電子限定描き下ろし付
ginji to momota
コメディタッチで描く「人生ドラマ」は、柳沢先生の得意なジャンル。
面白いけれど、笑い泣きしたくなるような哀愁を感じる。
誰でも成長=老化していくし、いつかは死が訪れる。
一生懸命働いて退職、明日から早起きしなくてもいいわね・・と笑って話しかける妻は、退職した翌日、天に召されてしまう。
汚部屋化した家を子供達が来て、片づけていく。
二人の実子の他に一人混ざる桃田(53)との関わりが、分かりにくかった。
妻に先立たれた家事能力ゼロ・昭和の頑固オヤジの銀次(シルバー)
自己肯定感が低くハンデを抱える元中学教師で魔性のゲイの桃田(ピンク)
桃田は、元高校教師でゲイ。
分冊版で読んだけど、この作品は、展開が掴みにくいので、
単行本で読んだほうが良いと思います。
それから、今流行りのBLとは一線を画す内容で、よくあるBLと構成が異なるので焦れるかも。
充実した老後を送るには?を考えてしまう内容だった。
恋には、老いも若いも関係ない。
単純にBたちがLして萌えるっていう作品じゃないです。
私が好きな”多様性”のかたちが表現されているようにみえて、とてもいいな~と、いろんな人に読まれてほしいな~という意味で推したいです。(とはいえ、タイトル!!そのまま攻め受けとして、期待しちゃってていいかしら?)
定年退職した銀次、これからは老後をゆっくり…って思ってた矢先、妻が突然死してしまい、生活能力ゼロなお父さんを心配した娘(既婚)が同居しようとしたところ、家の片づけに助っ人として来ていた娘の義父(桃田)が家事の達人な上に仕事場が近いということで、銀次と同居することになり…という、ホームドラマです。
んでもって、桃田はゲイなんすよね。銀次が典型的な昭和のお父さんなもんだから…価値観の相違でバチバチしていくわけです。そも、人はわけがわからないものに拒否反応を起こすし嫌悪するんです。ゆえに、最初は(自分が理解できない)ゲイである桃田に対して嫌悪感を示していた銀次も彼と一緒に暮らしていくうちに、桃田というひとを理解しながら、徐々に昭和育ちなりのスタイルで、自分と違う価値観を受け入れるようになっていくんす(尊)。いろんな価値観が共生できる、どちらかの見解を100%にするっていうんじゃない、優しい多様性が描かれている気がしたんですよね。
しかも、この銀次の次女がまたLGBTとゆ~。でも別に無理に父親にわかってもらおうとしてない(そも、無理だからw)。これがまたいーんです。お互いに無理に歩み寄らない感じ。
ちなみに、桃田は銀次にちょっとほの字(←死語)になってるみたいだし、本当に人生何があるかわからんよね…ってしみじみ。若いときのような勢いや情熱がなくても、その年齢、その年齢なりのラブって絶対あるはずですよね。というわけで、死ぬ直前までの自分の可能性も信じたくなるのでした。
骨太な人間ドラマを描かれる作者さん。
こちらはタイトルが色にまつわる二人で、ちょっとかわいいテイストのカバーだったので、どんなお話かな?と読み始めました。
銀次さんが抱えている額がちょっと不穏ですが。。
妻を突然死でなくし、荒れ放題の銀次。
そこへ婿の親である桃田がやってきて、あれこれを世話を焼く。
しかし桃田がゲイであると分かり、昔気質で乏弱武人な銀次は酷い言葉をなげつける。。
実際にこういうシチュエーションがあるかもしれない、というリアリティのあるお話。
そんな出だしなのに、どうBLになっていくのか?ぜひ四で確かめてください。
きっと読後はほっこりと暖かい気持ちになるはず。