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ずっとそなたに恋をしてきた
kuroyousei ha seikishi no ai wo koinegau changeling
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
チェンジリングの2巻目。続きでありつつ、1巻目の主役だったふたりとは違うカップルが出てきます。
妖精の子供と人間の子供が取り替えられてしまうチェンジリングというヨーロッパの伝承がモチーフ。
2巻では運命を握る皇子と彼を護る修道騎士が主役です。
第三皇子のアンリは妖精王の計らいによって妖精と取り替えられる。黒髪の取り替え子は破滅をもたらすとされ、アンリ皇子は人目につかないよう育てられることに。人と関われないため、頼れる人は修道騎士のオルトだけだった。(以前は乳母とオルトの父がいたが亡くなる)
アンリは成長と共にオルトに恋心を抱くようになるが、同年代の子供達と交流をもたずに育てられたので性的な知識がまるでなく、オルトに対して興奮してしまう自身の体に躊躇いを感じる。
そしてオルトもまた守護すべき対象であるアンリ皇子に欲情している自分に罪深さを感じていた。
そんな時、アンリ皇子が狙われ、彼を護るためにオルトが敵兵に陵辱されてしまう。目の前で犯されるオルトを見て、アンリ皇子が激情を爆発させて半妖魔に変貌を遂げる。
強大な力をもつ完全な妖魔になる前にアンリを殺さねばならないが、オルトは懸命にアンリを護ろうと奮闘する。
という感じなのですが(この時、国で起こっている騒動などは語りきれないので大幅に端折りました)、伝えたいことは1つ!このふたりの関係性が最高なのです。
歳下攻め×歳上受け。そして皇子×騎士、しかも修道騎士!
清く高潔な修道騎士のオルトが、赤子の頃からお世話してきた歳下の皇子に穢されていく構図にグッときます。
半妖魔になって言葉を喋れなくなったアンリ皇子が、なんだか赤ちゃんみたいでそれも可愛いです。でも人外の姿になっているので体は大きいというところがギャップなのです。
半妖魔のアンリ皇子に抱かれて、この行為に劣情と至福を覚えてしまって悔いているオルトの葛藤も良かったです。
まだ続いているようですが、次巻以降はKindle配信のみなんですね。商業化ではないのかな? その辺は詳しくないのですがどのような形でも続いてくれて嬉しいです。
作者様のTwitterによると、商業出版ではなく、Kindleにて続編が予定されているようなのですが。
私的には!奈良先生の挿絵と、あの紙の質感で!続編が欲しいのです!!出版社様…!
と、初っ端からまくし立ててしまいましたが、本編もとっても面白かったです。
チェンジリング2とのことで主カプは変わっていますが、1でやっとのことでくっついたゼインとルカも結構出てきてくれていて、もう、とっても嬉しかったです。
なにしろ、ゼインが大好きなので…
奈良先生の描かれるゼインが、文章にバッチリはまっていて、本当に格好いい。もう、懐広いにも程がある包容力…カラッとした明るさの中に生きる痛みを知っているしなやかさや強かさがちらちら垣間見れてたまりません。
いや〜ゼインは心配だよね。
ルカは自分を顧みない強さを持っているから、そこが良いところであればある以上、惚れた弱みで強くは出れない。
アンリとオルトの話なのに、ゼインとルカのイチャラブにいちいちキュンキュンしてしまいました。
ちなみにアンリとオルトも負けていませんでしたよ。
アンリのちょっと影のある見た目もすんごくいい。
獣姦シーンで、鉤爪でオルトに傷を付けないように抱き抱えながら自分の手のひらを繋いで耐えるシーン。
もーーなにそれーーーー
愛しかないじゃーーーん
はっきりいって私の中で年下攻めは別に掠らないんですが、アンリはとっても可愛かったし、いじらしかったし、男らしかった。
気を抜くと普通の、ファンタジー小説を読んでいる気になるんですけれども、やっぱりボーイズ達のラブもしっかりあるんですよね。
いずれにせよ、沙野先生の文章力が素晴らしかった。
次から次に展開が変わって読んでいてほんとに気持ちがいい。
2人のラブはほんとに最後の最後で、それまでに身体を繋げているんですけれども気持ちが全然ついてこないのもまた切なくて。
先生のTwitterで公開されているSSではその後のラブラブっぷりが読めてすごく癒されたんですけれども、もしかしたら、今回初登場の脇役が次の主人公になるのかな?
でもでもでも、ゼインとルカファンである私は、彼ら主役の3でもいいのでは!?と思ってしまったり…
先生、どうでしょうか…笑
ゼインとルカのお話、もっと書いてください〜〜〜
壮麗で美麗な挿絵は、筋書きのダイジェスト版。挿絵が、込み入った筋書きの補足をしてくれて、助かった。
前巻は、取り替え子のルカがゼインを巻き込んで、仕掛けを作っていく過程。
気の毒なゼインは、ルカの駒。ゼインの前で、大司教に蹂躙されるルカ。
取り替え子のルカは、妖精王から命を受けていた。
今巻は、アンリ王子の誕生日まであと1時間という時に、大司教とタッグした隣国の王子の襲撃を受ける場面から始まり、オルトがアンリ王子の護衛騎士になるまでの回想がそのあとに続く。
ルカより一つ年上のオルトは、アンリ王子を護る聖騎士。
ルカは、取り替え子の王子アンリが妖魔化しないよう 妖精王の命を受けずっと練っていた計画の実行日は、アンリ王子の18才の誕生日。
人食い怪獣の真名を持つ取り替え子;「アンリ王子を運命に勝たせる」、その為に、多くの者の命が消えていく。
そして完結していない終わり方。
ノーブ帝国の騒動は鎮圧、妖精塚の修復、取り替え子たちの保護もできつつある。
妖精界からエンリケ(妖精界に拉致された本物の王子)が伝言を伝えに来る。
「クシュナに穴が空いた。連れ去られた取り替え子の様子を探ってきて欲しい」
・・ルカ達が赴くことになるけれど、その後が描かれていないので、いつかまた続編に続くのかな??
