あなたが好きな味のぼく

anata ga suki na aji no boku

あなたが好きな味のぼく
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×20
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
31
評価数
9
平均
3.4 / 5
神率
22.2%
著者
ユキムラ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
道玄坂書房
レーベル
MIKE+comics
発売日
電子発売日
価格
¥691(税抜)  
ISBN
9784846210212

あらすじ

ヒモ男として生活をしている匡章は、女性に家を追い出され、住むところを失いさまよっていたところ、中学の同級生・遠田と偶然再会する。
渡りに船とばかりに一晩泊めてほしいとお願いするのだが、遠田は匡章を見つめながら息遣いが荒くなり徐々に様子がおかしくなって・・・?

表題作あなたが好きな味のぼく

中学時代の同級生
ヒモ

同時収録作品あなたが好きな味のぼく

茂の恋人
蜜の恋人

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

レビュー投稿数2

欲望の理由

普通の人間と、抑制剤のお陰で血を吸わずに人に紛れて生きることができている吸血種、その混血が存在する現代世界。4人の青年の、愛すること、食べることに、立場の違う「ぼく」と「あなた」が悩み、葛藤し、そして幸せにたどり着くラブストーリーです。コミックマズルさんでずっと単話で読んでいて、ついに単行本になり速攻で買ってしまったのですが。単話で読んでたころもワクワクして面白かったですが、一冊で通して読んで、よりストーリーやキャラクターに深みが出た感じがありました。

ネタバレ注意です!

この本には前半と後半、二つのカップリングが登場します。
ひとつが表紙にもなっている、自分を好物を見るような目で見つめてほしい願望のあるヒモ属性の匡章(まさあき・受け)と中学の頃に匡章を美味しそうにガン見していた遠田(おんだ・攻め)。
居候先を追い出された匡章は、自分の忘れ物のジャケットを一心に嗅いでいる男と遭遇します。その男は中学時代、自分を「美味しそうな目」で見つめていた遠田。ちょうど路頭に迷っていたこともあり、持ち前のヒモスキルで遠田の部屋に転がり込んでしまいます。性癖の発端でもあるその視線は健在で、興奮した匡章は遠田を誘惑します。が、次の瞬間、遠田は首筋に噛みつき、匡章の血をとてもおいしそうに飲んでしまったのです。恍惚から我に返り、顔を青くする遠田は、自身が抑制剤が効かないが故に体液を接種しなければならない吸血種であること、チャームをかけていない人間に噛みつくのは重罪なので機関に自首をしなければいけない、と説明します。ですが、匡章は「オレも良いっていってるし、バレなきゃ大丈夫」と、なしくずし的に遠田を説得しちゃいます。
そうして二人の「美味しい食事(精液)を食べられる」、「食べられたい欲求が満たされる」というWinWinの関係が成り立ってしまったんですね。そこにある、もう一つの罪に気づかないままに…。

もうひとつが”吸血種の機関の捜査官の茂(受け)と茂の幼馴染みで恋人で同僚の蜜(攻め) 。
仕事中のアクシデントで犯人の吸血種からチャームを受けてしまった蜜は、衝動的に同僚であり恋人である茂の首を噛み、血を吸ってしまいます。以降、体液以外の物を受け付けなくなり、茂からいい匂いがして、キスをしても食欲が沸き起こり性欲と食欲の境が曖昧になり、やがて茂のことを美味しそうと思ってしまうことに蜜は苦悩します。茂もまた、自分達の性行為の意味合いの変化や、蜜の様子、捜査の行き詰まりも相まって蜜と衝突してしまい、愛するが故に辛い決断を選ぶ二人ですが、事態は急展開を迎えて…!

前半と後半でややテイストが変わり、後半の方がシリアスめで切なさも設定もギュッとしている印象がありました。後半は前半の流れの別視点の話なので、当然匡章も出てきます。前半でも後半でも鍵になるワケあり人物の匡章の、ただのヒモ男じゃ終わらない素直さ明るさが、何だかじんわり来ましたね。

食欲と性欲にまつわるBLは好みというのもあり今までも読んで来ましたが、「食事」に対して対照的な二組のカップルを通して、今回また新たな一面を発見できたのかなと思いました。

とても私のツボに刺さりました!面白かったです!

3

題名が秀逸

題名がとても良いです。
物語を最後まで読むと、タイトルに対してじわじわした萌えが沸き上がります。

表紙のCP中心の話だと思いきや、スピンオフ作品とがっつり絡みながら進んでいきます。
スピンオフ作品にたどり着くまでは、伏線が明かされないままだったので、最後まで読むことをお勧めします。

設定が少しわかりにくく、疑問に思うところもありますが...
「攻めにとって受けは食事」というところが一貫しているので、ぶれることなく進んでいきます。
ここがぶれないので、食事としての執着なのか、気持ちが伴った恋なのか、という葛藤も描かれています。

疑問に思う部分もありましたが、全体的には丁寧で面白かったです。

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