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ofune gohan
軍艦を擬人化して描き、グルメ物語として構成された一冊。元々は別作品のキャラみたいだが、そちらを知らなくても問題なく楽しめた。
登場キャラは多く、かなりの数の軍艦が出てくる。メインは給糧艦の間宮で、常にほのぼの笑顔のお母さんキャラ。その役割のおかげで海軍一のモテ艦らしい(笑)
といっても一話ごとに主役が交代し、シリアス・ギャグ・バトル・ほのぼのなど、いろんなテイストで料理をする小話が詰め込まれてる。一話終わるごとに軍艦の紹介4コマがあって、読み応えたっぷりだった。
で、ここに非BLとして登録されてるからには、萌え要素があるってこと(?)確かに、ほんのり関係性に萌える二人が何組か出てきた。
例えば加賀と赤城がカレーかハヤシかでケンカする第2話。もうこの時点で!って感じだけど、仲直りの方法が可愛くて良かった。
このお話は全体がテンション高めでギャグノリで、元ネタを知ってるとちょっと笑える小ネタが仕込まれていて、明るい気分で萌えられた。
最終話もとても可愛くて、個人的には一番のお気に入り。超弩級戦艦・大和が一生懸命頑張るお話。さらに間宮がさらっと深刻な本音を語っていて、これがとても心に刺さる。自身の状況に被るところがある人は、大きく頷くんじゃないかな。
一冊の中でいろんな方向に感情が揺れて、とても忙しかった。
出てきた擬人化キャラは実在した軍艦で、具体的な場面は描かれないが、文章でさらっと末路が書かれている。噛み締めるようにご飯を食べるキャラにモノローグをかぶせるようにして、「~に沈む」と。この静かな表現がとても好きでじわっと泣けた。
巻末は切ない短編漫画。
本筋だけを追えば童話っぽさがあるかも。二人でハピエンっていう結末ではないけれど、未来は明るいのかなっていう。エンドマーク後の描き下ろしイラストに涙を誘われた。
グルメ漫画だけど、それだけじゃないとても充実した内容で、大切にじっくり読みたい作品。軍艦漫画の方も読んでみようかな。