堪能できるという、贅沢な作りになっています♪
斬新な物語設定であり、かつ、
受けを溺愛する攻め様が、尊くて、
一気読みすること間違いなしです。オススメします。
執着攻めなら宮緒先生が1番だと思いますが、予想のはるか上をいく濃さです。おどろおどろしいくらいの濃さなので、ライトがお好きな方にはおススメ出来ませんが、ストーリーの複雑さや人間関係のしっかりした話が読みたい方にぜひ読んで頂きたい。
10年前一緒に山に入ったのに、1人だけ神隠しのように山で行方不明になった幼馴染の柊(攻め)を探しにきた夏生(受け)は、柊に会いたいと強く念じながら再び山に入ると、前回と同じく霧に包まれ、見違えるほど成長した柊に出迎えられ小田牧村という異界の村へと導かれます。
おだまき様という不変を司る神様に守られた不思議な村。
村の外に出ることがかなわない隔絶された村で、元に世界に2人で帰りたい夏生は‥
話の流れから、執着といってもいつもより軽めかななんて思いながら読んだらびっくり‼️
やっぱり宮尾先生の作品だった。
そして、やっぱり受けの身体を心配しないといけない攻めでした。
最後はこの話の元凶なるおだまき様も登場しましたが、こっちも狂ってましたね。
ちょっとホラー味のあるお話でした。
とても面白かった。
神隠し、土着信仰、異郷訪問譚。
幼馴染一家と一緒に家族旅行中、幼馴染(攻め)が山で行方不明になってしまう。10年後、攻めの生存を諦めきれずに事件現場へ向かった受けは成長した攻めと再会する話。
現世とは隔離された異界の村の世界観が面白かった。時代に取り残されたレトロな田舎と土着信仰の組み合わせが最高。気味が悪くて惨い儀式や因習もホラーで面白かった。まるで信仰のためだけに造られた箱庭のような村の歪さに、信仰している「ソレ」は神なのか怪異なのか…とゾッとしながらもワクワクできる話でした。気になっていた真相はまあBLなのでロマンティックな着地でした。
そして平行世界やループもの要素もあって面白かったです。
先生お約束の執着攻めも良かった。受けも攻め大好きっ子なのでお似合いでラブラブです。
最初は、異世界に行っちゃった攻めを追いかけて、受けもそっちで生きていく…的になるのかと思いきや、早い段階で異世界に行っちゃったので、コレはどうにかして戻るんだろうと思っていましたけど。
想像を超えたストーリーで大変面白かったです。サスペンスともホラーとも括れないなぁ。SFが一番しっくり来るのかな。
イラストが笠井あゆみさんで、コレまたエロさも倍増されていて。(表紙から、今回は抑え気味のイラスト?と思ったら最後にね…)
攻めの執着というか、精神力と、賢さ。
受けに会いたい、想いを通じ合わせたい、という力の勝利でしょうかね。
でも、失敗の中には「攻めを好きにならない」パターンも仕込まれていて、ちょっと引くらいの執着だなぁ。思い通りにならないキャラクタだとRPGをリセットする子供を思い出しちゃいました。
そして、最後のおだまき様、、、
手のひらで世の中を見ているお釈迦さま的な感じですかね。ゼウスとかか。
世界をループさせる、、、
普段はファンタジー寄りはあんまり読まないんですが、図書館に入れていただいたので、読んだら惹き込まれる世界でした。
是非、読んでいただきたい作品リストに入りました。
やだもう、お涙純愛ストーリーなの!?と読み進めてたら、うん、やっぱりというか流石というか(^_^;)
宮緒先生の攻め様ですものね。
受け様の夏生と攻め様の柊は幼い頃からの幼なじみ。
旅行先の山で柊が霧に包まれて行方不明となって10年。
18才になった夏生は、柊を探しに行方不明となった山へ入り、あの時同様霧に包まれ、気づけば目の前に精悍な青年となった柊が。
柊が迷い込んだ異世界のおだまき村へ、夏生も迷い込んでいた。
時々、フラッシュバックする夏生の不穏な記憶や、村人が信仰するおだまき神。
オカルト感があって、どうなるの~とページをめくる手がとまりませんでした。
夏生をおだまき村から逃がす所では、柊の想いにホロりな気持ちになって、きゅんきゅん(っω<`。)
無事再会できた時は純粋な気持ちでよかったねぇ、と喜んだんですけどね。
柊の正解を知った時は、そのあっぱれな執着執念に拍手でした(ノ*>∀<)ノ♡
でもまぁ、絶対柊はスパダリだろうし、夏生も幸せならそれでいいわね。
イラストは笠井あゆみ先生。
表紙から素晴らしい構図で素敵だと思ったんですけど。
ラストの挿絵がもう神!
