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kuwae efude ni bakeru hana
昭和レトロ+和服エロス+義理人情って感じの、あたたかみのある作品でした。
ちょい淫靡で懐かしくてなのにカラッとしていてと言う、この雰囲気が好きな人にはたまらないお話ですよね。
ちなみに初コミックスとの事ですが、イラストがとても美しいです。
そしてエロが艶っぽい!
素肌に着物一枚だけ羽織るって、なんでこんなにそそるのか・・・。
それともこんなに興奮してるのって私だけなのか・・・。
内容としては、男である事を隠して枕芸者として金を稼ぐ主人公・清太。
ところが、客である貧乏画家・諸正に男だと言う事がバレてしまう。
すると、口止め料代わりに絵のモデルをする事になってー・・・と言った感じになります。
これ、清太が強気で意地っ張り。で、わりと真面目。
反対に諸正がチャランポランで、だらしない性格。
・・・に見えて、画家としてはー。
って所でしょうか。
こちら、まず第一に訴えたいのが、和服エロスがたまらんぞー!って事。
この諸正ですが、ピンク絵師なんですよね。
で、清太がモデルをする時は裸に着物一枚だけ羽織ってポーズをとる。
しかも、諸正が言うには「見るだけじゃいい絵は描けない」と。
「実際に舐めて触って感触を知らないと!」と。
そう、あらすじにある通りとんだエロ画家なのです。
まぁそんなワケで、モデルの度にやたらエロい手つきで触れまくり、また舐める諸正。
これね、清太はわりと硬質と言うかまだ青い感じの青年なのですが、そんな彼が乱れた和服で表情を艶っぽく変化させてゆく様たるや。
雑然とした部屋に色褪せた畳にと言う、背景もめちゃくちゃいい空気を出してるんですよ。
またこれ、諸正がただのエロ画家かと思いきや、実は器の大きいいい男だと分かってくるのがいい。
えーと、モデルの度に清太に触れるんですけど、最後までは絶対しないんですよね。
最初に「後ろは大事な人にとっておく」と啖呵を切った清太の言葉を受けて。
ついでに、清太をモデルにして描いてるのがピンク絵かと思いきや、実は日本画だと言うのも素敵。
いや、その日本画もとてもキレイなのです。清太の硬質な色気が合っていて。
と、諸正と共に過ごすうちに、彼へと惹かれて行く清太。
諸正の元に出入りしていた他のモデル女性達と違い、自分は特別なんじゃないかと期待するんですね。
しかし、諸正が清太の絵を売ってしまった事を知って・・・と言う流れ。
清太が自分の気持ちを自覚して行く様、期待した分、傷付きショックを受ける様。
彼の甘酸っぱく切ない心情がしっかり描写されていて、強く感情移入しちゃいます。
や、両視点で書かれてるので、この出来事の真相と言うのが読者には分かってるんですよ。
くっ、諸正!
要領の良さそうな男かと思いきや、実は不器用じゃないかよ!と
大人の男のこういう不器用と言うか生きるのが下手な所、めちゃくちゃ萌えちゃうんですよね。
まぁ、画家としての矜持もあるだろうしねぇと。
えーと、とりあえず、清太の為に汗だくになって走り回る姿には感動しました。
頑張れ、諸正!
ちなみに、清太の旦那になろうとする当て馬・岩崎だったり、世話焼きな姉御って感じの踊り子・絹代だったりと、サブキャラもとても魅力的でした。
昭和の義理人情溢れるって感じの彼等の関係って、あたたかくて幸せな心地にさせてくれますよね。
最後になっちゃいましたが、やっと気持ちが通じ合っての初エッチにもニヤニヤしちゃいました。
この二人、最初からエロい事はやってるのに、最終回でやっと本番ですよ。
あらすじに間違い無しの「人情艶めくレトロ・ロマン開幕!」でした。
面白くて一気読みしました。ちるちるさんには一冊しか情報が無いので、商業BLのデビュー作でしょうか?力のある作家様の登場が素直に嬉しいです。
たまにカバー表紙は綺麗なのに本編で残念な方がいらっしゃいますが、百々地先生は美しいままでした。諸正の描いた清太の絵も美しくて魅力的なんです。
まず退廃的な諸正の色気が良かったですね。
人を食ったような態度だったのに清太の情に絆されて混乱して、絹代に相談して尻を叩かれる様子が人間臭くて大好きでした。
清太も最初は諸正に脅されたから絵のモデルをして居ただけなのに、いざ絵を売ってしまったと聞いた時のショックを受ける様子がとても切なかったです。
絵を買った岩崎がそんなつもりは無かったのに、女将が欲を出した為に清太が嵌められたのにはドキドキしました。
当て馬の岩崎はとても良い人だったのも読後感を良くしていました。
描き下ろしの清太のその後も面白くて、カバー下も楽しめました。
折ってみれば。その花は紅い。
読み始め、てっきり清太は遊郭で働く陰間かと思っていたら。ただ自分の容貌が少女に見えない事も無い、事を利用して周囲を欺き、芸妓として働いているのだった。
身近な関係者は知ってそうしているものと思っていたら、置屋の女将さんすら知らなかったという事実。そんな事ってあります⁈ というか、ファンタジー。
ある日、客である源は、それに気付いて、黙っている代わりに自分の絵のモデルをやれと言う。そればかりか、源は、遊郭で遊んだ金を踏み倒し、清太に肩代わりさせている。しかもモデルを身体で感じられないと描けないという。触り、舐め倒し、イカせまくる。ほぼ前戯、ほぼセックスだ。これまでもモデルにした女たちにも相当恨まれてもいる。芸術家を気取った男にありがちなクズっぷり。
それなのに。勝ち気で健気な清太は、この男の為に自分の稼ぎを切り崩し、触られる事に悦びを感じて行く。源に、漸く独占欲が芽生えた頃、清太は置き屋の女将にバレて、他の男に身請けされたところだった…。
まぁ。悲恋にはならんだろうフラグが立ちまくっていたので。展開も何かコミカルだし。
安心して読めるんだけど。私はむしろ、清潔そうで善良な、岩崎の方が全然いい!と思っているよ。それじゃあお話にならないんだけども。岩崎はおっさんでは無いし、無理に清太を手籠にしようなどと思ってはいない。清太を身請けする為に使った大金にも頓着しない。
本物のスパダリなのだ。「僕の信条に反する」という理由で、清太を自由にしてくれるのだ。えーん、こんな良い男います⁈っていう。岩崎はきっと、育ちが良いのだ。彼はその後も清太と源を側で見守っていて、彼らの生活の一助を買って出ている。優しい男なのだ。
自身の性癖に悩んでいる彼にもいつか素敵な恋人が現れれば良いな、って願ってる。
そんなわけで。源のクズさにヤラレて、イマイチ萌えられなかったかなぁ。
最初、女将が勘違いした様に、さっさと売れっ子画伯になってて欲しい。
絵は綺麗。源は男前、清太は女装してない方が可愛い。あのカツラ、変。
修正は白抜き。源は、もっと大事に清太を抱いて欲しい。清太の初めてを手折った責任はきっと重い。
私は百人一首を憶い出す。「心あてに折らばや折らむ初霜の、置き惑はせる白菊の花。」
出逢いは偶然だったろう。惑わせるほどの色香も有ったろう。
それはでも。真っさらに生きてきた白菊の花だったのだから。どうか大切にして欲しいものだと願うのだ。