後日談SS
「嫉妬深い恋人、たち」https://privatter.net/p/6260090
前作『チェンジリング』が、運命を掴みとる話だとしたら、こちらは運命を掴み損ねた話…と言うとだいぶ悲劇的に聞こえるかもしれないけど、運命とは所詮一つの分岐でしかなく、道が逸れたからといって待ち受ける未来が嘆かわしいものとは限らない。人生の操作権が自分の手にある限り、逸れた道を再び繋げることもやはり自分次第。そんな読後感でした。
アンリは皇子でありながら不吉な取り替え子として生まれ、18年も隔離育成された純粋培養くん。育てたのはこれまた清廉潔白な聖騎士のオルトなもんだから、逆紫式部という美味しい設定にも関わらず、二人の関係性は色んな意味で超純粋です。
アンリにとってオルトは名前をつける必要がない相手だったんだよね。普通は大勢の人と関わって比較対象があるからこそ自分の中で相手が家族なのか友人なのかという関係性を無意識にカテゴライズしてる。
でもアンリにとってはオルトだけが深い人間関係を持てた唯一の相手だから、オルトはオルトでしかない。
親代わりであり、師であり、友であり、従者であり、恋する人であり、その感情全てがオルトただ一人に向けられていて、名前がないからこそ絶対的な関係性へと至らしめている。でも二人とも無自覚なんだよ。
その危うさと甘美さがまさにこの作品の屋台骨になってました。
客観的にみればルカとゼイン組の方がよほど悲惨な目にあってるんだけど、ルカは妖魔に堕ちない。でもアンリにとってはオルトが傷つけられただけで“魂が壊れるほどの苦痛”になってしまう。その書き分けがさすがだなと思った。
救世主的な役割を与えられているアンリとアンリに絶対の忠誠を誓うオルトという図が、真名によって全く異なる図になるのもぞくぞくしました。
もう一つ個人的に萌え滾ったのが、異形えち。隠れ異種姦好き隊としては、奈良さんの絵で拝めるなんてお布施したいくらいのご褒美でした。私前世でとんでもない人助けでもしたんかも。よくやった前世の私。
すごく面白かったのに神評価じゃないのは、ルカの預言の力とか設定止まりなもどかしさがあったのと、何年も前からハネスじじぃの正体と企みが判明してたんだから国難を前にもう少し策を立てておこうぜっと思ってしまったので…。
スッキリと決着ついてないので、続編超待ってます。
次の主役組はエンリケとグレイかな?いやいや沙野さんのことだからにっくきシベリウスという可能性もなきにしもあらず。私的にはルカとゼインが大好きなので、もっかい主役はってくれたら全私が号泣します。
正直これまで沙野先生の作品は何冊も読んで萌え止まりだつたのかですが、神×1000な感想です…。神。
この作品も奈良千春先生が大好きで購入してあまり期待してなかったのですが、最初から最後まで、そしてTwitter感想でもらえるおまけストーリーまでスペシャルに萌えまくりでした。
なんだろ、受けが美人で優等生の騎士オルト、攻めが軟禁されてる不遇の王子アンリ(後に妖魔)、受けが年上の世話役っていうだけでいい設定なのに成長と共にいいエピソードが増えます。辛い…。
アンリが成長して男味が増してオルトに恋するようになり、オルトは庇護してきた小さい王子に大人の男を感じてドキドキし始めます…。辛い。
途中アンリが謀られてオルトを奪われ怒りのあまり妖魔になっていた間に2人は初めて性交するのですが、オルトは片思いだと思っているので妖魔の形をしたアンリにさえ抱いて欲しいと願い抱かれまくります。(妖魔化が抑えられると分かったという理由もあるのですが)
人間に戻ることができて王子として災厄から国を護るようになったアンリは、オルトを汚してしまった罪悪感から素っ気なくなりますが、夜に一緒のベットで眠ることだけは強要していじらしいのなんの。2人とも過去には激しく抱き合ってたのにお互い恋心を隠しているので、触りたくて触りたくて眠れない夜が続くのです。
オルトが耐えきれずベットから逃げ出すのをアンリが許さない!と覆いかぶって阻止するのもカッコよかった…。チビだったのに…。
いざ恋人になるとアンリはSで、でもオルトがイッちゃうと我慢できないのが情けなくてもちろんそれもいい。
お話のベースには怖いエグい自虐的なシーンもありますが、どのキャラも生き生きとしています。
アンリの半身のエンリケと騎士グレイのスピンオフも激しく希望!
