世界は君で廻ってる

sekai wa kimi de maewatteiru

世界は君で廻ってる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×216
  • 萌9
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
5
得点
146
評価数
39
平均
3.8 / 5
神率
28.2%
著者
緒川千世 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
電子発売日
価格
¥689(税抜)  
ISBN
9784799750247

あらすじ

イケメンのクラスメイト・深町に「可愛い」と まとわりつかれる地味顔代表の牧。 キスされたり触れられたり、ついには淫らな関係に…!? ワガママ美男子の意外な純情や、 床屋の息子にお手入れされる青春読み切りを集めた短編集。 カバー一新&描き下ろし10Pで新装版刊行。

表題作世界は君で廻ってる

イケメンのクラスメイト
イケメンの兄を持つ地味顔DK

同時収録作品極上のデザート

女子から甘いものを貢がれるDK
攻めと女子人気を二分していたDK

同時収録作品エセ床屋漫画

床屋の息子,学校で床屋営業中
ものすごいくせっ毛,攻めの友人

同時収録作品おろかしくも うつくしく

人望のあるDK
顔だけが取り柄のクラスメイト

同時収録作品ヤスイ タマシイ/アカルイミライ

高校生→社会人,受けの後輩
高校生→社会人,攻めの先輩

その他の収録作品

  • 世界は君の腕の中

レビュー投稿数5

意地と甘さと駆け引きの高校生傑作短編集

緒川千世先生の描く、素直になれないひねくれ男子が大好物なので、どれも最高でした。絵は単行本化にあたり手を入れているらしいですが、少女漫画での漫画家の経歴があるとはいえ、同人誌でこのクオリティはすごい。どれもオリジナリティ溢れ印象的で、読み切りとして非常にうまく切り取られており、台詞や雰囲気にセンスが光っています。

同人誌を集めてるので、緒川先生の好みのビジュアルの傾向がだいたいわかります。
どの作品も生き生きとしていて、漫画を描くのが大好きなんだろうなっていうのが伝わってきます。


<世界は君で廻ってる>
美形×平凡っていいな、と知った作品。牧くんが平凡だけどかわいいという絶妙なバランスで描かれていてすごいと思いました。深町が軽いようでいてその実重たいのがいい。

<エセ床屋漫画>
髪をセットしてもらうというのが、自然でかつ特別感と距離の近さがあり、素敵です。関係性の変化が丁寧で、ドキドキして引き込まれました。何気に悠士の「理髪師っぽさ」の説得力に描写力が高いなと思いました。

<おろかしくも うつくしく>
中でも1番のお気に入りです。晴海の「人間的に出来ていない」部分も憎めないかわいさがあり、大好きです。ひとつひとつの表情や構図がとにかく好み。珍しくまつげ増し増しですがとても美しい。自分の性格をどうしようもない、と思いつつ亮平を想う姿が健気で切ない。対する亮平の包容力と、甘やかしすぎないけど結構な甘さ(実はこちらも入れ込んでいるんだな)が相性抜群。叩かれた後、125ページからがとにかく好き。絵も言葉も美しい。

<ヤスイ タマシイ>
100円やヘッドフォンがモチーフとしても物語的にも印象的に組み込まれていて、面白いです。里見先輩が森を好きになるきっかけがとても自然で、うなりました。一番駆け引き感が強く、そのやりとりにドキドキしました。10年後のエピソード含めてとても好きです。

<極上デザート>
これもかなり好き。色っぽいけど幼く、意地の張り合いが切なくも可愛いです。『おろかしくも〜』もそうですが、攻めが大事なところでさも当然のように来てくれるのが素敵。「うそ ごめん」からが最高です。


全編通して、男子高校生特有のみずみずしさと透明感、少しの閉塞感と軽やかさがあり、現実味がありつつもキラキラしていて、お見事としか言いようがない。かつ駆け引きがあり、緊張感のあるこの空気感が大好きです。
個人的に、長編だけでなく短編も楽しめる作家さんはなかなかいないので、貴重です。

0

腹黒攻め5選


「世界は君で廻ってる」   3割
「極上デザート」     1.5割
「エセ床屋漫画」      2割
「おろかしくも うつくしく」1割
「ヤスイ タマシイ」    2割
描き下ろし×2       0.5割

【世界は君で廻ってる】
美形×平凡受けで同級生。
ヘラヘラしてる攻めがずっと口説いてきて、最初は嫌がっていたのにだんだんと絆される受け。

【極上デザート】
一番モテる攻めと次にモテる甘党の受け。
クラスの子から毎日のようにお菓子を貰っている二人。
ある日、甘いものが得意ではないはずの攻めがお菓子を欲しがっているという噂が広がり、受けに回ってこなくなります。
好きな子には意地悪しちゃうタイプの攻めでした。

【エセ床屋漫画】
美容院の息子が学校の理科室で床屋さんをしていて、受けの髪も毎日セットしてあげる仲。
他人に髪を切られたのを知った攻めがブチ切れるところが最高でした。

