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hitosaji no koigokoro
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「カップ一杯の愛で」スピンオフです。
今作だけで問題無く読めます。
既読の方は、なっちゃんカップルが結構活躍するので、そちらもぜひお楽しみ下さい。
で、今回、「カップ一杯~」で攻めの友人だったシングルファーザー・竹内が主役の再会もので、年下攻めになります。
個人的に竹内がお気に入りな為、発売をめちゃくちゃ楽しみにしてたんですよね。
もともと可南先生の作品って、根底に優しさや寂しさみたいのがあって好きなのですが、今回もとても優しくてあたたかいお話なのに、ふいに泣きたくなるような切なさもあって、とにかく素敵でした。
いや、大人って、自分から物事を難しくしちゃうんだよな~。
自分の素直な気持ちに従えばいいだけなのに。
ところで私は、過去に囚われて時間が止まっちゃってる系の受けが好きなんですよね。
絶対好きになってはいけない相手を愛してしまって、しかもその相手は亡くなってしまってみたいな。
そんな受けが攻めの深い愛情により、過去の悲しい恋を昇華し、再び人を愛せるようになる・・・。
みたいのに異様に滾るのです。
そんなワケで、宮野のスピンオフをお願いしたいです。(「カップ一杯の愛で」登場の当て馬で、本編には登場しません。)
ザックリした内容です。
バツイチでシングルファーザーの涼太。
友人に手伝って貰いながら仕事に子育てにと励むものの、料理が苦手で日々の食事に困ってるんですね。
そんなある日、会社近くの小料理屋で学生時代の後輩・穂積と再会します。
何かと親子揃って面倒を見てくれる穂積の存在に、安らぎを覚えますが、実は彼を手酷く振った過去があってー・・・と言うものです。
えーと、私はめちゃくちゃ心が狭いんですよね。
で、このパターンのお話だと、受けにムカついてムカついて仕方なかったりするんですよ。
や、一度振った相手にあれこれ世話を焼かせるって、受け、自分勝手すぎじゃね?的に。
まぁそんなワケで、今作を楽しみにしてた反面、竹内がイヤな奴に成り下がっちゃったら嫌だなぁと、若干不安でもあったのです。
が、これ、相変わらず竹内はめちゃくちゃ男前でサバサバしてて、格好いいのです。
いや、意外とアホな事まで分かって、より好きになっちゃったんですよね。
そもそも、過去に告白されて手酷く振った事から、疎遠になってしまった後輩。
この時のセリフが「俺はホモじゃないし、一生ホモにはならない」なんですよね。
そして、告白した事自体を「意味が無い」とバッサリ。
めちゃくちゃ酷いんですけど、実はこれ、涼太なりの思いやりだともすぐに分かるのです。
自分が悪者になっても、相手の為に恨まれるほどバッサリやっちゃって、思いきらせた方がよい、的な。
で、今回、子育てに励むシングルファーザーと、料理人として再会した二人。
終始、受けである涼太視点で進みますが、穂積が試作品の味見として差し入れにやって来たり、手が回らない涼太の為に子育てを手伝ったりと言う形で、二人の仲はゆっくり進展して行きます。
個人的にすごく萌えた部分なんですけど、涼太の丁寧な心情描写、気持ちの変化なんですよね。
愛娘と穂積と三人で過ごす時間に、安らぎや幸せを感じる。
しかし、穂積からは再会時に再び想いを伝えられており、気持ちに答えられない自分は、彼を利用しているだけなのではと強い不安を覚える。
共に居たい。
しかし、彼の幸せの為には、距離を置いた方がいい。
今回、涼太のこの葛藤がテーマとなり、すごく丁寧に描写されて行くのです。
で、これが切なかったり寂しかったりするものの、同時にとてもあたたかくて優しくもあり、めちゃくちゃ萌えてしまう。
いや、結局の所、答えはとてもシンプルなのです。
そんな単純な事に気付くのに丸々一冊使っちゃうって、涼太は意外とアホだったんだなぁとも思うのです。
でも、こうやって、いい年した男が恋でグルグル悩んだりジタバタしてるって、なんか異様に萌えちゃうんですよ。
またこれ、穂積がめちゃくちゃ健気なんですよね。
彼は彼で、恋人になりたいとか、欲望を満たしたいとか、見返りなんかは一つも求めていない。
