SOTUS 1

SOTUS 1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×23
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
3
得点
27
評価数
7
平均
4 / 5
神率
42.9%
著者
BitterSweet 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高崎ぼすこ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアシリーズユニ
発売日
電子発売日
価格
¥1,500(税抜)  
ISBN
9784866574165

あらすじ

工学部の伝統である、先輩が新入生を教育する制度――その名も「SOTUS(ソータス)」。
大学三年生のアーティットは、その教育係のリーダーとして一年生を指導していた。

先輩の厳しすぎる命令に全員が委縮する中、正義感が強く優秀な一年生・コングポップだけは動じない。

しかも、一人前の工学部生の証である「ギア」をめぐり「先輩を僕の妻にして、あなたのギアを奪う」という衝撃的な宣言をし、何かにつけアプローチしてくるコングポップ。
最初は生意気な後輩として敵視していたアーティットだが、だんだん心を許しはじめ…!?

少しずつ縮まる二人の距離がじれったい、学園ラブストーリー!!

表題作SOTUS 1

工学部の1年生
工学部の3年生で指導者のリーダー

その他の収録作品

  • CHARACTER(登場人物)
  • GLOSSARY(用語説明)
  • READING GUIDE(読書ガイド)

レビュー投稿数3

待望の原作!かわいい…エモい…

超人気タイBLの邦訳小説!
わたしは元々ドラマSOTUSのファンで、ずっと原作を読みたくて読みたくて、待ちに待った日本語版です。
一度発売日が延期したので本当に発売されるのか…?と恐れていましたが、このクオリティなら時間がかかるのも納得できる!と思える内容でした。

タイの大学が舞台なので海外文化的に初見では?????となるような設定もあり、はじめてドラマを見たときは "理解は追いつかないけど腐女子の第六感で可愛いことだけはわかる…!" といった感じでしたが、今作は日本語版なので冒頭に文化や専門用語の解説があり、非常に親切な作りだと感じました。
おかげで本編では文章がスッと頭に入ってきて、ドラマで見た前知識もあり、普段文字をあまり読まないわたしでもとてもスムーズに止まらず読み切ることができました。
タイ語も中国語も読めないので元の文章がどんな感じなのかは知り得ないため、原作者様の作風なのか翻訳者様の日本語センスが良いのかわからないのですが、総じて読みやすい文体だと感じました。わたしは好きです。
毎章結びの文章がエモーショナルで、切なかったり可愛かったりとうっとりしてしまいます。
先を読みたい!とも思うし、同じ章をもう一回読みたい!とも思います。

他社でもタイBLの日本語版はいくつか出版されている中、個人的には今作の文章がいちばん好みでした。翻訳独特のかたさは多少は残るものの、閊えることなく読むことができます。(SOTUSが好きだからかも…?いや、一番好きなSOTUSで期待が大きかった分、超えてきた…!すごい!という気持ち!嬉しい!)

「キットゥン」「ファンディーナ」などのタイBLファンには馴染みのあるエモタイ語のルビがふってあったりして、こだわりを感じます!大事なシーンで出てくると興奮しますね!
料理とかもタイ語の音で書いてくれていてローカル感があってわたしは好き。
繁体字訳でタイ語を付け合わせているとのことでどんなふうに作ったのかはわからないですがとにかく文章の完成度は高いと思います!

高崎先生の美麗なイラストも非常に良いです!!!大好きな絵師さんなので発表されたとき嬉しくて小躍りしました…!高崎先生のKA…!美しい…!
大満足の作品ですが、強いて言うなら挿絵があったら満足度があがったかも?高崎先生の描くKAをもっとたくさん見たい!
このへんは原著版もSOTUS無印は挿絵無し、続編のSOTUS Sは挿絵が有るみたいなので、是非続編Sを発行の際にはお願いしたいです…!同じ絵師さま、同じ翻訳者さまに続投してほしいです!!!

※※※ここから内容ネタバレです







もう!!!!!!アーティット先輩が!かんわいい!!コングポップの直向きさが!!!眩しい!!!!!!!