こちらは可愛らしいカップルの予感です。
電子で購入したけど、紙でも買わなきゃー。
個人的に好きな設定ドンピシャでした。
チェンジリング二作目ですが一作目より断然好みでした。奈良千春先生の絵も秀逸。Twitterに寄せられた幼いアンリがオルトの膝に甘える絵も辛いほどいい。
おまけの話は永久保存です。
奈良先生のダークでありながらロマンティックなカバーイラストにウットリしてしまいます。
そしてこの作品の世界観が一枚に集約されていている事に気が付くのです。素敵過ぎる。
前巻でとても気になっていたアンリ皇子と修道騎士のオルトでしたが、彼等の主従関係に悶えまくりました!ゼインとルカCPより好きかも。
妖魔化したアンリを恐れながらも、身体を繋げられる悦びを感じるオルトの行き場の無い深い愛情を感じて切なくなりました。
そして必死に人としての意識を保とうとするアンリも切ないです。
自制を失ったアンリとオルトの交わりはあるものの、アンリが妖魔化を止めて貰って意識が戻ってからはすれ違いが続きます。
ようやく思いを告白し合って結ばれるのが、最後の最後なのですよ。
だから甘さは少ないです。
でも2人の長きに渡る両片想いに萌えたし、主従関係の言葉使いに性癖を刺激される方も多いと思います。
クシュナ王国のシベリウスとカッツェの関係とその目的もハッキリしてないので、続巻がとても待ち遠しいです。
聖騎士オルトが命を懸けて守り抜くと誓った、ただひとりの主、取り替え子の王子アンリ
幼い日の純粋な忠誠と庇護欲がアンリの成長につれ形を変えて行くエピソードは、二人の体温が匂いたつようです
容赦ない運命が待ち受けていますが、前巻の主役ゼインとルカも活躍し、それぞれが全力で抗い、切り開き、互いを守り抜く!
王城、海賊船、妖精国と息もつかせぬドラマティックな展開は、ファンタジーでなければ味わえないスケールの大きさ
沙野先生の「この世に互いしかいらない」という凄まじい熱量の恋は、ファンタジーでこそ最大に生かされると思います
こちら、あとがきで「商業として難しかったら個人的に続編を書く」とあり、すぐさま版元さんに「続編熱烈希望します」とメールしました
今すぐにでも続きが読みたいくらいなのに、きちんと商業として大団円を見たいじゃないですか!
まだまだ回収されてないエピソードと気になる登場人物目白押しのシリーズ、次巻が待ち遠しい!!
電子版カラー口絵挿絵あり、あとがきあり。
このシリーズは奈良先生のイラストがぴったりですね。表紙から美しく、魅入ってしまいます。
シリーズ二冊目はノーヴ帝国のアンリ皇子とその騎士オルトの物語。アンリは取り替え子である身体的特徴を持って生まれたため、それからずっと人目を避けて私室のみで過ごし、常にベールを頭から被って姿を隠している。本当の姿を知っているのは王と乳母、そしてオルトだけ。そんなアンリ皇子にも、取り替え子として、妖精王に背負わされた運命があって…。
前作で登場した時は皇子受けかと予想していたんだけど、ハズレでした。
初っ端からオルトが敵の手からアンリを守るために凌辱されるという衝撃シーンから始まったので、騎士受けかー!と。
でも攻めを育てる受け、というのもいざ読んでみると全然アリで、自分だけを慕ってくれる皇子に恋してしまっていると気づいた時のオルトの心情を想うと、もう…。
この方が聖騎士という名に恥じない、高潔で清廉なキャラなので、そういう気持ちを邪な欲望として必死で胸に秘めておこうとするのが切なくて苦しく、そして萌えました。
アンリ皇子も、妖魔に堕ちても必死でオルトを傷つけまいとするところとか、エッチな場面でも終始受けを「そなた」呼びするのが、なんかもうキュンキュンしてたまらなかった…。一人称「僕」なのも可愛くてね…。
ストーリーは次から次へと展開が目まぐるしく、まさに波乱万丈。そして全体的にどこかダークで痛々しく、沙野先生らしいエロスも楽しめる作品で、読み応えがありました。前作での悪である大司教が今回きっちり制裁を受けたのはよかったが、まだ敵国に不穏な動きはあるし、何よりオルトに乱暴したシベリウス王子とやらが許せな〜い!
次回作はアンリと取り替えられたエンリケ皇子の活躍も見てみたいし、全キャラ総出でシベリウスにお仕置食らわすのが見たい! 是非早めに続きお願いします!
次巻こそスカッとしたエンディングを見たいです。
前作に引き続き、とっても面白くて、ぐいぐい物語に引き込まれました。
前作の2人であるゼインとルカも一緒に活躍していて、とても頼もしかったです。
受け様は、修道騎士であるオルト。
攻め様が、第三王子であり取り替え子であるアンリ皇子。
アンリが赤ん坊の時から守り慈しんできたオルト。
受け様が攻め様を育ててきた訳ですね。
黒髪のアンリは妖精に取り替えられた取り替え子として、幽閉されているけれど、オルトの献身的な支えでもって、純粋で高潔な若者に育ってます。
オルトも修道騎士であるだけあって、とっても清廉で、アンリの為なら、の強い覚悟を持ってる。
敵の謀略にかかって、オルトを目の前で凌辱されて、妖魔になってしまったアンリ。
半分妖魔の状態のアンリとオルトはゼインとルカの助けでカーリー号へ。
半妖魔でアンリとしての意識がない状態のアンリだけど、分からないままオルトだけは求めていて。
オルトも王城ではずっと隠し続けていたアンリを求める恋情をぶつけて、身体を繋げる2人。
妖精王に会って、妖魔化を止めてもらいアンリとして意識が戻ったけど、半妖魔だった時の記憶は残っていたから、オルトを凌辱してしまったとショックを受けるアンリ。
そしてまた、オルトはオルトで、アンリを穢してしまった、と思い込んでいて。
2人して、とても高潔で相手のことが大事で大事でたまらないからこそ、穢してしまったと苦しんでいる姿に私まで苦しかったです。
違うのよ〜あなたのことが大好きなのよ〜と教えてあげたくてたまりませんでした。
残り数ページになっても、苦しい両片思いのままで、えっ!ちゃんと想いは通じ会うのよね!?とハラハラし通しでしたよ。
2人の真名、アンリは早い内に分かって、その意味にドキッとしましたが、最後に教えてもらったオルトはなるほどなぁ、です。
きっとアンリにとってはまさにそうなんでしょうね。
今回は主役カップルを支える役だったけど、ゼインとルカの今の姿が見れて嬉しかったです。
もうルカの、自分の成すべき事をやろうとしている姿が本当に強くてかっこいい!