ただ、好きな人が笑顔なら、それで幸せなんですよ。
そして、彼がそれほど涼太に惹かれる理由と言うのが、またとても素敵なものなのにもグッときちゃって。
うん、すごく感動しちゃうんだけど。
と、とにかくあたたかくて優しくて、とても素敵な作品でした。
ちなみに、本編終了後に、攻め視点となる短編が収録されてます。
(プラス、あとがき後に掌編)
これはもう、ひたすら甘くて悶絶。
穂積が泣くシーンでは、私もジンワリきちゃいましたよ。
『カップ一杯の愛で』のスピンオフです。
前作攻めの友人で、シングルファーザーの涼太が主人公。
前作未読でも大丈夫です。
この作品、攻めの穂積がとにかく献身的でスペシャル可愛い♡
胸がキューっと苦しくなるほど健気で、萌えツボを押されまくりました。
受けの涼太は、前作でのうっかり秘密を喋っちゃうキャラの印象が強かったのですが、本作を読み進めていくうちに良い意味で見方が変わりました。
涼太は素直で優しい……多分、根本はそれです。
高校生の時に友人の弟である穂積に告白された涼太は、酷い言葉で穂積を振ってしまいます。
その二人が数年後に再会したところから始まる、おいしいご飯と切ない恋のお話です。
まず、エリート一家の中で〝バカだバカだ〟と言われて育った穂積が切ない(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
自己肯定感が低いけど、自分の幸せより人の幸せを願える心優しい青年です。
一途な照れ屋で、涼太に尽くしまくる姿には涙を誘われます。
そんな穂積を色眼鏡で見ず、料理人という夢を与えてくれたのが亮太で、穂積が涼太を好きになったエピソードには胸を打たれました。
好きになった理由に、これ程までに納得できた作品はないです。
何度振られても見返りを求めず、涼太とその娘・美空のために尽くす。
突き放されても人知れず二人を見守る穂積が健気過ぎました。
男だからという理由だけで突き放してきた涼太が、ほんの小さな恋心を自覚していく。
恋って、些細な幸せから始まるんだって気付く場面が好きでした。
ここがタイトルの所以なのかな?なんて思います。
おいしい食事と心から好きだと思える相手がいる、それだけで幸せなんだと思わせてくれる素敵な作品でした。
本当は誰より愛されたがっていた穂積が、涼太に愛され、幸せを噛み締めて泣く姿が忘れられません。
いつまでもお幸に……読後はその想いに尽きます。
前作より断然好きでした。
「カップ一杯の愛で」スピンオフ作品のこちら。
「カップ一杯の愛で」が大好きだったので、なっちゃん達の姿も見れて嬉しかったです。
受け様はシングルファーザーとして頑張ってる涼太。
攻め様は、涼太の学生時代の後輩であり、1度は涼太にこっぴどく振られた事のある穂積。
穂積の働く小料理屋「タキカワ」へ涼太が食事に来て再開。
料理が苦手な涼太が、愛娘の美空の為に穂積に料理指南を頼み、NYへ研修へ行った夏生とついていった敬一郎が留守の間の、美空のベビーシッターもお願いすることに。
見返りを求めることなく、まさに無償の愛でもって涼太と美空親子に接してくる穂積。
涼太の家からの帰りしな、涼太の家の部屋をじっと1人眺める穂積の姿が切ないなぁ。
小さい頃から、家族や周囲の人から『バカ』扱いされてきた穂積にとって、自分が作った料理をおいしい、すごい、と認めて褒めてくれた涼太の存在があったからこそ今の料理人としての自分がいる。
差し出すだけで、受けとる事を考え付きもしない穂積が、なんとも切なくて切なくてきゅんの嵐。
涼太は率直すぎる所もあるけど、基本優しくて愛情深い。
腹をくくったら潔かったしね。
帯の言葉にきゅんでした(*´ω`*)
人の幸せを見るだけで幸せ、と思ってた穂積が、自分だけの唯一の幸せを手に入れる事ができてよかったo(*⌒―⌒*)o
書き下ろしでは、自分の為だけに作ってもらった愛情いっぱいのオムライスを前に、涙する穂積。
よかったね〜、ともらい泣きです。
そうそう、作中においしそうなお料理がたくさん出てきて垂涎ものでした。
私も「タキカワ」に食べに行って穂積の作ったおかずを食べたい。
イラストは、カワイチハル先生。
かわいくて、大好きなので、それだけでテンションあがるのですが、今回は受け様じゃなく、攻め様の穂積のかわいい表情がとっても魅力的でした。
お久しぶりの新刊!!