ドラマから原作に来る読者が多いかと思いますが、違和感なく読めます。大丈夫です。解釈違いとか、わたしは皆無でした。
ドラマにはモノローグがないため何を考えていたのかなどは視聴者の想像に委ねられていた部分がきちんと言語化されて、彼らの心の声が聞こえてきてただただ解像度があがりまくるのでドラマのファンは是非読んで欲しいです。
心の声がドラマの俳優さんの声で脳内再生されます!日本語だけど(笑)幸せです(笑)

ドラマとの違いは
・アーティット先輩の髪型
・アーティット先輩の髭
・コングポップの身長
・サブキャラ、サブカプの出番が少ない

(おそらく)このくらいでしょうか…抜けていたらすみません。
実写化にあたってビジュアルに対象の違いはあれど、キャラクターの人格に関してはそのまんまです。こんなに忠実にドラマ化してる作品もそうないのではないでしょうか。
心の声を聞いて、恋心が芽生えたスピードや、このときこんなことを思っていたんだ…!など新鮮な気づきもあり、原作を読んだらまたドラマを見て→原作をまた読む→ドラマ……の無限ループに入ります(笑)

話の流れもほとんど同じ。
「妻にする」→「食堂事件」の順序がドラマと逆なことくらいでしょうか?

ドラマでは最後の最後で入学前に会っていたというクソデカ爆弾が落ち、じゃあコングポップは入学時点でアーティットのことが好きだったの?など疑問で溢れていましたが、原作を読めば解消されます。
いつ、どんなきっかけで、どんな気持ちが膨らんでいったのかがわかって彼らの恋を応援したい気持ちがさらに増しました。

1巻は入学〜ラップノーンが終わる旅行で海に行って、海に入ったコングポップをアーティットが助けるところまでで終わります。

アーティットはめちゃくちゃかっこよくてめちゃくちゃ可愛いので言わずもがなですが、接点を重ねていくうちにアーティットの色々な面を見て、無意識下で気持ちが膨らんでいってしまうコングポップの恋心が可愛らしいです。
アーティットの持つ優しさ、可愛さ、器の大きさなど、内面の魅力に惹かれていってるのがよくわかります。

本編の他に番外編が途中でふたつ入ります。
それぞれの性格や生活がよくわかる番外編です。
あのアーティットが甘〜いピンクミルクを大好きだという事実に萌え狂うのは誰もが通る道ですが、まさかポッケに飴ちゃんまで入ってると思わないですよね。可愛さが天元突破してるアーティット、だけど誰よりも男らしくてかっこよくて…コングポップが惹かれてしまうのもよくわかります。

一巻は学園ものとしてのSOTUS活動のシーンがメインになります。ラスト、ラップノーン修了の旅行から二人の関係が変化していきます。

全体の完成度が非常に高い作品なので、是非1・2巻一気読みをおすすめします。

2

可愛い…

慧さんがコミカライズされたコミック版が今年の10月1日に発売になりましたが、約1か月遅れで刊行された小説版。

コミカライズは慧さんが担当されていますが、小説版の方の挿絵は高崎さん。
版元が違うからなのか絵師さんも異なりますがどちらも美麗絵柄を描かれる人気の高い作家さまを起用されていて、今作品への期待度というか人気の高さがうかがえます。

コミック版の方はまだ完結に至っていませんが、小説版の方は上下同時発売になりきちんと完結まで書かれていて一気に読めて嬉しかった。小説、コミック、どちらもお好みで選ばれればいいと思いますが、コミックの方はどうしても省略されてしまう部分が多く(これに関してはドラマを見ている方にはきちんと人間関係が把握できているから関係ないかも)、個人的には小説の方が話に入り込みやすかった。

ということでレビューを。コミック版のレビューでも内容についてさっくりと触れていますが、こちらでも一応内容についても書こうと思います。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





工学部に入学したコングポップ。
彼は入学早々先輩たちが新入生を教育する「SOTUS」の洗礼を受けてしまう。「SOTUS」の教育係のリーダー(ヘッドワーガー)・アーティットの逆鱗に触れる行動をとってしまったからだ。
クールな見た目に高圧的な物言いをするアーティットに、新入生たちは委縮するが、その中でコングポップは動じることなくアーティットに対応していて―。

コミカライズ版を読んだとき、この「SOTUS」という制度が全く分からなくってですね。もちろん、今作品の舞台はタイなので、日本のそれとは異なる部分は多いと思いますが、それにしたってこんな時代錯誤な制度って必要?と思ってしまった部分が大きくて。それに引っ掛かってしまって話に入り込みづらかった、という感じだったのです。

が、小説版の方では、この「SOTUS」の成り立ちや現在の「SOTUS」における意義とかタイの人たちの受け止め方、そして何より、作者であるBitterSweetさんがなぜ「SOTUS」を舞台に小説を描こうと思ったのか。そういう裏側が序盤に描かれていて納得。「SOTUS」に一気に感情移入してしまいました。

