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rakuen kenzou keikaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
シリーズ最終巻。これを読んでしまうと本当に終ってしまう。
愛すべき「パレス・シャングリラ五反田」の住人達とお別れだと思うと。
なかなか本を開くことができませんでした。
1巻では「必要以上に人と馴れ合うのは嫌だ」と言っていた三木が。
アパートの人達と一緒にいるのが楽しいと心から思い、
「パレス・シャングリラ五反田」に愛着を持つようになっています。
それがとても嬉しくて。じんわりと泣けました。
桜の木の下での学生証の場面は叙情的で美しく、
このシリーズ中での白眉だと思います。
今いる場所は「ぬるま湯」の楽園。
いずれここから出て行かなくてはいけない。
過ぎて行く時間を惜しむ気持ち。将来への不安や期待。
1巻のレビューでも書きましたが。
この作品は現在、青春真っ盛りな学生さんよりも、
そこそこ年を重ねた大人が読むと、切ない郷愁を呼び起こされて、
たまらないと思います。私は切なくて切なくて、たまりませんでした。
そして本編と番外編。
二つの時間軸で描かれていた物語が、この最終巻でひとつになります!
現在と過去。二つの物語が交差した瞬間、月並みな言葉ですが感動しました。
これからこの作品を読もうと思われている方は、
1~4巻までまとめて読むことをオススメします。
独特の空気感です。
高遠さんスゴイっす。
なにげない風景、なにげない会話、自分でも分からない曖昧な気持ち、そういうものをひたすら塗り重ねるようにして、物語が作り上げられていた。
空気感に酔った。
んで、やっぱり泣いた。
胸の奥にある大事な場所にそっと触れられてるような感覚が、たまらなかった。
ジリジリするような、ヒリヒリするような、三木と蝶野の恋だ。
高遠さんは与えてくれないのだ。そして、それが必然だということも分かるのだ。
ストーリーに触れたくないです。
読んで体感してくださいな。
蝶野と三木の物語後編と、屋敷と皐月の物語の結末、最後に二つの物語は出会います。
青春って、何かから逃げて、逃げて、逃げ回ってじたばたして、
そして、それを乗り越えることなのね、、。
このシリーズって、登場した3つのカップル、6人の男の子達が、それぞれ逃げてきたもの対峙して、乗り越えて、次のステージへ踏み出す。
そんな、ど真ん中の青春小説だった気がします。
特に、蝶野・三木組は最後までBLにたどり着かなかったし、この二人の物語だけなら、十分一般の青春小説で通用しそう。
でも、そこに、心と身体の志田と響川の物語と、芸術と心の屋敷と美延の物語が絡み合うことでBLでなければ表せない、より広くて深い世界が味わえる。
そんなBLの醍醐味がたっぷりでした。
そして、最後の、オマケ的な後日談の徹底した寸止めループの楽しさも、BLの醍醐味のうち。
過去に何かあった面々が「楽園」を探すお話なのかとおもいきや、「楽園」なんてずっと先までないのかも、とか「楽園」はいつか出て行かなきゃいけないものなのかも、とか振り返ったらあの時期が「楽園」だったなぁとか、色々解釈できる作品でした。
最初は三木のお話で、途中が響川、最終巻は蝶野のお話になっています。
三木は良くも悪くも「普通の子」です。真面目で大事な人を失う事を恐れていて、困っている人には手を差し伸べる常識人。
一方、蝶野と付き合っていくのは並大抵の人には難しいんじゃないだろうか。
こんなふらっと出て行って何日も帰ってこなくて、大学もあっさり辞めてアパートも出て行っちゃってその先何年も音信不通なんて、普通の恋人なら耐えられないんじゃないかと思います。
けれども三木はその間ずっと「自分にとって彼は何か」を考えて考えて考えて…。だからこそのあのラストは何とも言えない…。
う~ん、やっぱりこれは「学生時代の恋愛もの」ですね。
だから楽園は大人になったずっと先にあるのかも。
大人でも子供でもない、人生のモラトリアム独特の空気がずっと付きまとっていて、それをスパイスにしてこそのお話でした。
書き下ろしの「さよならを教えたい」全部一気読みしたいのを堪えて順番に読みました。
本編のずっと前にスタートしたお話が、本編のラストと同時に終わります。
こういう互いが互いに依存して、自らを外の世界から隔離して、外に出ず、何もせず、2人だけ居ればいいなんて閉鎖的な重い愛は苦手だったりします…。なので、読んでる途中何度も「あ~これ苦手かも~」なんて思ったんですがそれを抜きにしても素晴らしい出来の作品だったので本編以上に何も言える事がありません…
出会って、依存して、落ちていって、でもこれじゃダメだと相手を突き放す…。
さよならだけが人生じゃないという言葉通り、その時泣いても辛くても、人間、その先にある奇跡を今はまだ知らないだけなんだなぁともう何だかせつなくて胸がいっぱいいっぱいでした。
本編だけでも神評価を付けたいのに、書き下ろしも神評価を付けたいレベルですので、買って損はないと思います!
全4巻、3つのCPが出てくるオムニバス。
本の途中でいちいち話が変わって、少し読み難かったです。カップルごとに別の巻に収録してほしかったかも。
好きなCPは蝶野と三木。特に三木が可愛いです。
家族のことばかり考えて真面目に生きてきたお子ちゃまな三木。年上の女性との恋愛に失敗して大恥をかいた蝶野。遊んでいるくせに恋愛に関してはロマンティストな芦屋。三人の男が蝶野の過去をめぐってすったもんだします。
三木が芦屋を押しのけて蝶野の心にグンと踏み込んでくる場面でスカッとしました。主人公至上主義者なので、訳知り顔の当て馬の鼻がへし折られると嬉しいんです。
絵や写真に対する熱のこもった描写を読んでいて、妙に照れてしまいました。芸術の魅力を文章で表現するのは高遠先生の筆力をもってしても難しいんだな~と思いました。