ゼインはルカを大事に溺愛してるし( ☆∀☆)
自分の気持ちよりルカの気持ちを尊重できる男でやっぱりかっこいい!
妖魔化を抑えたアンリを見て「人間らしいサイズに戻った」と何でもないように言ってのけるのも度量が大きさを感じてきゅんと笑いがにじみました。
取り替え子なら、取り替えられた本当の王子がいるはずなんだよな、と思っていたら、あっけらかんとした感じで登場で、ずっこけそうになりました。
だって、敵方の回し者かと心配してたんだもの。
王子だったはずのエンリケの登場で、アンリもルカも、取り替えられなければ、妖精国で幸せに暮らす人生だってあったかもしれないのに、と強く感じてしまいました。
それでも、アンリはオルトと、ルカはゼインと出会う運命を選んだって事なんだろうな。
今となっては、相手が隣にいない人生なんて考えられないだろうし。
「取り替えられてよかった」というアンリの言葉が胸に染みました。
この仄暗さが「たまらんなぁ……」と思う訳ですよ。
沙野さんのご本の大概はスカッと明るいわけではないのですがね。その中でもこのシリーズは痛さが多い様な気がするんです。
取り替え子という設定が悲しいからでしょうかねぇ。
そう言えば私はピーターパン(ディズニー版に非ず)もなんか物悲しくてダメでした。
今回の主人公達は皇子とそれを守る聖騎士ですよ。
それも皇子が取り替え子ときた。おまけにこの物語世界で人の本質を示すとされる真名がとんでもない厄災を招くような名前なんですね。
だけどこれが良い子なんだなぁ……
沙野さんの物語の登場人物って『重くて辛い』運命を抱えている人が多いと思うんですよ。
まあ、BLってそういう登場人物がそれなりに多いですけれどもね。
ただ、沙野さんのお話の登場人物たちってそれを跳ね返したり、何かに完全勝利したりしないんですよ。
あとね、結構『理不尽』が書かれたりするような気も……例えば今回の物語世界での妖精王の立ち位置って『人間社会の理』とは全く違うので、理解不能です。
だからスカッとしたカタルシスがないの。
だけどね……っていうか『だからこそ』なのかもしれないけれど、主人公たちが想い合っていることが、じわ~って染み渡るように伝わってくるのです。
事件は次々と派手めに起きるのですけれど、人々の心のありようはゆっくり、しっとりなんですね。今作もこのギャップがたまりませんでした。
ところで。
私が一番ショックを受けたのは『あとがき』ですよ。
沙野さんほどの書き手でも、このシリーズの続きを商業ベースで発表できるかどうかって『売れ行き次第』なんだ!
私、3冊とか4冊単位でもう出版社と契約しているのかと思っていました。
厳しいんだなぁ……
そこで、私のこの駄文にお目を止めていただいた姐さまにお願いです。
まだこの本をご購入なさっていらっしゃらない姐さまが万が一いらっしゃいましたら、何卒ご購入いただけませんでしょうか。
前作の主人公であり、今作にも登場するルカという取り替え子がどうなっていくのか、私、ぜひ知りたいのです。
このシリーズ、読んで損はしませんので是非是非!
