騎士は王宮の花を支配する ―Dom/Subユニバース―

kishi wa oukyu no hana wo shihaisuru

騎士は王宮の花を支配する ―Dom/Subユニバース―
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×213
  • 萌5
  • 中立4
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
10
得点
136
評価数
39
平均
3.7 / 5
神率
33.3%
著者
夕映月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784778132163

あらすじ

人を支配したい本能を持つDomとされたい
Sub――D/Sが存在する世界。Domである宰相補佐官メルは彼の美貌に目をつけたDomに威圧され、D/S両方の性質を持つSwichだったが為にSub性が目覚めてしまう。不調に陥ったメルを救ったのは第三騎士団長である親友ジェラルドだった。強いDomによる蕩けるほど甘いケアは深い悦楽にメルを引きずり込む。溺れてしまいそうな恐怖を覚えメルはジェラルドを避けるが、本能が彼を求め――。

表題作騎士は王宮の花を支配する ―Dom/Subユニバース―

ジェラルド・バトラー,25歳,バトラー伯爵家の次男で第三騎士団長
メルヴィル・スタンレー,27歳,クレイバーン国の宰相第一補佐官

同時収録作品騎士は王宮の花を支配する ―Dom/Subユニバース―

メルヴィル・スタンレー,クレイバーン国の宰相補佐官
アンバ―,高級プレイクラブのスタッフでサブ

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数10

甘くて、甘くて、甘い!Domの愛と、矜持を失わない受け様

もう、めちゃめちゃ自分好みの「甘い甘いDomSub」のファンタジー。
萌えに萌えました…

小説はそこそこ読んできたけれど、D/Sものはこちらで3作目?かな?
先生の後書きにもあるように、コミックスには多いですが、D/S小説はまだちょっと少ない気がします。

激しい言葉責めやプレイのない、初心者の方にもとてもおすすめできるD/S。
真摯に愛を請い、Subに跪くDom様…D/Sの一般的なイメージとはちょっと違うかもしれないけれど、素敵じゃないかー!!

SMとか、身体的・精神的な従属は苦手なんですが、そんな自分でも心からうっとり蕩けてしまうような、優しいD/S物語でした。

そしてCiel先生の挿絵の美しさたるや…!ツンツン美人のメル、赤い瞳が魅力的なジェラルドどちらも美しく、ため息が出ましたよ。。まさに美麗。

(以下大きなネタバレがありますので、ご注意ください)↓




隣国の王の放つグレアに当てられ、ずっとDomだったのに、突然SwitchとしてSub性が目覚めてしまった(元々Switchだったということなのですが)主人公、メル。2歳年下の親友、ジェラルドと緊急措置としてプレイをし、なんとか持ち直します。
しかしその後もSubとしての欲求が溜まり、体調不良に悩まされるようになったメルを見て、ジェラルドは「パートナーになりたい」そして、メルを愛しているので伴侶になりたいと告げてきてー

と続くお話です。

今までずっとDomとしてプレイをしてきたというプライドに加え、親友であるジェラルドに命令に従うみっともない姿(だとメル自身は思っている)を見せたくない、という男の矜持を曲げることができないメル。

そんなメルの「対等でありたい」「馬鹿にされたくない」そして「みっともない姿を晒して嫌われたくない、怖い」という気持ちを全て受け止め、「パートナーになることを許して欲しい」と跪くジェラルドの格好良さよ…!大変萌えます。。//

年下だけど頼り甲斐があり、受け様のピンチには駆けつけ、受け様の男としての矜持も決して傷つけないー
もう、完璧じゃん!好きになっちゃうじゃん!…であります。

ただの「親友」でしかなかった相手の腕の中に包まれる安らぎを知っていくメルの様子に、激しく萌えてニヤニヤが止まりませんでした//

痛いところ皆無の、どこまでも甘く蕩けるD/Sストーリー。
自分の中の、”大のお気に入り”作品の一つになりました✨

0

Dom/Subユニバースは、ゲームシナリオなら面白い

丁寧な描写の挿絵がとても綺麗だった 眼福。
宮廷一の美貌の文官、母似の持ち主メル。
美丈夫の騎士、ゲイリー(ジェラード)は二歳年下。
・・二人ともドム。

メルは、より強い属性のドム・他国の王のグレアに屈服してしまう。
メルは、ドムではなく、ドムとサブの両性を持つ「スイッチ」だった。
葛藤して混乱するメルを助けたのは、ジェラードだった。