こわっ\=͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/って震えました(°∀°)
見方が変わるとこんなにも違うく感じるんだな…
電子版。
あとがきを先に読まないほうが良いです。全部わかっちゃう。
こういう展開を良く思いつくものだと、感心しながら読みました。
著者さん、天才。
異界とつながる山の沼、
不変を好まないナニカの意思で造られている異世界は、時間の流れが異なる。
行方不明になった幼馴染、柊を探して10年間ずっと山に行く夏生。
ある年その沼に、死んだばかりの行方不明者の遺体が浮かぶ。
でも、柊の両親はもう探さないでくれ、と捜索を希望しない。
夏生は独りで柊が居なくなった同じ日に山に入ると、霧の中で、柊を見つける。
再会した柊は23才になっていた。もう女の子の様な美少年ではない。
夏生は、18才。
表紙の二人が映る沼の水鏡には、10年前に行き別れた当時の姿が映っている。
笠井先生の、素晴らしいデザイン。
再会した柊と異界で暮らして、夏生はどうするのか・・
10年前柊は、両親がお互いに不倫をして、夫婦として終わっていたことを知っていた。
夏生さえ、傍に居てくれたら・・と思っていた柊。
夏生が異界の村に入れたのは、そんな柊の「祈り」があったから。
どんな結末になるのか想像しながら、悶々と読みました。
夏の幻想の様なSF要素と、民話要素が混ざった、因縁の無限ループ。
凪良先生の「累る」と似た雰囲気。こういうお話、好き。
執着攻によるネチこいエロを笠井先生の挿絵で堪能できる神タッグな作品ですが、萌と期待しすぎてたホラーみがもうちょっとほしかったな~の評価です。挿絵(白抜きの)の多さは期待以上でした!
最終的にはSFオチ?、ややこしい部分が理解しきれてないかも~な気分で読了しました。が、確かに、”ほのぼの”ではあります。もし、これから購入しようかな~の方は、コミコミさんの小冊子がめちゃくちゃ”ほのぼの”(エロなし)だったのでお勧めです。(攻が”ふは”って笑います。)
受が迷い込む謎のコミュニティ”おだまき村”の昭和描写が面白かったです。和夫少年の昭和っぽさにキュンしました…。おだまき様を盲信する村民群の不気味さもなかなかですが、一番怖かったのは攻に横恋慕して殺人未遂まで犯す美少女・悦子(笠井先生の絵もめっちゃこわい)。このキャラが一番ホラーでした。おだまき様が支配する異世界の価値観は確かにモヤるけれど、わりと4-50年前の日本の僻地ってこんなもんじゃね?な気分だったので、ホラーというよりノスタルジーな気がしました。
むしろ、なかなか自分の望む存在としての受を呼び寄せられなかったという攻の試行錯誤の歴史が怖いです。あ、攻の心理がホラーかな?