続きものですので、前作「チェンジリング~妖精は禁断の実を冥王に捧げる~」を先に読むことをお勧めします。
いきなり急展開のところから始まり、その後アンリ皇子が生まれた頃からを現在までの過去を振り返り、前作のゼインとルカとの合流~妖精王に会いに行って国を救うまでの話。
ハラハラの展開が続き、海賊船でクラーケンとの戦闘で沸き立ち、アンリ皇子と聖騎士オルトの身分・年の差両片思いにジレジレし、最後は最大の黒幕を残しつつも、ひとまずの平和は取り戻して大団円。
もう内容が盛りだくさんで、あと2~3冊かけて読みたかったと思ったほどです。
でも最後まで夢中になって読んでしまい、とても楽しかったです。
チェンジリングのメインキャラは皆、高潔でかっこいいですね。
今回は特にルカ。やっとゼインと心が通じ合えて、一緒にいることだってできるのに、魔物に堕とされていく取り替え子たちの境遇を見過ごせず、救出のために別行動を決意したところがシビレました。
ルカやゼインの男前っぷりが際立っているため、今作の主人公であるオルトとアンリ皇子がやや押され気味のようにも感じましたが、今回はいちばんつらい運命を抱えていたのはこの二人ですし、きっと次回作が出ればさらに頼もしくなっているんだろうなと思います。
私は、主にアンリ皇子を応援するような気持で読んでしまいました。
生まれてから18歳の誕生日を迎えるまでの間、窓もない薄暗い部屋に押し込められ、オルト以外の人間とはほとんど話す機会もなかった生活で、よく素直に育ってくれたなあと思います。
一人称は「僕」ですし、オルトを無心で慕っていたり、初めての生理現象を病気と勘違いしてオルトに教わるシーン、初めて見る海の日の出に涙をこぼしたり…皇子らしい振る舞いの中に少年っぽさが見えて可愛かったです。
でも、ツイッターキャンペーンの後日談SSを読んだ感じだと、近い将来S系スパダリ攻めになってしまうのかなあ(笑)
それとこの物語での「真名」の使い方にも感じ入りました。
生まれた時から手に刻まれている自分自身の本当の名前。相手の真名を使って命令すれば言うことをきかせることができるのはよくある話ですが、この物語での「真名」はその人物の運命をも表していて、物語のキーワードにもなっているのですね。
あと、アンリ皇子が睦言でオルトの真名を使っていたのがすごく萌えてしまいました。こんな発想ができる沙野先生はやはりすばらしい。
続編については構想はおありのようですが、やっぱりまた売上次第なのでしょうか。明言はできないようでした。
でも奈良先生の挿絵がすばらしいので、ぜひまた商業で続編を出していただくことを強く願います。
チェンジリングの2巻目。終わりませんでしたよ・・これは何が何でも3巻だしていただきませんことには、と思うお話、本編230P超+あとがき。年上に恋焦がれてきた年下王子の成長話?1巻のカプもめっちゃ出てきましたので1巻から是非。恋模様よりハラハラ感大きかったので、萌にしました。Twitterにある先生のSSや、特典SSは甘くてすっごく嬉しかったんですけど、本編にはまだまだ甘いところは少ない印象・・・
修道騎士団長の父と共に育ってきたオルト。9歳の時に、引き合わされた第三皇子アンリは黒髪の「取り替え子」だったけれども、父からのたっての願いに従い、アンリに忠誠を誓います。取り替え子であるがために人前にはあまり出ず、二人で長い時間を共に過ごし、間もなく18歳、ルカにより教えられた契約の刻を迎えるという時に隣国から攻め込まれて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ゼイン、ルカ(前巻のカプ、めっちゃ活躍)、シベリウス(隣国クシュナ王国第二王子)、グレイ(受けの幼馴染、修道騎士)、ハネス大司教(1巻でも出てきた)、妖精王、カッツェ(シベリウスの側近?)、エンリケ(アンリと取り替えられた子)ぐらいかな。
++攻め受けについて
受けは「がっちがちくそ真面目、清廉な修道騎士さま」という印象です。仕えるべき皇子に恋する気持ちを持ってしまって、でも皇子をなんとか無事18歳になるまで守らなきゃと、とっても一生懸命。半妖魔化した皇子をよく守り切ったよなとめっちゃ思います。
今回好きだったのは、どっちかっていうと攻め。前半、「あそこが腫れちゃった涙」エピソードや「一緒に寝て」(添い寝)話等、「可愛い!」というキュんエピソードや、受けを傷つけられるという危機感から耐え切れず妖魔化、その後の受けのあれやこれやを受けての戻る過程等々、可愛い・頑張れ感が大きかったです。小さいころからオルトしか知らず、「刷り込みじゃね?それか共依存?」とも思いますが、奈良先生の挿絵の力もあってか、アンリ可愛いから「うんうん、頑張れ」という気持ちになりました。
クール素敵な妖精王も出てきたし、絶対続きを商業で読みたいんです。出版社様、何卒よろしくお願いいたします!
壮大なファンタジーBLです!
とにかくめちゃくちゃ面白かった!!
世界観とストーリーそして沙野先生なのでもちろん萌えもたっぷりと。
前作からの伏線とアンリとオルトの宿命
これが破綻することなく大きく広がったシリーズ2巻目です。
読み終わっても しばらく現世に戻って来れないくらいハマりました。
前作の2人で何となくオルトが攻めかなと思っていたのが まさかの聖騎士受け!!滾りました!
修道騎士としての強さと揺るぐことのない忠誠心を持つ聖騎士様ーー奈良先生の挿絵が格好良い!
扉絵がかなりの衝撃
そのあと冒頭から沙野先生らしいスピード感溢れる展開でいきなりオルトがトンデモない事に。ええーっ!最初から飛ばしてます。
生後間もないアンリを一人で護り育ててきたオルト。アンリの世界は本の中とオルトだけ。先生も仰ってる光源氏です!お互いに長い長い純愛片思いです。
沙野先生の主人公は決して万能でもなくスパダリでもなく、弱さと傷を持ち命懸けで相手を護る。これにハマっちゃうんですよね。
10才のアンリに跪き忠誠を誓うオルト
この挿絵がもうたまりません。神々しいくらい切ないです。
オルトは何度もアンリに忠誠を誓うんですがここにオルトの真名の意味が深く関わってきます。
14才のアンリにはオルトが自ら性教育を。
はァ…これは教育です!ハァハァ
シリーズのルカ、ゼイン、アンリ、オルト
それぞれが世界の命運を担う宿命を背負っており「真名」に重要な意味が。
真名を捧げるのは自分の命を預けることで
アンリの真名にかなり動揺しました。
名前のある登場人物は何かしらの意味が、まさか前作で登場してたあの人物がこんな重要な役割とは。伏線が徐々に明かされていくのがたまらなく面白いです。
敵の姿は見えては来ましたが 目的や何者かなどはまだナゾも多く、妖精王についても取り替え子についても伏線がありそうです。
18才になったアンリは力を手に入れ運命を受け入れた陰のある男に。
私的にはオルトに全部持っていかれました!