しかも私の大好きな「カップ一杯の愛」のスピンオフ。
もう嬉しくて嬉しくて電子の発売日が待ち遠しかったことよ!!
新刊ポチって真っ先に目を通したのは、あとがき。
HPも長らく更新されていないので、可南さんがお元気なのかそこ知りたくて。
けっして筆を折ったわけではなさそうなので、そこでまず一安心。
そして大好きな敬一郎×なっちゃんカプがちらちら登場するので、そこがめちゃくちゃ嬉しかったー。
敬一郎の愛がますます重いことになってて、めちゃいい感じ(笑)
さて今回の主役の竹内。
あんた、美人さんだったんだね、と。
「カップ一杯〜」では、妻と離婚して男手一人で娘を育ててるシングルファーザーという完全ノンケゆえ、竹内にスポットが当たるとか全然思ってませんでした。
スピンオフが出るとしたら、敬一郎の過去の相手である宮野かなと思ってたので。
そんなノンケの竹内が男を愛するようになるまでなんだけど、竹内がなかなか落ちないんだ、これが。
もっとも高校生の頃からの夢は「料理上手で美人な嫁をもらって云々」であり、攻めの穂積の告白を容赦なくぶった斬った過去もある。
と、ノンケの壁がかなり高いので、簡単になびかなくて当然なんですね。
そんな竹内の心情と変化を丁寧に描いていたのでノンケ→男OKの趣旨替えに違和感を感じませんでした。
なんならもっとさっさと男前的に受け入れてくれても良いのよと。
そして穂積の思いに応えられないくせに、その好意だけを利用してるかのような自分が許せない竹内、いい人だなと思いました。
(だけど告白するときの遠回り感が、あまり好きじゃなかった。)
可南さんって「たまらない!!」って気持ちにさせてくれる達人だと思うんです。
この穂積がまさにそれ。
せっせと竹内親子にご飯を振る舞うのだけど、下心皆無で見返りを一切求めない。
好きな人が笑顔でいるのを見てるだけでいい、幸せでいてくれればそれでいい……みたいな。
そのあまりの無欲さにたまらんっっっっ!!!!となります。
とにかく穂積が良かった。
そして、そこまで穂積が無欲だった理由を知ると、それがまためちゃくちゃ切なくて……。
受けに密かに恋い焦がれてるんだけど、手に届かない存在だと眺めているだけの攻めの心情を書かせたら、可南さんはピカイチだと思うんです。
「カップ一杯の愛で」「左隣にいる人」の後半の攻め視点とか、とにかくたまらん!!なので、この作品も後半、絶対に攻め視点来ますよね!!!と。
なので後半の【スプーンいっぱいの愛情】は期待通りの攻め視点で、これまたなんとも良かったです。
ーーーーー
NYへ行った敬一郎×なっちゃんカプを妄想しました。
通訳みたいに常に付き添えるわけじゃないから、渡航前に二人で英会話レッスンとかしたのかなぁとかあれこれ妄想膨らみました。
「じゃあ、家でも出来るだけ英語で話して慣れようぜ!」みたいな感じで。
だけど、愛を囁くときは絶対に日本語しか使わない敬一郎。
「そこは英語じゃねーんだ」となっちゃんがツッコむと
「ナツさんはこういうときの英語を覚える必要はありません。相手は私しかいないんですから。それに誰かに口説かれたとしても理解する必要もありませんし」とか言っててほしいわぁ。
もうなんて一途で健気で一生懸命で何も望まず無償の愛をくれて、穂積に泣いちゃうよ!