それ以後、サブとしての欲求を解消するために公娼のドムを買って試すが、どの人もダメで本能が受け付けない。
結局メルは幼馴染のドム、騎士のジェラードの助けを請う事になる。

・・・私にはダメだった。楽しめない。
Dom/Subユニバースは、ドムが指示を出し、サブがそれに従う、の繰り返し。
楽しいのは、小説を書く本人だけじゃないのかな?・・

ドムが指示を出し、サブがそれに従う、の繰り返しの展開は、
gameなら、プレイヤーに展開の選択権があって、面白いと思う。

でも小説だと、物語の進行は著者任せ
美貌のキャラが登場して葛藤したり色々肉付けしても、
Dom/Subユニバースは、単調な「命令と従う」の反復行為で
面白みがないルールだと思った。

1

読みやすかったです

初めてのDom/Sub小説でした。もともとこの設定に萌がない読者ですが、夕映先生の意欲作ということで読んでみました。やっぱり、なかなか理解するの難しかったかな~と思ったのですが、今までコミックスで読んでいたD/Sより抵抗をおぼえなかったので、ちょっと盛った評価にしています。

ザ・Dom的な攻のキャラが好きでした。見た目に反して性格は優しくて温厚なところもよき。最初は受もDomだったので、ええ?なぜ?と思ったら、Swichってゆー両方の性を併せ持っていたとゆー難儀な展開に戸惑いながら、そこに同じ性だからと親友に甘んじてた攻が、これ幸いと受の気持ちにぐいぐい迫る感じがよくて引き込まれました。

新たに目覚めたSubの本能が求める行為に、プライドの高い受が葛藤する様子が丁寧に描かれています。D/Sとはいえ、あくまで対等なパートナーとしての立場に拘る受に対して、超Domな攻は溺愛できればなんでもいいんで、気持ち的にはSubが優位にみえます。
攻が受に触れずに”命令”だけで欲求を満たしてあげるというプレイがあったんですけど、そこはかなり好きでした。長尺の”言葉攻め”みたいで…。

最終的に”支配/被支配”というより、信頼した相手に”全権委ねる”というところに、本能よりも攻受の意志が働いているような印象があって、その辺の解釈の幅の大きさも読みやすさに貢献している気がしました。

1

あまあまのメロメロ

好きな設定てんこ盛り過ぎて指先が痺れるほど萌え広がりました…泣くほど甘い。

Domとして生きていて何となく奥底の違和感が拭えなかったメルが、強いグレアを浴びせられ身体と感情と理性がバラバラに崩れ、幼なじみのDomゲイリー(ジェラルド)によって優しく甘く甘やかされ心の介抱をされるあらすじ。

ココが好き:
・プライドが高く自立していた人間があるきっかけで自分の常識を覆されたり考え方が変わってしまう、それに戸惑う
・見た目厳つい男が、相手にお伺いを立てたり細やかに情熱的に相手を見つめる、でも箍が外れると暴走する
・軍服の令嬢的な、細身で美しい強気な佇まい
・甘々に褒めて労わるスパダリ攻め

Domとして生きてきたけど実はSwichだったメルの、理性と精神的欲求の葛藤の描き方がすごく面白かったです。
自分はDomで将来の宰相候補であらねばという思いと、あの時の言葉に従っていれば褒められたかもしれない、こんなに苦しまずに済んだかもしれないと必死に悔やむ気持ちが生まれてくることに驚き、それを認めたくない。

Sub欲求についてのメルの不安要素はゲイリーがコマンドを利用して逐一吐かせるので、すれ違う要素を早々に摘み取ってくれストレスなく読めました。
また非常に重要な点として、ニールやカムなど『何故英語?外国から来たバースだから』と違和感を誤魔化して読んできた人も、この作品は「おいで」とかだから私達の違和感まで取り除いてくれるゲイリーは有能Dom。しかも戸惑うメルを気遣いつつ初歩コマンドで嬉しそうに褒めてくれるし、プレイや肌に触れる事をメル当人に許可求めるのも本気甘かわいくて最高…いくらでも読みたくなるし、ベッドシーンが少ないのも焦れずずっと楽しめました。

攻めの名前、実存俳優の名前であの顔が暫く離れなかったんですが大丈夫なんですよね?
続編が永遠に出ないことが悔やまれます。

5

とにかくプレイを楽しむ!!!

