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kentaiki wa inu mo kuwanai
長くお付き合いをしている大人カップルのストーリーです。
読みやすく良かったのですが、どうにも登場人物に魅力を感じられず…。
特に攻めが子供っぽいというか、キュンキュンすることも、切なく感じることも、逞しく感じることもなくなく、なんというんでしょうか…いまひとつなんですよね。子供の時からのストーリーなので、そこが特徴といえばそうなのかもしれませんが。受けが攻めに「大人になったなぁ」と思うところがあるようなんですけど、読者である私にはそうは思えずでした。残念。
はあ…良かった。。
15年連れ添っている歳の差カップル(性格、正反対!)の、”倦怠期”のお話。
付き合いが長くなったカップル。
止まったら死んでしまうマグロのように、フラっと出かけて10日の予定が1ヶ月半、連絡もなしに帰ってこない恋人(!!)
そんな攻めの(いつもの)行動により我慢の限界を迎え、本気で別れたいと思っているわけではないけど、「一緒にいる理由って?」「理由が特にないなら別れた方がいいんじゃないか?」とあらためて考え込んでしまう…
恋が成就するまで、ではなく”その後の二人”にフォーカスした作品のため、派手さはない、かもしれない。
でも、特に年上受けの藤島の心情が「分かるなあ…」と沁みて沁みて共感できて、たまらなくグッときました。
こんな自由人な攻めを受け止められるのは、藤島しかいないわ…
言えなくて飲み込んで、妥協して…でも消化しきれない思いがあって爆発して。
それを口に出して二人で共有して、譲り合って納得して仲直りして…
そんなカップルの「付き合ってからのお話」が本当にじんわり沁みる物語なんですが、恋のドキドキを感じさせてくれる描写もちゃんとあって。
二人の出会いから、攻めの想いが通じ恋が実るまでのお話ですね。
”家庭教師とその生徒”としての出会いにもなんだかドキワクしたし、なんといっても、5年に渡る一心(攻)の一途な猛烈アタック!!
もーーー最高に胸が高鳴りました。
こんな年下ワンコに5年も想われたら、ほだされちゃうよね。
そして。切れ切れのセリフを言いながら「許さないから」と嫉妬心を隠さず、奥まで攻めてくれるセッッも最高でした◎
個人的にとても素敵で好きだなあ…と思ったのが、藤島の”年齢”に対する考え方。
”人には年齢ごとの魅力がある。四十なら四十らしい自分でいればいい”
くぅ〜。格好いいわ…年齢も考え方も良い意味で大人で落ち着いていて、でも可愛いところがある藤島に、攻め様がメロメロになっちゃうのも納得だよ!
と、一人ガクガク頷いてしまいました(*ᵕᴗᵕ)⁾⁾
高校教師で受けの亮と、ツアコンで攻めの一心。
もうかれこれ15年以上付き合っていて、次のアクションを起こすこと自体も面倒なくらい…
いや、めっちゃわかります。男女間でもおんなじだもんな。きっちりしている亮の方は、ツアコンついでに放浪グセのある一心に愛想をつかしているわけじゃないけど、どうにもこのままでいいのか悩みつつ。
そんな状態だとは思ってなかった一心は、びっくり仰天なわけで、そもそも奔放な性格だけど、亮より大事なものは無い訳で。
だけど40代にもなると、親のことやこれからのことを考え出す世代でもあるし、多分亮は真っ当な人(高校教師だし)で、結婚という足かせがない同性同士の場合はその辺りでグルグル考え込んじゃうのかも知れません。それがよく伝わってきて、亮の気持ちも良くわかって、胸がきゅーっと締め付けられるような気持ちになりました。
ただ、私自身が一心みたいな何日も連絡も取れない環境でも気にならない子だと付き合いきれない!と言う意味で受けの心情には寄り添えきれず(苦笑)
ただ、それも当て馬の教育実習生と、亮自身が倒れて入院したことでマシになっていくようだし、最後は乗り越えたんだなって思います。
あぁ、もうこの二人はこんな感じでずっと一緒にいるんだろうなと安心できたラストでした。
倦怠期がテーマの話。
少し物足りなかったな、という感想。
もう少し気持ちを振り回してやって、攻めが焦るところが見たかった。
距離を置きたいから荷物まとめて家を出ていけって受けに言われてから、セックスやら料理やらで機嫌を取ろうとする、とあるけど、そこまでご機嫌取りしてないな〜って印象。