【おろかしくも うつくしく】
男前×美形メンヘラ
攻めの事が好きなのに素直になれず、ツンツンしたり邪魔をしたりして攻めに叩かれ、死んでやる!とトイレから自殺を図る受け。
けれど攻めが寛容で、受けをまるごと受け止めます。

実は攻めも「この子の可愛い所は俺だけが知っていればいい」と思っているような腹黒攻めでいい意味でゾクリとしました。

【ヤスイ タマシイ】
ゲイの噂がある「100円でヤらせてあげる」という受けの一言から
100円という金額の設定がちょうど良くて秀逸です。
描き下ろしでその後の二人も描かれていて、最高でした。

5つの作品が収録されているので必然的にページ数の少ないお話があるものの、どの作品もちゃんと締めてくれて満足感がありました。
やっぱりこれが緒川先生だよなぁ~と思える本です。
エッチは少なめ、腹黒多めです。

0

読みやすくて面白くて、少しの"毒気"

緒川さんワールドがたっぷり詰まった短編集です!
 
   ♦︎ ♦︎ ♦︎


『世界は君で廻ってる』

表題作です。
私はこの作品の、牧くんが好きでしてね…。
自称"見事なまでの地味顔"な牧くんなのですが、そんな牧くんのことを"すげーかわいい"と言ってストーカーばりに付き纏うイケメン・深町。
この深町くん、緒川さんの描かれる"攻め"感が凄いです。
イケメンでクラスの人気者なのに、ちょっとヤバいくらい受けに執着してるタイプ…。
どこか狂気的なのに、この深町くんはストーリーが進むにつれ同時に純粋さも感じられるキャラクター。
そんな深町くんにずっとツンケンしながらも、実は結構心許してきちゃってる牧くん、いやー可愛い。笑

   ♦︎

『エセ床屋漫画』

この短編集で一番好きなお話\(//∇//)\
緒川さん初めてのBL漫画だそうです。
この頃から、絵柄やキャラクターの雰囲気はそのままな感じがしますね。
休み時間になると校内で簡易理容室を開く男子高校生・悠士と、常連の寝癖っ子・忠近。

仲良い友達だけど距離近すぎない?
でも、男同士だし、恋人なんかじゃない…
なのに、なんでキスとかするんだろ?

みたいな、すっごく絶妙な距離感の男子高校生、大好物でして…。笑

悠士は割とアピールしてるんですけど、どうしたらいいか分からない忠近が逃げ回ってる感じ。
でもなんというか、あくまでも悠士は忠近に、自分から落ちてきて欲しいんですね。
だからアピールはするけどがっつきすぎない。それがまた忠近の心を振り回して…。

そして作中で悠士が忠近のある行動に怒って髪をひん掴むシーンがあるんですけど、それって仮に男女だったら、「この男最低…」と思ってしまうのですが、男同士で、しかも好きな相手にそれをやるのって、なんだか燃えてしまう…!
悠士のそれは嫉妬や独占欲からきたものでしたが、少し暴力的な愛情表現って、男同士ならではの気がするんですよね…。

そして、悠士の気持ちに悩み逃げ腰だったのに最後はしっかり男前な忠近が良い。
やっぱり受けってカッコよくなきゃ!

   ♦︎

『おろかしくも うつくしく』

優しく面倒見が良いクラスの人気者・亮平と、自他共に認める"顔だけが取り柄"のクズ系美男子・晴海。

晴海みたいな、"美"に執着して人を見下すタイプの男性は攻めでも受けでも(受けの場合は特に)好きではなく、そして攻めの亮平にも特別惹かれるものはなかったのですが…
タイトルの通り、"愚かだけど、確かに美しい…"と思ってしまった時点で負けですね。笑

亮平に嫌われたと思って涙する晴海は美しく、そしてとても可愛くて…。
ラストのキスシーン、そしておまけページ?の冒頭。私も感じてしまいました。
" 晴海はかわいい "

   ♦︎

『ヤスイタマシイ』

はぁ〜やめてくれ…。
後輩×先輩は弱いんだってば…(しゅき…)

100円で1回、身体の関係から始まる2人。こういう始まりにも弱い。
にしたって100円はあまりにも大安売りな気はしますが…しかもそれ言い出したの攻めっていう。笑
でも口実が欲しかっただけなんですよね。

どっちも慣れてるようにみせて、実はお互い不器用。
素直じゃない後輩と先輩、とても可愛かったです。

   ♦︎

『極上デザート』

イケメンモテ男眼鏡・加地くんと、イケメン甘党男子・夏目くん。

女子の手作りお菓子プレゼントを毎日のように受ける甘党の夏目くんは、スイーツフィーバー状態でしたが、同じくらいのモテだったはずの加地くんにいつしか大きな差をつけられ、自分にお菓子が回ってこなくなり、飢餓状態に追い込まれ…

