ボタンを押すと即立ち読みできます!
koi no 100 mankai ko
「レトロBL」掲載作品なんですね。
煙草屋、団地、公衆電話、短ラン…リーゼントの学生との素手での喧嘩とか、喫茶店をサ店と呼びアラモード的なものを食べてる様とか、いいレトロ具合。カメラ屋もあるー!今は現像に持ってくってことも無くなってしまいました。
ボクシングジムに通う高校生というのも数十年前を感じます。他の作家さんが「レトロ」をどういう風に描いたか気になるな。虫歯先生の作風、画風にはピッタリでした。
金メダルをかけるかのように恭平の首に手を回すシーンが好きです。彼になら負けてもいい、金メダルを譲ったっていいんだ…でも勝ち続けてくれないといやなんだ…ふふ、可愛いわ須川くん。顔のぐちゃぐちゃ具合本当に可愛い。
襲い方も脱がせ方も手慣れきってる上、女用のソレがさらっと出てくる真樹恭平。女性経験豊富と見た。そうであって欲しい。彼の懐っこいストレートなキュートさ…それでいて雄…いい。お尻丸出しでも雄。2人とも可愛い。
子分もといパシリもといお友達との関係性も好きです。パン代は払うし、彼も積極的に須川に話しかけに行ってる関係性。みんな可愛い。
多分1冊だったら神評価にしてる…でも単話でこの完成度。素晴らしいです。
2017年発売の「レトロBL」に掲載されていた読み切りの、待望の単話配信版!(リニューアルされた表紙が既に可愛過ぎます)
全体に漂う70年後期〜80年代冒頭ぐらいのノスタルジックな昭和の雰囲気(商店街・喫茶店・番長)が絵柄とも最高にマッチしていて堪りません。
ちなみに「レトロBL」の中でもこの年代の昭和レトロ感を描いている方が殆どおらず、そういった面でも貴重な作品でした。
読み切りの中で虫歯先生ならではの表現や独創的なストーリーがギュッと凝縮されていて、本当に32ページでしたか?と疑うぐらいの完成度。
小さい頃は何でも一番だったのに成長と共に周りに置いていかれ伸び悩む、負けん気は強いが喧嘩は弱い須川(受)と、喧嘩の才能に恵まれて無敗の日々にやや虚しさを感じている真樹(攻)。
自分が持つ事のできなかった素晴らしい才能を持っている男、しかし男はそれを望まずいとも簡単に手放そうとする。
何のために喧嘩をするのか?
その才能は誰の為のものだったのか・・?
才能、運命と言う熱いテーマに喧嘩と言う昭和ボーイズ度高め要素が混じった胸熱青春BLでした。
サブキャラとの関係性や各登場人物の性格を、さり気無い仕草や小物などからも読み取る事が出来る細やかな描写が光っています。性格の全然違う2人のやりとりや表情がいちいち可愛く、その中でふいに見せた攻の「攻の極み」たる表情と眼光には骨抜きになりました。
何よりこの作品は本当にお話のフリと回収、そしてエンディングが素晴らしい!!
虫歯先生の漫画ならではの比喩表現が存分に発揮されている美しい描写に酔いしれます。
限られたページの中で笑い!萌え!胸熱展開!そして素晴らしい表現がこれでもかと詰まったなんとも贅沢な作品だと思います。