受けの元教え子・現教育実習生の男が、いい感じに二人の関係を掻き回してくれたのがいい味出してた。
イラストが濃くてエロいのがよかった。
ご逝去の報に触れて読み始めました。大変残念です。
メインどころは倦怠期の話なのでそこではないけれど、一心中学生時代の恋の始まりから18歳の誕生日もかなり好きな展開。甘い!サクサク進んでいってしまう勿体無さと、だからこその楽しさ。
藤島はもっと真剣に怒ってるのかと思ってましたがタイトル通り、元から「犬も食わない」痴話喧嘩でしたね。
あとがきに「とても新鮮で楽しい執筆でしたので、またこの二人でも、違った人たちでも、こうした「ハッピーエンド後の人生」を書きたいと願っています。」との記載。ハッピーエンド後作品って面白いよねって気持ちと、月子先生の次作はもう読めない寂しさと。
「BLは付き合うまでの盛り上がりが醍醐味、アフターストーリはオマケでしょ」という常識に縛られていた全員にお届けしたい夕映月子先生渾身の一冊。
真面目系アラフォー教師の藤島は6歳年下の恋人、一心と付き合って15年。
一緒に住んでいるはずなのに、家を空け自由きままに世界を飛び回る一心に振り回され、気づけば二人で過ごす時間はどんどん少なくなっている。
これって一緒にいる意味あるのかな?
勇気を振り絞って「距離を置きたい」と伝えてみたけど、一心は本気にしてくれなくて。
好きだけど、束縛したくないけど、わかってほしいけど……大人のプライドが邪魔して右往左往する倦怠期の二人の物語。
藤島が本当に破天荒なんですよ。
子供でもわかるような言いつけも守れず、ガンジス川で鍵もスマホも落として1か月半音信普通になったり。
いきなり髪を真っ青に染めて帰ってきたり。
そのくせ真剣な話をすれば、天性の愛嬌でご機嫌を取ってうやむやに流そうとしたり。
読みながら、こんな奴さっさと別れちゃいなよ!と思う気持ちと、
いや、でも一心にも良いところあるし、結局藤島は一心のことしか愛せないんだからさっさと本音でぶつかっちゃいなよ!
という二つの気持ちが終始爆発して引き込まれます。
いつものトキメキや応援とは全然違うのに面白い。
多分、藤島の悩みって神経質だったり、女々しかったり、優柔不断だったりもするけど、その不完全さがすごく人間らしいからなんだろうなあ。
倦怠期というテーマを活かしに活かしきったぐるぐる具合をお楽しみください。
この絶妙な泥臭さって、「出会って付き合ってハイ終了!」のBLでは中々醸し出せない旨味だと思うんです。
かといって一般小説ではなく、ちゃんとBL小説のエッセンスの中で成立している所がファンにはたまらない。
この隙間を埋めてくれた夕映先生とショコラ文庫さんのセンスに頭が上がりません。
少し大げさですけど、読みながら「あ、BL業界の幅が一歩広がったな」と嬉しくなっちゃいました。
くっついたその先の面倒くささも愛の一つと気づかせてくれる、円熟系BL小説。
最後には15年に裏付けされた、二人ならではのどっしりとした愛情にやられちゃうと思います。
上級者むけ?
ふたりが夫婦のようになって、お互いのことばかり考えている時期を過ぎて、そこからどうなるのか?相手の気持ちがわからなくなってる受けの気持ちがすごく伝わってきて、せつない。自分は離れたいわけじゃないけど、今のままじゃ辛い。読み手としては、足掻く姿がかわいい。
きれいな気持ちばかりじゃなくて、ダメなところとかも描かれていて、丁寧に読まないといけないので、読むのに思ったより時間がかかった。でも、面白い。読む価値があると思う。ベタベタしてるのばかりが読みたい人には不向きです。いや、でもけっこうベタベタしてるかな?
他の方も書いてたかもだけど、どっちも好きになれなかったな。
でも読ませちゃうのは、ある意味作家様の力量。
まず亮はアラフォー乙女だし、一心は自由人とあるけど、
発達障害では、と思いつつ読む。その方が人物像として理解しやすい。
33にもなって、大好きな恋人に心配掛けっぱなしで、
心配の言葉も小言扱い。ほんとに好きなのかなあ〜亮のこと。
初めての理解者に対する絶対的信頼はわかるけど、なんか信頼してるけど
蔑ろにしてる感が、かあちゃん扱いかよ、と。
そう、その実の母もでてくるんだけど、亮の親に比べて一心の親の希薄なこと。
亮の世間体や細かいことを気にする設定に対して、手をつけた教え子の親に対するフォロー一切なしは、個人的には疑問。
18超えて手をつけたから?教師といってもバイトの家庭教師だから?