途中までは涼太が、穂積がここまで好きでいる相手として相応しいかなあ?と穂積に肩入れしすぎて考えてしまいましたが…。
でも穂積視点では納得しました。
涼太だけが唯一の人なんですね。そしてずっと想い続けて。再会してからも穂積は何も見返りを求めず、自分にできることを差し出して。
涼太が納得しないのも、誠実に向き合ってくれて好感が持てました。
穂積が欲しくてたまらなかった温かい家庭のぬくもりや、自分の作った料理を美味しいと幸せそうに食べてくれる大好きな人。
涼太、早く穂積を好きになって!と祈りながら読みました。
リンク作のカップルの話を聞いて、やっと涼太が自分の気持ちに気が付いて…。
お互いに世界一可愛いって最強だな!
性欲なんて自分にはないと思ってたのにがっつく穂積が良かったなあ!
穂積の一人で抱えてきたハンデの辛い過去も、頑張ってきたこれまでも全部受け止めてくれる涼太も良かった。
これからは穂積を甘やかしてあげてね!でもちゃんと穂積のことも立ててあげてね!
ただただ好きでいる、何も求めないし叶うとも思ってなく、それでも好きな気持ちを大切に抱えてきた穂積。
大好きだー!
「カップ一杯の愛で」スピンオフです。
スピン元(敬一郎×夏生)が未読だとまったく理解出来ない!というほどではないと思うけれど(あくまで既読の者の想像の及ぶ範囲で…)、そこそこ登場してはがっつりノロケてくれるので気になってくるかも…?興味があればセットで読むと尚良しかなーと思います(﹡´◡`﹡ )
今作は敬一郎の友人・竹内が主役。シングルファザーで周囲に助けられながらも仕事に子育てに走り回るパパさんの再会ロマンス♡です。個人的にめちゃくちゃ刺さったのは健気年下ワンコ攻め…!!!あまりのいじらしさにめっちゃキュンキュンしました(;///;)
竹内が36才で攻めの穂積が3才下とあったので30代同士の恋になりますが、大人のメンズラブというよりは10代のピュアな恋のような眩しさ+゚。*なんですよね。大人の青春といった感じでニヤニヤと楽しみました。とっても面白かったです…!
さてさて。
受け:竹内は「幸せな家庭」に強い憧れを持っていました。結果奥さんとは離婚してしまったけれど愛娘・美空を溺愛しながら奮闘するパパさんです。しかし大抵のことは友人・敬一郎の手助けもあってやってこれたけれど、料理だけはどうにも上達しない。加えてお弁当をもう少し華やかに…と助言されてお手上げ状態。
そんな時にランチで入った小料理屋で穂積と再会します。
攻め:穂積は小料理屋で働く料理人です。幼い頃は引っ込み思案で部屋の隅っこで小さくなって兄や兄の友人が遊んでいるのを眺めているような子だったのですね。兄の友人として遊びにきていた竹内は穂積を気に掛けてくれて、穂積は竹内に淡い恋心を抱いていました。
子供時分、穂積に告白された竹内は酷い言葉で詰って振りました。10年以上経っての再会は手放しで喜べるような関係ではなかったのですね。しかし穂積はなにもなかったかのように再会を喜んでくれる。その上料理がお手上げ状態の竹内を助けてくれる。過去に酷く傷つけた上に穂積の好意に対して返せるモノがないと竹内は悩みーーーと展開します。
次から次へと美味しそうな料理が並ぶからよだれが…腹が…竹内が心底羨ましいぞ(›´ω`‹ )というボヤキはさておき、過去のいざこざは竹内が憎い!!けれど家庭に憧れてた理由を知ると…ううう何とも言えない…。でも振り下ろした言葉のナイフはかなり鋭かったからキツイわ…。思春期に好きな相手から言われたら一生の傷やん…。それを乗り越えた穂積エライ…。
割と序盤でそれが明らかになるので竹内を好意的に見ることが出来ず、穂積を泣かせるな~泣かせるな~と念じながら読んでいました。竹内は心から反省してるし謝罪もしたし、若さ故の過ちがなんとも苦かったです。
で、物語が進むにつれ出てくるのは穂積の健気っぷり…!!!「竹内先輩大好き!」を全身で表しながら尻尾ブンブン振ってる犬にしか見えないw竹内の一言一言にパッと喜んだりシュンとしたり一喜一憂するのが可愛くて可愛くて(∩´///`∩)年下ワンコ攻めスキーには堪らないほど萌え要素が詰まってました。
