条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
yasomaga no ouji to saigo no majo
作家買い。
さらにCielさんが挿絵を描かれているということであらすじも確認せずに早々に予約していました。予約していましたけれども。
お値段、なんと1200円+税。ちょっとお高いよね…。
が、このお値段に見合った分厚さ。自立します。そして分厚さを裏切らないストーリー展開をみせる1冊でした。沙野さん作品はファンタジーものが多いイメージがありますが、今作品もファンタジーものです。
ヴィエント王国の第二王子のリカルドは、とある古城に配下たちと踏み込んだ。そこにいると言われている「最後の魔女」を見つけ出し、そして目覚めさせるために。多くの犠牲を払い、けれどリカルドは「最後の魔女」を見つけることに成功。そして、はたしてその封印された魔女を見つけたとき、彼(リカルドは魔女は女性だと思っていたが男性だった)には口と下半身に蔦が入り込んでいた。その蔦で生命を維持しているようだったが、その姿は淫靡で―。
という出だしでストーリーは始まります。
リカルドが見つけた「最後の魔女」と呼ばれる魔女の末裔の名はシオン。美しい美貌を持つシオンは己の野望を果たすために、とある思惑をもったリカルドのもとに身を寄せることにするが…。
魔女と人間の関係。
シオンが「最後の魔女」と呼ばれる理由。そして、シオンが封印された理由と過去。
リカルドが、最後の魔女を探していた、その理由。
そういったものが少しずつ見えてきますが、このストーリー展開の仕方が実に秀逸です。リカルドとシオン、の二人のような関係のCP(いわゆる対立している関係)は沙野作品ではたびたびお目にかかる気がしますが、甘々でほのぼのな温かいお話ではないので苦手な方は注意が必要かもです。
今作品の大きなポイントの一つは、シオンの身体につけられた装飾品の類、かと思われます。5か所につけられていますが、その場所がとっても淫靡です。その外れ方もエロスに満ちています。さらに言うと、彼らが初めて出会ったとき、シオンの口と下半身に入り込んでいた蔦の描写もエロかったですし。が、それが単なるエロスではないところはさすが。その一連のすべてに、理由がきちんと存在しています。
「魔女」という存在はBL作品ではそう珍しい存在ではありませんが、作品によって細かい設定は様々です。今作品の魔女さんは、「人間の体液がごちそう」という感じ。血液でも、もちろん精液でも良し。はじめリカルドは血液をシオンに与えようとしますが、ええ、今作品はBLですので、もちろんシオンが摂取するのは精液なんですね。なので、二人の関係は身体先行です。濡れ場はそこそこあります。が、序盤全然エッチくないの。まるで闘いのような、と言えば良いでしょうか。
それが、物語が進むごとに、そのシーンの色が変わっていく。エロいことはエロいのですが、彼らの心情とリンクして描かれているので決してエロメインのお話ではない。無いのにエロいという、そのバランスが素晴らしいです。
ネタバレになりすぎてしまうので詳細は書きませんが、シオンが叶えたい希望は「復讐」です。自分の恋心と復讐という相反する感情に翻弄されるシオン、というストーリーを思い描きつつ読み進めましたが。
いやいやいや。
そうきたかー!
さすが沙野さん。
二転三転するストーリー展開に、最後で息つかせぬ怒涛の展開にページを捲る手が止められませんでした。面白かった!今作品は、登場人物はそう多くはありません。ありませんが、彼らの魅せ方がまた良い。全員にそれぞれ過去があり、守りたいものがあり、世界を持っている。すごく短い描写でそれを端的に読ませる。読んでいてブワッとその世界観に包まれるような、そんな圧倒的な質量があります。
あとCielさんの挿絵がまた素晴らしい。
今作品に流れるちょっとダークで淫靡な空気感とか、二人のすれ違う想いとか、恋心とか。Cielさんの絵柄がぴったり合っていて萌えがより一層高まる感じ。
沙野さんの書かれるファンタジーものって最高だな。
と、しみじみ感じ入る、そんな1冊でした。
「沙野さんのお話には評価を高くつけすぎるんじゃないか?今作こそは控えめにしよう」って思っていたんですよ。「ファンタジーはそれほど得意じゃないしね」って。
でも結局、途中で異様に盛り上がってしまった……闘っていたわけじゃないんですけど、敗北感が凄い。
何にそんなに盛り上がっちゃうかと言えば「ダメよダメダメ」なんじゃないかと思うんですね。沙野さんはそういう状況を作り出すのがとても上手い。
それはいわゆる『禁忌もの』や『NTR』なんかの場合もあるんだけれど、今作は『大義』と『思慕の念』が対立しちゃった時の心の揺らぎが丁寧に描かれていて、私はそれに激しく萌え上がっちまいました。
古今東西、敵を好きになってしまう話は多々あると思うのですけれど、なんたってBLですからね。体を触れ合わせなければならない理由があるので、シオンも(クッキリは書かれていないけれどたぶん)リカルドも「好きだからやるのではない」という言い訳を延々と繰り返しながら、互いに関りを深めていくことになっちゃってるんですよ。
これが切ないのなんの!