元々Dom/Subユニバースが好きでして、今回夕映先生のDom/Subがでることを楽しみにしていました!
とはいえ、二次創作では楽しめていたオメガバースが、商業作品だとイマイチハマれなかった経緯があるのでどうかなと思っていましたが、Dom/Subのプレイシーンがこれでもか〜!というほど詰め込まれており、堪能させていただきました(*´ω`*)

自分を支配する側のDomだと思っている宰相補佐官メルと、メルに片想いしている騎士団長のジェラルドの二人のお話です。
異世界ものですが、後書きにもあるとおりDom/Subの説明+世界観の説明となるとそれだけで本が厚くなってしまうのでしょう、結構世界観についてはあっさりです。
なので異世界アレルギーの方でも読みやすいと思いますw

萌2評価にした理由としては、
①メルが女性にしか見えない
②表紙のビジュアル&帯の「怖がらなくていい。メルはいい子だろう?」の文言から期待する攻め像と本編に少しギャップがあった
という点です。

①は、長髪キャラがあまり好みでないうえに線も細く、女性にしか見えませんでした…ごめんなさい。
でも、性格面はプライドが高く心の強い受けなのです。だからこそ、性格を表したような見た目にしてほしかった…メルは周りから女性的に見られることを嫌っているのになんでわざわざ長髪(それもブロンド)で通しているのかな…と違和感ありました。

②は、がっつり支配するタイプの攻めを期待してしまったのですが、攻めのジェラルドはメルの2歳下であり、惚れた弱みもあるのかメルに強く出れないところが若干ワンコ属性というか…
とにかく表紙と帯から受ける印象とは若干違いました。
プレイをしていてもがっつり支配することはしません。
まあそこが彼の優しさと誠実さであるのですけど!
ただの支配関係ではない、ダイナミクスの上ではジェラルド×メルでも、精神的にはメルの方が格上…というひとつ捻った設定が、夕映先生流Dom/Subなんだなあと思いました(o・ω・o)
とはいえプレイのシーンが多く描かれていて、序盤から二人のプレイしているので楽しく萌えさせていただきました!

4

Dom/Subに期待しているだけに

ほぼ、しゅみじゃないに近いです…。すみません。

デビュー初期の何作か拝読している作家様のDom/Subということで、あまり期待しすぎないように、ハードルを上げないようにと気持ちを抑えて読み始めましたが…、残念ながら自分は作家様とは萌えが合わないのかな、、と思ってしまいました。

物語の時代的に西洋中世〜近世くらいをイメージしたのですが、世界観における支配/被支配ルールをかなり緻密に練らないと、Dom/Sub設定は厳しいのではないでしょうか。終盤、メイドがDV元カレに襲われるエピソードが出てきたところで、このような状況は市井であれば水面下で頻発してるのでは?とよぎってしまったんです。宮廷や上流社会では誰がドムで誰がサブかは立場上明確にされているのかもしれませんが、一般庶民はどうやって棲み分けていて、どういう生活を送っているのだろうかと。

正直、単純にDom/Subの甘いプレイ(エロ)が描きたかっただけなのかなぁという印象しか残りませんでした。幼馴染みの友情ものがベースなので、二人のセーフワードに萌えるべきなんだろうな、とか、メルの明らかなビジュアルからして、彼のドム属性に違和感を覚えさせるのも親切な仕掛けだな、とか。それだけのために⁈という当て馬の贅沢な使われ方については、当て馬好きとしてモヤモヤしましたけど…笑、萌えるべきポイントは大変わかりやすいんです。

