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kokoro
言わずと知れた、有名過ぎる後期三部作の一つ。私達は、義務教育を受けると必ずこの作品に触れる事になる。
本作が自分にとっての最初の漱石だったかどうかは覚えていない。
自称漱石オタクの私にとっては、特に重要な作品では無いけれど、まぁ、コレは読まずにいられない。
結論から申し上げると、非常に原作に忠実に描かれている。モノローグの多いこと。
漱石か好んで使う「必竟」(=結局、最終的には)という文言もそのまま。
もちろん本作はBLでは無い。けれど、腐向け解釈をしている姐さまの多いこと、多いこと。ならば完全「超訳」として、偏った見方で描いてしまっても良かったのにな、とも思いました。
まず。教科書の抜粋から読んでいる人には有名過ぎる「K と私」。
これは実は「こゝろ」の後半部分であって。最初読んだ時は相当驚きました。
「K × 私(=先生)」という固定CP =過去編、と「私 × 先生」という現在編という構成になっているのは有名でしょう。
どちらのCPに萌えるか、といった議論もされるでしょう。
3人共に美麗な絵で描かれているので。それはもぅ、申し分無いです。
ただ、あまりに原作に忠実な為。やはり何も、分からないのです。
「K × 私」に限って言えば、私が出し抜いて「お嬢さん」と結婚する事になったものの、
「お嬢さん」の気持ちはさっぱり分からないのです。コミカライズにも描かれていますが、「お嬢さん」は何故。「K」にも「私」にも思わせぶりなのか。これは「坊っちゃん」における「マドンナ」や「三四郎」における「美禰子」に匹敵するくらい謎なんです。
BLに「女性は要らない」派閥が見たら確実に怒りを買いそうな案件です。
そして「K」の自殺に及ぶ心境もやはり謎です。10代の頃、腐ってもいなかった私はこの「K」の身勝手さが許せなかった。この当て付けがましさは何なのだろうかと。
親友に裏切られたこと? 失恋したこと? 「精神的に向上心の無いものは馬鹿だ。」という真理(だと思っていた)の前に躓いたこと?
下宿の身で、その部屋を血潮で汚し、「私」の脳裏と「こゝろ」に一生、消えない傷を刻み付けてこの世を去った「K」が私はやはり許せないのです。
この事がある以前に、肉親に裏切られ、そもそも心を病んでいた「私」にはメンヘラになる素地は充分にあったのです。そこに付け込むかの様に、自分という存在を刻み付けて行った「K」。おお、コレはヤンデレ執着攻め!とも読めてしまいますね。
そして現在。必死で「先生」の全てを知りたい、ワンコ「私」に、「先生」はその心を開きかけていたものの。明治時代の終焉と共に、「先生」の命も最期を迎える。「私」は先生の最期に間に合わなかった。先生の心を救えなかった。メリバ的な解釈だと、「先生」の懺悔は「私」に受け止められた事で昇華した、とも読めるのですが。ここはやはり溺愛ワンコ攻めに絆されて、生きる事を選んで欲しかったなぁ。とも、思うのです。
うん。「こゝろ」をBL解釈して読むのは楽しいけれど。ごく普通に、漱石の文章は美しかったりするので。コレを機に、読者層が増えるといいなと思いました。
ちなみに、ここに登場する「先生」のキャラクターは、その性質から言って、その他の多くの作品に登場していると思います。漱石は生涯をかけて、その思想を全うされた方だと思います。因みに私が好きなのは、同じく後期三部作の「行人」。年に一度は再読しては号泣しています。
今年は、BLというジャンルが確立されたボーイズラブのルーツ探りをしていきたいので、明治後半あたり攻めようと読んでみました。
言わずも知れた、日本の小説で1番を売り上げてると言っても過言ではない『こころ』。これはボーイズラブ風に出来た漫画です。
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感想的には、普通に奥さん可哀想自分的には略奪覚悟で奪ったんなら先生がKの気持ちも汲んで幸せにしてあげてほしい!まじで誰も幸せじゃなさすぎんか、と言う感じでした。BL風とは書いてあったけど確かに腐女子が好きそうな作画ではあるけどお話はBLではないかなあ。私が先生に思う気持ちは確かに恋にも似てるし、先生とKの関係性も友達以上感はあるかも。
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この時代はマジで死ネタ多いから個人的には好みじゃないけど頑張って色々読もうと思う。同じ有栖サリ先生が描いた漫画版もあるので サラッと読みたい人は断然漫画版がおすすめ!