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heishi noo yomeiri
宝井さき先生の「変態執事から逃げられません!」が好きなんです。もの凄く可愛くて。
好きなんです。なので、新刊を楽しみにしていました。本作は、先生も初挑戦だというファンタジーもの。時代観もふわぁーっとした、人間とエルフの棲む世界。
「森の民」と云われる妖精たちによって守られているというこの世界では、黒鳥の選んだ生命力の強い少女を、「森の民」の花嫁として差し出さなくてはならない。
いわゆる「生け贄」の儀式だ。物語は生け贄の娘では無く、少女の護衛として随行した兵士が、いきなり攫われ、一方的に族長の花嫁にさせられるという、乱暴な冒頭から始まる。
兵士のオリバーは、結構鍛え上げられた良い身体をしてる筈なんだが、媚薬的なモノを盛られたとかで、アッサリ良い様にされてしまう。兵士なのに…。
この手の物語にあるあるで、妖精の族長のルフェネスは、実はオリバーと幼ない頃に出逢っていて。互いに見染め合っている。ただ、オリバーは、美しくも雄々しく育ったルフェネスを、少年の頃の初恋の相手だと、気付かない。ルフェネスも何故かその事を告げない。告げないからこそ、想いはすれ違って行く、という切なげな雰囲気なのだが。とにかく何もかもが初めての経験で、あれよあれよという間に、オリバーは樹胎させられてしまうのだ。ええ、懐妊させられちゃうんです。ここら辺説明がちょっぴり不足な感じもするんですけど、ルフェネスの男前な顔面力と、大樹の不思議な力で。もう思考能力をふわふわと失くしてしまったオリバーは、メロメロになっているというか。そんなわけで、臍あたりからポンッと花を咲かせて、男なのに妊娠出来る身体にされてしまう。ふふっ。強引です。
ファンタジーなので、何でもアリ!なんです。
当て馬チックに登場する、ルフェネスの双子の兄・ルランは、ルフェネスの様に雄々しくは育たず、オリバーが初恋の相手だと見間違えた程、幼ない頃の美しさのまま育っている。
彼はひたすらルフェネスに嫉妬して、オリバーにちょっかいをかけて火種になるが、読み様によっては、ルランの方が不憫なのだ。双子の兄なのに、最初から後継者として認められず、期待もされないから、ルフェネスの様に厳しく育てられなかったのだ。ルフェネスは、兄・ルランが甘やかされているのを羨ましく思っていただろうが、おそらく、何も持たないルランの方がルフェネスに激しく嫉妬していたのだと思う。
兄弟の和解とか、不憫なルランの救済とか、ちょこっと入れて欲しかったなぁ。
ツンデレなルランはきっと良い子だと思うから。
その他、ルフェネスが「アシャーマ」と呼ばれる自分の生命の実をオリバーに与えるというロマンチックさや、花が結実して生まれる赤ちゃんとか。そもそも「森の民」たち自体が大樹によって生かされている存在で、大樹そのものであり、大樹に棲んでいるだとか。
設定が盛り込まれ過ぎなので、それぞれをもっと読みたかったです。
修正は丸っと白抜き。オリバーって、兵士なんだよね⁈ と、何度も確認したくなる程のヤラレっぷりです。