とにかく一途!一途!一途押しの健気ワンコがめっっちゃ良かったです…!穂積の愛はただただ純粋に相手の幸せを願って、自分に出来ることを与えるだけなんですね。あまりに健気でウルっとくる…。子供時代に竹内と過ごした時間も、穂積にとっては心が救われてキラキラした宝物のような時間で。いろんなエピが出る度にいじらしくていじらしくて切な可愛いが過多(;///;)
個人的に印象が強かったのは、竹内の家を出た穂積が道路から竹内の部屋を眺めているシーンです。なんだか切なくてキュンキュンしました。穂積も家庭の団欒とは縁がなかったクチなんですね。子供時代には互いが気付けなかった・他人に打ち明けられなかった部分は大なり小なり共通しているところがあって、再会した今だから・大人だから出来る気遣いや包容力で心を通わせジンワリ温かいものが広がりました。
竹内が自分の心を素直に認めたあとはもうニヤニヤしましたね~!大人の初恋のような不器用さで、一度受け容れたら懐が広い受けって感じで良かったです。そして脇役で度々登場する敬一郎×夏生。上にも書いたけれどしっかりノロケてくれますw幸せそうな姿を再度見られてとても嬉しかったです。
いやぁ、もうどうされていたのかと! まさか筆を折ったとか……と心配しておりましたが、新刊が出て本当に嬉しいです。
「カップ一杯の愛で」が好きすぎて、5回くらい読みましたがその二人が出てるだけで幸せでした。
内容は、あれ?読んだことある……と思ったら、雑誌で読んだのでした。(小説ディアプラスは好きなんですが、分厚い雑誌を読むのがしんどくなって買わなくなりました)
いやはや、涼太くんの愛が受け入れられて本当に良かった! これから、もっと甘えられるといいね。もっとイチャイチャしてるのも読みたかったなーーー。
あと、カワイチハルさんのイラストがめっちゃ好きなんです。今回もたまらなくよかったです。
わりといい年をした男たちが恋愛でぐるぐるする、ファンタジー方向に振り切った日常BL。挿絵の雰囲気にぴったりの少女漫画系のお話だった。ここまで潔くリアリティを切り離してくれると、そういうものとして楽しめる。
別作品のスピンオフだが、知らなくても問題なく読めると思う。
子育てものの要素もあるが、主人公の竹内が終始恋愛脳なため、話の中心はずっと恋のもだもだという感じ。攻めの穂積は何も望まない初恋をずーっと続けており、竹内に聖人扱いされるほど。竹内の前で見せる初心さは女子中学生か?ってくらいの分かりやすさだった。
このお話、年齢を忘れて読むと可愛く思え、もうこの攻めを堪能できるだけで神作品!と思える。だが三十三歳なのか……と思ってしまうと、穂積の中の時間の止まりっぷりが心配になる。たまに精神面の未熟さが見えたりするので余計に。
ここもファンタジーにして、年齢ははっきり書かずにぼやかしてくれると没頭できたかな。もしくはもっと若くするか。竹内にしても、思考がバツイチ子持ち三十六の男のものじゃないし。心理描写にうっすら言い訳じみた自己弁護を挟んでくるのはいただけないが、ちゃんと反省もあって良かった。
ストーリーはあまり印象に残っていない。問題提起のフリが長く、次の展開が読めているのになかなかそこに辿り着かない書き方がちょっと苦手。まああまり個々のエピソード自体は重要じゃないのかも。
大きな出来事が起こることはなく、なんとなしに進む中でキャラを追い、萌えを補給していく。一途に竹内だけを思い、頬を染めヤキモチを焼き健気に尽くす攻めが好きなら堪らない。
全体的にキャラ萌えを楽しむ作品という印象だった。確かどこかで竹内も穂積に萌えていたはず。燃えるんじゃなくて萌えるんだ!?と笑ったような。キャラを好きになれると、すごく楽しく読める。
穂積ほど可愛い攻めはなかなかいないんじゃないかな。年齢が引っ掛からなければ神だった!なんで気付いてしまったんだろう…
