雪原の月影 満月

setsugen no tsukikage mikazuki

雪原の月影 満月
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神112
  • 萌×26
  • 萌1
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
17
得点
589
評価数
122
平均
4.9 / 5
神率
91.8%
著者
月夜 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
発売日
電子発売日
価格
¥1,400(税抜)  
ISBN
9784799754627

あらすじ

「ガンチェが側にいてくれるだけで、私は強くあれる」
少年の体のまま成長できない病におかされた元皇太子エルンストは、国内最貧の領地メイセンを救うために、知恵で奮闘する。エルンストと出会い、己の生き方の全てを変えた戦闘種族の男ガンチェは、エルンストの命を奪おうと襲ってくる敵を迎え撃つ。
強い絆で結ばれた二人。ガンチェへの想いが募るたび、エルンストの胸を締め付けるのは、自分とガンチェとの寿命の差だった…。
そんな時、隣国がメイセンに侵略を開始し…!
光あふれる未来へ――WEB発BLの伝説的傑作が完結! 書き下ろしも収録。

表題作雪原の月影 満月

ガンチェ,26歳,元王宮の下男の傭兵,エルンストの体液適合者
エルンスト・ジル・ファーソン・リンス・クルベール,60歳,メイセン領主,元皇太子

その他の収録作品

  • 上弦の月
  • 下弦の月
  • ガンチェの満月
  • エルンストの満月
  • ガンチェと光輝く庭(書き下ろし)

レビュー投稿数17

号泣必至の名作BLです。

ちるライブで白米さんが紹介していたことをきっかけに読みました。

今まで何冊かファンタジーBLを読ませて頂いていて、そのどれもが面白かったですが、こちらの作品は、世界観のスケールがとにかく壮大で凄まじいな……!!! と感動しました。

多種多様な人種、土地、町や村の人々……一見現実離れした設定ながらも、本当にこんな世界があるのかもしれないと思わせられるほど描写が徹底されていて、作者さまの脳内で繰り広げられているものを作品を通して見せて頂いて感謝感激です……!!!

特に印象に残っているのは、エルンストの為政者としての気質です。彼は、皇太子として様々な教育を受け、緻密に勉学を重ねてきてはいますが、そのバックボーンと、彼の才覚が化学反応を起こし、メイセンという貧しい辺境地に、大きな変革をもたらします。

彼の懐の広さや度量の大きさ、また、大局的に物事を見て今何が必要なのか、また何を切り捨てて何を選ぶのか――エルンストが語る言葉の数々は、現代を生きる私たちにも刺さるものばかりでした。彼の何気ない一言に、考えさせられたり、はっと気付かされることもたくさんあり、エルンストの帝王学に感銘を受けました。

また、特質すべきなのは、作中で流れる年月の長さです。クルベール人の寿命が200年ということもあり、数十年、数百年単位で物事が語られていて、それがまた物語のスケールの大きさを物語っています。

そして、何と言ってもラストですよ……!!!!
もう、BLでこんなに泣いたのは生まれて初めてです!!!!
作中で度々触れられている、ガンチェとエルンストの寿命の差が、こんなにも胸を締め付けるなんて。。。エルンストが本能的にその未来を恐れているのと同様に、読者の私も恐れていました。最初から分かっていたことではあるけれど、いざその瞬間に直面すると、心がこんなにも苦しくて切なくなるのだな、と思いました。『ガンチェの満月』ではティッシュを何枚も取り出して、延々と流れ続ける己の涙を拭っていました。それでも流れ続けました。

そして、本当のラスト。エルンストが死去した後の世界が、モノローグ調で語られている場面、ここでも泣きました。600年の時を経て、侵攻してきたリュクス国を返り討ちにできたのは、エルンストがリンツ谷に橋を架けることを陳情し、グルード国と協定を結んだからです。エルンストがきっかけを作り、種を撒き、植えたものが、600年という長い時を経て、強く逞しく芽吹き、その真価を発揮する。彼の為政者としての功績は、600年後の今もなお輝き続けている。エルンストが積み上げてきたものは、メイセンを永久に守り続ける。エルンストという命は、メイセンという彼が愛した土地で、永遠に生き続ける。そんな気がしてなりません。

こんなにも壮大で美しい物語を生み出して下さった作者の月夜様、そして、一番最初に『お気に入り』を押してくださった読者の方、雪原の月影という作品を世に送り出してくれた出版社の皆様、本当に、本当に、ありがとうございます。

エルンストとガンチェの長い一生を、彼らの生きた証を、こうして一つの形にして残してくださりありがとうございます。
 
雪原の月影に出会えたことを、幸福に、そして誇りに思います。

3

寿命の違いがせつない。でも2人が生き生きしてる!