飢えた自分を弄ぶような加地の言動に、つい意地を張って喧嘩みたいになっちゃう2人。

加地くん…緒川さんの作品では珍しく、どこか淡白な攻めですね。
優しいんだけど、執着心が薄いというか…。

もっとガチガチに執着してよ!受けが拒んでも離さないでよ!と思うのですが(笑)、その分受けの夏目くんが素直で可愛かったです。



   ♦︎ ♦︎ ♦︎

収録作全部が面白くてキュンとして、読みやすくて満足感もありの一冊でした!
攻めはかっこよくて受けは可愛い、緒川イズム(勝手に言ってる)を存分に堪能できました(*^^*)

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駆け引き多めの中・短編集

こちらも新装版が出ていたんですね。
『誤算ー』シリーズは旧版の表紙の方がいいなあと思ったのですが、こちらは新装版の方がカッコいい。
レビューが入れられなくなってしまったので、旧版のレビューをこちらに。

【世界は君で廻ってる】(3話)【世界は君の腕の中】 萌2
盲目的溺愛系イケメン攻めって最高じゃないですか?
誰でも選び放題なのに、そのひとしか見えてないイケメン、国宝指定しても良いレベル。
ものすごくイケメンの兄がせいで、生まれたときから外見で嫌な思いばかりしてきた牧にとって、イケメンの深町は関わりたくない相手。
どんなに邪険にしても絡んでくる深町の真意が分からなくて…という始まりです。
深町の真意はだだ漏れですが、もっと詳しく知りたいという方は『誤算で不幸な恋話』に、深町が牧に惚れた瞬間のエピソードが収録されていますので、そちらをぜひ。
ツンデレや極度の意地っ張りは苦手ですが、牧の場合はそれとはちょっと違う。
自分には愛される価値がないと自分自身を卑下してきた期間がとんでもなく長いので、ガッチガチに固まった心を、イケメンが甘く優しく溶かしていくのがとにかく良いです。

【エセ床屋漫画】(5話) 萌
学校の休み時間を切り取ったような短い話が5つ。
その中で最初のモーション→意識させる→嫉妬→不安→独占欲という風に進んでいくくせっ毛の忠近と、学校で小銭を稼ぐ床屋の息子・悠士。
蜘蛛の巣を張って獲物を待つような悠士が小狡い。
2人とも決定的な言葉を言わないのがもどかしくもあり、味でもある感じです。

【おろかしくも うつくしく】 萌
良いのは顔だけで性格も頭も悪い晴海と、面倒見が良くて人望のある亮平。
こちらも駆け引きメインの2人ですね。
しかも攻めが全部お見通しで、駆け引きを仕掛けて来る受けを楽しんでいるような。
バカにして楽しんでるんじゃなくて、「全く可愛いなあ」って微笑ましく見てるっていう感じが良いです。

【ヤスイタマシイ】【アカルイミライ】 萌2
1回100円でやらせてくれるという噂の先輩を買った後輩。
高校時代と10年後の2人を描いた作品で、こちらも決定的な言葉は言わずに、100円で買う/買われるという大義名分を作ることで、駆け引きをしているような感じ。
そう考えると駆け引きする設定が多いですね。
噂はホモいじりの一種。そこに乗った理由は…、言わずもがなですが、遊ぶ女子に苦労していないイケメン後輩が耳にした噂をネタに近付こうとする心理と、ふつうなら無視するところを乗った先輩の心理がね、素直じゃなくていいんです。

【極上のデザート】 萌
これも駆け引き。
甘いものが好きで、女子から甘いものもらえるのが生き甲斐の可愛い系DKと、人気を二分しているようなイケメンDK。
腹黒イケメンの鶴の一声で、女子の貢物は一気にイケメンの方へ。
甘いものに飢えた可愛い系DKを追い詰めて嵌めていくものの、可愛い系も黙って追い詰められるわけじゃないよというストーリー。
こういうパターン、ほんとに多いな。

という感じで改めてレビューを書いてみたら、腹黒系攻めが追い込む→可愛い系受けが受けて立つというパターンが多いことにびっくり。
緒川先生がお好きなんでしょうね、このパターン。
わたしも嫌いじゃないです。
攻め側のやりすぎ注意ですが、ちょうどいい具合に留めてくれるので萌える。
さらに押されてばっかりじゃない受けの挑戦的な色気がいい。
という作品集です。
駆け引き好きの方はぜひ。

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短編だけど

短編だけど、どれも凄く好きな作品ばかりです。
表題作ももちろんですが一番好きなのは二番目に収録されている床屋さんの話。

学校の化学室で休み時間だけ床屋さんをしている同級生って設定がまたなんともいい!で、緒川先生の描くめちゃくちゃイケメンな悠士とくせっ毛がふわふわしている忠近が髪の毛を整えて貰いながらイチャイチャしてるんですがくせっ毛の忠近が悠士の気持ちも自分の気持ちも気づいているのになかなか認めようとしない、けど悠士が他の子と仲良くしてるとイラっとしちゃう、って言う焦れったい感じが短編とは思えないほどの丁寧な描写で進んでいくのがたまりません。
髪を整えて貰った代金百円の代わりに忠近が座ったまま後ろを振り向いて、悠士に後ろからキスされるシーンが一番のお気に入りです。

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