しかしながら、作者が設定に合わせてキャラを動かしている感じがどうにも透けて見えて、わたしには受け攻めのセリフがめちゃくちゃ表面的にしか感じられず。ウーン、設定全般が理想的なシチュで繰り広げられるプレイのためのお膳立てにしか思えなくなってしまったといいますか…。逆に、キラキラな世界で甘〜いDom/Subプレイを堪能したい方にはオススメだと思います。

ちなみに、Dom/SubとSMは別物だと感じていたので、その解釈違いも影響しているかも…。

甘いプレイに相応しい、Ciel先生の美麗イラストが眼福でした。

8

初めてのDom/Subユニバース✧*。

初めてのDom/Subユニバース、丁寧な解説があって解りやすかった。何よりメルとジェラルドのプレイがツボで面白かった。Dom/Subとしての本能と心の境目が難しいとは思った。メルが支配権を奪われ自分を失くしそうで怖いって気持ちとジェラルドに惹かれてく気持ちの間で葛藤してるのは切なかった。けど、本能を凌駕する愛が素敵だった。あとホント2人のプレイがツボでドキドキしながら甘い気持ちで読みました。ほかのDom/Subの作品も読んでみたい。
Ciel先生のイラストがまた美麗で見惚れる。オススメです!!

5

Dom/Sub

先生買い。女性っぽいヴィジュアルがちょっと気になったんですけど、攻めのでろ甘攻撃で好きな部分があったので萌2より萌にしました。Dom/Sub読むのは2作目ですが、甘め寄りなのでは?と思うお話、260P超+あとがき。

大国クレイバーンで宰相補佐官を務めるメルヴィル。宰相の家系の嫡子として生まれ、王宮の花と言われる美貌で宮廷の貴公子たちでも中心的な立場。ある日、同じDomである二つ下の友人のジェラルドから「俺はDomとして出来損ないらしい」と相談を受け・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
シルヴェスタ(隣国国王)、シドニー(受けの古い友人、Sub)、攻め父、受け父ぐらいかな。

++好きだったところ

攻めが受けに惚れまくっているものですから、受けがスイッチ(DomでもありSubでもある)と分かった途端、押して押して押しまくる。もともとの性格でDomらしくないと言われるように、優しく様子を窺うように進めるのですが、ひたすらアピール。受けのキラキラ髪が大好きで、賭けに勝った時は受けを風呂に入れて隅から隅まで洗い、髪も超丁寧に洗うしトリートメントつけて温タオルで浸透させるし地肌マッサージするし、もう最高。
年下わんこっぽいところもあるのですが、いざプレイとなるとDomなので、ちゃんとコマンドは使います!「おいで」とか言われてみたい~!

受けはスイッチとなってしまって、どうしたらいいのか混乱中。攻めのことは友人として好きだし信頼しているから攻めといる時はめっちゃSub化。ちょっとためらいながらもコマンドをお願いしています。ただ他のDomのコマンドは全く聞く気になれない、高潔よりな方。そんなことになったらもう攻めさんとくっつくしかないじゃんよと思うのですが、いろいろお考えになられて、なかなかくっつかない!というお話でした。

Dom/Sub詳しくないですが、ゲロ甘テイストなDom/Subと思うので、Dom/Sub入門としてもよいのではと思うお話でした。

4

ファンタジーである必要とは?

異世界を舞台にしたdom/subユニバース。
夕映先生ということで期待していましたが、異世界設定であった必要性が分かりませんでした。
d/s設定説明が込み入っているので異世界設定は最低限とのことですが…それにしても。

〝白雪の宰相〟の二つ名を持つ美人のdom・メルと、彼の親友で強い力を持つdom・ジェラルドが主人公。
domであったメルが隣国の国王・シルヴェスタに威圧され、domとsub両方の本能をもつ「スイッチ」として目覚めてしまい…というストーリー。

物語は城の中だけで繰り広げられます。
魔物が出る設定らしいのですが、全く活かされてません。
シルヴェスタ国王が2人に関与してくるかと思えば、直接関係してこない。

甘やかし系domのジェラルドと、domとsubの本能の狭間で揺れ動くメルのやり取りに終始。
プライドが高いメルがジェラルドに甘やかされ、恋に目覚める展開は王道だけど嫌いじゃない。
d/sのプレイもマイルドで、全体的には甘々な印象。