萌えツボ、ど真ん中だわっ。
そして、決定的だったのは臍ピですよ。
なんてエロいのでしょう……沙野さんは天才だと思う。
タイトルのカップリング、王子×魔女はもちろんメインですから、敵対関係が結託して心や体の距離が近づく感じなんかめちゃくちゃ萌えるんですが、終盤の少年と燕にひっそりと萌えてしまいました…。マルコとアメデオ、ナウシカとテトが原風景なのかも(そして古い)。
今回も先が読めないストーリー展開、かつ、それほど不穏さを感じさせない安心仕様で一気読みでした。タイトルつきのチャプター分けも親切設計です。
ファンタジーって、終盤の畳み掛けが定石というか、いきなり飛び道具が出現したりしてページ残数にハラハラさせられてしまいがちなんですけれど、本作はそれほど不安なく読み終えました。しかしながら、個人的に第四の魔法については瞬時の解読が難しかったかな。お話のキモなのに…。
冒頭、魔女の登場シーンからして鼻血が出ますよね。
魔法によって100年眠り続けていた魔女のシオンは魔女狩り最後の生き残り。魔女狩りによって大切な家族も同胞も全滅させられたヴィエント王国への報復のため、同国の「八十禍」第二王子リカルドに目覚めさせられ、彼と結託します。リカルドもまた異母兄サンスとの王位継承争いにあり、自国を奪おうとしていました。
シオンの体には五人の魔女から託された五つの魔法が封印されていて、一つずつ封印を解いていくには人間の血液や種液で魔力を高めねばなりません。相性の良さからリカルドが体液を提供していましたが、摂取レベルが徐々に上がっていき、リカルドとシオンが正式に体を繋げるために二人は婚姻関係を結ぶにまで至ります。そこで誓いの口づけはしないようにとリカルド大好きラモン(五卿士の一人でリカルドの幼馴染み)が進言するエピソードには何かありそう、とニヨニヨ。
封印された魔法には、それぞれの能力託した魔女たち個々の思いも封じ込められていて、シオンの夢を通して彼らの最期が語られます。ここが一番泣けました…。
そしてやはり。沙野作品には兄弟萌えが必至ですね。ファンタジーらしい着地として、自己犠牲による制裁を受け入れたパターンは新鮮でした。シオンも淫らな処女といったラッピングながら、使命を受け入れ、遂行するために体を開く葛藤がね…、乙女の言い訳なのかリカルドに惹かれているのか…。でもあんまりエロスみが強くないのでストーリーに集中できたかもしれないです。
エゴやパワーに駆られた人間がどんなに醜悪で悲惨な状況を生み出しても、必ずどこかに希望や慈悲を忘れないお約束に平伏です。おかげで盛り盛りファンタジーならではのカタルシスを得られて、ほぅっと一息つくことができました。レネと燕に癒されたのもありますが、エピローグ最後の情景描写が美しくて。頭の中でイメージをめいっぱい膨らませて、世界観の総まとめに酔いしれました。
電子版にはあとがきの後に特典SS、「レネのお小言」が。第三の魔法が近未来メルヘンで絵面的にもほんわかするのですが、レネと燕さん贔屓にはたまらない、コミカルなひとこまでした。
実は「なれの果ての、その先に」を積んでるんですが、タイトルとあらすじに惹かれてこちらを先に読んでしまいました。
いやぁ流石でした。「最後までどうなるの?」ってページを捲る手が止まりませんでした。
でも四六判って立派なだけに握力が必要だし、ノンストップで読んでると腕が痺れてきて辛いんです。
リカルドもシオンも真面目で他者を思いやる事が出来る人物で、とてもお似合いだと思いました。
だからこそ最初の2人の思いの噛み合わなさが悲しかったし、魔法の込められたシオンの装身具が一つひとつ解放される度に、2人の気持ちが近付いて行くのにとても萌えました。エッチなだけじゃないのが流石です。
魔女の呪いは年々弱まるはずだったのに、ある時から強まったのは何故だったのか?