怖い先輩のアーティットの、素で見せる可愛い顔とか、ピンクミルクが大好きなところとか。本当は後輩にきついことを言いたくないとか。もうめちゃめちゃ可愛い。
彼の素の姿が見えてくるたびに萌えが滾ってくるのですが、それはコングポップも同じ。アーティットにどんどん惹かれていく。読者とコングポップのアーティットへの想いがリンクしているので、コングポップに共感もできる。

アーティットに惹かれ、アーティットに構ってほしくて気づいてほしくてワンコさながらまとわりつくコングポップも可愛い。なのにアーティットには気づいてもらえずに撃沈するところも。でも、アーティットが少しずつコングポップにほだされていく姿も垣間見れるのでそこにも悶絶。

濡れ場は皆無なので身体の接触がなければBLではないと思う方には不向き。けれどそのジレジレ感がたまらなくツボでした。

あ、あと特筆すべきは初回限定特典かな。
初回限定版にだけ、ドラマのワンシーンを切り取った役者さんのブロマイドが付いてきます。1巻はコングポップ役のPrachaya Ruangroj (Singto)さんの、2巻にはアーティット役のPerawat Sangpotirat (Krist)さんのブロマイド。ドラマがお好きな方には見逃せない特典ではないかと思います。

あともう一点。
挿絵がないんだなー。
せっかく高崎さんを起用されているのに残念!海外BLの小説版はほとんど挿絵がないのが寂しい…。

1巻はまだ二人の間には何もなし。
2巻でどれだけ甘くなるのか。ぜひとも1巻、2巻まとめて買われることをお勧めします。

1

ドラマはかなりの原作準拠と知りました

タイドラマ「SOTUS」の原作はタイのオンライン小説です。その中国語翻訳の台湾版を、日本語に訳したのが本作とのことです。
ドラマのノベライズなのか、原作の翻訳なのかは私にとって非常に大きな違いがありました。原作と聞いて購入しました。
「SOTUS」のドラマの底流にあるものを私はとても好きなのですが、事象として描かれている過酷なしごき(ラップノーン)は好きではありません。中学生ならまだしも大学生なのに、三年生が一年生を整列させてスクワットさせてサインを集めさせて意地悪な命令をしたり罵倒したりする。ドラマを見ながら反発を覚えたことも一度や二度では無いです。人に勧めたくてもこのしごきの場面があるので勧めづらく、実際このしごきがあるからこそ、その後の展開が素晴らしかったりするので割愛できない。このジレンマ。
ドラマも二周見ると初見ではわからなかったことが見えて、なるほどと思えるので、実際はどうなのだろうと原作が気になっていた次第です。

本書、第1巻は、ドラマの8話の途中までが描かれています。
思っていたよりずっとドラマに近い、というか、ドラマのノベライズですか?と思うほど、ドラマそのままでした。科白も展開も。
これまで「Manner of Death」「A tale of thousand stars」の日本語訳の小説を読みましたが、ドラマとはまったく違っていました。「SOTUS」のドラマ化がここまで原作準拠だということを知れて良かったです。
ただ、科白については、ドラマと敢えて同じにしたようです。加えて、そこに至るまでの調整や配慮が不十分だったようで、出版社のサイトにお詫び文が掲載されていました。

ひとつだけこれだけは言いたいのですが、小説の序盤はアーティット視点で、これがとても良かったのです。
ドラマはコングポップ達一年生の視点で描かれるので、前述のしごきの場面は勿論、大学生活における先輩後輩のシーンなどは一年生が被害者、三年生が加害者と感じてしまう。この見方は容易で自然な流れであり、それだけにその後のアーティット達の「実は」が描かれたところで、固定観念のために素直に受け止められなくなってしまうのです。
それが本書は序盤にアーティットの述懐が描かれるために、前述のようなミスリードは起きにくいと感じました。
しごきの場面を過酷にすればするほど、三年生ひどいと思ってしまうし、大学生活そのものへのマイナスイメージにもつながっていきます。ましてやしごき場面が実写で提示されるのは厳しいです。
考えがあってドラマの方は一年生主体の物語に視点を固定したのでしょうが、小説を読むと、どちらの視点でも描いている小説の方がアーティット(三年生)側を受け入れやすくて良いなと思いました。
2巻も楽しみます。

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