あと、パラレル読み慣れてない読者なので、受が自分が経験していないはずの過去の映像を時々フラッシュバックするという描写がどこに着地してるのかわからず戸惑いました。
とはいえ、受の事情なんてお構いなしに供給過多な愛情を捧げる安心安定の執着攻と、神イラスト、圧倒的な世界観で読者をおだまき村へ連れていってくれる筆力、真夏の課題図書にぴったりな作品だと思います。
皆様のレビューから察するに何やら夏にピッタリの怖い話BLのようで「何?私の大好きなやつじゃん!」ってことで買い求めました。期待を裏切らず怖面白い。和のホラーファンタジーでループものなのでSFっぽさもある。
特に一見昭和のような懐かしさのある癒される世界のようでありながら、実は危ないカルト宗教集団みたいな不気味な村人達が怖かったです。ゾクゾクしました。フィクションだからこそ楽しめるのですが。夏生が10年後にこの異界で再会した柊が男前になっていたけどエロい。宮緒先生らしく執着攻めのねちっこいエロが楽しめます。しかも挿絵は笠井先生だし。
最後の方にそれまでの謎を全て回収してたけどそれがまた怖い。n-20番目とか書いてあったのは何通りもの夏生と柊が存在していた、ということらしく柊の夏生への執着が作り出した世界かと思っていたら、おだまき様というのも存在していたと言う事でわかったようなわからないようななかなか複雑な難しいお話でした。
しかし夏らしい不気味ワールドは他のレビュアーさん達も仰るように今の季節の読書にピッタリです。エロもガッツリのホラーBLと言えると思います。
今回は行方不明になっている幼馴染と
幼馴染の生存を信じ続ける大学生のお話です。
攻様を探して山に入った受様が
異界に閉じ込められた攻様を取り戻すまで。
受様にはいつも一緒にいた幼馴染・攻様がいました。
2人は父親同士が友人で
攻様の母はアメリカ留学中の攻様の父について
来日するも日本に馴染めずに受様の母を頼り
家族ぐるみで付き合っていました。
両家はよく旅行にも行き、
10年前の夏休みは攻様の父の故郷の日無山に
旅行に行くことになります。
今回、受様の母は風邪を引いたと同行せず
攻様は受様が話しかけてもろくに返事もしないのに
手を握り締め続けて受様を戸惑わせます。
日無山は小さい山ながら行方不明になる人が多く
親達は子供達だけでの入山を硬く禁じます。
受様は家族や攻様と会えなくなると想像しただけで
ぞっとしてしまいます。
しかし翌朝、
朝陽がやっと顔を見せた頃に攻様が受様を起こし
「山に行こう」と言い出します。
受様は昨日から様子のおかしい攻様から
なにか話を聞けるかもとついて行きますが
受様の手を引かれて山道を登るうちに
うっすらしていた白い霧が濃さを増していき
受様は本能的な恐怖に打ち勝てず
攻様の手を渾身の力で振りほいてしまいます。
すると攻様は白い霧に包まれていき
受様の前から消えてしまうのです!!
それ以降、賢明な捜索が慣れ―されますが
攻様は2度と見つかりませんでした。
受様が大学生になった年の夏休み、
日無山中の沼に行方不明になった男性の遺体が
浮かんでいるのが発見されるのです。
解剖の結果、
13年前に行方不明になった人物だとわかり
受様は10年ぶりに日無山に向かう事を決意します。
なるべくあの時と近い時間帯に合わせたつもりが
太陽は天高く昇り、霧などでそうにありません。
しかし、
受様が懸命に攻様の名を呼び続けると
白い霧が漂ってきて!?
受様は攻様の手掛りを掴むことができるのか!?
