電子特装版
mayonaka mirror ball
作家さん買いです。
木村イマ先生を知ったのは、少女マンガ「閏うこの月」からでした。
繊細な部分の心の動きをじっくり描く所が好きで心に沁みるなぁ、と。
BLを描いているとは知らず、読んでみたいと、購入しました。
タイトルからどんな作品なんだろうと、思ったけど、すっごい良かった。
ストーリーは熱いのに絵柄のせいなのかセリフのせいなのか、静かに落ち着いた、この世界感がとても好きだわ。
乱パから始まる恋で、不特定多数との絡みのシーンあるけど、そこまで卑猥には感じない。
千晶は、特別なものを求めて上京し7年。
それとはかけ離れた平凡な生活を送っていたが、、、
仕事で知り合った、モデルの礼に誘われて行った先にあったものは、享楽的な世界だった。
そこで、知り合ったのが太芽。
この時から、お互いを意識し始める訳なんだけど・・・この後のジレジレが萌える。
太芽は始めて人を好きになった時から、普通な日常を笑い合えるパートナーを求めていたが、そんな相手はいなかった。
割り切った関係なら、相手に簡単に触れるけど、本気だからこそ手を出せない、千晶と太芽が悩み抜き、付き合い始めるシーンがとても印象的。
初恋が実ったね。
この作品に出てくる、脇役達が魅力的でスピンオフをお願いします。
あとがきまで、しっかり楽しめました。
おすすめの1冊です。
他の作品ではなかなか出会えない、唯一無二の趣がある作品でした。両方受けの雰囲気を持つ千晶と太芽が最終的にくっついて千晶が攻めになるんですが、最初は千晶は受けになって欲しいと思っていたのに、読み進めていくうちに自然と攻めになる彼の絵が浮かんできて、木村先生のストーリー構成が素晴らしいなと感じました。
東京のぎらついたアングラな世界は敬遠されるべきものとして描かれがちですが、上京したからにはそういう部分に触れてみたいという千晶の欲求は素直で好感が持てました。正直、一度は経験してみたいものだよね。そんな異世界で出会った人達も、皆日中は違う顔をしているし、1人ひとりは自分と大差ない悩みを持った人間かもしれない。割り切った関係ではなく、ちゃんとした恋人が欲しいと訴える太芽の可愛さにやられました。職場で空気が読めない千晶だけど、彼は人の心が分からないわけじゃないし、きっと太芽のことを大切にしてくれると思います。都会や仕事で疲れた時に読んで欲しいBLです。