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作家さんの新作発表
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「Sexドランカー」4巻です。
この巻は、これまでの3巻分とは少しテイストが違います。
というのは、棚田のリーマンサイドの甘イチャ恋人・穂高が前面に出ている。
棚田のもう一つの顔、誰を相手に何をしているのかを知らない穂高は、棚田が本当に自分に恋してくれているのか、自分を必要としてくれてるのかに不安を抱いている…
…というこの作品にしては?真っ当な恋人たちのすれ違いが描かれます。
タナカの同僚である後藤との会話はギャグ的なので穂高のお悩みも面白おかしい感じですが、穂高の感じる孤立感というか、棚田との断絶のようなものはある種普遍的な「すれ違う恋人たち」のパターンとも言える。
一方男娼サイドの棚田は、タナカ社のこれからの展望を「特殊浴場付き老人ホーム」と定め、実現に向けてパトロンの4人の財界トップと共に政界に根回ししている。
根回し、要するに「伝説の男娼・タカシ」となってハードSMプレイのすべてを受け止める、という意味だけど。
拘束椅子に縛り付けられ、赤蝋燭のロウ責め、薔薇の茎での尿道カテーテルなど相変わらずハード。
そんな事も知らず穂高は棚田の気持ちを試そうと「好きなやつがいるんだ」と言ってしまう…
ヤキモチを妬いてくれたら、お前の事だよ、と軽く言おうと思ってたのに棚田は黙って微笑むのです。
わわわ、イヤ〜な予感。
その後棚田は会社に出てこなくなります……田中社長に退職願を出して。
さて、その後の棚田が結構意外な展開。
街で放浪。そしてトラックの運転手をしている男に拾われるのです。
棚田は?棚田に去られた穂高は?一体この後どうなる?
身体の関係だけを続けていく事に嫌気が差してきた穂高は喬の気持ちを確かめたくて、今の状態から一歩前の関係に進む事を決意し自分の本当の気持ちを伝えるべく行動を起こします、しかし、伝え方を間違えたために事態は思わぬ方向に。
喬は穂高に本気の相手が出来たのだと誤解しショックを受け、穂高と毎日会う事になる会社はもちろんの事今まで自分を援助してくれていた人たちの前からも姿を消してしまうのですね。
いつも前向きで何事にもへこたれなかった喬しか知らなかった穂高はそんな彼の内面がとてつもなく繊細でもろい事に気づいていなかったのです。
一方、行く当ても無く街をさまよっていた喬は公園で知らないオヤジに身体を許してしまったあと、急に泣き出してしまったりとかなり情緒不安定な状態に…。
オヤジと別れたあと、AVに出演していた時の自分を知っていた男に拾われてとりあえずその男の部屋についていきまた貪るように身体を求めてしまう喬。
自分の身体を武器にして、虎視眈々と上に上る事を狙っている、そんな強さを持ち合わせていながら、その一方ではまるで水面に張った薄い氷のように儚く脆い、喬にとって穂高は、ただ身体の乾きを満たすだけの相手ではなかったという事が痛いくらい伝わってきます。
父親に捨てられ自暴自棄になっていたあのころに戻ってしまった喬の様子が痛々しくて思わず泣けてしまいました。