神隠し伝説のある山で行方不明となった攻様と
幼馴染の攻様を探し続ける受様の
異世界トリップファンタジーになります。
タイトルが意味深でカバーイラストがまた
昔と今を合わせ鏡にした印象的な1冊で
ワクワク読み始めたのですが
本作の攻様も宮緒作品の代名詞である
ワンコ系執着攻の本領を遺憾なく発揮しつつ
頭脳派スパダリとして物語をけん引していき
頁を繰る手が止まらず、一気読みでした♪
受様は霧の中で出会った攻様とともに
攻様の暮らす異世界の村に連れていかれます。
そこはおだまき様と呼ばれる神に守られた村で
人々はおだまき様の恵で生活していたのです。
攻様が閉じ込められた世界を支配する神の存在、
神の采配で全てが決まる世界の異様性を
攻様は明瞭な頭脳で読み解いており
攻様はこの閉じられた世界から逃れるために
世界の成り立ちを利用し
受様との未来をつかみ取ろうとするのです。
閉じられた世界から2人が抜け出そうとすることが
全ての始まりと終わりへと繋がっていて
どうなっていくのかとドキドキの連続でした。
2人が脱出できるだろうことは想定内ても
最後の一幕を予想する事は不可能かと思われる
見事な幕引きでした。
真夏にぴったりな1冊だと思います (^-^)v
いつも思うけどこれ読書感想文ヘタな人が書くレビューだよね(作品のストーリーを始めから終わりまで一生懸命書いて自分の感想は1割にも満たないっていう笑)
作家様買いです。
10年前の夏休みに、目の前で消えてしまった大切な幼馴染の柊を探しに来た夏生。
あの日見た霧と同じ霧に包まれて夏生がやってきた世界はー…。
ちゃんとBLなのですが、最初からずっと不気味な雰囲気が漂っていて、読むのが少し怖かったです。
時々(ん…?)って思う時があるんですよ。
あの時っていつ…?って思ったり、今度こそって何…?って思ったり。
読み進めるとおだまき様の秘密を含め、全部わかるしゾクゾクしました。
BLなんだけどその枠でおさまらない何とも不気味なお話でした…。
夏にぴったりの作品ですね。
宮緒葵先生がツイートしてた、ほのぼの爽やか青春ストーリーだなんて端から信じてませんでしたが(www)、ある意味この季節にピッタリの作品でした。
読み進めているうちに、あちこちに散らばるヒントによって凄く考えて推理してしまう自分がいるんです。
ある程度想像付く展開と全くといって考えてなかった決着の仕方に、お見事と言う他ないストーリー展開でした。
宮緒先生らしい人間の業があちこちに散りばめられているお話で、特に柊を手に入れたいが為に夏生に憎悪を燃やす少女が恐ろしかったですね。お恵み沼の底より女の情念の方がゾッとしましたよ。
え⁉︎もしかしてバッドエンド‼︎って心配しましたが、そこは宮緒先生推薦の「真夏の課題図書」でしたので、読後感の良い作品になっていました。
予備知識無くまっさらな状態で読んで、宮緒ワールドを楽しんで欲しいと思います。
ただ105ページの10行目「お恵み村」は「お恵み沼」の間違いですので、もしここを編集さんが読んでいらっしゃったら直して頂けたらと思いました。
先生買い。すごく不思議な世界観ではらはら一気読みしてしまうお話でしたが、攻め受けの恋話にきゅーんとはしなかったので萌にしました。本編230P+あとがき。
10年前、家族ぐるみの付き合いをしていた幼馴染、柊(しゅう)が目の前で行方不明となった夏生(なつお)。行方不明になった沼で13年前に行方不明になった男性の遺体が発見されたことから、柊がまだ生きているという確信をもち、現場を再び訪れ・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
小田牧村村長、和夫、悦子(小田牧村の子供)、その他村民ぐらいかな。
++ 不思議な世界観
行方不明になった柊が暮らしていたのが、小田牧村。おだまき様という絶対神がすべてを支配している村で、どこにも通じてないClosedな世界。いつそこが誕生したかは不明だけど、電気、ガス、水道ありだが、道路は舗装されず、人々は畑を耕し日々の糧を得て日が暮れたら寝る的生活。昭和初期?村に不足するものはおだまき様が取り寄せ、お恵みの沼というところにポコンと届けてくる。
それをなんとも思っていない村人が怖い。最初からそうだからなんとも思わないのか。たまに他の世界から来る「流れ人」は、村人たちの血が濃くなることを避けるために大歓迎、とっとと嫁をあてがわれ、嫁は産めるだけ子供を産むことを推奨される。人権ーっ!!!