挿絵も可愛くて好き。表紙の細かなタコさんウィンナーのこだわりも良い。お腹が空く描写もたくさんあるので、夜に読むのは危険かも。
健気受けという言葉は良く聞くけど、健気攻めという言葉はあまり聞いたことがありません。
穂積(攻め)が、もう一途で一途で…。20年ほど涼太を想い続ける健気オブ健気。健気攻めです。
兄の友人だった涼太に恋をして、告白するもこっぴどく振られ、再会して距離が近づいたところで牽制をかけた涼太にまたしても振られ、それでも涼太を諦めることなく好きで居続ける……何という一途さ。好きなだけでそれ以上を涼太に何も求めない、側にいればそれだけで良いって。ヒェ〜!聖職者かよぉ。。。悟りを開いてんじゃないかなって。
イケメン料理人で女性客からキャァーって言われてるのに、想い人の涼太にしかベクトル向いてないんです。……推せる。
涼太は男と恋愛なんか無理だとキッパリ言い切ってたのに、フフフ…。穂積に惹かれて陥落させられていく様は面白かったです。穂積への傷付くような言動は、はぁ?何なん!?って感じでしたけどね。好きになるのに性別は関係ないんだって、身をもって分かったみたいです(笑)
両想い後は、涼太の方が穂積に可愛い可愛い言っていて随分と惚れ込んでいる印象です。自分の気持ちに素直になるのは良いことだ^ ^
穂積の難読症のエピソードと家族との関係には、思わず涙ポロリしました。小さいときから家族にバカバカ言われて、家でも所在ないってかなり辛い経験です…。そんなときに涼太だけが穂積のホットケーキを褒めてくれて、涼太への恋心が芽生えました。穂積の心の支えであり、人生を変えてくれたのは涼太だったんです。
涼太の振り方は気持ちの良いものではなかったけど、穂積にとってはそれでも涼太は大好きな人。否定され続けて生きてきた穂積の人生に明るい光を与えてくれた存在の涼太と、長い長い片想いが報われて恋人同士になることができたことは、何よりも嬉しかっただろうな^ ^♪
涼太の娘・美空と3人で楽しく暮らしていく図が想像できます。表紙の素敵な絵にも表れていますね!
ちょっと切なく、でもほんわか。美味しそうな料理がたくさん出てきて、とても温かい気持ちになりました^ ^
穂積、君ってやつは…!
攻めの穂積が健気かわいすぎてこちらの評価になりました。
カワイチハル先生が描く穂積がこれまたすごくかわいいんだ…攻めの泣き顔に萌える。
涼太と涼太の娘・美空ちゃんと穂積によるほのぼのお料理シーンや、胃袋をがっしり掴んでくれるおいしそうな料理の数々も良かったのです。
しかしながら、こちらの作品のどこが1番良かったのかといえば、やはりなんといっても穂積。穂積しかないでしょう。
聖人のような健気受けは数あれど、ここまで何も求めずに無償の好意を受けにそっと送り続ける攻めはなかなかいないのではないでしょうか?
穂積があまりにも健気で一途なものですから、なぜ最悪の振りかたをした涼太のことをこんなにも好きで居続けられるのかと疑問で仕方がなかったのです。
もう、もう、理由が判明し頭を抱えましたよ。
思わず抱きしめてあげたくなる攻めランキングがもしあれば上位に入ること間違いなし。
健気に尽くしている自覚がないうえに、自分がなにかを得るなんてことを考えてすらいない人です。
一緒に過ごせるだけで、会えるだけで幸せなんですよ…こんな攻め愛さずにはいられんってもんです。
ほぼ受けの涼太視点で進むお話でしたが、終始穂積に肩入れをして読んだ作品でした。
そんな切なかわいい健気攻めの図はツボにサクッと入ったものの、受けの涼太はあまり刺さらずだったのがちょっと残念。
なんだろうなあ…性格や人間性うんぬんではなくて、どちらかというと子育てに関して無計画というか、考えなしというか…
周囲の人々に頼りすぎていて、これは人に頼らなければとても暮らしていけないのでは?と、なんだかなあと感じてしまったのが大きかったのかも。
穂積のことを振り回しすぎなのも気になったかな。
娘の美空ちゃんも愛らしい良い子なだけに、もう少し涼太の良いところを早めに見たかったですね。
穂積視点だと良さが伝わってくるんですけどねえ。