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koisuru usagi wa sensei ni muchu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
作家買い。
伊勢原さんてファンタジーものを多く描かれる作家さま、のイメージが個人的に強いのですが、今作品もファンタジーもの。そして伊勢原さんらしい、じんわりと心に染み入る切なくも優しいお話でした。
主人公は「お迎えうさぎ」と呼ばれるミト。
「お迎えうさぎ」とは人が名付けた呼び名ではあるものの、その名の通り、成仏できずにさまよう霊を救い、天に返してあげる役割を持つうさぎ。人間たちの間では半ば都市伝説化されている存在。「お迎えうさぎ」はウサギの姿をしてはいるものの、人の姿にもなることができる。
さまよっている霊を成仏させてあげるとそこには百合の花が咲き、そして、「お迎えうさぎ」たちも身体にダメージを追うが、ミトはさまよっていた彼らが行くべき場所に行ける時に見せる笑顔を見るのが好きで自身のダメージはもろともせずに一生懸命に自分の役割をこなそうとしている頑張り屋さんだ。
その日も役目を終えたミトだったが、その充実感とは裏腹に傷ついた身体のダメージは思っていたよりもひどくうずくまってしまった。そこを助けてくれたのは近くの大学で講師として働く神孫子という男性。しかも神孫子は「お迎えうさぎ」に興味を持ちずっと研究している人物。それ故にミトに激しく興味を示すがー。
というお話。
ミトという男の子が可愛くって、もう序盤から萌えツボ刺激されまくり。
一生懸命で、自分のことよりも人のことを優先させてしまうミトではありますが、その彼もまた、「何か」を抱えていることがうっすら見えています。その「何か」はミト自身分かっておらず、だからこそ彼は腹に何かを隠した腹黒い人物としてではなく一生懸命に役割を果たす好青年でしかない。
そして一方の神孫子という男性も。
「お迎えうさぎ」であるミトと出会い、好奇心いっぱいの少年のような彼に、ミトは救われ、そして読者もまた、二人の恋を応援してしまう、そんな二人。
なのですが。
いやいや、こういうストーリーかー!
という奥深さを秘めたお話でした。
単純に、一生懸命な「お迎えうさぎ」と、その「お迎えうさぎ」に会いたかった(ここには恋愛感情は無し)の二人の恋の成就の物語、というだけのお話ではありません。序盤から巻かれた伏線が少しずつ繋がっていき、最後、一本の線になるところはさすがベテラン作家さまという感じ。
登場人物は、そう多くはありません。
メインで登場するのは、主要CPの2人と、そしてミトの先輩であるリロイ(彼ももちろん「お迎えうさぎ」)と、神孫子の講座の教え子だった渚と、渚の兄。が、彼らが織りなす物語はとっても奥深い。複雑に絡んだ想いが少しずつほどけていく様には思わず胸が熱くなりました。
ミト、という男の子の謎って言うんですかね。
彼の過去は、読み進めていくうちに何となく分かってきてしまうのですが、だからこそ、ミトのその後が気になってページを捲る手が止められませんでした。
今作品は亡くなった人の魂を導く「お迎えうさぎ」の存在がメインなので、人の生死がずっとベースにあるお話です。なのでバックボーンとしてはシリアス寄りではあります。ありますが、大切な人を亡くした経験のある方ならぐっと胸が詰まるシーンも多くあるんじゃないかな。
電子で購入しましたが、電子にはおまけSSが二つ掲載されていました。
そのおまけSSが、どちらともめっちゃ良かった…。
生と死、を描いた作品なので、もしかしたら苦手な方もいらっしゃるかも。
けれど、切ないだけではなく、哀しいだけでも怖いだけでもなく、読後ほっこりと心が温かくなる、そんな素晴らしい作品でした。
陵先生の絵に惹かれて購入しました。
内容は他の方々が書かれているので感想を。愛しくて切なくて幸せな気持ちになりました。BLを読んで泣いたのは初めてです。陵先生がカバー裏に書かれているように、わたしもこんなうさぎさんに見送ってもらいたいです。
大事な人を送ったことのある方。いろいろな意見があるかもしれませんが、わたしはこの本を読んで、安心する気持ちになりました。大げさかもしれませんが、この世とお別れするのも、怖くなくなったような気がします。
(まだまだ生きてBLからエネルギーをもらう気満々なのですよ。お読みの姐さま方、ご心配なさらないでくださいませ。)
今回は大学講師とお迎えうさぎのお話です。
受様が攻様との関りの中で探し続けた人を見つけるまで。
受様は1年前にお迎えうさぎとなった新米うさぎです。
お迎えうさぎとは地上でさまよう人の魂を導き、
天国へ送ってあげる事が役目です。
但、人間には霊を昇華するお迎えうさぎは
不吉な存在として捕らえられる事が多く
都市伝説として語られる存在です。
お迎えうさぎは人間体になったり、
霊を昇華されて消費したパワーを取り戻す為
定期的に月に戻って休養していますが
受様はパワーがつきて強制送還される事も珍しくない
ワーカーホリックです。
というのも受様はこの地上のどこかに
自分を待っている霊がいるという確信があり
常に受様を駆り立てていたのです。
地上でお迎えうさぎを統括する監督役は
受様に度々注意を促しますが、
ついもう1人、あと1回と仕事を続けています。
桜が満開の公園のベンチで老婦人を天に送った時も
うさぎ姿に戻った受様の体からは毛が抜け、
傷が増えても受様は会心の笑みを浮かべます。
しかしそこでパワーがつきてへたりこみ
背の高いイケメンな男性に声を掛けられます。
この人が今回の攻めになります♪
攻様は人違いで声をかけてきたようでしたが
空腹でとごまかそうとした受様に
チョコレートバーをくれた上、
自分のジャケットをかけてくれ
頬の傷に絆創膏を貼って撫でられた受様は
感情が高ぶってうさぎの体に戻ってしまいます!!