そんな不思議な世界に行ってしまった幼馴染をなんとか元の世界に戻そうとする不思議なお話でした。最後の最後に、さらなる狂気が待っています。最後までドキドキして読み止めるのが難しいと思うのでお時間ある時にぜひ一気読みで。
一点だけ挿絵話。神であられる笠井あゆみ先生ですが、今回、「つちのこ」かと思われる白抜きがありまして。いやいくらなんでもこれは受けのあそこに入るわけがないでしょ?と五度見ぐらいしました。つちのこお楽しみになさってください。
タイトルとカバーイラストに惹かれて購入。
因習×SF的要素有り(読まれると設定は明らかになります)。愉しめるか否は特殊設定と作者様の性癖に共鳴するかに拠るところが大きいのかなと思いました。
8歳の時に忽然と目の前から消えてしまった同い年の幼馴染みとの、不思議な再会を描いたお話です。
民俗学者だった父親に「山は異界」だから近づくなと言い含められていたにもかかわらず、家族ぐるみで日無山のふもとへキャンプに行った際、山に入り神隠しに遭ってしまった柊。柊が姿を消す瞬間まで同行していた夏生は、柊の手を振り払ってしまったことをずっと後悔していました。それから10年後、柊が消えた場所で別の失踪者の遺体が発見されたことから、もう一度夏生は日無山へ向かうことに…。
メチャクチャ期待して読みはじめたのですが、だんだんとお話が複雑な方向に傾いていったあたりから混乱してきて、終盤にフォロー解説が入ったことでなんとか理解できたような気がしました、、
柊は自分の思うとおりの結果を求めてトライ&エラーを繰り返します。その執念深さ——夏生への情熱的な思いに読んでいるこちらも脳みそを揺さぶられてしまうのですが、個人的には夏生側の気持ちがわかりづらかったため、世界観に入り込むにはとても難易度の高いラブストーリーなのでは…と感じました。
宮緒先生のエロってああいった感じでしたっけ?媚薬以外にも物語背景が関係していそうなのですが、いきなり攻めを欲しがり乱れまくる受けに唐突感が…。どうやらわたしはお話を読み進める上で受けの心情を把握したい欲求が強いみたいです。理解力がついていかなかったせいもあり、あっぷあっぷしながら乗り切りました笑
個人的には柊と夏生が誕生する前の「おだまき様」エピソード・ゼロが気になります。
最近、お喋りがすっごく面白〜い方だと知ってめちゃハマってしまい、久々宮緒先生にチャレンジしてみましたが、やっぱり作品とは相性ってやつでしょうか、、。BL読みとしてまだまだ未熟な自分に合いそうなお話に出会いたくて、矯めつ眇めつの状態が今後も続きそうな作家様であります。
作家買い。
作家買いですが、宮緒先生×笠井さんというゴールデンコンビ、ということであらすじも確認せずに早々に予約していました。
時に非常に肌色率の高い絵柄で表紙を飾る笠井画伯。
が、今作品はなんとも可愛らしい。あれ?あれれ?もしかしたら優しくって温かな、そんなお話かな?なんて思いつつ読み進めました。
いやー。
やられました。
めっちゃ面白い…!