清廉さと強さを併せ持つ年上の聖騎士にハマらないわけがない!!
この本の続きは是非紙の本で奈良先生の素晴らしい絵で読みたいです。
出版社さんのTwitterで公開されてるSSにもう1組の2人が。こちらも今後なにか進展があるのかとても気になります。
今回も裏テーマがあります。またしてもネーミングが…
読後の楽しみですね!
沙野先生のブログで一部試し読みが出来ます。未読の方は是非2冊続けて読んで欲しいシリーズです。
沙野作品の『チェンジリング~妖精は禁断の実を冥王に捧げる~』の続編。スピンオフと言ってもいいかも。とにかく前作未読だと話は理解できません。前作未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。
えっと。
叫んでも良いでしょうか。
めっちゃ面白い―!
ちょっと読もうと思ったら、もう最後までノンストップ。ページを捲る手が止められませんでした。
前作も絡めてのネタバレをしています。ご注意ください。
主人公はノーヴ帝国の第三皇子につける修道騎士であるオルト。
オルトの亡き父・ライリは高潔な修道騎士団長で、オルトは常に父を人生の師とあがめてきた。
オルトは若干9歳で修道騎士になったが、時を同じくして父から命を受ける。それは生まれたばかりのノーヴ帝国の第三皇子であるアンリに仕えること。が、こともあろうにアンリは取り替え子でー。
「チェンジリング」シリーズは、妖精が人の子を盗み、代わりに妖精の嬰児をおいていく、というヨーロッパ民話をベースにしたお話です。
人の子は金髪碧眼であるのに対し、妖精の子は黒い髪に黒い瞳を持っているため一目で取り替え子とばれてしまう。ゆえに、アンリは皇子でありながら人目につかないよう幽閉され生きている。
が、アンリが幽閉されているのは他にも理由がある。
地方の修道院にいる取り替え子が皇后が亡くなるという予言をし、その予言通りに皇后は崩御してしまう。自分の愛する妻が亡くなったのは取り替え子のせいで、その取り替え子と同じアンリを、皇帝は愛せなかったのだ。
オルトもはじめは取り替え子であるアンリに思うところはあったものの、実際に会ったアンリは可愛らしく、アンリに忠誠を尽くすことを決意したのだ。
アンリは18歳の誕生日に妖精王から特別な力を授けてもらえるという。
だから、18歳になるまでアンリを守り切ること。それが、オルトが自身に課した使命だった。
だがしかし、あと数時間で18歳になるというまさにその時に、敵国に攻め入られてしまう。アンリを守るため敵国の兵士の慰み者になったオルトを見たアンリは妖魔へと身を堕としー。
というお話。
前作の受けさん・ルカが、皇后の崩御を予言した取り替え子。
そして妖魔になったアンリと、アンリを守ろうとするオルトの2人を匿ってくれるのが、ルカの恋人のゼイン。というつながり。
ノーヴ帝国に攻め入ってきた国の狙いとは。
妖魔になってしまったアンリの安否は。
そして、ルカが望んでいた「未来」はやってくるのか。
その辺りを軸に進むストーリーです。
沙野作品らしい、と言って良いでしょう。
アンリは薄幸だし、オルトは一途で清廉です。この二人の過酷な環境に落涙しつつ萌えが滾る。
皇子という身分でありながら取り替え子のアンリの境遇はさぞかし大変だろうと。そして、そんなアンリを慮り忠実に尽くすオルトのなんとカッコいいことか。嫌な奴はたくさん登場しますが、だからこそ、彼らの清廉さがくっきりと浮き彫りとなり応援したくなる。
彼らはお互いを非常に大切に想っています。
それがいつしか、恋心に変化して。
けれど、その想いを相手に伝えることはできないと思っている。
両片想い、の真骨頂と言える作品ではなかろうか。
身分差とか、立場とか、境遇とか。そういったバックボーンがしっかり出来上がっているためにそれらがうわ滑りせずに話に重みを与えています。
アンリを妖魔にしたくなくて奮闘するオルト。
そしてオルトを愛しているがゆえに妖魔に身を堕としたアンリ。
まさに「賢者の贈り物」です。けれど、その深い愛情が諸刃の刃ともなりえてしまう。深く愛しているからこそ、彼らがお互いのアキレス腱にもなってしまうから。
そしてそんな二人をサポートするのがゼイン×ルカ。
ルカ一筋のゼインの男前さも相変わらずで素晴らしかったし、虐げられている取り替え子を守りたいルカの優しさとか愛情も、これまた良し。
ルカは自分の身を犠牲にして奮闘しているわけですが、ルカは自分の目標のためにうしろは振り返らない潔さがあります。どんなに胡散臭がられても、虐げられても、それでも彼は前に進む。カッコいいのです。
で。
設定としてはめっちゃシリアスなんです。
人を殺めるとか、陥れるために策略するとか。
が、そんなシリアスさの中で、オルトとアンリのまっさらさんぶりが突き抜けてます。あくまで指導として、アンリに自慰の仕方を身をもって教えるオルト、の描写があります。清廉な騎士であるオルトが指導という名目でアンリの目の前で自分でヤッてしまうわけです。至極真面目に。
