あんたの先生の性癖、教えてあげようか?

アンダースキン

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アンダースキン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×27
  • 萌10
  • 中立6
  • しゅみじゃない3

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レビュー数
3
得点
104
評価数
34
平均
3.3 / 5
神率
23.5%
著者
有木映子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784796413732

あらすじ

「先生来ないなら、あんたが相手してよ」

自殺に追い込まれた父と死んだ母の復讐のため、5年かけてようやく黒幕である議員の愛人になった晃。

しかし秘書の弘瀬にその思惑を感づかれてしまう。

ある晩、議員と会うホテルに向かうとそこには弘瀬が…。

復讐のためにと晃は弘瀬をベッドへ誘うが、思わず涙をこぼしてしまう。それを見た弘瀬にそっとキスをされて――?

表題作アンダースキン

29歳,議員秘書
19歳,議員の愛人

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数3

ほの暗い復讐劇

淡々としていて、終始低温のまま進む復讐劇。
甘いお話ではないです。どちらかと言うとビター。
少しのダークさとシリアスさが混ざったお話でした。
ストーリーも悪くなく、お話として面白いです。
ハッピーエンドでもあると思うのですが、甘さがないからか、ややひんやりとした読後感。
WO◯OW系のドラマのような、ほの暗い雰囲気といった感じでしょうか。

議員秘書である弘瀬が不思議なキャラクターなんです。
仕事はきっちりとこなしているものの、感情の起伏があまりないというか、何を考えているのかが読めないとてもミステリアスな人。
秘書として仕える議員・河田に対してもそこまでの情は感じられない。
かなりドライな人物かなと思います。
そんな彼が何故か目を離せない、河田の愛人である青年・晃。
過去に自殺に追い込まれた両親の復讐をするべく、その原因となった河田の愛人の立場に収まる晃。
薬漬けになってまで憎い河田と身体の関係を持ち、週刊誌に情報を売るために行為を記録し続ける。
もう捨てるものがないからか、非常に冷めた目をしていて痛々しいんですよね。
河田との関係を利用しようと画策している事を弘瀬に勘付かれ…と進むのですが、なんとこちらの作品、復讐ものだけではなく再会ものとなっています。

当時まだ中学生だった晃と、晃の父親の元へ通っていた弘瀬には面識があったというもの。
弘瀬は、当時からまだ代議士時代の河田の秘書として仕えていたようなので、晃にとってみれば結果的に両親を死に追いやった憎しみを抱く対象の1人なのです。
晃の正体を知り、記憶の中の過去の晃を思い出し、現在の驚くほど復讐には向いていない虚勢を張ろうとする痛ましい姿を見ては、同情ともあわれみでもなく、劣情めいたものを抱いていく弘瀬。
一方の晃も、復讐のためだけに生きてきたはずが、憎むべき相手・弘瀬を憎みきれず、河田への復讐心も次第に揺れ動き始める。
晃が、あの事件さえなければどこにでもいる普通の男の子でいられたんだろうなと思えるほど、あまりにも復讐には向いていない、心を殺しきれていない不安定な男の子なんです。
弘瀬は晃のそういう面を見てぐちゃぐちゃとした気持ちになったのかななんて考えたり…
うーん、これ、弘瀬の気持ちがすごく分かりにくいんですよ。
分かりにくいのですが、晃に対してだけ歪んだような、特別な感情を抱いているのは伝わるんです。
晃は晃で、弘瀬に対しての気持ちがなんなのか分からなくなっていく。
この2人の間にあるのは愛情なのか、それとも執着なのか、依存なのか。
それは読み手の受け取り方次第かもしれません。
憎しみと愛情は、執着という面では似たものなのかもしれないなと感じます。

攻めからの直接的な愛情表現や言葉がないとすっきりしない!という方は物足りなく感じるかもしれません。
ただ、この作品の雰囲気であまりベラベラと愛の言葉を口に出してしまうと、弘瀬というキャラクターがブレるというか、らしくない気がします。
その後の描き下ろしではほんのり甘さが見られるので、個人的にはこのくらいの分かりにくさが丁度良いのではないかなと。
しっとりとしたほの暗さが魅力的な作品でした。
言葉に出来ない複雑な関係性がお好きな方におすすめの作品です。

1

サスペンス仕立て

男性好きな議員の秘書を努めるイケメン、弘瀬。冷たくて感情をあまり出さず、本気で人を好きにならないという設定。
一方、その議員の愛人(もちろん不倫)をしている晃。実は晃と弘瀬には因縁があり、晃は弘瀬に復習するためにここまで来たという設定があります。

昔は太っていて紙もながく、ひきこもりだった晃。しかし弘瀬を落とすために美しく成長する。

一方の弘瀬も、同僚の女性とも関係がありそうなやさぐれ感がありながら、晃には執着します。

最後、このドロドロした関係を浄化する流れが少し弱かったかなーと思いますが、好きなサスペンステイストなのでちょっと甘めの評価です。

0

共依存のような関係

仄暗くてビターなお話でした。
感情が複雑に絡み合っていて…難しく感じましたが晃と弘瀬2人はこの関係がピッタリなように思えるカタチだと読み終わった時に思いました!

とある議員への復讐のために、自身を犠牲にして愛人をする晃。未成年である彼が議員に近づくには身体を売るしかないのが手を組んでいる記者との会話で切なさと結局は良いように使われているようで…悲しかった。

晃が中学生の頃に、初めて出会った家族以外の大人が弘瀬で、そして他人から食事を奢ってもらったのも弘瀬だったという思春期での出来事は、晃にとって全てが「初めて」で心を動かされた出来事だったのかなと思いました。でも、父親を自殺に追い込み葬儀に現れた弘瀬が別人のように冷たい人に絶望と憎しみを抱えるようになり忘れられない人物になったのだと回想でわかりました。

弘瀬の方は、分かりづらい人だなと感じました。
最初は晃のことも忘れていて、思い出しても自分の仕事が面倒なことになるのが困るからって感じで、冷たい人だなと感じました。
晃が薬を飲んでまで体を削って復讐する姿を知ったあとからの弘瀬が表情は全く変化ないし温度も感じないのですが、晃を気にする様になっていたり何かを感じている変化は伝わってきました。

お互いに気にせずにはいられない存在…共依存のようなものを感じました。
書き下ろしで2人の間に、好きという感情があって少しずつ変化しているのが良かったです!
弘瀬は相変わらず分かりづらい人だ…。
でも、しっとりとした静かな作品で好きな作品でした!

0

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