リカルドの異母兄のサンスの本当の狙いは何なのか?とか、最後まで読ませてくれるんです。
装身具が一つ解放される度に、その魔女の思いをシオンが夢として見るのも面白かったです。
人間を憎む魔女がいたり、慈悲を与える魔女がいたりと、彼等の思いはそれぞれなんです。
でも、1番素晴らしかったのがシオンの資質というか心根で、彼の母親が1番の理解者だと思いました。
もちろん、そんなシオンを魔女としてではなく、1人のシオンという人間として認め愛するようになるリカルドも国王となるに相応しい人物でした。
悲劇があったからこそ、100年の時を経て出会った2人が惹かれあって愛し合うようになる過程がとても素敵な作品でした。
そしてリカルドの甥のレネが天使でした。
★ネタバレを含む「あとがき」を、先に読まないほうがいいです
伏線回収の都度に山場がある、読み応えある読み切りBL御伽噺。
凄く面白かった。
挿絵も、内容にマッチ、美麗で壮麗。
出だしは、100年間 魔女を眠りから守る「茨の城」。
魔女を眠りから起こすため、騎士達が魔力を持つ茨と格闘。
眠りから起こしたのは、第二王子、“八十禍の王子”と呼ばれるリカルド。
100年前、息子を助けたい王妃が、王に黙って魔女に血を差し出し死亡。
それを嘆いた王は、大規模な魔女狩りを命令する。
仲間と家族を焼かれたシオンは、茨の城で「最後の魔女」に選ばれる。
強い魔力を持つシオンに、魔女の願いと魔力を封印した魔具が仕込まれる。
五つの魔具の力を復活させる為には、人の体液が必要。
シオンは、復讐を果たす為に、リカルドの協力を受け入れる。
「紫の瞳」が物語の鍵。
・・・出だしから、ややこしくて、凄く面白い伏線が仕込まれている。
魔女狩りの火炙りを実行した仇の子孫達を、シオンは救うのか、滅ぼすのか
五つの魔具に込めた魔女たちの最後の想いと、
シオンがリカルドの傍で見る色々で生まれる葛藤は、寓話的。
伏線回収がとても面白いので、是非読んでみて。
急展開の結末が、ちょっと悲しい。
続編出ないかな、期待。
ストーリーの面白さと、キャラクターやシチュエーション、心理描写に萌えすぎて一気読み!
まず、【100年前の魔女狩りにより、家族や同胞を失った孤独な魔女(♂)と、魔女狩りを命じた国王の子孫】と言う、本来なら敵対関係にある2人が「国を滅ぼす」利害の一致で共闘関係となる設定に滾ります!
最後の魔女・シオンは、魔女達から託された魔法具を身に着けてるのですが、首輪・乳首ピアス・臍ピアス・コックリング・指輪(左手薬指)…ってもう、色々とフェチすぎて登場時からニヤニヤが止まらない♡
しかも、その装身具の魔法を開放するには魔力を補充する必要が…はい。お約束の〝魔力供給〟と言う名のえちえちですね(◜ω◝)
魔力を開放して国を滅ぼす為に、屈辱を覚えながらも仇敵に身体を差し出すシオンの葛藤が堪りません!
自分の事を「王位継承の道具」としか見ていないのに、野心溢れる傲慢な態度に隠された誠実で優しいリカルドの一面に触れ、無自覚に惹かれていくシオン。
同胞の無念を晴らす最後の魔女としての葛藤が痛々しくも、気持ちの自覚までが丁寧に描かれていて最高に萌えます!!
一方、魔女に誑かされてるのでは?と周囲に疑われる王子リカルド。
「俺は男に誑かされることはない」と断言しますが、もう、こんなのフラグでしかない訳で……
シオンの孤独に触れ、利用価値のある〝魔女〟ではなく、孤独な青年〝シオン〟を癒したいと想う変化がめちゃくちゃ尊く、ギンギンに嫉妬心丸出しで独占欲を募らせる溺愛っぷりに拍手が止まりませんッ
そして〝受を視姦しながらオ⚫︎ニーする攻〟と言う、ご褒美すぎる変態シチュに思わず合掌(感謝)
装身具に込められた魔女達の想いも切なく、次第に回収されていく伏線が面白くてページを捲る手は止まらないのに「読み終わるのが勿体ない」現象に陥り、何度も戻りながらゆっくり世界観を堪能しました!
本当に、自分の〝萌〟が詰まった最高の一冊でした♡
沙野風結子先生のちょっとじっとりとした雰囲気のお話が好きなのですが、これもぴったりでした!
