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happy magical nirvana
1番大好きな作家さんの絵津鼓先生、単話で読むのを我慢して単行本待っていました。
今回も最&高でした。澄春(この漢字もまた爽やかで素晴らしい語感)の好感度がものすごく高くて、こんなの彼を応援しながら読むっきゃないでしょう、いじらしいのに爽やかでどこまでも感じが良い好青年で本当にいい子でした。また、大悟もちょっと不器用だけど真摯でよい青年。たまに身近で、あの人とあの人が付き合ったんだ!ほんとにいい子同士だよね、すごい嬉しい!!っなるカップルがいますが、まさにそんなふうに感じさせるお二人が、微笑ましく歩み寄り、ベストなタイミングで通じ合って、感動でした。
先生のどの作品も、相手が近づいてきてドキドキする瞬間とか、そんなときの陰影の描写が臨場感あり大好きなんですが、今回もそんな、一緒に動悸がしてしまうような場面が結構ありました。高校生大悟が横からさっと同じ紙に文字を書く距離感、車内に二人で、大悟だよ、大悟しかいないじゃん、の涙など、キスもハグも何もなくても恋心とはこういうこと、という気持ちが凝縮されていて、切なくて一緒に涙が出ました。
この二人以外の住人たち以外の男子達の会話も、プッと笑えるものが多いんだけど、非現実的にキャピキャピしておらずみんな地に足がついた自然な会話で、軽快で、すごく心地よく楽しみました。若いみんながこれからも、自分の心に寄り添った選択をしていき、より良い未来を築いてほしい、と、最後のモノローグとみんなの姿を見ながら再度涙ぐんだおばちゃんでした。
細かいことですが、ティエンくんが外国人とかなんとかラベル付けされることなくティエンくんなのが、すごく嬉しかったです。金髪碧眼のイケメン、とか、ハーフ、とかの特別枠でしか非“純”日本人は存在させてもらえない日本のフィクション界において、ただただティエンくんはティエンくん、で存在させてくれた絵津鼓先生の感覚が尊く嬉しかったです。
ここからまた先生の既刊を再度全部読み返す巡礼読書をして、絵津鼓先生の味をまた噛み締めていきたいと思いました^^
登場人物らがそれぞれ個性があって、不思議を受け入れる柔軟性があって、でも軽いってわけでもない大人達なのが絶妙な感じで謎に安心感がある
それだから澄春と大悟の恋心に注目して楽しんで読むことができる
お茶のくだりとか、すごい変な要らないところのような気がしちゃうけれど、後になると要るねって思う
成文がバドミントン下手くそだって後輩から言われてたりすぐ成とか呼ばれたりしてるの面白い
澄春とも、兄に懐いて入り浸る後輩と仲良くしてるってことだもんね
懐が深くて常識的で、でも偏見なく澄春の恋を見守るめちゃくちゃ良い奴
兄のこと一緒に仕事までしてるくらい好きだし
好きじゃなくなって初めて好きだったと告げることができて、かつての澄春らしさが現れるようになって…恋してることが澄春にとっての苦しさだったわけじゃなくて、諦められるはずのない想いを毎日毎日押し殺していることが輝きを陰らせてたのね
孤独死は回避だろうし、そもそも大悟は先まで読んでいたんなら自身の最期も似たりよったりだったんじゃないのかな
NIRVANAにみんなが集って、澄春がキラキラ暮らしていけるようになって良かった
ハッピーでマジカルだったよ
登場するのはイケメンばかりなのに出てくるワードは老人ホームやアカシックレコード、あげくファンタジーを彷彿させるような不思議道具まで出てくるので胡散臭いなと思ってしまった。
でも絵津鼓さんなので根底はヒューマン物です。不思議な本で自分の将来を知ってしまった主人公、それを心配した友人達が一緒に住もうと提案する所から話は始まります。
不思議な便利道具とか無視して普通にシェアハウス物としても楽しめます、タイプの違うキャラが同居していて目の保養でした。
おそらく攻めのキャラも今までの絵津鼓さん作品にない感じですごく新鮮。