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dainiouji wa mitsu no ka no furyo
麗しき 中世風の異世界ファンタジー調オメガバース。きりみ先生の麗しい美形王子達が織りなすロマネスク。ペガサスが引く 天翔ける馬車なんて。本当にワクワクする。
乙女チック、ロマンティック満載なのだ。
ところが。もろもろ置いてけぼりなのである。
ノクト王国、第二王子のヒメルは、10歳の頃、運命の番いである美しいリヒトと出逢っていたが、リヒトは兄である第一王子の婚約者であった。出逢った日からもぅ、悲恋である。
兄王子は公式にはリヒトを自分の「つがい」だと言って憚らない。
ヒメルはいつしか自分の叶わぬ恋を諦めていた。そして17年後、外国で仕事をしていたヒメルは、兄の結婚式の為に帰国する。年頃のヒメルが独身だというので、ハニトラを仕掛けられたりして たじろいでいると、うまいことにリヒトの弟リーベと出逢う。リーベもまた叶わぬ恋に苦しんでいるという。これは…?兄弟で「つがい」取り替えっこめでたしか? と、先を読めたとばかりに安心していると。やっぱり置いてけぼりなんである。
大体。「運命の番い」に出逢って。すぐ様反応してハァハァしちゃうが為にリヒトを避けまくるヒメルに対して、涼しい顔のリヒト。何で⁈ と、思ってたら、後にリヒト視点になると、リヒトの方もちゃんと反応していたのである、っていう。
ただ次期国王の第一王子の婚約者であるから、断るわけにも行かず。なのだが、婚姻自体を渋っていたらしく、抑制剤を摂取していたという。また、第一王子のグランツも心底リヒトに惚れていたと見え、紳士であった彼は、リヒトに手をつけていない。いないんです!
なのに。ヒメルが番いだと分かった瞬間、怒りに任せて無理からリヒトを手籠にしている。
おい、紳士どこ行ったー⁈
もうそれ挿入ってるよね⁈ だけど。首噛んで無いのか、ヒメルが閨に乱入して頓挫する。
そして。何故か結婚式は遂行されて、グダグダのまま。神獣と恩師に背中を押されて、ようやくヒメルは 花嫁を拐うっていう。ヒメルの逡巡は、出来た兄へのコンプレックスもあった(らしい)。
そして。やっぱり怒っている(らしい)兄王子は、ヒメルを国外追放する。
いや、兄王子の番いは、リヒト弟のリーベって気付いてー⁈っていうところまでは描かれていない。というか、リーベの番いが兄王子・グランツだったのかどうかまでは分からず仕舞い。いや、主役の2人だけめでたいかも知らんけど、全員幸せにしてこそのファンタジーじゃないの⁈ って思ってしまいます。
巻末のキャラクタースケッチは流石の麗しさ。このキャラクターを活かすには、もしかしたらページが足りなかったのかも。駆け足終わりな気がしないでも無かったのでした。
きりみ先生のエチエチは、エロエロにはならんので。そこは省いてでも心情変化を大切にじっくり描いて欲しかったです。惜しい、とっても惜しい。
麗しき王子様たちが眼福なので、それゆえに「萌」評価させて頂きたいと思います。
読んでて何だかフワッとした設定で、最後まで細部が良く分からないお話だと思いました。
なので、まさかシリーズ物では⁉︎と思ってちるちるさんで過去作を遡ってみました。
「異世界でオメガバースなXXと…」と「異世界の夜の国でXXと…」がまさに関連作でした。
本編にチラッとアーシファ殿下と隣に怜司らしき人物が描かれていたし、ヒメル(ヒメルディア)はライラの大使で終盤にヨクニ(夜国)の陛下が登場してました。
たぶんこの2作に登場する国の隣国がこのお話の舞台であるノクト連合王国なのです。
さて内容ですが、10歳のヒメルが兄王子の「将来のつがい」だと紹介された人物こそが彼の「運命のつがい」だったのです。
彼が「運命のつがい」だとは知らないまでも、ショックを受けたヒメルはそれ以来17年間も国を離れるのです。
その事が話をややこしくしていました。
実はその相手であるリヒトは、出会った時からヒメルを「運命のつがい」だと分かっていました。なのでヒメルの兄のグランツの求婚にずっと応じてなかったのです。
国に寄り付かないヒメルに嫌われていると思ったリヒトがグランツの求婚に応じたタイミングでヒメルが帰国します。
凄く切ない展開になりそうなのに、何かが違うんです。
リヒトの異母弟が登場した辺りから、ちょっと雰囲気が違って来たと言うか…。
雑誌で何回か「異世界の夜の国でXXと…」を読んだ時も思ってんですが、キャラに緊張感が持続しないんですよね。きりみゆうや先生の持ち味かもしれませんが、好みじゃなかったです。
リヒトの「運命のつがい」じゃなくても、努力して尽くして来たグランツは確かに気の毒でした。彼が胸糞悪かったです。この人が本当に次期王権継承者で良いの?とも思いました。
ヒメルとグランツの母親が強すぎて、フワッとしてフワッと終わった感じです。