こんなにもネタバレしたらアカンと思う作品はそうそうない。
そこかしこに撒かれた伏線を、最後に一本の線として繋げるその手腕に脱帽。さすが宮緒先生です。
ということでなるべくネタバレしないようにレビューを書こうと思います。
18歳の大学生の夏生が主人公。
彼にはずっと心に引っかかって離れない友人がいる。柊だ。
幼なじみの柊とはいつも一緒にいた。その日も柊に誘われ、山に一緒に入ることに。
その山は子どもだけで入ってはいけない。
帰ってこれなくなるよ。
そう言われていたのにもかかわらず。
下山しようと言う夏生だったが、柊は首を縦に振らず、そして夏生の目の前で霧にのまれて―、そのまま行方不明になってしまった。
両親、警察、多くの人を巻き込んでの捜索が行われたが柊は見つからず、そのまま捜査も打ち切り。けれど柊は絶対に生きている。そう信じる夏生は、柊がいなくなって10年後の今日、山へと柊を探しに出かけることにするが―。
というお話。
そしてそこで、夏生は柊と再会を果たすのだけれど…、とストーリーは続いていきます。二人が再会したのは10年後、けれど柊は夏生と離ればなれになったあの日から過ごした村で、15年という月日を過ごしてきたのだという。
柊がいなくなって、それから彼が過ごしていた場所。
二人が過ごした時間軸が異なるという点。
あらすじにも書いてあるのでここでも書いてしまいますが、ある種の異世界トリップ、の様相を持つストーリーです。
夏生にとっては10年。
柊にとっては15年。
8歳という子どもだった彼らが会えなかった期間はあまりに長いですが、それでもなお柊は夏生への想いを枯らすことなく持ち続けていた。宮緒作品においてテッパンと言えるワンコ攻め、執着攻め、が描かれています。
今作品はBL作品なのでもちろん柊×夏生の恋の成就が描かれています。描かれていますが、今作品の軸はそこではない。二転三転するストーリー、夏生が時々フラッシュバックのように思い出す光景、そして、柊が住んでいた「小田牧村」と「おだまき様」と呼ばれる神の存在。ファンタジーものという言葉では一括りにできない、オカルトのような、ホラーのような、そんなバックボーンをも持つ作品で、そこがきちんと描かれているのでめちゃめちゃ面白い。
が、最後の最後まで読むと分かります。
やっぱり、今作品は「宮緒作品」なのだと。過ぎた深い愛情を受けさんに向ける、そんな狂犬を描いた作品なのだと。誰が、誰に向けた執着なのか…。
ストーリーは文句なしの面白さ。
そこに華を添えるのが笠井さんの描く挿絵。
柊と夏生はとある出来事から心を通わせる前にセックスをする関係になってしまいますが、これがまあエロいです。けしからんエロさと美しさです。表紙のあの可愛らしさとのギャップが堪りませんでした。はい。
甘々でほのぼのなお話が読みたいときには、正直不向きな作品です。
オカルトとか、ファンタジー、ミステリ。そういうものがお好きな方や読みたい気分の時にはぴったりの1冊。萌え、というよりは単純に一つの物語として読んだときにこれだけ惹きつけられ、飲み込まれてしまう作品はそうそうない気がします。
キャラ良し、ストーリー良し、挿絵良し。
どれも文句なしの面白さ。
最後にこれだけ書きたい。
タイトルが素晴らしい。
読み始めたとき、柊を見失ってしまった夏生の感情を表した言葉だと思ったんです。でも、最後まで読むと、その真意が見えてくる。
鳥肌が立ちました。
作者の宮緒葵先生がSNSで「ほのぼの作品」「純愛と青春」と宣伝されていましたが、私個人はカテゴリ的に「サイコスリラー」かなあと思いました。
10年前に目の前で消えてしまった幼馴染の柊(攻め)を探して、異界の不気味な村に迷い込んだ主人公の夏生(受け)。その村がとにかく不気味で怖い。再会した幼馴染も村民達も何かおかしい…!?
笠井あゆみ先生の描かれた表紙もパッと見は夏らしくて爽やかですが、よく見ると怖い…。不気味な世界観をよく表現していて流石すぎます。特に1番最後の挿絵は素晴らしくて震えました。見た瞬間怖すぎて「うわ!ひえええええ!」と叫んでしまいました。
この攻めの柊は普通のホラー小説ならラストで主人公を襲う邪悪な怪物になってしまいそうなのですが、宮緒先生の作品だとほのぼの攻め?になっちゃうんですね。もしも夏生と結ばれなかったら…。笑えません。
宮緒先生の作品はやり過ぎ感にドン引きしてしまうことも多々あるのですが、この作品はそのやり過ぎなくらいの不気味さが世界観と合っていて良かったです。