まさか君は、お迎えうさぎ・・・・・・?
攻様はばっちり受様のうさぎ姿を捕らえていて!?
お迎えうさぎの受様とお迎えうさぎを信じる攻様の
人外ファンタジーになります♪
伊勢原先生のファンタジーは
ほわほわで甘々な雰囲気が好きなのですが
何らかの傷をもつ攻様がまっすぐで純真な受様とであい
生き方を変えていくストーリー展開が多く、
毎回うるうるさせられます。
今回も迷える魂を救うお迎えうさぎとして
人間には内緒の存在である受様が
攻様に見つかってしまった事から物語は始まります。
攻様は大学で都市伝説の類を研究している講師で
お迎えうさぎの存在を信じる人でした。
攻様は受様が頑張り過ぎてしまっている事を知ると
受様への助力を申し出でくれるのですが
お迎えうさぎについて色々調べている攻様は
お迎えうさぎのブラックリスト登録者でもあり
監督役のお迎えうさぎには渋い顔です。
攻様の助力を得て"求める霊"を探す受様ですが
攻様と過ごす事で攻様側の事情が見えてくると
攻様と亡くなった学生の関係、
学生の兄が攻様へと向ける攻撃的な視線の意味、
受様が探し続けていた霊が誰なのかが見えてきて
ハラハラはMAX、涙腺はうるうるで
受様が願いを叶え、攻様の傍に居場所を見出すまで
とっても楽しく読ませて頂きました (^o^)/
受様と受様が探す人との関係は
勘のいい方には早い段階でわかると思うし、
死がテーマとなっているので
タイトルの雰囲気からはちよっと想像しがたい
辛い展開も有りますが
各自の想いとそれを払拭していく姿が
丁寧に描かれているので読後感が良かったです。
陵先生のイラストも物語にぴったりで
うさぎでも人型でも可愛かったです。
先生買い。攻め受けともそんなに好き!ってタイプではなかったのですが、お話が「あら」と思ったので中立より萌にしました。本編280P弱+あとがき。純情まっすぐうさぎちゃんが頑張るお話なので、ぴゅあな子がお好きな方には良いのでは。
地上をさまよっている人の魂を天国へ導く役目を持っている、通称「お迎えうさぎ」のミト。1年前に生をうけたばかりの新米お迎えうさぎですが、いつも頑張りすぎてしまって、ふらふら。エネルギーが切れて道端で座り込んでいたら、「どうしたの?」と声をかけられて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
渚(故人、攻めの助手)、リロイ(お迎えうさぎの監督役)、渚の兄ぐらい。
++ 攻め受けについて
攻めは、スパダリっていうより、学者肌、風変りな方だと思います。お迎えうさぎのことを一生懸命研究していて、ミトに興味深々。まっすぐな良い方ではあるし、健気なところもあるので、好き!って方はいるのでは。
受けはなんでも一生懸命、良い子なうさぎちゃん。リロイに叱られながらも人の魂を導いてくれています。
2人、訳あって出会って惹かれていくことになる、そのお話がどうなるどうなると読んでしまうもので、恋心の盛り上がりに今一つシンクロできなかったのが残念だったかな。攻め受けのキャラがそんなに好きなタイプじゃなかったのも一因かも。先生の既刊がお好きな方でしたら、多分大丈夫だと思います。最後の方でちょこっとあった、リロイと小林兄のケンカップルっぽい雰囲気の方が好きだったかもな一冊でした。