普通の作品であれば笑ってしまうシーンでありながら、うん。良い。
二人のまっさらさんぶりを顕著に示しながら、この行為によって彼らは自分の恋愛感情に気づく重要なシーンでもある。
そして彼らが身体を重ねる時も。
お互いに相手に負荷をかけていると思い込んでいるんですね。自分だけが相手を愛しているのだと。アンリが妖魔になってしまったときは体の構造が人のそれと異なることもあってかなり痛々しいです。そこに、オルトの葛藤と苦しみも相俟って、さらに哀しい濡れ場です。
けれど、読者には彼らの慟哭が聞こえてくる。
愛してやまないのだという、彼らの心の叫びが。なので非常に綺麗な濡れ場でもある。
こういう描写が描けるのは沙野さんならではか。
妖精王が取り替え子をしている理由も見えてきて、さらにアンリと取り替えられた本物の皇子も登場し、ますます魅力あふれる作品になっていました。前作が神作品だと必然的に続編の期待度も上がってしまって、その分ハードルも高くなりますが、そのハードルを軽々超えてくる。さすが沙野さんだぜ…。
そして奈良さんの挿絵も素晴らしかった。どの挿絵もめっちゃ良い。挿絵のページに差しかかると思わず見入ってしまいました。
続きが読みたいなあ。沙野先生の書かれたあとがきを拝見すると構想はあるらしいので、ぜひとも続編を書いてほしいです。
チェンジリングシリーズ2作目。
アンリ皇子×修道騎士オルトsideに切り替わり、過去~前作の続きへと展開します。前半はスピンオフとして独立して読めるタイプかな?と思ったんですがゼイン×ルカがガッツリ絡んできますし、後半は前作の続きになっているので順読み推奨です。
作品の雰囲気に似つかわしくないテンションの書き出しになりますが、ストーリーについては一旦置いといて、個人的に注目して欲しい萌えはコレです↓↓同士がいたら是非読んでほしい!!!ハァハァするから。
◉受けが攻めを育てる
挿絵の素晴らしさも相俟ってすっごくキュンキュン!
赤ちゃんからですよ?成長過程が可愛くて可愛くて!
子供の時から両片思い時もずっと同衾してるのがもぅッ///
◉攻めの成長に従いオナニーの仕方を教える
実演レクチャー付き。ゾクゾクする淫靡さに滾ります///
◉長年の主従関係ゆえのすれ違う想い
ッッッッッッッッッッッッッ!!!(←声にならない叫び)
1つ難点があると言えば、少し読んで閉じてハァハァ息整えて、少し読み進めてハァハァして、遅々と進まないw敷き詰められた萌えが最高でした。奈良さんの挿絵がまた最高なんですよ。チビアンリにズキュン∑(゚◇゚///)ドキュン
さてさて。
数奇な運命を抱えた者達が世界の命運がかかった戦いをするチェンジリングシリーズ。アンリ皇子も例に漏れず、妖精王から命を託されています。
アンリ皇子は『世界を糺す力』『壊す力』を平等に持っており、万が一闇に捕らわれてしまったら『壊す力』が強く働いてしまう。18歳まで穢れを持たずに育つことを第一としていました。そうすれば世界の命運を担う1人として力が授けられたハズだったんです。
しかし敵の罠にはまり18歳を目前にしてアンリ皇子は『壊す力』の方向ーーー妖魔になりかけてしまうんですね。そうなった以上、もぅ殺すしかなくなる。オルトが必死に命乞いをして事なきを得たけれど妖魔化は徐々に進んでいます。妖精王に助けを求めるため会いにいく旅に出てーーーと展開していきます。
ルカ・ゼイン・アンリ。世界の命運を握る者達なんですが一体"世界"って何を指すのかな?というミステリアスさはまだまだ感じられます。直接的に害をなす外敵はハッキリしてきたので続編への布石も見られました。人間界・妖精界にとどまらない壮大な展開が予想されワクワクします(商業ベースで読みたいです!編集部様!)
そういえば前作で完全にモブだと思ってた登場人物が敵のキーを握ってて「おまえかよー!?!?(゚Д゚)」って。ビックリ。(読みプロならフラグがあったかもしれないけれど私は裏読み苦手なのでモブ感を信じてた;すっかり欺されたよ…;)
攻め:アンリ皇子は取り替え子で生まれたときからずっと幽閉状態で暮らしているんですね。会うのはアンリ皇子に仕えるオルトとオルト父と乳母ぐらい。国務に出るときは黒いベールを覆って顔も隠して存在はほぼないものとして育っています。
ゆえに世間慣れしていないというか、素直さが強いんです。そんで接してきたのは傅く者相手なので上に立つ者のオーラと自然な振る舞いがTHE・皇子!って感じ。優しくて繊細でいたいけな様がキュ~ンとさせるんですよ(∩´///`∩)
まだ幼い子供が人の気配がすると慌ててベールを被るのが切ないです。部屋に入ってきたのがオルトですぐベールを脱ぐんですが、そのシーンの挿絵で手にギュッと握られたベールを見て泣きそうになりました。(と、同時に、オルトがアンリ皇子の手の甲に誓いのキスをしているのにドチャクソ萌える)
幼いアンリ皇子にとってオルトの存在が全てで。
密かに恋をしながら育っていく姿にめっちゃキュンキュンするんですよー!!!