過去魔女狩りがあった国で、最後の魔女として何年もの眠りについていたシオン。その眠りを目覚めさせた第二王子リカルド。「ともに国を奪うか、ともに国を破滅させるか選べ」というリカルドの手を、復讐のために取るシオンからこのお話は始まります。
何故王子であるリカルドが破滅を選択肢としているのか、何故シオンは最後の魔女になったのか、そして魔女の仲間や家族たちのために復讐を誓うシオンの変化、次々と明らかになる真実に目が離せませんでした。
そして、シオンの封印の方法と、シオンに託された仲間たちの魔法が込められた魔法具の装着された位置はさすが沙野先生です…!
リカルドは健全な王子様だし、シオンは純粋で優しい子だし、お話の雰囲気はじっとり淫靡なのですが、主役2人はなんとも好感度の高い2人でした。
がっつり入り込めるお話で、満足感が高かったです。
作家買いです。
表紙もタイトルもTLだなぁ…と遠巻き気分で購入。
正直知らない作家さんだったら買わなかったと思う。
(初見で手に取るにはお値段もソコソコですもんね;)
あ、でも、個人的な感覚ですが
挿絵は顔つき(骨格?)が想像より男性で良かったです。
(その辺りはさすがCielさん!)
ストーリーは、、、
沙野さんにしてはド王道をガシガシと踏んでます…!
甘々好きにはキューッと萌えが沸き起こる(∩´///`∩)
(萌えると指先がビリビリ痺れる質なので痛かった///)
で、表CPがド王道で進んでる中で、
影では裏CPが隠されていた展開がすごく良かったです!
(こっちのCP詳細も気になるんよぉぉぉぉぉ!!!!!)
(悲恋決定だけどクッソ読みたいやつ…)
ていうかブロマンス含めたらフラグ乱立状態で、
メインCP以外のとこでもソワソワしちゃうねっていう←
(本筋と関係ないけど脇キャラをもっと見たかったw)
面白かったーーーーーヾ(*´∀`*)ノ
さて。
攻め:リカルド
魔女の呪いのせいで滅亡の一途を辿る王国の第二王子。
国を救う為に望をかけて「最後の魔女」の封印を解きます。
傲岸不遜なようでとても国民想いの真面目なお人です。
受け:シオン
100年前の魔女狩りにて、
亡くなっていく魔女達から心を託された最後の魔女。
復讐を誓いながらも根が優しくて真面目なお人です。
リカルドの手によって目覚めさせられたシオン。
リカルドの野心とシオンの復讐心が利害一致し、
協力しあう関係になったけれどーーーーと展開します。
復讐の連鎖がシンドイですね(;ω;)
親兄弟や親しい人達を魔女というだけで殺されたシオン。
人間達が憎くて憎くて仕方ないけれど、
実際幼い子供らを目の当たりにすると復讐心が揺らぐ。
大地が死んで風が吹かない滅びた土地で生きる人間は、
シオンへの憎悪を隠さない。浴びせる。
昔は人間と魔女の間で利害一致して上手くいってたのに
わずかな綻びから一気に魔女狩りへと発展してしまって。
シオンに心を託した5人の魔女の回想が差し込まれる度、
人間に裏切られた痛みにグッと締め付けられる(;ω;)
人間を助けるのか、復讐するのか。
シオンの優しい心が壊れそうに苛まれるからシンドイ…。
けれどリカルドが案外優しくて、
シオンの苦しみに寄り添ってくれてホッとしました。
傲岸な人かと思ったら優しいのはズルイでしょ…(萌///)
んでけっこう両片思いっぽい感じなのに、
リカルドもシオンも無自覚?恋愛ベタ?なのか知らんが
全然関係が進まなくて焦れったーーーーーーーい!!!
(リカルドの触れ方、めっちゃ甘いのに!!!)
(全て無自覚なのか?そうなのか??あァン??)
独占欲はまったく隠さないくせに
なかなかラブには発展しないんですよ…。
因縁のある「魔女」と「人間」ですもんね…。
(はぁ…萌える…////)
帯に「エロスの鬼才・沙野風結子」と書いてあって、
(私は沙野さんの世界観や圧倒される筆致が好きなので)
エロス特化みたいな帯に違和感があったんですが、、、。
なんやろ、確かにエロい。
ページ数とかじゃなくて文体がエロい。
生々しさと艶やかさでとにかくエロい。
(「なんコレ、エッロ!!!」って言いながら読んだ)
(分量的には全然エロ特化してるわけじゃないのに…)
(エロスの鬼才、、、納得やわ…(Ф///Ф))
いろんなカラクリが組み込まれつつも王道で、
上にも書いたように影の裏CPが実は存在してたり、
面白かった!!!!