この満月の巻では、様々な問題があったメイセンの領土が少しずつ前に進み出す様子が描かれていました。

登場人物が増えていき、どんどんエルンストを支える人が増えていくのが読んでいて楽しかったです。人を長い目で育てる気持ち、適材適所を見極める目、本当にエルンストがカッコよく読めます。体は小さくても頼もしい領主になったエルンストのあらゆる施策がとても楽しく読めました。
まだまだ清貧な生活が続いているけど、その清貧さが清々しい気持ちになり、見た目の贅沢にこだわる他の貴族が醜く見えます。
伴侶契約で結ばれているガンチェとエルンストですが、結婚式を挙げられてないし、新婚旅行も行ってない。しかし、新婚旅行とは書いてないけど、2人きりの旅をこの巻で経験出来たのが読んでるこちらも幸せを感じました。けして2人が背負った問題は楽しいだけの旅では無いものの、この経験が2人の中で人生のプレゼントになってると思うととても感慨深く、涙がでてしまいました。
そして、ガンチェの力強さと、エルンストの頭脳が炸裂する他国からの襲撃事件は2人のカッコ良さが存分に発揮されていました。
人種の違いにより寿命が違う2人がラストどのように描かれているかは読んで確かめて欲しいです。そして貧乏な領土メイセンがどのように変化したのか。2人の愛が導いた功績を読んで欲しいです。
切なくて最後は泣いてしまいましたが、とても充実した読後感でした。

3

唯一無二!その謳い文句は真実無妄。

寿命が倍程違う種族。それでも寄り添って、命の限り精一杯生きて、生き抜いて、後世に掛け替えのない足跡を残した主人公と伴侶。
その二人の人生を温かく支え、共に戦い生きた人々。
登場人物一人一人の鮮やかな人生を本当に間近で見ているような、そんな作品でした。
BL枠に当てはめてしまうには余りにも勿体ない。
いつまでも読み継がれて、いつかBL枠から飛び立って世界中で読まれて欲しい、そんな作品です。

4

神が遣わされた作品

続きものです。
まず、こちらを読む前に「雪原の月影 三日月」をお読みになるのがよろしいかと存じます。

もう読んだ方はこちらの巻を買おうか買うまいか迷う方はいらっしゃらないと思います。

それほど、前巻が面白い。
たぶん、ページを捲る手が止まらなかったんじゃないでしょうか?
この巻を読んだ後、あまりの壮大さ、物語の緻密さに私は他のBLを読む気力がなくなりました。まだ、このメイセン領に浸っていたい。

現在、2022年3月ですが、この巻は本当に考えさせられました。
守る側は強い意志があるけど、攻める側は大将が決めるってセリフがあって、思わず現況と照らし合わせて、考えさせられました。
これは、BLじゃなくて、実用書とか歴史書なんじゃないだろうか…。色々考えさせられて、すぐ思考の海に沈められます。

最後は大号泣して、本を閉じました。もう、表紙を見ただけで泣きますよ、私は。
なんなんだ、ほんと、なんなんだ。この本は。
書いた人は天才なんて言葉じゃ片付けられない。天才より上ってなんですか??

あ…もしかして…神ですか???

9

最高でした

ホントイッキ読みして最後に号泣しました。
なんて素晴らしい愛のカタチ♡
ガンチェの愛が深い…

8

壮大なストーリーになっていた…

三日月からの続きです。三日月でエルンスト様の病気の経緯が明らかになり、元老院のメンツとの対峙があったりと三日月から世界観がメイセン領内から国内、ひいては国外まで、一気に広がります。

そして気付けば20年後…。2人の寿命の差が迫ってきて…からのガンチェの満月とエルンストの満月…。ネーミングセンス最高か!とか言いたいことはたくさんあるけど…、控えめに言っても号泣でした。始まりがあれば終わりがあるわけで。終わりでも悲しくない、次があるよってこともちゃんと遺しておいてくれて。