絵師がCielさんなので美しいメルが存分に堪能できます。
ただ、長髪美人はどうしても女性に見えてしまうという難点も…。

スルスル読めますが物足りなさは残ってしまいました。
それでも、先生のdom/sub好きは十分理解出来ました。

13

Dom/Subユニバースもの初心者さんにこそ手に取ってほしい

作家買い。
夕映先生お初となるDom/Subユニバースものです。あとがきで夕映先生がD/Sへの熱い思いを書いていらっしゃって、先生自身D/Sものがかなりお好きなのだとわかります。

で、今作品はその熱量がぎっちりと詰まった作品だったように思います。D/Sものは最近人気上昇中ではありますがまだ認知度はあまり高いとは言えない設定かな?と。正直に言ってしまうと、私も完全に理解しているとは言えない部分もあるのですが、まず序盤に「Dom/Subユニバースとは」という解説が収録されています。

そしてストーリー自体も、「D/Sものとは何ぞや」非常に分かりやすく描かれていました。プレイ自体も激しいものはなく、主要CPの恋愛を軸に進むので初心者さんでも理解しやすく読みやすい1冊だったと思います。





主人公はメル。
父は宰相、母親は前国王の姪という由緒正しい家柄の子息。宰相第一補佐官という立場も立派にこなすメルは、その麗しい美貌から「王宮の花」という別名を持つ。Domの性質を持つメルは時々高級クラブからSubを買うが、自分のパートナーとなる相手はなかなか見つけられないでいた。

そんなメルは、その美貌から隣国の王・シルヴェスタ国王に目をつけられ、グレア(Domからの視線による威圧のこと)を受けたことでSubとしての性質が目覚めてしまう。シルヴェスタ王の指示に従いたくはないという思いと、Subとしての本能の狭間で苦しんでいたメルを助けてくれたのは、親友で2歳年下の第三騎士団長のジェラルドで―。

というお話。

んー。
バッサリ言ってしまうと、このあらすじ以上の内容はあまりありません。良家の子息でDomとして生きてきたメルが、バランスを崩しSubとしての性質を目覚めさせてしまう。そこをジェラルド(彼にはメルだけが呼ぶ愛称がありますが、その名前はここでは書きません。手に取って確認されてみてください)が手を差し伸べる。

ジェラルドがなぜメルを助けるのか、という部分も、彼がメルに向ける深い愛情が序盤から描かれているために早々に読者には読み取れます。

今作品は、「Dom/Subユニバース」という世界観を堪能するが良き作品です。D/Sとは何ぞや、というところから始まり、彼らのプレイの仕方、関係性。そういったものを満喫できる。

SMと大きく異なるのは、「そうしたい」のではなく「そうなってしまう」という部分か。指示に従いたくなくても、Domに命じられるとそうせざるを得なくなる。

オメガバとの違いは、Subに拒否権があり、パートナーをSubからも解消できる、という部分かな。だからこそ二人は常に対等な関係だし、愛があってこそのパートナー関係が結べる。

メルは自分がDomだと自負して生きてきた分、Sub属性を受け入れることがなかなかできない。そんなメルの心情を思い遣り、愛しているからこそ手を差し伸べるジェラルドの深い愛情にもめちゃめちゃ萌えました。二人は、Dom、Subとして、身体の接触はそれなりにあります。ありますが、挿入にまで至るのは本当に最後になってから。そこに、ジェラルドの男気と愛情がきちんと見える。

そしてメルも。
Subだから、ではなく、ジェラルドを愛しているからこそ、自身の性に向き合い、受け入れるようになっていく過程が素晴らしかった。いつも強気なメルが、ジェラルドに愛され、甘やかされ、蕩けていく。可愛いし、カッコいいです。

序盤、メルがDomとして他の男性と絡むシーンがあります。ちょびっとだけですし最後までは致していませんが、苦手な方は注意が必要かもしれません。

そこはかとなく耽美な空気感が漂う作品ですが、そこに華を添えるのがCielさんの挿絵。綺麗です。美しいです。今作品の世界観にぴったりで萌え度は確実に上がりました。

13

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