受け:オルトは心が気高い人です。尊敬する父親の背中を追い、忠誠を誓ったアンリ皇子に全てを注いで大切に大切に育てていました。そんな非常に生真面目な人間が、育てている子供を欲情の対象としてみてしまった時の罪悪感は語るに及ばずですよね。オルトの苦しみ、主従のすれ違い、両片想いっぷりがとにかく切ないのですよ(;////;)
アンリ皇子を必死に守ろうとする姿には心打たれます。それこそ"全てを擲って"なんですよね。前作ではクールな側近の印象がありましたが内に秘めた熱さに人間味があってとても良かったです…!!
そして運命というのは妙なもので。アンリ皇子が半妖魔になってようやく互いが素直になれるというのが皮肉なんですね。長年 日が差し込まない部屋で幽閉状態だったアンリ皇子が日中の広い世界ーーー海を見ることができたのも半妖魔になったからこそ。半妖魔のアンリ皇子とオルトが夕日を見ている後ろ姿が口絵カラーになっているんですが、泣けます。不遇と幸福が表裏一体で2人の恋模様が描かれており刺さりました。
ゼイン×ルカも活躍します…!ラブシーンも有り♡めっちゃカップルカップルしておるwちょっとしたアクシデントでアンリ皇子がルカを傷つけてしまうんですがゼインの怒りっぷりが印象的でした。
他にもまだまだ萌えやストーリー展開の面白い部分があって読み応えがあります。続編絶対きてほしい…!
『チェンジリング~妖精は禁断の実を冥王に捧げる~』のスピンオフ的な続編。
前作に登場した、世界の命運を握る特別な取り替え子・アンリ皇子と、彼を守る騎士・オルトに焦点当てた作品になっています。
前作との繋がりがとても深く、既読の方なら、ここはこう繋がってくるのね!と、納得できる一冊!
裏を返せば、未読の方には分かりにくいかもしれません。
ぜひ、合わせてお読みになることをお勧めします。
お話の流れは、18歳になると妖精王から力を与えられるアンリ皇子を、妖魔堕ちさせる事なく守り抜け!というもの。
が、18歳まであと1時間というところで敵襲にあい、あっさり半妖魔になってしまうアンリ!?
もう、あんぐりです。
その過程がまたエグいのなんのって(怒)
弱味であるオルトを目の前で隣国の王子シベリウスに凌辱され、兵士達には哄笑され、オルトに想いを寄せるアンリは理性を失って……というもの。
オルトのレイプをプロローグから描くんだもん。
もう、冒頭からショックとドキドキが止まりませんでしたよ。
そこから、時間を遡って描かれていくアンリとオルトの出会いから両片想いに至るまでの流れ、ゼインとルカとの合流。半妖魔化したアンリとオルトのその後。
もうこれは、お話の構成、キャラ、言葉選びに至る全てに痺れました。
半妖となり理性を無くしても尚、オルトの言動にのみ反応するところは、それまで築いてきた二人の絆・アンリのオルトに対する深い愛情を物語っています。
そのアンリに寄り添い、名前を呼び、抱きしめるオルト。
ここは、ただただ切なくて(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
アンリは、ツノや牙が生え、まさに異形の姿に変化してしまうのですが、どこか神々しい感じもします。
奈良先生のイラストがまた素敵すぎて、半妖のアンリと布一枚纏ったオルトが描かれたカラーの口絵は必見です!
そして、妖魔化が進む焦燥感、それでもなお愛しいと思う気持ちがオルトを大胆にさせていきます。
セックスによりアンリを慰めるオルトは、快楽と喜悦と罪悪感に満ちていくのです。
それでも止まらない妖魔化に、一同は妖精王に会いに行きーー…と、続きます。
懸命に守り、大切に育ててきた清廉な皇子・アンリに、性的な欲望を抱くようになるオルト。
同じく、守りたいと思っていた大事な相手に欲情するアンリ。
理性で気持ちを抑えようとしても、意志の力では止められない感情が募っていく姿に、萌えと焦れを感じました。
前作同様、攻受の両視点で描かれているため、想い合う過程が詳細で違和感がなく、むしろ納得できたのも作品に入り込めた要因の一つだと思います。
後半は、妖精王とのやりとり、妖魔とのバトル、アンリとオルトの焦れ恋の行方を楽しんで欲しいです^^
凪野先生ですからエロエロなのですが、半妖魔の姿でもオルトを傷付けまいとするアンリの深い愛に感動しました。
また、メインカプのゼインとルカも揺るがない大きな愛を見せつけてくれ、ゼインの溺愛振りにはニヤニヤが止まりませんでした♡
ルカは強いですね。このシリーズは、受けが強くて気高い!
「運命にうち克つ」と表現された通り、運命に勝利するのではなく、苦しみ踠きながら懸命に克服していく成長と尊い愛が見所の素敵な作品です。
新キャラ・エンリケと、オルトの友人・グレイとのラブ♡も期待してます!!
オルトを犯したクシュナの王子・シベリウスは、取り替え子を集め、人為的な妖精の輪を作っているという不穏な情報も……
このシリーズ、まだまだ続きそうですね!楽しみ♪