んですが『八十禍の王子』の設定がアッサリ?かな。
もっと捻りがあると思ってたので拍子抜けでした;;
なので萌え×2で上げます。
先生買い。先生がお好きなものがたっぷり詰め込まれていて、とても楽しんで書かれたのではないかという気がするお話でした。何かあと一押し欲しかったように感じたので神より萌2にしました。魔女に呪われた国の第二王子と100年前から眠りについていた魔女のお話、本編280P弱+あとがき。ファンタジー好きな方ならきっと楽しいと感じられると思います。
山奥にある茨に囲まれた古城に入り、眠っていた「最後の魔女」を目覚めさせたヴィエント王国第二王子のリカルド。百年前に魔女狩りを行い、残った魔女はただ一人。その魔女に「ともに国を奪うか、国を滅ぼすか、選べ」と告げて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
サンス(第一王子)、レネ(サンスの子)、ウーゴ、ベルナルト、ラモン、ロペ、クルス(五卿士)、セレドニオ(魔女)、受けに魔法を残していった魔女たち少々。サンスが気になってたんですけどねえ・・
++好きだったところ等
受けには5人の魔女から託された5つの魔法があれやこれやで封印されています。さすが沙野先生。冒頭すっぽんぽんで茨咥えているところで「おお先生、さっそく来ましたね」とニマニマし、お臍やら乳首やらあちらこちらの装身具で封印された魔法。たまんないですね。私は一番最初に出てきた8本の剣が一番うっとりしました。勝手に出てきて、受けを守るべく飛んでいくんですよ、敵性とみなしたものに!かっこいいー---------っ
そして受けのしゃべり方も好きだったです。100年眠っていたので、言葉遣いが古めかしい。一人称が「我」。かっこいい・・・
自らに託された魔女たちの思いを受け止め苦悩する、美人受け、しかもなよっちくなく「我」しゃべり。いいなあ。
攻めはある理由により受けを目覚めさせたものの、少しずつ受けのことを・・・っっていうやつですね。キャラとしては、押し強い王子と感じます。ちゃんと国を守り受けを守る良い王様になるだろうなと、思うのですが、なんだろう、個人的に惚れたな!という要素が見つけられなかったかも。兄の第一王子と3Pいっちゃう?と一瞬期待してしまったので、戸惑ったのかな。
お話としては王道なんだと思うのですが、受けが好みのタイプだったので、めちゃ萌えた一冊でした。これぞファンタジーって思うのです。
沙野風結子 先生作品の安定感への圧倒的安心感は今作も健在
今作は眠りの森の美女をモチーフにした魔法ファンタジー
国を滅ぼすと言われている最後の魔女(男)シオンを目覚めさせたのは八十禍王子と呼ばれる呪われた国の呪われた第二王子リカルドだった。
シオンを目覚めさせた時リカルドは問う。
「ともに国を奪うか、ともに国を滅ぼすか。選べ」と。
片や憎しみに目覚め、片や傲慢な視線で下ろし見る。不穏な掴みから始まった二人の関係が変化していくにつれ、滅亡に進んでいた国の運命も変わっていく。
果たしてリカルドの真意は?
シオンはなぜ最後の魔女に選ばれたのか?
シオンは100年寝ていたため失われた魔力をとり戻す為、体へ施された封印を解く為には人間の体液を取り込む必要があり、それは血液でもいいのだが精液の方がより力を取り戻すことができるらしい。
この封印の証にシオンの体には5つの装身具が施されている。
リカルドの体液を深く取り込むたびにシオンに封じられた魔法がその封印を施した魔女の記憶と共に一つずつ解放されていく。
最初はシオンの魔法解放、魔力充填のために始まった体の関係だったが、体の欲求が次第に相手の心への欲求にシフトしていき、魔女や家族を殺した王の子孫で殺したいはずなのに…恋も知らないシオンの変化が甘いけど切ない。
体内に溜まった熱は次第に固く閉ざされた二人の封印をも溶かしていきます。
最後には思いもよらなかった物語の根幹もわかっていき息つく間もなく読んでしまうと思います。
途中NTRの危機が見え隠れしてヒヤヒヤビクビクするのも又一興でした。
安定のうまさ、簡潔に展開していくお話の中、絡まる運命を絡めて流石です。
御伽噺をモチーフにしたお話の為か、沙野先生の作品としては大変軽やかです。300p超えですがとてもサクサク読めます。
だからと言ってその中にもご自分のお好きなものはきちんと差し込む遊び心もある。上手いなあとニマニマしてしまいました。
ちょっと長いですが、(先生定番の触手(擬)も活躍(?)でしたが今回は控えめですので、)ラノベ系ファンタジーがお好きな方にも沙野先生入門にはいいかなと思う読みやすい一冊でした。