救いの神だったから?
しつこく亮の親に対しては、ちゃんとするぜ、的な流れだし、実際きちんと挨拶するんだけど、一心側はスルーなのね。
亮の親も、一心をパートナーとしてしっかり認識してても、また付き合う経緯を知っていても、親御さんにご挨拶は〜ってならないのね。
このあたり同性だとやっぱ、そんなものなのかな。とはいえなんかバランス悪い気がするのは、読者(私)の問題か。
タイトルが絶妙ですよね。
慣用句として、犬も食わないのは「夫婦喧嘩」。
だからこのストーリーも厳密には「倦怠期」を語る物語じゃないのです。
「倦怠期」って、自分が相手に飽きて、多分相手も自分に飽きていて、2人の間に薄ら寒い風が吹いている…2人とも背を向けてるようなね。
だけど、本作はそうじゃないんですよね。
確かに、付き合いももう15年。自分はもう40才。
相手は6才年下。教師の自分とは正反対の自由人で、フリーの旅行添乗員。
冒頭、連絡もせずに全然帰ってこない一心に傷つき、もうやっていけない…と決断を下そうとする亮(あきら)。
そう、これは「価値観の相違」と「性格の不一致」なんですよ。
彼らは法律的な届けも無ければ子供もいない。
関係性に疑問が起きた時、そんな彼らはどう折り合いをつけるのか。
この辺興味津々だったんですが。
結論から言うと、肩透かしというか…
亮視点で話が進むから、まずは一心の自分勝手な様子が語られて、これじゃあ亮もたまんないよねという共感から入る。
しかし比較的序盤からすでに亮は本当に別れたい訳ではなくて…という部分が見えていて、その上そんな自分のめんどくさい性格も自覚してる。
その上お相手の一心は全く「倦怠期」などではなくて、亮の気持ちを知って慌てるわけです。形としては、亮ばかりが悩んでる。
亮はね。
別れたいんじゃなくて、もっと愛して欲しいんです。愛を表して欲しいんです。
愛を、浴びたいんです。
亮本人も長い付き合いの一心にもわかってる通り、亮はため込むタイプ。
ためてためて、ぶちまける。
そこにちょっとコミカルな味が入る所も私にはイマイチ。どシリアスでいいのに。
一心は一心で亮のそんな所がちょっとね…と思ってる。だから2人の関係性において、何も亮だけがいつも貧乏くじじゃない訳で。
そんな2人のすり合わせは?という所で亮が倒れるという大きなドラマが起きちゃって、なんだか繊細な部分が吹き飛んじゃったような展開に感じてしまったんですよね…残念だなぁ…
そりゃパートナーが血吐いて倒れたらさ…オレなんでもします!直します!になるじゃないですか…
そしてここがBLの限界か。やはりHで仲直りなんですよねぇ。
非BLでいいから、男x男の終わりそうな揺らぎをどう修復していくか、文芸アプローチで読んでみたいですね。
夕映さんのお話で一番好きなのはずーっと長いこと『天国に手が届く』だったんですけれど、この本がトップに躍り出ましたね。
表題作がすばらしい。
それは、
長く付き合ったふたりにいかにもありそうな喧嘩であったり、
また、そのなだめ方と言うか『うやむやにする方法』であったり、
長いこと一緒にいる為にちょっとした好意が言い出せない状況であったり、
こんな『あるある』の中には、2人の人生を重ねていく難しさや、恥ずかしさや、何年経っても成長しない自分へのもどかしさが溢れかえっていて、読んでいると「あああああ~っ」と叫びながら転がりまわりたくなるほど見につまされるんですが、その後に、それを上回る強さで「でも、その全てが愛おしい」という激しい感情に襲われました。
このお話、始まりと終焉は対比する様に響き合った構成なんです。
たたみかけるような終りの部分。
大きいお姐さま方にはかなり「クル」のではなかろうかと思います。
あたしは泣けた。
こんな風に感じられるのなら黄昏もまた一興。
そう思うほど、良い本でした。