そして600年後、もちろん2人はこの世にはいないけど、2人が生きていた証はしっかりとメイセンに残されていて…思い出しても泣いてしまう…。

読み始めたときはもちろん2人が主人公だし、2人のラブストーリーなんだろうなと思っていたけど、600年後にも2人が愛し合っていて生きていた証が残されるほどの壮大なストーリーになるとは思いませんでした。他にも萌えるポイントとか言いたいことはたくさんあるけど言葉にならなくて…。読んだ後の余韻も含めて、本当にいいお話でした。

14

間違いなく名作

三日月と満月通じての感想です

読み終わり最後のページを閉じる時この本を読めたことへの感謝で胸がいっぱいになりました
こんな瞬間があるから本を読むのをやめられないんだと思う

身体の成長を止める病にかかり子供のままの姿の元皇太子エルンストは寿命200年の種族
彼を愛したのは寿命100年の戦闘種族ガンチェ
彼らは寿命も身体の特徴も特性も違う
ただこの本は種を超え愛し合う二人の睦まじさを愛でるためだけにあるのではないと思う(そこは本当に愛らしく読んでて満たされるのも間違いないが)
この本は二人の戦士の戦いの記録だと思う
二人の愛は二人を変え戦う力を与え人生を与えた
王になるためだけ60年を生きてきたのに病のため皇位継承不適格とされ皇太子の称号を奪われ辺境の貧しい領地を与えられたエルンストは
戦うことで生きていく戦闘種族ガンチェの愛を受けれ愛する
辺境の極貧の地に飛ばされその地を再生させるために奔走するエルンストと側で支え続けるガンチェ
種族を超えて愛し合う二人は互いを尊び影響し合う
二人は体液適合者という互いの体液が力になるの特性を持っているのだがこれは余りに違う体格差を持つ二人のために作られた設定だろう
(だがそこにご都合主義的な匂いを感じさせない技量がこの作者にはある)

種族の違う二人の最大の壁は寿命が違う事だ
個人的には死別が地雷でどんな名作でも死別のお話はあまり再読できないのだがこのお話は読み返すことができると思う
死が二人を別つ時を過ごすのも二人に与えられた戦いなのだから
運命を彼らが乗り越えた時
戦いを全うした二人を称えずにいられなかった

彼等が出会えたことに感謝し
この本と出会えたことに感謝します

これを読んでいた時ふと銀河英雄伝説を思い出しました
先生の深い造詣がこの物語を恋を描くBLと一線を画すものにしていると思う

20

満足感が半端ない

長さを感じない位に面白く読み応えがありました
人物設定も興味深く人種だけでなく種別や
土地、風土、習慣、思想等細かい設定が
まるでリアルに存在するかのように感じられました

登場人物の容姿、人柄も読んでるだけで
頭で思い浮かべられるようでした

主人公元皇太子エルンスト(見た目少年)と
相棒で伴侶であるガンチェ(超大柄)
この2人の人生を追ってのお話しになります

甘々で恵まれた環境にあるお話ではなく
寂れ落ちぶれた自分の領地をどのように
土地の人々や兵士を導いていくか等
を中心に進んで行きます
歴史の人物書に近いような.....

もちろんLOVEも大いにありで
2人がなんともキュート
周りの登場人物も個性ありです!

読み出すとほんとに止まらなくなるぐらい
引き込まれるので本の厚さにビビらず
トライして欲しい良作です
そして挿絵が良過ぎです!
何度も眺めながら読み進めて下さい

読了後
誰かとこのお話について語り合いたい
泣きあいたい
心の中はあたたかい気持ちで溢れる
そんな素敵な作品です

拙い説明ですがたくさんの方にこの本を
手に取って頂きたくさんのレビューをあげて頂きたい
感想を読ませて頂きたく思い投稿しました!

今は2周目読んでいます
色んな気付きがありつくづく素晴らしい作品だと
感じています

22

終わり方として秀逸

上下巻の下巻。
薄々感じていたけれど、ご都合主義にもならず、現実的な終わり方。
ファンタジーということを忘れ、どこかのリアルな国の歴史書を読んでいるのかと錯覚しそうな終わり方。
でも、それがいい。
最後まで、納得の進み方と終わり方。
読んでよかったと思う。
本当にたくさんの方に読んでほしいと切に願う。
特に、政治に不満を持ち、選挙に行かなくなった人に。
読んで思うこと。
次の選挙も必ず行こう。
そんな気持ちになれる。

18

神作品✨

一話一話の充足感が凄いです。これはただのBLの域を超えている…。箱入りの上製本で欲しいくらい。高額でも買うレベル!神作品です(>_<)✨✨✨✨

15

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